第60話


機甲兵団ガイアセイバーズ基地、作戦室………

「全員、揃っているな」

集合して席に着いているメンバーを見渡しながら言う機龍。

そのやや右後ろに見たことのない男が立っていた。

「では、レイク軍曹。前に出てもらえるかな?」

「ハッ!!」

機龍の呼びかけに応じ、前に出てくる男。

茶色に近い赤色をした髪、黒目で少々つり目、顔つきは普通という風貌だ。

「個人傭兵家業[ストレート]から本国の要請を受けて、セイバー小隊特別増援として着任してくれた、シリウス・レイク軍曹だ」

「シリウス・レイクであります! 本日をもちまして、セイバー小隊の一員となります!!」

敬礼してメンバーに挨拶するシリウス。

「「「「「よろしくお願いしま〜〜す!!」」」」」

「「「「「よろしく頼むよ、レイク軍曹」」」」」

元気良く挨拶を返す3−Aメンバーと、敬礼を返しながらいう惑星J出身組。

「皆さんの噂は兼ね兼ねお伺いしております。一緒に戦えて光栄に思います」

「こっちも助かるよ。ここのところのヴァリムの動きが活発になってきてるからな。戦力は多い方がいい」

と、機龍が言った時、

「いや〜〜、でも、皆さんが使ってるPFって魔法技術が使われてるんですよね? その気になれば世界征服だってできちゃいそうですね」

「「「「「へっ!?」」」」」

突拍子なシリウスの言葉に一瞬考え込んでしまう3−A組。

(世界制服………そうしたら、世の中を美少年だらけの世界に!!)

(渋いおじ様だらけの世界に!!)

(格闘家だらけの世界に!!)

(肉まん食べ放題の世界に!!)

((思いっきり悪戯のできる世界に!!))

(悪くないな………)

不穏な考えを抱くあやか、アスナ、小太郎、クー、鳴滝姉妹、エヴァ。(思考順)

「オイ、そこ! 何考えてる!!」

「「「「「「ハッ!?」」」」」」

しかし、機龍の声で我に返る。

「レイク軍曹も、たちの悪い冗談はやめてくれ」

「そ、そうですわ!!」

「ホント、たちが悪いわよ!!」

妄想していた自分達の事は棚に上げて言うあやか達。

「あ、いや、スミマセン、そんなつもりじゃ………」

縮こまるシリウス。

「まあ、いい。とりあえず、今日からしっかり頼むぞ!」

「了解!!」

互いに敬礼しあう機龍とシリウスだった。











その後………

シミュレーションルーム………

仮想空間(廃墟)で睨み合っている、二刀を構える機龍のJフェニックスカスタムと、2本のビーム・トマホークを構えるモノアイタイプの頭部に、背中には大型のブースターを装備し、やや大きめの脚部という形状のPF………シリウスのJギルダー。

一度戦ってみたい、と言ってきたシリウスに機龍が応じ、シミュレーションでそれぞれの愛機のデータを使って対戦することとなった。

一方、立会人兼観客の3−Aの間では………

「さあ、どっちが勝つか? 賭けた、賭けた!!」

そんな2人の勝負をトトカルチョする一部の3−A組。(首謀者、カモ&和美)

「機龍先生に食券10枚!!」

「レイクさんに15枚!!」

こっちはこっちで盛り上がっている。

「お! 始まるアルよ!!」

クーの言葉に、全員が仮想空間を映し出しているメインモニターに注目する。

先に仕掛けたのはシリウス。

一気に距離を詰めたかと思うと、ビーム・トマホークを2本とも振る被り、垂直に振り下ろす。

機龍はそれを二刀で受け止める。

………と見せかけ、受け流し、バランスを崩させる。

「おお!?」

「セイヤッ!!」

空かさず今度は蹴りを叩き込み、Jギルダーを吹き飛ばし再び距離を開かす。

「うおっ!!」

さらに追い討ちを掛けるように二刀で連続斬りを繰り出す。

「とあぁぁぁーーーーっ!!」

「なんのこれしき!!」

しかし、それをビーム・トマホークで捌くJギルダー。

「くらえっ!!」

そして、至近距離から胸部兵器ギガ・バスターを発射体勢に入る。

「むうっ!!」

咄嗟にバーニアを全開にし、中に浮かび上がって回避するJフェニックス。

「掛かったな!!」

しかし、その瞬間、Jギルダーは素早く左手のビーム・トマホークをしまうと、カスタム・ウェポンズを装備する。

「くらえっ!!」

そして、ヘビーマシンガンモードにしてぶっ放す!

「ぐおぉっ!!」

撃破されなかったが、衝撃で二刀を手放し仰向けに倒れるJフェニックス。

「貰った!!」

右手に持ったままだったビーム・トマホークを振り下ろす。

「やられるか!!」

しかし、Jフェニックスは、なんと真剣白刃取りで受け止める!!

「何!? そんなのありか!?」

「ありだ!!」

キッパリと言い切り、頭部バルカンでビーム・トマホークを破壊する。

「どわっ!!」

思わず後ろに2、3歩よろけるJギルダー。

その間にJフェニックスも体勢を整える。

「コノォ!!」

脚部からパーツを取り出し、カスタム・ウェポンズをグレネードランチャーモードに切り替え、通常弾を発射する。

「トオッ!!」

だが、Jフェニックスは、今度はなんと弾丸に右パンチをお見舞いした!!

「なっ!!」

爆発する弾丸。

爆煙でJフェニックスが覆われる。

「何考えてんだ………グレネードに鉄拳をお見舞いするなんて………」

と、シリウスが思った瞬間!!

爆煙の中からJフェニックスがブースターを全開に解放し、突っ込んで来た。

「何!?」

そのまま体当たりを喰らい、仰向けに倒れるJギルダー。

「ぐわっ!!」

素早く起き上がろうとした時、コックピット部分にショットガンを突き付けられた。

「う!………参った」

シリウスがそう宣言し、模擬戦は機龍の勝利で終わった。

Jフェニックスは右腕が吹き飛び、ボディも少々損傷を受けていたが、重要部に問題はないようだ。

あえて自分から弾丸を破壊した瞬間、右腕を自切し犠牲にして隙をついたのだ。

シミュレーターから出てくる機龍とシリウス。

「やるじゃないか。実際、グレネードの威力がもう少しあったら、危なかった」

「いやいや、それでも片腕犠牲にして突っ込んで来るなんて、恐れ入りましたよ」

互いの健闘を称え合い、握手する2人。

「それでは、自分は機体整備がありますので、失礼します」

そう言って、シミュレーションルームを出て行くシリウス。

「「「「「じゃあ、私達も失礼しま〜〜す」」」」」

3−Aメンバーもそれに続いて出て行こうとする。

「ちょっと待て! さっきお前達、模擬戦で賭けをしていたろ」

ビシッと固まる3−Aメンバー。

「い、いやだな〜〜、先生」

「そ、そうだよ」

「そんなことするわけないじゃん」

3−Aメンバーは口々に否定する。

「ほう………ならば、朝倉くん」

「は、ハイ!!」

指名された途端、直立不動の体勢を取る和美。

「そのポケットから溢れている食券は何だ?」

「えっ!? ああ!!」

見ると、スカートのポケットから、入りきらなかった食券が零れ降りていた。

他のメンバーの顔からサーーと血の気が引き、青くなる。

「機甲兵団ガイアセイバーズ隊規、第5条127項………『基地内における賭け事は原則として一切禁止』………よって!!」

機龍の声が大きくなる。

「お前達、全員!! 超特別指導だーーーーーっ!!」

「「「「「ひえぇぇぇぇーーーーーーっ!!」」」」」

賭けに参加した3−Aメンバーの悲鳴が木霊した。











翌日、放課後………

基地へと向かって歩く機龍。

「はいっおまちどおー! デミグラスピザ確かにお届けしましたぁ!」

と、その途中、聞き覚えのある声が聞こえてきたので見てみると、バイクに跨ったシリウスがピザを届けていた。

「ほう………ちゃんと仕事してるんだな。狛牙に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだ」

シリウスの熱心な仕事ぶりに感心する機龍。

「え〜と、次は確かこの通りを左に………」

と、シリウスが言っていると、ピーポーピーポーという音と共に大量のパトカーがやって来た。

「なっ! またきやがったな毎度毎度しつこい奴らだ!」

シリウスはアクセルを全開にすると、風のようなスピードで走り去って言った。

パトカーの団体はそれを追っていく。

「…………まあ…………仕事熱心なんだと思おう…………」

頭を抱えて言う機龍。

それに追い討ちを掛けるかのように、腕時計通信機から敵襲を告げる通信が入るのだった。











「状況は!?」

作戦室に入るがいなや、オペレーターに状況を聞く機龍。

他のメンバーは既に全員集合していた。

「麻帆良郊外20キロの地点に巨大なエネルギー反応を確認! 識別機種はGF!」

「詳細は不明ですが、大きさが通常のGFの2倍あります」

「2倍だと!?」

報告に驚く機龍。

「もっと詳しく分からないのか?」

「待ってください、今解析して………あ! 無人哨戒監視カメラが映像をキャッチ!」

「メインモニターに転送します」

メインモニターが敵の映像を映し出す。

「「「「「「「!!」」」」」」」

その映像を見て全員が言葉を失った。

そこに映っていたのは、全長70メートル、全高60メートルはあろうかという多脚型の機動兵器だった。

全身の至る所に武装が施されている。

「な、何、アレ………」

「ジェノサイドデストロイヤー………」

機龍がボソリと呟く。

「ジェノサイドデストロイヤー?」

「ヴァリム軍が対拠点・対艦用に開発した超巨大多脚型GFだ。かつてアルサレア戦役でヤツ1機のせいでアルサレア軍の基地が5つ、吹き飛ばされた」

「「「「「「1機で基地を5つも!?」」」」」」

その言葉に戦慄する3−Aメンバー。

「幸いその時のヤツは、グレンリーダー率いるグレン小隊によって撃破されたが………まさか、他にも存在したとは………」

ジンも重々しく語る。

他のメンバーも閉口する。

(イカン………戦闘前の士気の低下は死に繋がる………しかし………今回ばかりは相手が悪すぎる………やむをえん、厳しいが今回は手練だけで………)

と、機龍が思った時、

「リーダー、質問があります」

シリウスが挙手しながら言った。

「ん? 何だ?」

全員がシリウスに注目する。

ひょっとした活路が開けるのではないかと。

しかし………

「おやつはいくらまでですか?」

と言うシリウスの言葉を聞いた途端、全員がズッこけた。

「あと、バナナはおやつに入りますか?」

「アナタという人はーーーーーーッ!!」

刹那が何処からか取り出したハリセンでシリウスを引っ叩いた。

「今この瞬間にそんなボケしますかーーーーーっ!!」

「あ〜〜、いや、場を和ませようと思ってだな………それとも、水筒の中身にジュースはOKですか? の方がよかった?」

刹那は夕凪の刃を鞘から覗かせる。

「おいおい………冗談だって………そいつはシャレになんねーから止めてくれー!!」

思いっきり後ずさるシリウス。

と、

「ククク………アハハハハハ!!」

機龍が笑い出したのを皮切りに全員が笑い出した。

「いや、たいしたもんだ、レイク軍曹。あの強敵を前にそんなボケをかませるとは」

一頻り笑うと、機龍は再びキリッとして全員を見た。

「さて、諸君。敵は途轍もなく強敵だ………しかし!! 我々に逃げること、負けることは許されない!!」

「ハイ!! この星の明日のために!!」

「人々の安全と自由のために!!」

「そして平和と………正義のために!!」

ネギ達の士気が上昇する。

「機甲兵団ガイアセイバーズ………スクランブル!!」

「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」











麻帆良郊外20キロの地点………

地響きを立てながら、麻帆良を目指すジェノサイドデストロイヤー。

と、何かを見つけたかのように歩みを止める。

やがて、麻帆良の方向の空から、複数の影が点々と現れる。

それはやがて、人の形を成し、ジェノサイドデストロイヤーを取り囲んだ。

機甲兵団ガイアセイバーズだ!!

「各機攻撃開始!! 出し惜しみするな!! 最初から全力で行け!!」

「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」

一斉攻撃のフォーメーションを取るガイアセイバーズ。

「「「「「「「ファイヤーーーーッ!!」」」」」」」

射撃兵装を持った機体が一斉掃射を開始する。

しかし!!

何と、ジェノサイドデストロイヤーが光の壁に包まれたかと思ったら、攻撃がそのままガイアセイバーズに跳ね返ってきた。

「「「「「えっ!!」」」」」

「何!?」

跳ね返った攻撃が、ガイアセイバーズを襲う。

「うわぁぁぁっ!!」

「キャアァァァッ!!」

「くっ!! 何だ、今のは!?」

何とかそれを回避しながら、今の光の壁の正体に考えを巡らせる機龍。

「機龍さん! 聞こえますか!!」

そこへ、基地のさよから通信が入る。

「こちら機龍! どうした!?」

「今、アルサレア本国にジェノサイドデストロイヤーについての情報を問い合わせたんですが、さっきの光の壁は多分、反転シールドです」

「反転シールド!?」

「レーザー・ビーム・実弾兵器等を180度反転して敵に跳ね返す特殊なシールドです」

「そんなことが可能なのか!?」

「分かりません。ですが、さっきのを見る限りはそうだと言うしか………」

「チッ! 厄介だな………」

舌打ちする機龍に今度は夕映が語りかけてくる。

「データによれば、反転シールドは接近戦には反応できません。グレンリーダーもそこをついて、撃破したようです」

「接近戦か………各機、被害報告!!」

各機の被害を確認する機龍。

「こちらGレディ! 右腕欠損!!」

[Gジェット、変形機能に異常! 戦闘機形態へ変形できません!!]

「Gウルフや! 腹部に喰らったわ! 出力が86%に低下!!」

「Gニンジャ! 左足を持っていかれたでござる!!」

被害を受けた機体から報告が挙がる。

「被害を受けた者は後方に回れ! 残りの者は俺に続け! 接近戦を仕掛ける!!」

「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」

機龍のJフェニックスカスタムに続き、ガイアセイバーズはジェノサイドデストロイヤーへと突撃する。

しかし、その瞬間!!

凄まじい砲撃がジェノサイドデストロイヤーの全身から放たれる。

「うおおっ!?」

「凄い弾幕よ!!」

「これじゃ近づけないわ!!」

そこへ、再び基地から通信が入る。

「皆さん、気をつけてください! 解析したら、ジェノサイドデストロイヤーの火器数が倍増されています」

「前回の戦いから、改良されてるみたいよ!!」

のどかと和美の慌てた声が響く。

「何だと!?」

「離れて攻撃すればシールドに跳ね返され、近づけば砲火の嵐に襲われる………」

「それじゃ如何すればいいのよ!!」

苛立ち気に叫ぶアスナ。

と、ジェノサイドデストロイヤーが不意にその歩みを止める。

背中に装備されている大型キャノン砲が肩へと展開され、発射態勢を取る。

「!! アレは!?」

「イカン!! ジェノサイド・キャノンを撃つ積もりか!?」

「アレを撃たれたら間違いなく麻帆良が吹き飛ぶぞ!!」

「「「「「「ええーーーーッ!!」」」」」」

「チャージ完了までは10分だ! その間にケリを着けるんだ!!」

大慌ててでジェノサイドデストロイヤーに接近を試みるガイアセイバーズ。

だが、やはり嵐のような砲火の前に、手が出せない。

[敵チャージ完了まで、後8分です!!]

ジェイスの報告がコックピットに響く。

「急げ!! 後8分だ!!」

「そんな………」

「ダメなの………」

機龍の通信に諦めかけている声が返ってくる。

(クッ!! 心が折れかけている………このままでは………)

「………しょうがない、奥の手だ!!」

と、そこへ、シリウスの声が響いてきた。

「ディノ!! シンクロ・システム、発動!!」

[おうよ!! やってやろうじゃないか!!]

それと同時にJギルダーの動きが変わる。

まるで人間が操っているとは思えぬ、動きで巧みに砲火を回避し、遂にジェノサイドデストロイヤーを肉薄する。

「!! 速い!!」

「ハイパーモードに一種か!?」

Jギルダーは、至近距離からのカスタム・メガ・ガトリング砲とギガ・バスター、それとビーム・トマホークを駆使してジェノサイドデストロイヤーを攻撃する。

しかし、ジェノサイドデストロイヤーの装甲は予想以上に厚く、効果的なダメージには至っていない。

[敵さんのチャージ時間は後6分! こっちの稼働時間はもう33秒しかねーぞ!! 急げオイ!!]

「分かってる! いざとなったら限界時間を越えてでも!!」

[バーロー!! オメーの身体が持つかよ!!]

シンクロ・システムの使用限界時間は2分33秒という制限があった。

徐々に焦り始めるシリウス。

と、背後のファン部分に廻った時、ファン周りに装備されていたビームバルカンがJギルダーの右腕のカスタム・メガ・ガトリング砲を撃ち抜いた。

暴発し、飛び散った弾の被害を受けるJギルダー。

「ぐわぁっ!!」

[右腕をやられた!! 機体にも相当のダメージ喰らったぞ!! シンクロ・システム、強制解除する!!]

「「「「「レイク軍曹!!」」」」」

「「「「「シリウスさん!!」」」」」

シリウスのフォローに入るガイアセイバーズ。

と、その時、機龍が飛び散った弾丸が、ジェノサイドデストロイヤーのファンにも当たっている光景を目にした。

最も、暴発して飛び散った弾丸なので、当たっただけで被害は与えられなかった。

(!?)

しかし、機龍はそれに違和感を感じた。

(何故ヤツは今、シールドを展開させなかった? いくら威力がないとは言え、今まで全ての飛び道具を反射させてきたのに………!! ひょっとして!!)

機龍のJフェニックスはすぐさまショットガンを抜き、ファンに向けて発砲した。

「「リーダー!?」」

「ちょっと、機龍さん! 何を!?」

慌てるガイアセイバーズのメンバーの予想を裏切り、弾丸は反射されず、ファンの一部を破壊した。

「「「「「えっ!?」」」」」

「これは!?」

「やはりか!!」

機龍は全機に通信を送る。

「全機、ヤツの背中のファンを狙え!! そこだけはシールドに覆われていない!!」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

一瞬混乱する3−Aメンバー。

[敵チャージ完了まで、後3分!!]

そこへジェイスのエマージェンシーが響く。

「急げ! 時間が無い!!」

「「「「「「ラ、ラジャーーーーッ!!」」」」」」

ジェノサイドデストロイヤーの背部ファンへ一斉攻撃を掛けるガイアセイバーズ。

攻撃は次々と命中し、遂にファンから火が上がる。

[敵エネルギー値、急激に低下!! シールド消滅!! ジェノサイド・キャノン、発射阻止に成功!!]

「よし!! 行くぞ、皆!!」

「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」

ガイアセイバーズは一気に攻撃態勢に移る。

ジェノサイドデストロイヤーは、最後の抵抗とばかりに火器兵装を乱射する。

「ハアァァァーーーーッ!!」

しかし、ジンのJブレイダーがソニックブーストで一気に接近し、バスターブレードでジェノサイドデストロイヤーの右腕のハイパービーム砲を切断した。

「まだまだ!!」

「こいつも喰らえ!!」

さらに、レイのJヘルがスクリームで足の1本を切り落とし、アーノルドのJクーロンが対PF用ビームトライデント『光刃』を頭部に突き刺す。

バランスを崩し、頭部からも煙を上げるジェノサイドデストロイヤー。

「エネルギークラァァァーーーーーッシュ!!」

そして、紅い光の矢となったJフェニックスが、胴体に風穴を開けた。

「今だよ! 皆!!」

「これで終わりにするぜ!!」

「全機! 一斉攻撃用意!!」

「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」

サクラ、レッディー、ゼラルドを中心に3−Aメンバーが一斉攻撃フォーメーションを取る。

「行くよぉぉぉーーーーーっ!!」

「トドメだ!!」

「撃てぇぇぇーーーーーっ!!」

3人の掛け声を引き金に、3−Aメンバーは一斉攻撃した。

「「「「「「ファイナル3−Aスペシャル!!」」」」」」

3−Aメンバーとサクラ、レッディー、ゼラルドの一斉攻撃は、ジェノサイドデストロイヤーへ全弾命中し、遂に破壊の王者は炎の中へと消えた。

[目標、完全に沈黙しました]

「うむ………機龍より各機へ。作戦終了だ………皆、よくやってくれた!!」

「「「「「「ヤッホーーーーイ!!」」」」」」

途端に、わーっと騒ぎ出す3−Aメンバー。

「やった! やったーーーーっ!!」

「ねえねえ! お祝いしない!? 強敵撃破の記念ってことでさー!!」

「お! 良いね、それ!!」

「じゃあ、基地に連絡して、祝勝会の準備してもらわなきゃ!!」

「「「「「「さんせーーーーい!!」」」」」」

そんな3−Aメンバーの声を通信機越しに聞く惑星J出身メンバー。

「やれやれ………」

「良いんですか、リーダー?」

「構わんさ。今日の敵はかなりの強敵だった。倒せたのは皆の御蔭だ、パーティぐらい開かせてやろうじゃないか」

「そうですね」

「いつもこんなノリなんですか? ガイアセイバーズって?」

Jフェニックスに支えられながら飛んでいるJギルダーから、機龍に通信で聞くシリウス。

「まあ、そうだな。あの年の頃は何かと騒ぎたがるもんだ」

「そうですね………」

「機龍さ〜〜〜ん、早く帰ろうよ〜〜〜。それで、パーティしようよ〜〜〜」

と、痺れを切らしたかのように、まき絵から通信が入ってくる。

「分かった分かった………全機、基地へと帰還せよ! その後は、皆でパーティだ!!」

「「「「「「ヤッホーーーーイ!!」」」」」」

我先にと基地へと帰還を始める3−Aメンバー。

やや遅れて、惑星J出身メンバーもそれに続くのだった。










その後、パーティでは………

攻略の糸口を掴んだとして、シリウスが主役に祭り上げられ、刹那と天然(刹那からの一方的)どつき漫才を演じ、笑いを取るのだった。










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