機甲兵団ガイアセイバーズ基地、作戦室………
「全員、揃っているな」
集合して席に着いているメンバーを見渡しながら言う機龍。
そのやや右後ろに見たことのない男が立っていた。
「では、レイク軍曹。前に出てもらえるかな?」
「ハッ!!」
機龍の呼びかけに応じ、前に出てくる男。
茶色に近い赤色をした髪、黒目で少々つり目、顔つきは普通という風貌だ。
「個人傭兵家業[ストレート]から本国の要請を受けて、セイバー小隊特別増援として着任してくれた、シリウス・レイク軍曹だ」
「シリウス・レイクであります! 本日をもちまして、セイバー小隊の一員となります!!」
敬礼してメンバーに挨拶するシリウス。
「「「「「よろしくお願いしま〜〜す!!」」」」」
「「「「「よろしく頼むよ、レイク軍曹」」」」」
元気良く挨拶を返す3−Aメンバーと、敬礼を返しながらいう惑星J出身組。
「皆さんの噂は兼ね兼ねお伺いしております。一緒に戦えて光栄に思います」
「こっちも助かるよ。ここのところのヴァリムの動きが活発になってきてるからな。戦力は多い方がいい」
と、機龍が言った時、
「いや〜〜、でも、皆さんが使ってるPFって魔法技術が使われてるんですよね? その気になれば世界征服だってできちゃいそうですね」
「「「「「へっ!?」」」」」
突拍子なシリウスの言葉に一瞬考え込んでしまう3−A組。
(世界制服………そうしたら、世の中を美少年だらけの世界に!!)
(渋いおじ様だらけの世界に!!)
(格闘家だらけの世界に!!)
(肉まん食べ放題の世界に!!)
((思いっきり悪戯のできる世界に!!))
(悪くないな………)
不穏な考えを抱くあやか、アスナ、小太郎、クー、鳴滝姉妹、エヴァ。(思考順)
「オイ、そこ! 何考えてる!!」
「「「「「「ハッ!?」」」」」」
しかし、機龍の声で我に返る。
「レイク軍曹も、たちの悪い冗談はやめてくれ」
「そ、そうですわ!!」
「ホント、たちが悪いわよ!!」
妄想していた自分達の事は棚に上げて言うあやか達。
「あ、いや、スミマセン、そんなつもりじゃ………」
縮こまるシリウス。
「まあ、いい。とりあえず、今日からしっかり頼むぞ!」
「了解!!」
互いに敬礼しあう機龍とシリウスだった。
*
その後………
シミュレーションルーム………
仮想空間(廃墟)で睨み合っている、二刀を構える機龍のJフェニックスカスタムと、2本のビーム・トマホークを構えるモノアイタイプの頭部に、背中には大型のブースターを装備し、やや大きめの脚部という形状のPF………シリウスのJギルダー。
一度戦ってみたい、と言ってきたシリウスに機龍が応じ、シミュレーションでそれぞれの愛機のデータを使って対戦することとなった。
一方、立会人兼観客の3−Aの間では………
「さあ、どっちが勝つか? 賭けた、賭けた!!」
そんな2人の勝負をトトカルチョする一部の3−A組。(首謀者、カモ&和美)
「機龍先生に食券10枚!!」
「レイクさんに15枚!!」
こっちはこっちで盛り上がっている。
「お! 始まるアルよ!!」
クーの言葉に、全員が仮想空間を映し出しているメインモニターに注目する。
先に仕掛けたのはシリウス。
一気に距離を詰めたかと思うと、ビーム・トマホークを2本とも振る被り、垂直に振り下ろす。
機龍はそれを二刀で受け止める。
………と見せかけ、受け流し、バランスを崩させる。
「おお!?」
「セイヤッ!!」
空かさず今度は蹴りを叩き込み、Jギルダーを吹き飛ばし再び距離を開かす。
「うおっ!!」
さらに追い討ちを掛けるように二刀で連続斬りを繰り出す。
「とあぁぁぁーーーーっ!!」
「なんのこれしき!!」
しかし、それをビーム・トマホークで捌くJギルダー。
「くらえっ!!」
そして、至近距離から胸部兵器ギガ・バスターを発射体勢に入る。
「むうっ!!」
咄嗟にバーニアを全開にし、中に浮かび上がって回避するJフェニックス。
「掛かったな!!」
しかし、その瞬間、Jギルダーは素早く左手のビーム・トマホークをしまうと、カスタム・ウェポンズを装備する。
「くらえっ!!」
そして、ヘビーマシンガンモードにしてぶっ放す!
「ぐおぉっ!!」
撃破されなかったが、衝撃で二刀を手放し仰向けに倒れるJフェニックス。
「貰った!!」
右手に持ったままだったビーム・トマホークを振り下ろす。
「やられるか!!」
しかし、Jフェニックスは、なんと真剣白刃取りで受け止める!!
「何!? そんなのありか!?」
「ありだ!!」
キッパリと言い切り、頭部バルカンでビーム・トマホークを破壊する。
「どわっ!!」
思わず後ろに2、3歩よろけるJギルダー。
その間にJフェニックスも体勢を整える。
「コノォ!!」
脚部からパーツを取り出し、カスタム・ウェポンズをグレネードランチャーモードに切り替え、通常弾を発射する。
「トオッ!!」
だが、Jフェニックスは、今度はなんと弾丸に右パンチをお見舞いした!!
「なっ!!」
爆発する弾丸。
爆煙でJフェニックスが覆われる。
「何考えてんだ………グレネードに鉄拳をお見舞いするなんて………」
と、シリウスが思った瞬間!!
爆煙の中からJフェニックスがブースターを全開に解放し、突っ込んで来た。
「何!?」
そのまま体当たりを喰らい、仰向けに倒れるJギルダー。
「ぐわっ!!」
素早く起き上がろうとした時、コックピット部分にショットガンを突き付けられた。
「う!………参った」
シリウスがそう宣言し、模擬戦は機龍の勝利で終わった。
Jフェニックスは右腕が吹き飛び、ボディも少々損傷を受けていたが、重要部に問題はないようだ。
あえて自分から弾丸を破壊した瞬間、右腕を自切し犠牲にして隙をついたのだ。
シミュレーターから出てくる機龍とシリウス。
「やるじゃないか。実際、グレネードの威力がもう少しあったら、危なかった」
「いやいや、それでも片腕犠牲にして突っ込んで来るなんて、恐れ入りましたよ」
互いの健闘を称え合い、握手する2人。
「それでは、自分は機体整備がありますので、失礼します」
そう言って、シミュレーションルームを出て行くシリウス。
「「「「「じゃあ、私達も失礼しま〜〜す」」」」」
3−Aメンバーもそれに続いて出て行こうとする。
「ちょっと待て! さっきお前達、模擬戦で賭けをしていたろ」
ビシッと固まる3−Aメンバー。
「い、いやだな〜〜、先生」
「そ、そうだよ」
「そんなことするわけないじゃん」
3−Aメンバーは口々に否定する。
「ほう………ならば、朝倉くん」
「は、ハイ!!」
指名された途端、直立不動の体勢を取る和美。
「そのポケットから溢れている食券は何だ?」
「えっ!? ああ!!」
見ると、スカートのポケットから、入りきらなかった食券が零れ降りていた。
他のメンバーの顔からサーーと血の気が引き、青くなる。
「機甲兵団ガイアセイバーズ隊規、第5条127項………『基地内における賭け事は原則として一切禁止』………よって!!」
機龍の声が大きくなる。
「お前達、全員!! 超特別指導だーーーーーっ!!」
「「「「「ひえぇぇぇぇーーーーーーっ!!」」」」」
賭けに参加した3−Aメンバーの悲鳴が木霊した。
*
翌日、放課後………
基地へと向かって歩く機龍。
「はいっおまちどおー! デミグラスピザ確かにお届けしましたぁ!」
と、その途中、聞き覚えのある声が聞こえてきたので見てみると、バイクに跨ったシリウスがピザを届けていた。
「ほう………ちゃんと仕事してるんだな。狛牙に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだ」
シリウスの熱心な仕事ぶりに感心する機龍。
「え〜と、次は確かこの通りを左に………」
と、シリウスが言っていると、ピーポーピーポーという音と共に大量のパトカーがやって来た。
「なっ! またきやがったな毎度毎度しつこい奴らだ!」
シリウスはアクセルを全開にすると、風のようなスピードで走り去って言った。
パトカーの団体はそれを追っていく。
「…………まあ…………仕事熱心なんだと思おう…………」
頭を抱えて言う機龍。
それに追い討ちを掛けるかのように、腕時計通信機から敵襲を告げる通信が入るのだった。
*
「状況は!?」
作戦室に入るがいなや、オペレーターに状況を聞く機龍。
他のメンバーは既に全員集合していた。
「麻帆良郊外20キロの地点に巨大なエネルギー反応を確認! 識別機種はGF!」
「詳細は不明ですが、大きさが通常のGFの2倍あります」
「2倍だと!?」
報告に驚く機龍。
「もっと詳しく分からないのか?」
「待ってください、今解析して………あ! 無人哨戒監視カメラが映像をキャッチ!」
「メインモニターに転送します」
メインモニターが敵の映像を映し出す。
「「「「「「「!!」」」」」」」
その映像を見て全員が言葉を失った。
そこに映っていたのは、全長70メートル、全高60メートルはあろうかという多脚型の機動兵器だった。
全身の至る所に武装が施されている。
「な、何、アレ………」
「ジェノサイドデストロイヤー………」
機龍がボソリと呟く。
「ジェノサイドデストロイヤー?」
「ヴァリム軍が対拠点・対艦用に開発した超巨大多脚型GFだ。かつてアルサレア戦役でヤツ1機のせいでアルサレア軍の基地が5つ、吹き飛ばされた」
「「「「「「1機で基地を5つも!?」」」」」」
その言葉に戦慄する3−Aメンバー。
「幸いその時のヤツは、グレンリーダー率いるグレン小隊によって撃破されたが………まさか、他にも存在したとは………」
ジンも重々しく語る。
他のメンバーも閉口する。
(イカン………戦闘前の士気の低下は死に繋がる………しかし………今回ばかりは相手が悪すぎる………やむをえん、厳しいが今回は手練だけで………)
と、機龍が思った時、
「リーダー、質問があります」
シリウスが挙手しながら言った。
「ん? 何だ?」
全員がシリウスに注目する。
ひょっとした活路が開けるのではないかと。
しかし………
「おやつはいくらまでですか?」
と言うシリウスの言葉を聞いた途端、全員がズッこけた。
「あと、バナナはおやつに入りますか?」
「アナタという人はーーーーーーッ!!」
刹那が何処からか取り出したハリセンでシリウスを引っ叩いた。
「今この瞬間にそんなボケしますかーーーーーっ!!」
「あ〜〜、いや、場を和ませようと思ってだな………それとも、水筒の中身にジュースはOKですか? の方がよかった?」
刹那は夕凪の刃を鞘から覗かせる。
「おいおい………冗談だって………そいつはシャレになんねーから止めてくれー!!」
思いっきり後ずさるシリウス。
と、
「ククク………アハハハハハ!!」
機龍が笑い出したのを皮切りに全員が笑い出した。
「いや、たいしたもんだ、レイク軍曹。あの強敵を前にそんなボケをかませるとは」
一頻り笑うと、機龍は再びキリッとして全員を見た。
「さて、諸君。敵は途轍もなく強敵だ………しかし!! 我々に逃げること、負けることは許されない!!」
「ハイ!! この星の明日のために!!」
「人々の安全と自由のために!!」
「そして平和と………正義のために!!」
ネギ達の士気が上昇する。
「機甲兵団ガイアセイバーズ………スクランブル!!」
「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」
*
麻帆良郊外20キロの地点………
地響きを立てながら、麻帆良を目指すジェノサイドデストロイヤー。
と、何かを見つけたかのように歩みを止める。
やがて、麻帆良の方向の空から、複数の影が点々と現れる。
それはやがて、人の形を成し、ジェノサイドデストロイヤーを取り囲んだ。
機甲兵団ガイアセイバーズだ!!
「各機攻撃開始!! 出し惜しみするな!! 最初から全力で行け!!」
「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」
一斉攻撃のフォーメーションを取るガイアセイバーズ。
「「「「「「「ファイヤーーーーッ!!」」」」」」」
射撃兵装を持った機体が一斉掃射を開始する。
しかし!!
何と、ジェノサイドデストロイヤーが光の壁に包まれたかと思ったら、攻撃がそのままガイアセイバーズに跳ね返ってきた。
「「「「「えっ!!」」」」」
「何!?」
跳ね返った攻撃が、ガイアセイバーズを襲う。
「うわぁぁぁっ!!」
「キャアァァァッ!!」
「くっ!! 何だ、今のは!?」
何とかそれを回避しながら、今の光の壁の正体に考えを巡らせる機龍。
「機龍さん! 聞こえますか!!」
そこへ、基地のさよから通信が入る。
「こちら機龍! どうした!?」
「今、アルサレア本国にジェノサイドデストロイヤーについての情報を問い合わせたんですが、さっきの光の壁は多分、反転シールドです」
「反転シールド!?」
「レーザー・ビーム・実弾兵器等を180度反転して敵に跳ね返す特殊なシールドです」
「そんなことが可能なのか!?」
「分かりません。ですが、さっきのを見る限りはそうだと言うしか………」
「チッ! 厄介だな………」
舌打ちする機龍に今度は夕映が語りかけてくる。
「データによれば、反転シールドは接近戦には反応できません。グレンリーダーもそこをついて、撃破したようです」
「接近戦か………各機、被害報告!!」
各機の被害を確認する機龍。
「こちらGレディ! 右腕欠損!!」
[Gジェット、変形機能に異常! 戦闘機形態へ変形できません!!]
「Gウルフや! 腹部に喰らったわ! 出力が86%に低下!!」
「Gニンジャ! 左足を持っていかれたでござる!!」
被害を受けた機体から報告が挙がる。
「被害を受けた者は後方に回れ! 残りの者は俺に続け! 接近戦を仕掛ける!!」
「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」
機龍のJフェニックスカスタムに続き、ガイアセイバーズはジェノサイドデストロイヤーへと突撃する。
しかし、その瞬間!!
凄まじい砲撃がジェノサイドデストロイヤーの全身から放たれる。
「うおおっ!?」
「凄い弾幕よ!!」
「これじゃ近づけないわ!!」
そこへ、再び基地から通信が入る。
「皆さん、気をつけてください! 解析したら、ジェノサイドデストロイヤーの火器数が倍増されています」
「前回の戦いから、改良されてるみたいよ!!」
のどかと和美の慌てた声が響く。
「何だと!?」
「離れて攻撃すればシールドに跳ね返され、近づけば砲火の嵐に襲われる………」
「それじゃ如何すればいいのよ!!」
苛立ち気に叫ぶアスナ。
と、ジェノサイドデストロイヤーが不意にその歩みを止める。
背中に装備されている大型キャノン砲が肩へと展開され、発射態勢を取る。
「!! アレは!?」
「イカン!! ジェノサイド・キャノンを撃つ積もりか!?」
「アレを撃たれたら間違いなく麻帆良が吹き飛ぶぞ!!」
「「「「「「ええーーーーッ!!」」」」」」
「チャージ完了までは10分だ! その間にケリを着けるんだ!!」
大慌ててでジェノサイドデストロイヤーに接近を試みるガイアセイバーズ。
だが、やはり嵐のような砲火の前に、手が出せない。
[敵チャージ完了まで、後8分です!!]
ジェイスの報告がコックピットに響く。
「急げ!! 後8分だ!!」
「そんな………」
「ダメなの………」
機龍の通信に諦めかけている声が返ってくる。
(クッ!! 心が折れかけている………このままでは………)
「………しょうがない、奥の手だ!!」
と、そこへ、シリウスの声が響いてきた。
「ディノ!! シンクロ・システム、発動!!」
[おうよ!! やってやろうじゃないか!!]
それと同時にJギルダーの動きが変わる。
まるで人間が操っているとは思えぬ、動きで巧みに砲火を回避し、遂にジェノサイドデストロイヤーを肉薄する。
「!! 速い!!」
「ハイパーモードに一種か!?」
Jギルダーは、至近距離からのカスタム・メガ・ガトリング砲とギガ・バスター、それとビーム・トマホークを駆使してジェノサイドデストロイヤーを攻撃する。
しかし、ジェノサイドデストロイヤーの装甲は予想以上に厚く、効果的なダメージには至っていない。
[敵さんのチャージ時間は後6分! こっちの稼働時間はもう33秒しかねーぞ!! 急げオイ!!]
「分かってる! いざとなったら限界時間を越えてでも!!」
[バーロー!! オメーの身体が持つかよ!!]
シンクロ・システムの使用限界時間は2分33秒という制限があった。
徐々に焦り始めるシリウス。
と、背後のファン部分に廻った時、ファン周りに装備されていたビームバルカンがJギルダーの右腕のカスタム・メガ・ガトリング砲を撃ち抜いた。
暴発し、飛び散った弾の被害を受けるJギルダー。
「ぐわぁっ!!」
[右腕をやられた!! 機体にも相当のダメージ喰らったぞ!! シンクロ・システム、強制解除する!!]
「「「「「レイク軍曹!!」」」」」
「「「「「シリウスさん!!」」」」」
シリウスのフォローに入るガイアセイバーズ。
と、その時、機龍が飛び散った弾丸が、ジェノサイドデストロイヤーのファンにも当たっている光景を目にした。
最も、暴発して飛び散った弾丸なので、当たっただけで被害は与えられなかった。
(!?)
しかし、機龍はそれに違和感を感じた。
(何故ヤツは今、シールドを展開させなかった? いくら威力がないとは言え、今まで全ての飛び道具を反射させてきたのに………!! ひょっとして!!)
機龍のJフェニックスはすぐさまショットガンを抜き、ファンに向けて発砲した。
「「リーダー!?」」
「ちょっと、機龍さん! 何を!?」
慌てるガイアセイバーズのメンバーの予想を裏切り、弾丸は反射されず、ファンの一部を破壊した。
「「「「「えっ!?」」」」」
「これは!?」
「やはりか!!」
機龍は全機に通信を送る。
「全機、ヤツの背中のファンを狙え!! そこだけはシールドに覆われていない!!」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
一瞬混乱する3−Aメンバー。
[敵チャージ完了まで、後3分!!]
そこへジェイスのエマージェンシーが響く。
「急げ! 時間が無い!!」
「「「「「「ラ、ラジャーーーーッ!!」」」」」」
ジェノサイドデストロイヤーの背部ファンへ一斉攻撃を掛けるガイアセイバーズ。
攻撃は次々と命中し、遂にファンから火が上がる。
[敵エネルギー値、急激に低下!! シールド消滅!! ジェノサイド・キャノン、発射阻止に成功!!]
「よし!! 行くぞ、皆!!」
「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」
ガイアセイバーズは一気に攻撃態勢に移る。
ジェノサイドデストロイヤーは、最後の抵抗とばかりに火器兵装を乱射する。
「ハアァァァーーーーッ!!」
しかし、ジンのJブレイダーがソニックブーストで一気に接近し、バスターブレードでジェノサイドデストロイヤーの右腕のハイパービーム砲を切断した。
「まだまだ!!」
「こいつも喰らえ!!」
さらに、レイのJヘルがスクリームで足の1本を切り落とし、アーノルドのJクーロンが対PF用ビームトライデント『光刃』を頭部に突き刺す。
バランスを崩し、頭部からも煙を上げるジェノサイドデストロイヤー。
「エネルギークラァァァーーーーーッシュ!!」
そして、紅い光の矢となったJフェニックスが、胴体に風穴を開けた。
「今だよ! 皆!!」
「これで終わりにするぜ!!」
「全機! 一斉攻撃用意!!」
「「「「「「ラジャーーーーッ!!」」」」」」
サクラ、レッディー、ゼラルドを中心に3−Aメンバーが一斉攻撃フォーメーションを取る。
「行くよぉぉぉーーーーーっ!!」
「トドメだ!!」
「撃てぇぇぇーーーーーっ!!」
3人の掛け声を引き金に、3−Aメンバーは一斉攻撃した。
「「「「「「ファイナル3−Aスペシャル!!」」」」」」
3−Aメンバーとサクラ、レッディー、ゼラルドの一斉攻撃は、ジェノサイドデストロイヤーへ全弾命中し、遂に破壊の王者は炎の中へと消えた。
[目標、完全に沈黙しました]
「うむ………機龍より各機へ。作戦終了だ………皆、よくやってくれた!!」
「「「「「「ヤッホーーーーイ!!」」」」」」
途端に、わーっと騒ぎ出す3−Aメンバー。
「やった! やったーーーーっ!!」
「ねえねえ! お祝いしない!? 強敵撃破の記念ってことでさー!!」
「お! 良いね、それ!!」
「じゃあ、基地に連絡して、祝勝会の準備してもらわなきゃ!!」
「「「「「「さんせーーーーい!!」」」」」」
そんな3−Aメンバーの声を通信機越しに聞く惑星J出身メンバー。
「やれやれ………」
「良いんですか、リーダー?」
「構わんさ。今日の敵はかなりの強敵だった。倒せたのは皆の御蔭だ、パーティぐらい開かせてやろうじゃないか」
「そうですね」
「いつもこんなノリなんですか? ガイアセイバーズって?」
Jフェニックスに支えられながら飛んでいるJギルダーから、機龍に通信で聞くシリウス。
「まあ、そうだな。あの年の頃は何かと騒ぎたがるもんだ」
「そうですね………」
「機龍さ〜〜〜ん、早く帰ろうよ〜〜〜。それで、パーティしようよ〜〜〜」
と、痺れを切らしたかのように、まき絵から通信が入ってくる。
「分かった分かった………全機、基地へと帰還せよ! その後は、皆でパーティだ!!」
「「「「「「ヤッホーーーーイ!!」」」」」」
我先にと基地へと帰還を始める3−Aメンバー。
やや遅れて、惑星J出身メンバーもそれに続くのだった。
その後、パーティでは………
攻略の糸口を掴んだとして、シリウスが主役に祭り上げられ、刹那と天然(刹那からの一方的)どつき漫才を演じ、笑いを取るのだった。
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