第二十九話『さくらと勘違い水銀燈』






―――前回により乱戦が始まっていますので一人一人視点と時間が変わっているので注意してください―――




【茶 々丸&チャチャゼロの視点】



エヴァやプリキュアがドツクゾーンのウラガノスと戦っているその時、別の場所で茶々丸とチャチャゼロはローゼンメイデン第1ドール水銀燈と名のる、カラス のような黒い翼を生やしゴスロリを着た小さな女の子と戦っていた。

茶々丸&チャチャゼロに黒い羽を散弾銃の様に飛ばしてくる水銀燈、その羽の攻撃力は避けると地面に突き刺さり周り に有る物まで切り裂いている。

「ケッ・・・アレヲマトモニクラウトタダジャスマネェナ」
「姉さん、アレの攻撃範囲は推定数十mと思われます」
「エンキョリコウゲキカ、ナラチャチャマル・・・ミサイルヤビームヲツカエ」
「了解」

すると茶々丸は標準を水銀燈に合わせると自分の腕や背中からミサイルを数発発射させた。


ドドドーーー!


「なにかしら、ロケットランチャー・・・いやミサイル?」

水銀燈がそんな事を行っている合間にミサイルはどんどん迫ってくる。

「―――まあこんな物、よければ何て事ないわ」

水銀燈にとって発射されたミサイルなどは目を瞑っていても避けるのが簡単で、案の定水銀燈は軽くミサイルを避けた。

―――だが、世の中そんなに甘くはなく避けられたミサイルは方向を転換し、水銀燈の動きを追ってくる。

「ちっ!・・・誘導ミサイルね、近頃の人間の科学力も捨てたものじゃないわねぇ、いちいち避けるのが大変だわ」
「デモ、ヨケナキャナンネェノハミサイルダケジャネェゼ」
「なに!?」

ミサイルに気をとられている間にゼロと茶々丸に背後を取られた水銀燈、茶々丸は素手だがゼロは両手にデカイ剣とナイフを持っている。これを食らえば水銀燈 とてただではすまない。

「チイ!」

―――ガキン!


水銀燈は咄嗟に剣を召喚しゼロが振り下ろしたデカイ剣とナイフを防ぐ、だが水銀燈にとって相手は二人、ゼロの攻撃を塞いだだけはまだ茶々丸の攻撃が残って いてしかも後方には先ほど避けたミサイルが着ている。

それはまさに前門の狼後門の虎、水銀燈にはまったくの逃げ場はなく少しでも逃げようなどと隙を見せるとゼロのナイフ&剣により水銀燈は真二つに切り裂か れ、逃げなかったとしてもミサイルの爆撃を受けてしまう。

「姉さん今です!」
「オウ!」

―――ズドドドドーーーー!!!!



そしてゼロはミサイルの爆撃に巻き込まれないようにミサイルが着弾する瞬間に合わせてゼロは身を後ろに引きミサイルはそのまま水銀燈へと着弾し爆音と粉塵 をあげる。

「オ・・・ヤッタカイモウトヨ?」
「標的は私たちと同様で生き物ではなく生命反応が有りませんので分かりませんが・・・ミサイルが標的に当たった事は間違いありません」

爆撃の際に上がった粉塵のお陰で水銀燈を殺ったのかどうか分からないゼロと茶々丸、だがミサイルは確かに水銀燈にダイレクトに当たっており二人とも倒した のだと確信する。





―――だが!



「ナニ!?」


巻き上がった粉塵や煙が晴れるとそこには自分の黒い羽を使い自分自身を覆うようにして翼を展開して防御し、ミサイルから自分自身を守りまったくの無傷でい る水銀燈の姿があった。

「貴方達やるわね、さすがの私も今のはやられるかと思ったわぁ〜」
「さて、小手調べもここまでにして置いて今から本気を出させて貰おうかしらねぇ」

すると水銀燈は自分のツバサを双頭の龍に変貌させゼロと茶々丸を襲い出した。

「チッ・・・アイツノハネハシンナコトマデデキルノカヨ、イモウトヨノコリノミサイルハアトナンパツダ?」
「残存弾数は3発です。他に腕に少々の散弾銃の弾とレーザーのエネルギーが3回分くらいです」
「サッキノコウボウデタダノチカラオシデカテルアイテジャネエッテコトハワカッタシ・・・コレハユックリタタカイナガラサクセンヲカンガエルッキャネェ ナ」
「了解・・・」
―――ドガァ!!

茶々丸とゼロは話を終えると水銀燈の双頭の龍の突撃を両方左右に飛んで避け水銀燈を錯乱させる。

「くっ!(左右に避けたわね・・・)」

双方違う方向へ避けたゼロと茶々丸、どちらを先に攻撃するのか迷う水銀燈、これぞ姉妹のなせるコンビネーション、これでエヴァなんか居たりしたら水銀燈は もうすでにただのガラクタに成りさがっていたであろう。

そして数分間茶々丸とゼロが防戦一方のまま水銀燈の攻撃から逃げていると、眠っていた一般の人達が起き始めて、数秒後また寝始めた。

「なに・・・これは!?」
「アア・・・サクラノヤツダナコレハ・・・」
「北東1キロの地点で桜さんの魔力反応をキャッチしました」

桜の事を知らない水銀燈は、イキナリ感じた桜のあまりの力に動揺するが、ゼロと茶々丸は桜の魔法だと分かっているぶん至って平然としている。

「貴方達この物凄い力の正体を分かっているみたいだわねぇ、一体なんなのこの力は?」
「この魔力はマスターの親友である桜さんの魔力です。桜さんの魔力レベルは1000、これは極東最強と言われる近衛木乃香さんのレベルとほぼ同じです」
「ナニナガナガトセツメイシテンダイモウトヨ・・・マ、ソノサクラモイマベツノバショデコウセンチュウダガナ」

長々と敵である水銀燈に律儀に説明する茶々丸、そこへゼロがすかさず突っ込みを入れる。

「ふうん・・・それじゃあその桜と言うのが交戦中の間に決着をつけなければならないようだわねぇ。―――こんな力の持ち主相手になんてしてたら命がいくつ あっても足りないわ」

茶々丸の説明に水銀燈も納得し、この戦いを速く終わらせる事を決心する。
桜の魔力やエヴァの魔力の大きさは水銀燈を遥かに超えた力、そんな者相手になんてしたらいかにローゼンメイデン最強クラスの水銀燈であっても即殺られる事 当たり前で、やはり早く決着を付けてこの場を去った方が良いと言う考えにいたる。

「イノチトイッテモオレモテメエモニンギョウナンダガナ、マアフツウニサクラトヤリエルヤツガイルトスレバウチノゴシュジンマタハサウザンドマスタークラ イナンジャネエカナ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「じゃあ早速だけど・・・死になさい!」
「イキナリダナオイ、マシヌノハテメエダガナ」

普通の人ならばサウザンドマスターってまだこのレベルの奴がいるんかい!―――って突っ込んでしまう位のゼロの言葉に一瞬沈黙が走り気を取り直してゼロと の戦闘をイキナリ再開させる水銀燈、しかし、他の場所ではこちらに向かって水銀燈とは違う人形2体と人間1人がこちらへ向かっていた。







―――その10分くらい前・・・

「くそっ!・・・折角の京都旅行だってのにどうなってんだよ真紅!?」
「私にも分からないわ、イキナリだったからジュン一人この妙な力から守るのに精一杯だったわ」
「わかっている事はこの力の気配が邪悪な気配だと言う事と遠くの方で水銀燈が戦っていると言う事だけだわ」
「そんなにぐだぐだぐだぐだ話していないで早く水銀燈の所へ向かうです!」

この三人は水銀燈と同じローゼンメイデンの第5ドール真紅、第3ドールの翠星石、とこの二人の契約者(ミーディアム)である桜田ジュン、この三人はジュン の姉の桜田のりと他ドール二体と京都旅行へ来ていたのだがその際水銀燈が別の場所で戦っている事を察知してその場所へ向かっている最中であった。


「ちょっと待って!」
「何ですのこんな時に!?」
「シッ!・・・静かに隠れて」
「何かあるのか?」

何かに気づいたのか真紅はジュンたちを誘導して物陰に隠れさせる。

「あれを見て」
「あれって・・・・?」
「あっ!」

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・・・」

―――来たれ氷精、闇の精。闇を従え吹けよ常夜の吹雪。『闇の吹雪』


ジュン達が目撃したのは巨大な怪物と空中にそれと対峙している浮遊している女の子、その近くには二人の白と黒の服を着た女の子が居た。
それはちょうどエヴァがザケンナーに『闇の吹雪』を放った所でありそれを目撃した真紅達は驚愕の顔つきになる。

「何だよあれは!?」
「私にも分からないわ、でも皆を眠らせた邪悪な気配があの怪物から感じられるのはまちがいないわね」
「でもあの女の子の方・・・あの怪物よりも大きな力を感じるです」
「そうね、私達の領域をはるかに超えた力・・・こんな力を発する事ができる人間(じゃなくて真祖だけどね)がこの世に居るとはね」
「雛苺と蒼星石は置いてきて正解だったわね」
「なあ・・・そんな力の事より以前に突っ込まなきゃいけない所がたくさんあると思うのは俺だけか?」

―――ジュンが言いたい事は白一色と黒一色のそれぞれの服を着た女の子や何か凄いもの(闇の吹雪)を発したネコ耳西洋女の子に突っ込めと言うことだ。

「行きましょ・・・」
「えっ?・・・ここどうするんだよ!?」
「ここに居てもただ時間の無駄なだけだし、たとえ出て行っても私達じゃ良くて邪魔になるだけよ」
「ここはあの子が正義だと言うことを信じて水銀燈が居る所へ向かうのが一番の策だわ」
「そうです真紅の言う通りです。―――こんな化け物私達が相手にできるわけないですし早く行くですよチビ人間!」




―――そしてまた水銀燈の所へ向かうジュン達、・・・だがその最中に今まで感じていた邪悪な気配は消え去り倒れていた人々が次々と起き始めた。

「ほっ・・・あの子やったようね、よかったわあの子の事を信じていて」
「だったら後は水銀燈が居る所へ向かうだけです」
「さっさと行く・・・ぞ・・・・・・」
―――バタ!

真紅達が安心してホッと一息入れるのもつかの間、今度はまた違うさっきよりも強い力により真紅の守りもかなわず眠ってしまうジュン・・・この時別の場所で 桜は『眠』のカードを使った様だ。

「ジュン!・・・」
「何なんですこの力は、さっきの子よりもまたデカイです!・・・でもこの力・・・」
「ええ・・・こんな一辺の曇りもない暖かな力の感じは今まで感じた事がないわ、この力の持ち主は疑い様なく清き心を持った者だと考えて良さそうね」

真紅達が感じる力はさっきの邪悪な力とは反対にまったくの邪を感じさせない暖かな力、真紅と翠星石は一瞬でこの力の持ち主の根本的な性質を判断して水銀燈 の所へこのまま向かうことに判断する。

「それでこのチビ人間はどうするです?」
「そうね、目標地点も近い事だしこのままにして起きましょ、今は急いで水銀燈の所へ行かないと」
「そうですわね。―――まったく水銀燈もこんな所まできて何やってるですかね」


そしてジュンをそのまま道端で眠らせておいて水銀燈の所へは二人で向かう真紅と翠星石、この二人が水銀燈の戦っている場所へ辿り着くと水銀燈とゼロは距離 を取り合って互いに剣をとって対峙していた。


「「水銀燈!」」

「あ〜ら真紅じゃない・・・今貴方の相手をしている暇がないの」
「ナニモンダ・・・テメエノナカマカ?」

戦闘中現われた真紅と翠星石に呼びかけられてゼロへの注意を解く水銀燈、ゼロもイキナリの新手の登場?に真紅達の方を見て剣とナイフを収める。

「や〜ねぇそんな者じゃないわ、貴方達と同様敵よ」
「貴方達、人形みたいだけど何者なの?」

真紅はゼロと茶々丸にユックリと歩き近寄りながら話しかけてくる。
だが、そんな事をイチイチ説明するゼロではない、だからゼロはこう言って茶々丸に任せた。

「ケケケ・・・イチイチメンドイガシカタネエナ・・・茶々丸」
「ハイ・・・私は吸血鬼の真祖マスターのエヴァンジェリン.A.K.マクダウェルの従者ミニステル・マギの絡繰茶々丸と言います。姉さんの名前はチャチャ ゼロと申します」
「え・・・私達と同じローゼン姉妹じゃないの?」
「サッキカラソウイッテルジャネェカローゼンメイデンなんてシラネェッテ」

今更茶々丸の説明によって二人がローゼンメイデンではない事に気づいた水銀燈、すると水銀燈はどっと疲れが出たようで肩を少し落とした。

「な〜んだ、それじゃあ戦い損だったわけねぇ・・・アリスゲーム以外の戦いなんて興味ないし・・・今日は帰らせてもらうわ」
「そうしたら良いわ・・・今日はあちこちで凄まじい戦いが起こっているみたいだから」
「それじゃあね・・・」

そして自分の翼を広げてそのまま何処かへ飛び去ってしまう水銀燈。
真紅はその水銀燈が飛び去るのを確認すると茶々丸の方を見て話し掛け、さっきとは話を変えて茶々丸に自分たちの事について質問してきた。

「・・・で貴方達は水銀燈と同じくらいの戦闘能力持っているみたいだけど、貴方達の製作者は誰なのかしら」
「はい私の製作者はハカセさんで私は一部マスターの魔力を使われていますがガイノイドと呼ばれるロボットです」
「そう・・・ロボットね、最近の人間科学力は凄まじいものね、でも貴方は違うわね」
「アア、オレハゴシュジンニタマシイヲフキコマレタニンギョウダカラナ」
「・・・でそのご主人様と言うのはさっき言っていた吸血鬼の真祖なのかしら?」
「はい・・・今マスターはこの近くで巨大な怪物と交戦中の様ですが、先ほどの桜さんの『眠』のカードから考えるともう決着は着いていると考えてよろしいか と」
「『眠』のカードと言うとあれかしらさっきの巨大な力の気配・・・」
「そうです・・・あれでジュンも眠ってしまったですよ」
「ハイ、あの魔力はマスターの親友である桜さんの魔力です。桜さんの魔力レベルは1000、これは極東最強と言われる近衛木乃香さんのレベルとほぼ同じで す」

どちらも人形なのだから仕方がないが長々と無表情で話し合う真紅と茶々丸の二人、その光景はまさに滑稽で両者何考えているのかまったく分らないほどだ。


「そう・・・他にあちこちで凄まじい戦いの事に付いて説明してもらえるかしら?」
「ハイ・・・」

あちらこちらで起こっている大きな戦い、真紅はそれが気になるが為茶々丸に何故こんな戦いが起こっているのかを聞き、茶々丸もその理由を説明し始める。


―――だがその説明の時間もある事ですぐに断ち切られるのであった。




<第二十九話終>





『ケロちゃんの次回予告コーナー』



「こにゃにゃちわ〜!」

「今回も眠たいけどケロちゃんのの次回予告コーナーやっ てきたで〜!」

「さて今回のゲストは・・・」

「モコナだよ!・・・決して白饅頭じゃないからね♪」

「モコナなに勝手に自己紹介しよんねん!―――ここは先ずわいが紹介してからやろ出てくんのは!」

「わ〜ケロリンのいけず〜ケロちゃんモコちゃんいじめちゃダメよ!」

「コラなに勝手に桜の声出しとるんやモコナ!」

「えへへ〜モコナ108の秘密技の一つ声マネだよ〜」

「・・・と言うわけでそろそろ次の次回予告に行こか〜!」

「・・・って今度はワイの声真似してセリフ取んなや、まったくこれやったら黒鋼の兄ちゃんが苦労しとんのも分るで」

「あはは〜」

「笑うなや!」

「・・・さて、そろそろ本当に次回予告いくで〜〜〜!」

「さて次回のタイトルは・・・」

『さくらと小狼の戦闘』だよ」

「小僧には攻撃系カードを使う事ができない桜」


「だが小僧も桜に対して攻撃が一切できない」


「一体この戦いの向かう先はどこなのか〜!!!」



「が次回の見所だよ」

「さてモコナちょっと話があんねんけどな」

「なあにケロリン?」

「この小説の作者が買っとる雑誌の話やねんけどな・・・」

「なんでモコナがワイを抜いて人気投一位やねん!」

「それはモコナがケロリンより可愛いからだよ♪」

「ア○メ○ィアもまちがっとるで、なんでわいを差し置いてこんな白饅頭が一位やねん・・・絶対にまちがっとる・・・」

「まあまあケロリン(ポンポン♪)」

「うっさいわ白饅頭!」

「モコナ白饅頭じゃないよ〜」

「ぶつぶつぶつぶつ・・・・」

「あ〜あケロリンふさぎ込んじゃった、・・・と言う訳で今日はモコナが締めくくるよ〜」

「次回はシャオラン奮闘モコナが大活躍、皆も期待してまっててね〜♪」

「じゃ〜ね〜」「ぶ つぶつぶつぶつ・・・」




<終>


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