第八話『さくらとハルナの漫画工房』
春・・・それは桜が咲く始まりの季節であり終わりの季節でもある。 桜は今日知世とともに部屋で普通に過ごしていた。 ケロちゃんはTVゲームを夢中でしており、桜と知世はケロちゃんの後ろに座ってTV画面を見ている。 「うっしゃ〜!・・・今度こそボスを倒したるで〜」 「ケロちゃん・・・ゲームをするのは良いけどもうちょっと声を落として誰が聴いているかわからないんだから」 「そんなことぐらいわかっとる・・・今は話しかけんな」 「本当にわかってるの・・・」 その時桜と知世の部屋のチャイムが鳴り出した。 「ピンポーン!・・・ピンポーン!」 「はーい!・・・」 「こんな時間にどなたでしょう?」 「ケロちゃん・・・ちょっとぬいぐるみの振りしていて」 「なんやねんな・・・いいところや何(怒)」 ケルベロスはゲームの停止ボタンを押しぬいぐるみのフリをし始めた。 そして桜と知世が玄関に向かいドアを開けると目の前に息絶え絶えののどかと夕映がいた。 「はあ・・・はあ・・・桜さん・知世さん・・・少し匿って下さいです」 「どうしたの夕映ちゃん・のどかさん」 「説明は後でするです・・・とにかく中に・・・・」 そういうと夕映とのどかは桜と知世の部屋に入って行き、押入れの中に隠れた。 「桜さん・・・ハルナが来てもいないと言ってください」 「わかりました・・・」 桜は良くわからないまま夕映のお願いを了承した。 そして数分後・・・桜達の部屋のベルが又鳴り出した。 「ピンポーン!・・・ピンポーン!」 桜は玄関に行きドアを開けてみると目の前には案の定ハルナが立っていた。 「おはよう桜ちゃん・・・この部屋に夕映とのどか来なかった?」 「来て・・・ませんけど・・・」 口ごもる桜・・・そして桜はなぜ夕映とのどかを探しているのかをハルナに聞いてみた。 「なぜ夕映ちゃんとのどかさんを探しているんですが?」 桜がハルナに聞くとハルナは頭の後ろに手を置いて笑いながら答えた。 「いや〜・・・ちょっと漫画の締め切りに追われててね・・・」 「だからちょっと手伝ってもらおうと思って夕映とのどかに声をかけたら逃げられてね」 「へぇ〜そうなんですか・・・」 「まあここにいないのなら仕方がない・・・他を探すか」 「ごめんね桜ちゃん・・・いちいち呼び出したりして」 そういうとハルナはその場から去って行った。 桜はハルナがいなくなったのを確認すると部屋の中に入りのどかと夕映を呼んだ。 「ふう・・・夕映ちゃん・のどかさん・・・ハルナさんはもう行きましたよ」 「ふう・・・助かりましたです」 「ありがとうございます」 桜の声を聞いた夕映とのどかは押入れの中から出てきた。 そして桜は夕映とのどかに話しかけた。 「そういえばハルナさん困っているのになぜ手伝わないんですか?」 桜がそう聞くと夕映はハルナを手伝う事の辛さを涙ながらに説明しだした。 「聞くです桜さん・・・なぜ私達がハルナを手伝わないかを・・・」 「私達は前にハルナの原稿を桜さんがいうように手伝った事があるです」 「その時私達は軽い気持ちで手伝ったんですけどそれが地獄の始まりでした」 「一度手伝ってみれば朝から晩までお風呂以外は部屋に缶詰状態で作業をするのです」 「悪いときには気がついたらいつの間にか次の日の朝になっているです」 「その辛さと言えばこの前の勉強会(第四話参照)とほぼ同じ・・・いやそれ以上かもしれないです」 「だから軽々しく手伝うなんていわないほうがいいです」 夕映が説明を終えるとその瞬間!夕映の後ろにどす黒いオーラをまとった人物が現れた。 「あ・・・あの・・・夕映ちゃん」 「なんです・・・桜さん」 桜が話しかけても夕映は後ろのどす黒いオーラをまとった人物に気づかない。 しかも先にその人物に気づいたのどかは「あわわわわ・・・」と涙を流している。 そしてその人物が夕映の肩を軽くたたいた。 「ん・・・なんですか?」 夕映が振り向くとそこにはどす黒いオーラをまとったハルナが立っていた。 「わ〜!!!ハッ・・・ハルナーーーーー!!!!!」 「もうどこかへ行ったんじゃなかったですか?」 「桜ちゃんの口ぶりがどうもおかしいと思って去ったと見せかけといてドアに耳を当てて聞いてたのよ」 するとハルナはロープ片手に桜や夕映にゆっくりと迫っていった。 「さ〜って観念するのよ夕映・のどか・・・それに今日は桜ちゃんや知世ちゃんまでいるし早く終わりそうね」 その瞬間桜と知世の部屋に桜・のどか・夕映の悲鳴がこだました。 「ほぇーーーーー!!!!」「きゃーーーーー!!!!」「わーーーーー!!!!」 そして桜と夕映とのどかはハルナの部屋に連行されていった。 知世はどうかと言うと連行される桜に普通に着いて行ったという・・・ その後ケロちゃんは何事もなかったかのようにゲームを再開したという。 そしてハルナの部屋(のどかと同室)に連行された桜達はもくもくと作業をしていた。 「桜ちゃん・・・この原稿ベタ塗りお願い・・・」 「はい・・・」 そしてベタを塗る桜・・・するとハルナがいきなり恋の話題で話しかけてきた。 「そういえば・・・桜ちゃん転向してきたときに行ってたわね、中国にいる小狼君って人と両想いだって」 その瞬間桜は慌てふためきその反動で、もう少しで原稿に黒の線一本端から端まで塗る所であった。 「な・・・なななんですいきなり・・・」 「いやあ・・・ちょっと桜ちゃんの言う小狼君ってどういう人かなって思ってね」 桜は少し顔を赤らめながら小狼の事を説明しだした。 「えっと小狼君は・・・」 「私が小学4年生のときに香港から転校してきた中国人で、私が困っていた時や悩んでいた時に助けてくれたり私が危険な事に陥った時も身を挺して助けてくれたり・・・」 「まあ・・・要するにいい人ってことね」 「はい」 「・・・で告白はどっちからしたの?」 「えっと・・・」 ハルナは眼鏡を中指で上に押し上げ桜は顔はますます赤くなる。 「小学五年生の時に小狼君が・・・」 「桜!・・・俺はお前が好きだ!・・・って言いましたのよ」 「と・・・知世ちゃん・・・」 いきなり知世が話しにわって入り、事の詳細を説明しだした。 「そしてその後、李君は桜ちゃんが自分の思いに気づかないまま香港へ帰ってしま い、そして小学校六年生の時李君が香港から遊びに来ました時に自分の思いをっ伝 える事ができましたの」 知世が説明しだすとその瞬間ハルナが騒ぎ始めた。 「聞いた・・・ねえ聞いたのどか・・・これはものすごいラブ臭だよ!」 (↑ラブ臭ってなんやねん!) 「のどかも頑張ってネギ先生にアタックするです」 「へぇ〜・・・のどかさんってネギ君が好きなんだ」 「そうなのよ・・・でものどかはこんな性格だしちっとも告白しないんだよ」 「で・・・でもネギ先生は先生だし・・・」 すると桜は友枝中学校の友達について話した。 「大丈夫だよ・・・私の友達に小学校のときに好きな先生がいて今もその先生と付き合っている子もいるから」 「・・・え!・・・今なんて言った・・・桜ちゃん・・・・?」 桜・・・爆弾発言である。 「えっと聞くけど・・・桜ちゃんの友達って桜ちゃんと同い年だよね・・・」 「はい」 「・・・と言う事は・・・」 沈黙するハルナ・夕映・のどか・・・ すると3人の頭の中で同時に桜のこの発言がどう言う意味なのか気づいた。 そして一人目のどかが失神した。 「桜ちゃん・・・それ犯罪じゃないの!!!!!!」 「ほぇ?????」 「そ・・・そうですよ・・・いったいいくつ年の差があるんですか!!!!」 「大体寺田先生まだ若いから・・・十○歳くらいかな・・・?」 「「十○歳〜〜!!!!!!(ですか〜〜!!!!)」」 夕映とハルナが桜に大声で詰め寄り、のどかは顔を真っ赤にし気絶している。 「で・・・でも二人とも両思いだし・・・」 「そうだとしても・・・そんな事ヤバイって!」 「そうですよ!」 ますます詰め寄るハルナと夕映、すると知世が火に油を注ぐような一言を放った。 「そういえば、桜ちゃんのお父様とお母様も元は教師と教え子でしたの」 「えええ〜!!!!!・・・それ本当!・・・桜ちゃん(さん)!」 「はい・・・ええっと確かお母さんがまだ高校生の時に先生のかけ出しだったお父さんと結婚したって・・・」 「ええええエーーーーーー○▼×□★!!!!」 大声と共にハルナと夕映の頭の回路は暴走しだし、二人目夕映が気絶しハルナは何とかもちこたえた。 「ほぇえええーーー!・・・のどかさん・・・夕映ちゃんどうしたの!?」 桜は夕映が失神した事によりようやくのどかも失神している事に気づいた だがしかしハルナはふらつきながらもまだもちこたえている。 「まだまだ・・・私はこんな事くらいじゃ気絶しないわよ・・・・」 そしてふらつくハルナ(HP残り1)に知世がとどめの一発となる言葉を発した。 「そういえば、最初李君は桜ちゃんの恋のライバルでしたの」 「え・・・・・」 その瞬間ハルナの頭の中を物事がかけめぐった。 桜ちゃんの恋のライバルって・・・桜ちゃんは小狼君って人の前に好きな人がいたって事ね・・・ そしてその好きな人の桜ちゃんの恋のライバルが小狼君・・・ ・・・って事は・・・男×男・・・小狼君って・・・ホモ・・・ゲイ・・・いい やこれは・・・ するとハルナは1つの答えにたどり着き、その瞬間もの凄い奇声を発した。 「BLだーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ―――プツッ! そしてハルナは奇声を発し終わると頭の中の何かが切れ、そしてハルナは「バタ ッ!」と言う効果音と共に気絶するのであった。 「ほ・・・ほぇえええーーーーー!」 倒れた三人の身体をゆすりながらあたふたする桜、知世は倒れている三人を見て微笑の笑みを浮かべている。 しかも桜はなぜハルナ達が失神してしまったのかまだ全然気づいていない。 そして少し時間が経過するとするといきなりハルナの部屋ドアが開き二人の人物がハルナの部屋に入ってきた。 「ちょっと・・・さっきからうるさいわよ」 「何かあったんですか?」 入って来たのはアスナとネギであった。 「あっ・・・ネギ君にアスナさん・・・助けてください!」 「はいはい・・・何があったの桜ちゃん」 半泣状態でアスナに助けを求に駆け寄る桜、ネギとアスナが桜をなだめながら部屋に入り 終わるとのどか・夕映・ハルナの三人の屍・・・もとい気絶した三人を見つけた。 「「ちょっと皆(さん)!・・・何があった(んですか!)の!」」 「えっ・・・とあのですね・・・」 桜は三人が気絶するまでの経緯をネギとアスナに説明した。 「どういう話なんですかーーー!!!!」 「そうよ・・・特に先生と教え子で結婚なんて・・・・」 ネギは大声を出し、アスナは桜の話にツッコミを入れるとその瞬間ある事を思いついた。 「はっ!・・・まてよ・・・だったら私も高畑先生と結婚・・・」 自分の世界へ入っていくアスナ、するとネギがアスナを現実の世界へと呼び戻した。 「ちょっとアスナさん!・・・しっかりして下さい・・・今はのどかさん達を何とかしないと」 「ハッ!・・・そうね・・・で・・・これどうする?」 正気に戻ったアスナはとりあえず気絶している三人を揺さぶって見た。 「ちょっと起きなさいよあんた達!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 だがアスナの応答にも気絶している三人は全く反応しない、そしてアスナ達が悩ん でいるとふと木乃香が姿を現した。 「わあ〜!・・・どないしたん三人とも?」 「ちょっとした事で気絶しちゃったのよ」 「おこさへんでええの?」 「それが何をしてもちっとも起きないのよ」 「ふ〜ん・・・それなら私にまかせてえな」 すると木乃香は夕映とのどかの前に立ってある言葉を発した。 「のどか〜!・・・夕映〜!・・・探し取った本見つかったで〜!!!」 「「「だあ〜〜〜〜〜!!!!!!(知世以外)」」」 「そんな事で起きるわけないでしょ!」 アスナが木乃香にツッコミを入れるとのどかと夕映が目を覚ました。 「う・・・ん・・・」 「木乃香・・・本はどこです?」 「うそ・・・」 「「すごいです木乃香さん!」」 驚くアスナに感心するネギと桜、そして木乃香は次にハルナを起こそうとハルナに近づいた。 「ハルナはこれを飲ますと一発で目を覚ますで」 そう言うと木乃香はいつも夕映が飲んでいる「抹茶コーラ」を取り出し中身をハルナの口の中に流した。 そるとハルナの顔がさあっと青ざめけたたましい悲鳴と共にハルナが目を覚ました。 「ぐげええーーーーー!!!!!!!」 「ぐえほ!・・・ゴホゴホッ!」 「あー・・・あまりの不味さに死ぬかと思った」 「・・・あれっ木乃香にアスナ・・・それにネギ君も・・・」 目を覚ましたハルナはなぜアスナ達がいるのか考えようとしたが、ハルナは漫画の 締め切りの事をすぐに思い出しアスナ達も手伝うようにとお願いしてきた。 「ちょうど良かった・・・漫画の原稿手伝ってよ」 「ちょっと手伝って行こか〜ネギ君」 「はい・・・わかりました」 「じゃあアスナは?」 ネギは快く承諾し、アスナは断ろうとしたのだが・・・ 「え・・・ちょっと私は・・・」 「そう・・・快く手伝ってくれるのね・・・ありがたい・・・」 「だから私はー!」 「じゃあこの原稿の消しゴムかけお願い」 「ちょっとーーーーー!!!!!」 ハルナはもうすでにアスナの言葉を聞いておらず、アスナもハルナの原稿を手伝うハメになった(って言うか強制)。 その後何とか順調に原稿も仕上がっていき、その日の夕方頃には原稿が100%完成した。 「今回はいつもは手伝わないアスナやネギ君・桜ちゃんに知世ちゃん皆が手伝って くれたおかげで早く原稿が仕上がったよ・・・皆ありがとう」 「いえいえ・・・生徒が困っているのを助けるのは当たり前の事ですから」 「私は無理やり参加だったけどね。(その他の面々も)」 そしてネギ達が話していると木乃香が思い出したかのように知世に話しかけた。 「そういえば知世ちゃん例のもの用意でけた?」 「はい・・・今日渡そうかと思いちゃんと持ってきております」 すると知世はどこからかカバンを取り出し中身を開け木乃香に差し出した。 「知世ちゃん・・・木乃香さんに何を頼まれていたの?」 桜は知世が木乃香に差し出したものを見てみるとそれはビデオテープであった(って事は・・・)。 「私秘蔵の桜ちゃん映像ですわ」 「知世ちゃん・・・(汗)」 よくみて見るとビデオテープにはこう書かれてあった・・・ 『マル秘! さくらちゃんの寝顔VTR』 『さくらちゃんの一日1.〜10.』 『今日も可愛いさくらちゃん』 ・・・などなどビデオ30本!(一本2時間×30=60時間分) そしてこの夜から毎日アスナは夜の夜中までこのビデオを鑑賞するのに木乃香につ き合わされたと言う・・・ <第八話終> 『ケロちゃんの次回予告コーナー』 「こにゃにゃちわ〜!」 「もうそろそろ毎回やってるこのコーナーも飽きてった頃やけど今回も 『ケロちゃんの次回予告コーナー』がやってきたで〜!」 「さて今回のゲストは・・・・」 「触覚二本がチャームポイントのパル姉ちゃんやー!」 「いやー・・・こんにちはー」 「それじゃあ次回予告いくでー。」 「さて次回のタイトルは・・・」 「『さくらと悪の魔法使い』!」 「まほら学園で新学期を向かえ身体測定を受ける桜」 「その最中に話題に持ち上がった吸血鬼話」 「その吸血鬼の正体とは?」 「・・・が次回の見所ね」 「ねえケロちゃん?」 「なんや姉ちゃん・・・」 「この次回予告の吸血鬼の正体とは?・・・ってこの小説読んでる人もう知ってるじゃないの?」 「姉ちゃん・・・それは言わない約束やで」 「そうなの・・・ごめんごめん」 「そういや姉ちゃんは漫画描いとる見たいやな」 「うん」 「今度機会があったらみしてな」 「見せてもいいけどケロちゃんが見ても面白くないと思うよ」 「何でや?」 「なんたってBLだから」 「姉ちゃんBLってなんや?」 「まあ言ってみれば『●×▼の恋愛もの』・・・かな」 「なんじゃそりゃあーーーー!!!!!」 「良いこの皆・・・●×▼を知りたい人は絶対に誰にも聞いちゃ駄目よ」 「お姉さんとの・・・お・や・く・そ・く」 「・・・っとそういえばケロちゃん・・・もう終わりの時間よ」 「はあ・・・はあ・・・ほな毎回こうれいの最後のキメいくで〜」 「ほなな〜」「さよーならー」 <終> |