第一話「さくらと魔法使いの少年」



春 さくらこと木之本桜は中学一年生になっていた、桜は自分の部屋で寝ており夢を見ていた。
夢の中の景色は、桜が知らない景色で近くに大きな数百メーター級の木が立っている。
そして、桜が夢の中でその景色の中を歩いていると桜はあることに気づいた。
自分の横を見ず知らずの外国人の男の子が歩いているのである。

「あれ・・・この子誰だろう・・・」

桜が夢の中でそう思った瞬間声が聞こえてきた。

「さくらー・・・朝やでー・・・はよおきな遅刻するでー」

桜がはっ!・・・と目を覚ました。
桜が目を覚ました瞬間桜の目の前に黄色いぬいぐるみがめちゃくちゃ顔を近ずけていた。
その瞬間桜が驚いてベッドから飛び起きた。

「ほ・・・ほぇ〜〜〜!!!」

桜が飛び起きた反動で、そのぬいぐるみは机まで吹き飛ばされた。

「痛―・・・桜いきなり飛び起きるなや」
「あっ!・・・ごめんケロちゃん」

吹き飛ばしたぬいぐるみはケルベロスであった。

「こんなむっちゃかわいいわいが起こしたったのになにビックリしとんのや!」

ケルベロスは桜に近寄った。

「ちょっと夢を見てて・・・」
「どんな夢を見てたんや?」

ケルベロスが質問するとさくらが答えた。

「えーーっと・・・忘れちゃった。」

桜のその一言にケルベロスが大きな声で突っ込みを入れた。

「なにやてー!何でいっつも桜は分の夢を忘れるんや。桜みたいに魔力の強いもん
の見る夢は予知夢かもしれんから今まで何回もちゃんと覚えとくようにって言っといたやろ」

ケルベロスの突っ込み&小言に桜は言い訳をした。

「だって・・・ケロちゃんがいきなり起こすんだもん」
「いきなり起こすんだもん・・・ってわいは桜が学校に遅れないように起こしたんやで」

ケルベロスはそういうと、ひとつ物事を忘れている事に気が付いた。

「そういえば、桜学校の仕度ええんか?」

その瞬間桜も気づき、時計に目をやるとヤバイ時間になっていた。
それはもう本当にヤバイ時間で桜以外だったら100%遅刻するだろうなぁと言う時間であった。

「ほぇー!・・・遅刻するー」

桜はすぐに友枝中(あるかどうかは知らんが多分あると思う)の制服に着替え鞄を持ち階段を駆け下りて台所へ向かうともうすでに一人の男がゆっくり朝食を取っていた。

「今日も寝坊か?」

男はカップに入ったコーヒーを飲みながら桜をみた。

「お兄ちゃん」

男は桜の兄である木之本桃矢だった。

「お前は中学生になっても寝坊癖が直らんな」

桜は急いで朝食を食べながら答えた。

「お兄ちゃんこそそんなにゆっくりしていて大丈夫なの?」
「大学は今日2時間目からだ」
「そうなんだ。・・・うん・・・っよしっと」

桜は朝食を食べ終わり鞄を持ち玄関へ行き「行ってきまーす」と家を出て学校に向かった。
桜が家を出た後桃矢は「怪獣」と一言漏らした。
その後家を出た桜は履いているローラースケートで学校へ急いだ。
そしてローラースケートで急ぐ桜が桜並木に差し掛かると桜は咲いている桜に見とれ「わあー・・・桜が満開だよー」とうきうき気分になった。

―――実際ローラースケートなどで道路を走ってはいけません―――

桜並木を走って月峰神社を通りかかった桜はいつもは感じない不思議な魔力を感じた。

「な・・・何か魔力の気配がする」

桜はその感じた魔力が何かを調べたかったが今は「でも学校へ急がなきゃ!」と思い、今のところはその場を後にした。
学校に付いた桜は何とかチャイムが鳴るまでに教室に入り、何とかHRに間に合った。
間に合った桜は大道寺知世とあいさつをし、今日月峰神社で感じた不思議な魔力の気配のことを話した。

「そうですか。それではその魔力が何であったか調べる必要がございますね」
「それでは今日の夜にでも調べに行きましょう桜ちゃん。・・・近頃クロウカードも全てさくらちゃんカードになり私が作ったさくらちゃん用のコスチュームの出番がめっきり無くなってしまっていましたが、今日ようやくそのコスチュームを着ていただく機会がやってきましたわ」

桜の不思議な魔力の気配の話で知世はテンションが上がり、気がついたころにはもう知世は自分の世界に浸っていた。

「あの先日おつくりしたコスチュームを着ていただきましょうか・・・、いやあのコスチュームもすてがたいですわ・・・etc」
「と・・・知世ちゃん・・・(汗っ)」

もう自分の世界に入った知世にはもう桜の声が聞こえなくなっていた。
この後、授業も始まり、桜と知世は普通に一日を送り、夜になるのを待った。


それから夜になり、桜は知世とケロちゃんとともに月峰神社に向かった。
月峰神社に着くとあたりは真っ暗で、風の音や木が風で揺れる音以外はあたり一面シーン・・・と静まり返っていた。

「ほええ・・・やっぱり夜の神社は何かが出そうで怖いなあ」
「何ゆうてんねん桜はカードキャプター何やで、何で幽霊なんかが怖いねん」
「やっぱり桜ちゃんは超絶かわいいですわ。それと今回のコスチュームは魔法少女
のアニメを参考にして作りました名づけて『これが本当の魔法少女コスチュームですわ』です」
といいながら知世は怖がる桜とケルベロスが話している横で桜をビデオで取っていた。

その桜の姿は、今までのものよりかひらひら部分が多くこんな姿で普通戦えるの?服が邪魔にならない?ってほどにひらひらに覆われていた。

「さて、そろそろ不思議な魔力について調べるか」

ケルベロスがそういうと桜は、不思議な魔力がどこからの物か神経を集中し、目を閉じて感じた。

「ざあー・・・」

桜が目を閉じると耳から風の音・木の音・神社の鐘が揺れる音が聞こえる。
桜はだんだん神経が研ぎ澄まされていき聞こえる音が小さくなっていく。
やがて音は聞こえなくなり、1つの不思議な魔力が一点で感じ取れるようになって来た。

「見つけた!」

桜は不思議な魔力が何処からの物か感じとった。

「ケロちゃん・・・あそこから一番大きな魔力の気配がする」

桜は魔力の方向に指を刺した。
桜が指を刺した方向には月峰神社の御神木があった。

「やっぱりまたこの御神木か」

ケルベロスがなぜまたかと言ったのは、月峰神社の御神木には力があり今まで桜は二回その力で過去にタイムスリップをしていたからである。だがその時はクロウカードのリターンのカードの力もあり、過去にタイムスリップしたのであって今回はなぜ急に不思議な魔力が感じられるようになったかはまだわからない。

「なんなんやろ・・・この魔力」

桜達は考えながら近づくと桜が御神木に触れてみた。

「きいつけりいなさくら・・・なにが起こるかわからんから」
「うん」

桜が返事した瞬間不思議な魔力が大きくなり木が光出した。

「ほっ・・・ほえぇーーー!」
「さくらーーー!」「桜ちゃん!」

桜は叫びケルベロスと知世が桜を呼ぶとケルベロスが真の姿になり桜と知世を守るように羽を広げた。
だが、御神木の光はますます大きくなりケルベロス達を覆うとケルベロスは借りの姿に戻り桜達の意識は無くなっていった。

意識がなくなった桜は気がつくと朝に見た夢と同じ夢を見ていた。大きな木の前で外国人の少年と歩いている夢だった。
桜が夢を見ていると朝同様声が聞こえてきた。

「桜ちゃん」「さくらー!」「起きてくださいませ」

桜は自分が寝ていた事に気づき薄っすらと目を開けると、目の前に知世とケルベロスが寝ている桜を覗き込んでいた。

「知世ちゃん」

桜が起き上がると知世は安心し、ほっと溜息をついた。
その語桜は辺りを見回した。そうすると桜は自分達の周りの異変に気づいた

「知世ちゃん・・・ここどこかな?」

桜が知世に聞くと「私にもわかりませんわ」と言った。
桜達のいる場所は原っぱであり、目の前には夢に出てきた大きな数百メーター級の木が生えていた。
桜はこの木を見て「どこかで見た事がある。」と一言こぼしたが、夢の仲で見たと言う事は忘れていた。

桜の一言に「どこで見たんや?」と聞いたが桜は「分からない」と返しケルベロスは「ここはほんまにどこなんや」と溜息を吐いた。
桜達がキョロキョロ辺りを見ていると、一人の女の子がいきなり現れた。

「侵入者かと思って来てみればこんなガキ二人か」

現れた女の子の姿は髪の毛は黄色で10歳ぐらいの外国の女の子であった。
桜達はその女の子に気づくと話しかけた。

「あの・・・ここがどこだか分かりますか?」

桜が少女に問いかけると少女が面倒くさそうに答えた。

「お前達・・・ここがまほら学園だと知らずに進入してきたのか?」
「はい・・・気がついたらここにいたんです」

桜が答えると少女は考えた。
気がついたらここにいたってどういうことだ?・・・まあ私には関係が無い事だし面倒だから帰るか。
考えると少女はいきなり後ろを向きその場を去っていった。
少女がその場を去るとき桜は他に質問しようとはしたが、「自分達の事は自分達で何とかしろ面倒くさい」と無視していた。
少女が去った後ケルベロスは少女の態度に怒り、桜と知世は少女の残した「まほら学園」の意味を考えていた。

「なんなんやあの小娘は(怒!)」
「まほら学園とはどう言う意味でしょう桜ちゃん」
「学校とかじゃないのかな」
「まあ・・・フライのカードでも使って辺りを見回したらどうや」

ケルベロスが怒りを抑えて言うと桜は封印の杖を使い桜カードを服の中から出しそのカードを使った。

「フライ!」

桜がカードを使うと、桜の背中から羽がでてきて桜は宙に浮き上がった。
浮き上がった桜は知世にその場に待っててもらい、ケルベロスとともに上空数百メーターくらいに上がり、辺りを見回した。
辺りを見回すとすごい景色が桜の瞳に入り込んできた。

「わあー・・・すごい景色」

桜の見える景色には、桜が居たところに生えていた大きな木とヨーロッパ風の大きな学校と湖の真ん中にある大きな建物があった。

「本当にここは学校みたいやな・・・外国かなあ?こんな景色日本にはないで」

ケルベロスがそう言うと二人は学校みたいな建物に向けて飛んだ。

「でも今の女の子は日本語をしゃべっていたよ」

桜がケルベロスの方向を向いてしゃべるとケルベロスはいきなり大声を上げた。

「桜あぶない!」

桜が前を振り向くとその瞬間何か人のようなものとぶつかった。

「ドシーン!」

桜が人のようなものとぶつかるとそのショックでフライの魔法が解けて桜が落下した。

「ほっ・・・ほえーーー!」

そして猛スピードで落ちる桜に男の子の声が聞こえた。

「危ない!」

その男の子の声の主は何か杖に乗って落ちる桜に追いつき落下する桜を助けた。

「すみません・・・少し余所見をしていたもので」

桜は桜を助けた声の主を見るとその声の主は外国人の男の子であった。

「い・・・いえ、私も余所見をしていましたから」

桜は言葉を返した瞬間自分を助けた外国人の男の子が夢に出てきた男の子だという事に思い出して気づいた。
桜は気づいたその瞬間男の子に名前を聞いてみた。

「あの・・・名前はなんていうんですか?」

男の子は桜の問に普通に答えてきた。

「僕の名前はネギ・・・ネギ・スプリングフィールドです」

桜は少年の名前が分かると自分の名前を答えた。

「わ・・・私は木之本桜と言います」

二人の会話は普通の自己紹介になっていた。

<第一話終>


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