第48話


爽やかな日差しの下、休日の学園内をエレキギターとアンプを持って歩くジン。

そして、世界樹の根元にやってくると、ひょいひょいと飛びながら、枝の上へと昇る。

そして、アンプをセットするとエレキギターを弾き始める。

これが休日のジンの日課だった。

今日は、Ga○ktの『RED○MPTION』を歌い挙げる………

「果てしなく続く戦いに♪ この身をすべて捧げるだけ♪ RED○MPTION♪ RED○MPTION♪」

歌っているうちに、段々とのってくるジン。

と、突然、その手を止める。

「………そこの2人………分かっているぞ………出て来い」

そして、正面の枝の葉っぱの繁みに声を掛ける。

すると、そこからガサガサと音を立て、忍者装束を着た小さな2人の少女が現れる。

「あちゃ〜〜〜、見つかっちゃった………」

「鳴滝忍法『木の葉隠れの術』、失敗です〜〜〜」

どう見ても小学校低学年ぐらいにしか見えない3−A生徒、鳴滝姉妹だった。

「ねえ〜、お兄さん、ジンさんだよね? 機龍先生の友達の」

そう言って、ジンの隣に飛び移るツインテールヘアでツリ目の鳴滝姉の風香。

「そう言う君達はリーダー………いや、機龍先生の言っていた3−Aで1番の問題児、鳴滝姉妹だな………」

「ええ〜〜、機龍先生、そんなこと言ってるですか〜?」

そう言って、風香と反対側のジンの隣に飛び移るダブルシニオンヘアでタレ目の鳴滝妹の史伽。

「ああ、悪戯が酷くて困ると言っていたな………」

フッと笑って言うジン。

「酷いな〜、機龍先生。そんなこと言うなんて〜」

「でも、本当のことです〜」

そんなジンの周りをグルグル廻りながら、はしゃぐ鳴滝姉妹。

「フッ………俺はこのまま続ける………聞いていたかったら、そこで聞いていろ………」

「「は〜〜い!!」」

そう言って、枝の根元に腰掛ける鳴滝姉妹。

2人を観客にジンは演奏を再会する。

演奏はジンに召集コールが掛かるまで続いたのだった。











機甲兵団ガイアセイバーズ基地。

作戦室へと入室するジン。

「ジン・ミスラトル、ただいま参りました………」

「ああ、ジンくん。すまないな、休日に」

隊長席に座っていた機龍がジンに言う。

「いえ………それで、どうしました?………」

「うむ………これを見てくれ」

そう言って、機龍はモニターに妖精のようなデザインの、赤と青の2機のPFを映し出す。

「コレは?………」

「Gフェアリー。思考操作装置を搭載した2機による連帯攻撃に主体を置いた新型機だ。右の赤い機体がルビー。左の青い機体がサファイヤだ」

「ほう………連帯を主体を置いた機体ですか………」

モニターに映っているGフェアリーを見据えるジン。

「それで、パイロットの組み合わせを色々と変えて、もっともいい組み合わせを選考しているんだが………なかなか、これだ! という組み合わせがなくてな」

「そうなんですか?………」

「ああ、今までやった組み合わせで、最高だった連帯度はネギくんと小太郎くんの74%。続いて、マクダウェルくんと絡繰くんが70%、神楽坂くんと桜咲くんが68%、龍宮くんと長瀬くんが64%、後は軒並み50%以下だ」

「連帯が主体となると、最低でも85%以上は欲しいですね………」

連帯攻撃というからには、互いの信頼によるシンクロが何よりも大切となるのだ。

「一応、君とサクラくんとの連帯度も見てみたいと思ってな………やってみてくれるか?」

「わかりました。やってみます」

「うむ、じゃあ、シミュレーションルームに向かってくれ。サクラくんの方は既にスタンバイしてくれている」

「了解!」

作戦室を後にし、シミュレーションルームへと向かうジン。











「よし! それまでネ」

「データが取れました。シミュレーションを終了してください」

「はあぁ〜〜、疲れた〜〜」

「どうだ?………」

シミュレーターから出てくると、伸びをするサクラとデータ結果を尋ねるジン。

「80%………これまでの最高数値ですけど、僅かに足りませんね」

「ええ〜〜! 私とジンの連帯でもダメなの!?」

不満げな声を挙げるサクラ。

「Gフェアリーの連帯攻撃には、高度なシンクロ技術が必要ネ。余程の連帯感がなければ、100%の力は発揮できないヨ」

「高度なシンクロか………共に長年を過ごした者………親兄弟でも、そうそうには………兄弟?」

ジンの頭に、鳴滝姉妹のことが過ぎる。

双子の姉妹………他人同士で組むよりは、ずっと連帯感が強い。

シンクロ攻撃には打って付けだ。

「どうかしたネ、ジン准尉?」

「…………いや、何でもない」

しかし、ジンはその考えを振り払った。

ただでさえ、機龍とネギは自分の受け持っている生徒が次々にガイアセイバーズに参戦しているのに嘆いている。

それなのに、自分がその生徒を戦いに巻き込む理由にはいかない………

そう思うジンだった。

と、そこへ、警報が鳴り響いた!!

「「「「!! 敵襲!?」」」」











その頃、女子寮にて………

部屋で忍具の手入れをしていた楓の腕時計が鳴った。

「むむ!? 敵襲でござるか!?」

忍具を片付けると、部屋を飛び出す楓。

「あれ? かえで姉、どうしたの?」

「今日は家でゆっくりするって言ってなかったですか?」

と、そこで、帰ってきた鳴滝姉妹に遭遇してしまう。

「あ、いや、その………急用ができたでござる! 留守番を頼むでござるよ!!」

そう言って、風の様に2人の横を通り過ぎて、出口へと向かう。

「あ! かえで姉!!」

「最近、急用ができたって言って出て行くことが多いですよね、お姉ちゃん」

「うん………ひょっとして!!」

何かを想像する風香。

「どうしたですか?」

「かえで姉………彼氏ができたんじゃ!?」

「え、ええ〜〜〜、かえで姉に彼氏〜〜〜!!」

仰天といった顔になる史伽。

「多分、デートの呼び出しを受けたんだよ、きっと!!」

「ど、どうするんですか〜?」

それを聞いて、邪悪な笑みを浮かべる風香。

「決まってるだろ!! 後を付けよう!!」

そう言うがいなや、疾風のように駆け出す。

「ああ!! 待ってです〜〜、お姉ちゃ〜〜〜ん!!」

慌ててその後を追う史伽。











機甲兵団ガイアセイバーズ基地作戦室………

「遅くなったでござる!」

パイロットスーツ姿の楓が駆け込んでくる。

「3−Aメンバー全員、揃いました」

それを確認したネギが報告する。

「よし、オペレーター、敵の概容は?」

情報を収集しているオペレーター組の方を向き聞く機龍。

「はい、敵は郊外の森の奥地に出現。敵PFの数は250。機種はヌエ改、シンザン、ダークアームド、キシン。全て無人機です」

「おい、中にやけにデカイ反応があるぞ。PFの2倍………いや3倍のエネルギー反応と大きさだぞ!」

のどかの説明に口を挟む千雨。

「PFの3倍?………!! GFか!!」

「GF?」

「何だ、それは?」

真名が尋ねる。

「正式名称ギガントフレームと言ってな。ヴァリムが造りだした規格外のサイズを誇る人型兵器だ。アルサレア戦役でグレン小隊のグレンリーダーが撃破したんだが、その後、量産されてな。あちこちでアルサレア軍が壊滅させられている」

「確認が取れました。データ照合の結果、99.98%の確立で、GF・ゼクルヴです」

機龍の説明を裏付けるように夕映が報告する。

「GFですか………厄介ですね」

「火力が段違いですからね………その上、瞬間転移能力まである」

ジンとサクラが不安げに呟く。

「心配するな! こっちにはチームワークがある!!」

それを払うように機龍は言う。

「そうですよ!!」

「返り討ちにしてやろうやないけ!!」

呼応するネギと小太郎。

「よし!! 機甲兵団ガイアセイバーズ!! 出動!!」

「「「「「了解!!」」」」」











一方、その頃………

「ハアハア………かえで姉、どこ行ったんだろ?」

「ゼエゼエ………お姉ちゃん〜〜、もう帰ろうです〜〜」

楓を追って寮を飛び出した鳴滝姉妹だったが、本物の忍者の足に追いつけるはずもなく、郊外の森への入り口へと迷い込んでいた。

「う〜〜ん、悔しいな〜〜………」

と、風香がそう言った時、轟音と共に突風が吹いた。

「キャアァァァーーーー!!」

「何ですかーーーっ!!」

上を見上げると、10数機のロボットが通り過ぎていった。

「ロ、ロボット!?」

「行ってみよう!!」

好奇心に駆られた風香は、ロボット………PFを追いかけて、森へと入っていった。

「ええ!? ちょっと、お姉ちゃん〜〜〜〜っ!!」

多少の恐怖感を感じていた史伽も、姉を追って森へと入っていった。











[ヴァリム軍のPF軍団を発見。最後尾にGF・ゼクルヴを確認]

機械音と共に行軍してくるヴァリムPF軍団。

その最後尾を一際大きな機械音を発てて歩いている、優にPFの3倍の大きさ………30メートルを誇るゼクルヴ。

「大きい………」

「強そうッスね………」

「傍で見るとかなりの迫力ね………」

迫力に呑まれそうになるネギ(+カモ)とアスナ。

「2人共! 気後れするな!!」

「でも………あんなのとどうやって戦うのよ!」

と、そこへ………

「奴の相手は拙者がするでござる」

「楓!?」

「長瀬くんが!?」

楓がゼクルヴの相手を買って出る。

「ああいう相手にはパワーや火力より、スピードで勝負するのが必勝法でござる」

「………分かった。気をつけるんだぞ!!」

「アイアイ!!」

「よし!! 全機散開!! 各個に敵PF軍団を撃破!! 長瀬くんはゼクルヴを集中攻撃!! 各員も敵PF軍団を排除後、援護に向かえ!!」

「「「「「了解!!」」」」」

機龍の号令の元、散開して各個撃破に向かうネギ達。

「雪広くんと小太郎くんは、これが初めての実戦だ。無理はするな」

「機龍の兄ちゃん! バカにすんなよ!!」

「私も十分戦えますわ!!」

そう言って、敵集団に突っ込んで行く小太郎とあやか。

「お、おい!!」

慌てる機龍。



「行くでー!! ギア・ドリル!!」

小太郎の機体………まるでアニメのスーパーロボットのようなデザインのGウルフが、右手からドリルを出現させて、ヌエ改を粉々に粉砕する。

そこへ、別の方向から、転移でシンザンが現れ、背中の大型手裏剣を投げる。

「アルティメットフラッシャー!!」

しかし、小太郎は素早くその方向を向き、Gウルフの胸部の狼の飾りの口からエネルギー砲が発射され、大型手裏剣ごとシンザンを撃破する。

「へっ!! どうや!!」

ガッツポーズを取るGウルフ。



「雪広あやか流合気柔術!! 雪中花!!」

得意の我流合気柔術で、ダークアームドを1機、スクラップにするあやかの機体………中世貴族婦人のようなデザインのGレディー。

単機では叶わないと思ったのか、一斉に襲い掛かるヴァリムPF軍団。

だが!!

「フラワーハリケーン!!」

と言って、Gレディーが右手を上に翳して広げると、花びらが舞い散り、敵機に張り付くと爆発した。

「オーホホホホ!! 大したことありませんわね!!」

お嬢様笑いを挙げるあやか。



「………無駄な心配だったか」

半分感心、半分呆れながら呟く機龍だった。











「確か………こっちの方向に飛んで行ったはず?」

「お姉ちゃん〜〜〜!! もう帰ろうです〜〜〜!!」

必死に空を飛ぶPFを追いかけて森の奥へとやってきた鳴滝姉妹だったが、やはり追いつけるはずもなく見失い、森の中を彷徨っていた。

「まだまだ、絶対見つけてやる〜〜〜!!」

「もう無理ですよ〜〜〜!!」

とそこへ、今度は爆音が轟き、再び突風が吹いた。

「キャアァァァーーーーッ!!」

「今度は何ですかーーーーーっ!?」

慌てて高い木に登って、突風が吹いてきた方向を見渡す鳴滝姉妹。

「ああ!! さっきのロボットだ!!」

「一杯いるです! 何か大きいのもいるです!!」

やや離れた位置で、ガイアセイバーズとヴァリムPF軍団が交戦しているのを目撃する。

2人は、その光景に呆然とするしかなかった………











「ニンニンニン!!」

分身して、四方八方からゼクルヴに攻撃を加える楓のGニンジャ。

ゼクルヴは、ミサイルを乱射しながら瞬間転移を繰り返してGニンジャを捕まえようとするが、Gニンジャは巧みにそれをかわす。

「甘いでござるよ!」

そう言って、背中の大型手裏剣を投げつける。

しかし、ゼクルヴは片手でそれを弾くと、やや離れた位置へと転移する。

「逃がさんでござ………!? あれは!!」

なんと!! ゼクルヴの転移した先は、鳴滝姉妹の登っていた木の後ろだった。

「お、お姉ちゃん〜〜〜〜〜っ!!」

「く、くるな〜〜〜〜〜っ!!」

足が竦んで座り込んでしまった史伽の前に立って、ゼクルヴに向かって叫ぶ風香。

そんなことはまったく気に留めず、ゆっくり歩を進めてくるゼクルヴ。

「いかんでござる!!」

ブースターを全開にしてゼクルヴに突っ込むGニンジャ。

「2人共!! 逃げるでござる!!」

「「!? かえで姉!?」」

Gニンジャから聞こえた楓の声に鳴滝姉妹が驚いた瞬間………

ゼクルヴの鋭い蹴りが、Gニンジャに炸裂した。

「がっ!!」

凄まじい衝撃がコックピットを襲う。

装甲がひび割れて弾け飛び、頭部と左腕が根元からもげ落ちる。

そのまま弧を描いて吹き飛び、地面に落ちるとバウンドするGニンジャ。

「「か………かえで姉ーーーーーーっ!!」」

鳴滝姉妹の叫びを他所に、ゼクルヴはゆっくりと倒れたGニンジャに歩を進める。

「!! 長瀬くん!! しっかりしろ!!」

機龍が楓に通信を送るが、返信はない。

どうやら衝撃で気絶したようだ。

「くっ!! マズイ!! 誰か、長瀬くんの援護に!!」

「ダ、ダメです!! 敵の攻撃が激しくて!!」

「こっちもですわ!!」

倒れたGニンジャのところには向かわせないと、機龍達に執拗に攻撃を加えるヴァリムPF軍団。

[少尉! 戦闘区域に人がいます!]

「何!?」

ジェイスの報告に驚いてモニターを見遣る機龍。

ネギ達もレーダーとセンサーを展開する。

「!! 鳴滝さん達!?」

そして、鳴滝姉妹を発見して驚く。

「どうして風香ちゃんと史伽ちゃんがここに!?」

「早く助けないと!!」

しかし、ヴァリムPF軍団はそれを好しとしない。

「ほえぇ〜〜!! このままじゃ、楓ちゃんも鳴滝ちゃん達も危ないよ!!」

「何か手は………!! そうだ!! リーダー!!」

「何だ、ジンくん!?」

「例の機体に………彼女達を乗せてください」

「何!? 鳴滝くん達を!?」

これには、機龍だけでなく全員が驚いた。

「そんな!! 危険すぎます!!」

「いきなりPFに乗せるだなんて!!」

「彼女達なら、あの機体の性能を100%引き出せるはずです!! お願いします!!」

「…………」

機龍は一瞬考えて、基地へと通信を入れた。

「超! ハカセ! Gフェアリー、出撃だ!!」

「またですか………」

ハカセの呆れた声が返ってくる。

「ハカセ、機龍とはこういう男ネ」

続いて超の何時もの事といった声がする。

「これから転送するネ」

「ATSは鳴滝さん達に合わせておきます」

「了解!! 後は任せろ!!」

そう言って通信を切る。

「リーダー………」

「ジンくん………君があの子達に賭けるというなら………それを信じるのも、隊長の役目だ………ジェイス!! ウイング・ファミリア!!」

[Yes!!]

ウイング・ファミリアでジンに纏わり付いていた敵機を撃破する。

「行け!! 任せたぞ!!」

「了解!!」

鳴滝姉妹達の方へ飛ぶGブレイダー。

「全機、敵をここで食い止めろ!! ジンくんとゼクルヴの方へは1歩も通すな!!」

「「「「「了解!!」」」」」











「かえで姉ーーーっ!! しっかりしてーーーっ!!」

「コラーーーッ!! デカイのーーーっ!! かえで姉に近づくなーーーっ!!」

Gニンジャに向かって叫ぶ史伽と、ゼクルヴに向かって叫ぶ風香。

そんな叫びを無視して、ゼクルヴはGニンジャへとさらに接近する。

「風香ちゃん! 史伽ちゃん!」

そこへ、ジンのGブレイダーが降り立つ。

「えっ!? この声は、ジン………さん?」

「うそ!! ジンさんまでロボットに!? どうなってるの!?」

「細かいことは後で話す!! 今は力を貸してくれないか!?」

と、Gブレイダーの両脇の地面に魔方陣が展開されたかと思うと、右側の魔方陣からGフェアリー・ルビー、左側の魔方陣からGフェアリー・サファイヤが出現する。

「うわっ!! また出た!!」

「妖精さんのロボットです〜〜〜!!」

「これに乗って一緒に戦ってくれ!!」

「「ええ〜〜〜〜っ!!」」

怯える鳴滝姉妹。

「そ、そんなの無理だよ!!」

「見たことも聞いたことのないんですよ!!」

「楓くんが危ないんだ!!」

その言葉に鳴滝姉妹は、はっとする。

頭の中に楓との思い出がフラッシュバックする。

さんぽ部の活動で一緒にさんぽする楓の姿………

軽く忍術を教えてくれた楓の姿………

悪戯してこっ酷く叱られた自分達を慰めてくれた楓の姿………

鳴滝姉妹の心に闘志の炎が燃え上がる!

互いの顔を見合う。

「僕が赤い方に!! 史伽は青い方にお願い!!」

「分かったです!! お姉ちゃん!!」

「よし! コックピットに運ぶ! 手に乗ってくれ!!」

差し出されたGブレイダーの手に乗ると、風香をルビー、史伽をサファイヤのコックピットに乗せる。

2人はやや大きめのシートに身体を預けるとシートベルトを締める。

「操縦は簡単だ! 頭で考えれば、そのとおりに機体が動く!!」

「「了解(です)!!」」

鳴滝姉妹が意識を集中させると、Gフェアリーが目を輝かせ起動する。

「成功だ!!」

「史伽!! 行くよ!!」

「はいです、お姉ちゃん!!」

ゼクルヴに向かって飛ぶGフェアリー達。

機龍達の攻撃を抜けた敵機数機がGフェアリー達を阻止しようと襲い掛かる。

「やらせん!!」

しかし、ジンが阻止する!!

「「行くぞーーーーーっ!!」」

高周波ブレードを両手に装備するGフェアリー達。

そして、ゼクルヴの周りをまるで舞うように飛びながら斬り付けていく。

「お姉ちゃん!! 任せたです!!」

ここで、Gフェアリー・アクアが単独で連撃を喰らわせ、ゼクルヴの動きを止め離脱すると、そこへGフェアリー・ルビーが赤いエネルギー弾をぶつける。

「史伽!! 頼んだよ!!」

今度は、Gフェアリー・フレイムが単独で連撃を喰らわせ、ゼクルヴの動きを止め離脱すると、そこへGフェアリー・サファイヤが青いエネルギー弾をぶつける。

「「シンクロアタック!!」」

再び2機で独楽のように回転して高周波ブレードで斬り裂くと、上へと蹴り上げる。

ゼクルヴの巨体が宙に舞う!!

「これで!!」

「決まりです!!」

Gフェアリー・ルビーが左手に、Gフェアリー・サファイヤが右手にエネルギー球を形成し、寄り添って螺旋を描くように舞い上がる。

「「エレメンタルハートブレイカーーーーッ!!」」

落下してきたゼクルヴに、Gフェアリー達のエネルギー球が炸裂する!!

粉々になるゼクルヴ。

「「やったーーーーーっ!!」」

鳴滝姉妹の気持ちを代弁するように、飛び跳ねるGフェアリー達。

「すごい………」

「綺麗………」

「さながら、舞い踊る妖精だな………」

ヴァリムPF軍団を片付け終わった機龍達も、鳴滝姉妹の見事なコンビネーションに心を奪われていた。

「リーダー! 楓くんも無事です! 軽傷を負っていますが、気絶しているだけです!!」

Gニンジャのコックピットから楓を抱えて出てきたジンが言った。

「そうか………良かった」

「「かえで姉〜〜〜〜!!」」

それを見た鳴滝姉妹は、大急ぎでGニンジャに近寄るとコックピットから飛び降りて楓に近寄る。

「楓姉!! しっかりして!!」

「死んじゃいやですーーーっ!!」

「いや、大丈夫だって………」

「う………ううん………どうなったでござるか?」

喧騒に目を覚ます楓。

「「かえで姉ーーーーーっ!!」」

途端に涙を流して楓に飛びつく。

「おおっとと………風香殿、史伽殿、心配かけたでござるな」

「「うわあぁ〜〜〜〜ん!! かえで姉〜〜〜〜〜〜!!」」

泣きじゃくる鳴滝姉妹を優しく抱きしめる楓。

「フッ………」

その光景に笑みを零すジンだった。










その後、鳴滝姉妹はガイアセイバーズへ参加することになった。

機龍とネギは頭を悩ませた。

生徒が戦いに参加することに………だけではなかった。

相変わらずの鳴滝姉妹の悪戯にもだった………










NEXT


前へ 戻る 次へ