第79話


遂に、麻帆良へと再進撃を開始した、ヴァリム軍要塞島。

空中で、戦艦を中心に陣形を組みガイアセイバーズとガーディアンエルフ空中部隊。

さらに地上には、関東魔法協会とガーディアンエルフ陸上部隊が陣取っていた。

「要塞島接近!!」

「内部より多脚戦車部隊、PF部隊、GF部隊、艦隊………あ! 式神部隊も確認しました!!」

バハムートのオペレーター達が次々に報告を挙げる。

「有人機の連中はどうした?」

「今の所、確認できません!」

機龍の問いかけに、すぐさま答えるオペレーター。

「取り敢えずは、無人機の部隊だけというわけですね………」

「油断するな、レイ。敵は何をしてくるか分からないぞ」

安堵しかけたレイを窘めるアーノルド。

「例え敵が何をしてこようと、我々はそれを打ち砕かなくていかん! 行くぞ!! 作戦開始!!」

「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」

全部隊は要塞島へと突撃した。











機甲兵団ガイアセイバーズ基地………

「戦闘が始まったみたいね………」

基地内に走る振動から、戦闘の始まりを感じるアスナ。

「そうのようですわね………茶々丸さん、急ぎませんと」

[分かっています………こちらです]

それを聞いて、歩みを速めるあやかと茶々丸。

そう、機体を失った3人である。

3人は、今朝の演説の後、機龍に言われ、基地に来ていた。

曰く、地下第8格納庫に、秘密兵器が眠っているそうだ。

それを失った機体代わりに使うと良いと。

アスナ達は、半信半疑ながらも、機龍の言った通り、基地に来ていた。

そして、茶々丸が引き出した基地の秘密情報を頼りに、第8格納庫を目指していた。

[着きました。ここが第8格納庫の入り口です]

遂に3人は、第8格納庫と書かれた扉の前に辿り着いた。

「ここが第8格納庫………」

「開けますわよ………」

扉を開け放ち、3人は中へと入っていった。

「こ、コレは!?」

「何ですの!?」

[!!]

その中には、150メートルは有ろうかという人型兵器と、巨大な重武装マシンがあった………











そして、地下シェルターでは………

こちらでも、地響きが鳴り響き、細かな振動が走っていた。

「うわっ!! また始まったのか!?」

「チクショウ!! 何だってんだよ!!」

恐怖に震える住民達。

「一体、麻帆良はどうなっちまうんだーーー!!」

「………なあ、ちょっと思い出したんだが………」

と、そこで、住民の1人が声を挙げた。

「何だよ、こんな時に!!」

「最初にあのロボット軍団が襲ってきた時、それを迎え撃っていたロボットがいなかったか?」

「えっ!?………あ!! そう言えば………」

「いたな、確かに!」

住民達の中には、最初の戦いで、ガイアセイバーズとガーディアンエルフが戦うのを目撃した人間が多数いた。

「ひょっとして、またそいつ等が戦ってくれてたりしねーかな?」

「まさか………いや、ひょっとしたら………」

「うん! きっとそうだよ!!」

と、そこへ、1人の少年が口を挿んだ

「きっと、あのロボットさん達は、また戦ってくれてるよ!! 絶対!!」

確信しているかのように言う少年。

「………そうか、そうだよな! ここは麻帆良だ! 正義のロボット軍団がいても可笑しくはねー!!」

「オイ! だとしたら、このままで良いのか!?」

「そうだぜ! ロボット軍団にばかり任しちゃおけねー!!」

「俺達の街は………俺達が守るんだ!! 行くぞーーーーっ!!」

「「「「「おおーーーーーーっ!!」」」」」

『とある集まり』の若者達が血気盛んに、シェルターから出撃して行った。

「きっと戦ってるよ………そうだよね、小太郎お兄ちゃん」

その少年は、かつて小太郎に命を助けられた少年………翔だった。











そして、ガイアセイバーズ達は………

戦闘フィールド・ガイアセイバーズとガーディアンエルフ空中部隊………

「クソッ!! どうなってるんだ! 敵がしぶといぞ!!」

敵PFが異様なまでに打たれ強くなっており、苦戦を強いられていた。

「ひょっとして………」

と、何かを感じた地上の勇輝が、敵PFを1機、モニターに拡大してみる。

すると、敵PFは、全身を覆う増加装甲のような物を纏っていることに気がついた。

「げえぇ〜〜〜〜っ! 肉じゅばん!!」

「何だ? そのふざけた名前は?」

思わず叫んだ勇輝に聞き返すレイ。

「ヴァリム軍が対拠点制圧用に開発した増加装甲のあだ名だ! 機動性がかなり損なわれる代わりに、耐久力が異様なまでに増加しちまう厄介な代物だ」

「なるほど………しかし!!」

それを聞いた機龍は、1機のヌエ(肉じゅばん付き)を肉薄すると、腰間接を狙って刀を振った。

ヌエは腰から真っ二つになり、爆散した。

「いかに装甲を増加しようと、間接までは増加できまい」

「簡単に言うね〜〜。まあ、俺には関係ないけどね」

勇輝は、そう言うと、全レールキャノンを同時発射した。

轟音と共に、弾道上の敵PFが次々と爆散した。

「装甲が増加されてるんなら、その上から叩き潰すだけだ!」

「フッ………お前らしいな」

機龍は、フッと笑って言う。

「き、機龍さん!!」

と、そこへ、ネギが驚いたような声で通信を入れてきた。

「どうした、ネギくん? 敵の増援か!?」

「い、いえ! アレを!!」

ネギは、Gウィザードの手で、地上の方を指差した。

「!! アレは!?」

機龍も、ネギが指差した方を見て、驚きを示した。

その先には………











戦闘フィールド・関東魔法協会、ガイアセイバーズとガーディアンエルフ地上部隊………

地上部隊も相当の苦戦を強いられていた。

敵PF部隊が列を組んで行軍し、多脚戦車部隊が後方より支援砲撃し、その隙間を縫うように式神部隊が襲ってきていた。

特に、生身で戦っている魔法協会陣は、危機に晒されていた。

「ぬうぅっ!! 考えられた陣形だ!!」

「今の戦力だけじゃ持ち堪えられません!!」

「弱音を吐くな! サウザンドマスター達を見ろ!!」

泣き言を言う者に、教授がサウザンドマスター達の方を指差して言った。

「悪魔チョップッ!!」

「ウ○トラダイナマイトッ!!」

「甘い!! 甘い!! 甘いぃぃぃぃぃっ!! だからお前はアホなのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

そこには、手刀でPFを唐竹割りにするヘルマン。

燃え上がって敵に突っ込んで自爆した後、自分だけ再生するという反則的な技を使っているアル。

そして、秋○羊介ボイスになって、素手でPF破壊しているナギの姿があった。

「………あの人達は人間じゃないよ」

………反って士気が低下した。

「あ〜〜〜も〜〜〜!!」

と、そこへ………

複数の風切り音がして、砲弾の雨が敵軍に降り注いだ!!

「えっ!?」

「何だ!?」

驚いた協会の人達が後ろを振り向くと、そこには、土煙を上げながら行軍してくる戦車を中心とした戦闘車両の軍団の姿があった!!

「「「「「「ええ〜〜〜〜〜っ!!」」」」」」

驚きの声を上げる協会の人間達。

「こちらは、麻帆良大学軍事研究部陸軍部隊!! 正義の味方達よ!! これより、そちらを援護する!!」

司令官機と思しき戦車の外部スピーカーから声が響く。

「全車両!! 砲撃開始ーーーーーっ!!」

「「「「「「サー! イエッサーーーーーッ!!」」」」」」

命令の下、ミサイル、砲弾、弾丸が弾幕を張って地上部隊を援護した。

これにより、多脚戦車部隊、式神部隊が次々に葬られていった。

しかし、やはりPF部隊には効き難くようで、その数はあまり減っていかなかった。

「チキショーッ!! ロボット野郎の方はしぶといぞ!!」

「怯むなーっ!! 兎に角、撃つべし、撃つべしだーーーーっ!!」

と、そこへ………

またも風切り音が聞こえてきて、今度はさらに巨大な砲弾が敵PF部隊に着弾し、爆炎を立てた!!

「こ、今度は何だ!?」

「おお〜〜〜っ!! 海軍部隊の援護艦砲射撃だ!!」

「「「「「「ええ〜〜〜〜〜っ!!」」」」」」

またも、驚きの声を上げる協会の人間達。











麻帆良湖上………

戦艦、航空母艦、潜水艦などの連合艦隊が、砲門を地上及び空中の敵軍に向ける。

「麻帆良大学軍事研究部海軍部隊!! 援護砲撃ーーーーーっ!!」

「「「「「「アイアイサーーーーーッ!!」」」」」」

砲弾が弧を描き、ミサイルが白煙を引きながら次々に着弾していく。

「各砲座!! 撃って撃って撃ちまくれーーーーーッ!!」

「「「「「「アイアイサーーーーーッ!!」」」」」」

もはや暴力とも言える弾幕が、着弾しては炎を上げていく。











戦闘フィールド・ガイアセイバーズとガーディアンエルフ空中部隊………

その光景は、空中部隊の目にも入っていた。

「ほ、ほえ〜〜〜、凄いことになってる………」

「流石は麻帆良の住民だな。怯えてるどころか、奮い立ってきてるよ」

感心の声を挙げるサクラとレイ。

と、そこへ………ジェットエンジンの音と、ローター音が響いてきた。

「「「「「「へっ!?」」」」」」

何かと思って、全員が音がしてきた方向を見てみる。

そこには、空を埋め尽くさんとばかりの戦闘機と戦闘ヘリの大軍がいた。

「………今度は空軍部隊か?」

「そのとおり!! 我々は麻帆良大学軍事研究部空軍部隊である!! これより、貴殿等を援護する!!」

半ば呆れたように言った機龍に、高らかに名乗る麻帆良大学軍事研究部空軍部隊。

………時折、ジェッ○ビートルやウ○トラホーク、マッ○アローなどなどが混ざっているように見えるのは気のせいだだろうか?

「全機!! 攻撃開始ーーーーーっ!!」

「「「「「「「了解っ!!」」」」」」」

隊長と思しき人物の声と共に、ミサイル、バルカン、砲弾、『火花みたいな光弾』による援護攻撃が開始される。

「さあ、今の内に! 早く奴等の基地を!!」

「ああ、分かってるよ!! 超!! アンダーセン艦長代理!!」

「了解ネ!! バハムート、全速前進!!」

「ビリーブも弾幕を張りつつ続きなさい!!」

バハムートとビリーブが、空軍部隊が突いた隙間を縫うように前進する。

「我々も遅れるなよっ!!」

「「「「「「「おおーーーーーーっ!!」」」」」」」

そして、2艦を守るようにガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊が前進する。

ズンズンと要塞島へと迫るガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊。

だが、その前に、今度はデプスティンガー艦隊が立ちはだかる。

さらに、要塞島から新たな敵機が出現する。

「敵増援を確認!!」

「識別は………!! GFです!!」

「何っ!?」

慌てて確認してみると、要塞島から宙を飛ぶGFの軍団が次々に現れてきていた。

「奴等、GFに飛行能力を加えることに成功したのか!?」

「チッ!! マズイな………ここにきて、この増援とは………」

「どうします、リーダー?」

ジンが、機龍に尋ねた。

「………そろそろか」

「??」

機龍が言った言葉の意味が分からず、?を浮かべるジン。











バハムート・ブリッジ………

「全火力を前方に集中!! このまま全速力で突入路を切り開くネ!!」

「危険です!! バハムートが撃沈される可能性があります!!」

超の作戦に異議を唱える夕映。

「構わんネ!! 例えバハムートが撃沈されても、機龍達の作戦を遂行させるヨ!!」

「超さん………」

「行くネ!! 総員は万が一に備え、退艦準備を………」

と、その時!!

ブリッジに警報が鳴り響いた!!

「!? 何ネ!?」

「ちゃ、超さん!! ガイアセイバーズ基地に異常発生!!」

「何っ!? どういうことネ!?」

「これは………第8格納庫、オープン?」

「な、何〜〜〜〜〜っ!!」

「ど、どうしたんですか、超さん?」

珍しく狼狽える超に、全員が怪訝な目をした。

「すぐに麻帆良大学工学部の校舎をモニターに出すネ!! 早く!!」

「「「「「りょ、了解!!」」」」」

鬼気迫るといった表情を浮かべて指示を飛ばす超の迫力に押されて、慌てて作業に入るオペレーター組。

モニターの麻帆良大学工学部の校舎が映し出される。

と、その瞬間!!

突如、麻帆良大学工学部の校舎が土煙を上げながら、縦に割れ始めた!!

「な、何だ〜〜っ!?」

千雨が驚きの声を挙げる。

そして、次の瞬間………

割れた校舎の間の地下から、全長150メートルは有ろうかという黒いロボットが腕組みをしたポーズで姿を現した!!

「「「「「ええ〜〜〜〜〜っ!!」」」」」

今度はオペレーター組全員が驚きの声を挙げた。

「やはり………Gギガブラスター!!」

「超さん?」

「知っているんですか!? アレを!?」

「私とハカセが開発中だった対広域決戦型殲滅兵器1号ネ! でも、まだ未完成ヨ!! 一体、誰が乗ってるネ!!」

「コックピットの映像、出ます!!」

さよがそう言うと、モニターの映像がGギガブラスターのコックピットに切り替わった。

そこには、アスナの姿があった。(何故か、体操服にブルマ姿で、青いハチマキをしている)

「あ、アスナさん!?」

「うっそーーーっ!!」

のどかと和美が驚きの声を挙げる。

「やめるネ、アスナさん!! Gギガブラスターは完全じゃないヨ!!」

「現状で、80%出来てる。それで十分よ!!」

「しかし、火器管制やセンサー、レーダーはサブコックピットからの補助が必要ネ!!」

「それは、私がやりますわ」

と、モニターの映像が縦に分割され、新たな画面にあやかが姿を見せた。(こちらも、体操服にブルマ姿で、黄色いリボンで髪をポニーテールに纏めている)

「いいんちょ!? 貴方まで!?」

「無茶です、委員長さん!!」

口々に説得を試みるオペレーター組と超。

「神楽坂くん! 雪広くん! 兎に角好きにやれ!! 細かい事は俺達が引き受ける!!」

と、機龍が割り込むように通信を入れてきた。

「機龍先生!!」

「ありがとう、機龍先生」

「機龍! 本気かネ!?」

「行けっ!!」

抗議を挙げる超を無視し、機龍は2人に出撃命令を下した。

「「発進っ!!」」

2人の掛け声と共に、Gギガブラスターは両肩に4つと背中に2つのロケットエンジンを点火させ、宙へと浮かび上がった。

「悪いわね、いいんちょ………付き合わせちゃって」

「何を言ってますの。貴方が馬鹿な事をするのは何時もの事でしょう………偶には付き合ってあげても良いと思いましてね」

「いいんちょ………ありがとう」

「フッ………行きますわよ、アスナさん!!」

「分かってる………行くわよ!! ブラスターレェェェーーーザァァァーーーッ!!」

アスナの叫びと共に、Gギガブラスターの額のビームランプから閃光が敵陣を切り裂き、送れて爆発が走った。

「な、何、アレ!?」

「大きい………」

突如、現れた超巨大人型マシンに驚きを示す一同。

「皆、ゴメン」

「お待たせしましたわね」

「「「「「アスナ!?」」」」」

「「「「「いいんちょ!?」」」」」

そして、そこから聞きなれた声が聞こえてきて、さらに驚く3−A。

「とうとうアレまで持ち出されたネ………」

超は、Gギガブラスターを肉眼で確認すると、諦めたような声を出す。

「あ、超さん!」

「今度は何ネ?」

「Gギガブラスターが発進したところから、さらに別の超大型兵器が出現しました!」

「何ぃぃぃぃーーーーーーっ!!」

しかし、その報告に、またも驚愕の声を挙げるのだった。

「モニターに出します」

再び、麻帆良大学工学部の校舎が映し出される。

すると今度は、まるで要塞のような超大型武装ユニットが現れた。

よく見ると、前側と思われる部分の中央に、PFが嵌まる様に納まっている。

「ま、まさか………Gアーマードまで!?」

「アレも超さんが造ったんですか?」

「対広域決戦型殲滅兵器2号ネ!」

「2号もあったのかよ………」

呆れ気味にツッコム千雨。

「アレも未完成なんですか?」

「そうヨ! あまりに武装が多大な上、強力過ぎて、火器管制用制御AIの調整が上手くいかず封印したヨ! 今度は誰が乗ってるネ」

「コックピット映像、出します」

モニターにGアーマードのコックピットの映像が映し出される。

そこに映ったのは茶々丸の姿だった。

「茶々丸!?」

[超、申し訳ありません。この機体、使わせてもらいます]

「待つネ、茶々丸!! その機体の火器管制用制御AIは不完全ヨ!!」

[大丈夫です]

そう言うと、茶々丸は、横を向く。

すると、何と!!

茶々丸の後頭部には、無数のコードが接続されていた!!

「!! まさか!! 自分のAIと機体の火器管制用制御AIを直結させているのかネ!?」

[お察しの通りです]

再び正面を向いて答える茶々丸。

「やめるネ!! 下手をしたら、茶々丸のAIが破損してしまうよ!!」

[大丈夫です。私は壊れません………何故なら]

「何故なら?」

[大切な人達を残して、壊れるわけにはいきませんから]

茶々丸は、まるで本当の人間のような笑顔を浮かべた。

「!!」

その仕草に驚愕する超。

[………行きます! Gアーマード………発進!!]

その言葉を最後に、茶々丸は通信を切り、Gアーマードを発進させた。

「………ハカセ。聞いていたかネ?」

[はい、聞いてました]

超は、機関室のハカセに個人通信を繋いだ。

「茶々丸があんな事を言うなんてネ………」

[何だか、茶々丸が、私達の手からドンドンと離れていくみたいですね………]

寂しそうに言いながらも、どこか嬉しそうな2人。

「寂しくもあるが、嬉しくもあるネ」

[………巣立ちを見送る親鳥の心境ですかね]

そうこう会話している内に、Gアーマードは前線へと到着した。

「[茶々丸………ガンバレ(ネ)!!]」

それを見て2人は、茶々丸に声援を送るのだった。











Gギガブラスター&Gアーマードサイド………

飛行GF軍団とデプスティンガー艦隊の前に、ズ〜〜ンといった感じで立ちはだかるGギガブラスターとGアーマード。

「まずは私達から行かせてもらうわ………いいんちょ! アレを使うわ!!」

「ええ………よろしくってよ」

「うわあああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

アスナの雄叫びと共に、Gギガブラスターは全ブースターを全開にし、天高く舞い上がる。

そして、足の裏から、スパイク付きのキャタピラを出現させ、力を溜めるような姿勢を取る。

「ウルトラ〜〜〜〜〜ッ!!」

「イナズマ〜〜〜〜〜ッ!!」

「「キィィィィィィーーーーーック!!」」

2人の雄叫びと共に、Gギガブラスターは凄まじい勢いで急降下しながらキックを繰り出した!!

デプスティンガーを1隻、中央から真っ二つにへし折り、それでも止まらず、落下射線上の敵機は勿論のこと、その周りの敵機まで衝撃波で破壊していく!!

そして、ある程度降下すると、1機のデプスティンガーのブリッジを片足で踏み潰し、さらにもう片足を甲板に置いて、そこを足場に腕を組んで仁王立ちした!!

「Gギガブラスターを只のマシンと思わないでよ!」

敵飛行GF軍団が呪炎のようなものを発射してくる。

しかし、Gギガブラスターは、マジックキャンセラーを手の平に展開し掻き消す。

「アタシ達の背中にはね………この星の………明日が………掛かってるんだからぁぁぁぁーーーーーっ!!」

反撃とばかりにブラスターレーザーを発射する。

レーザー光が敵陣を突っ切り、爆炎が次々に巻き起こる!!

「アスナさん、敵機直上、急降下!」

あやかの報告通り、1機のデプスティンガーがユニコーンを回転させながら、直上から垂直に突っ込んで来る!

「くっ!!」

しかし、アスナは、ブラスターレーザーを発射したまま薙ぎ払い、デプスティンガーを真っ二つにした!!

「下からも来ますわ。約3000!」

今度は、下側から敵機軍団が迫る。

「ええい!! ホーミングビィィィーーーームッ!!」

Gギガブラスターが両手を広げると、手の平から無数のビームが発射され、弧を描いて相手を追尾する!!

そして、扇型に分裂した!!

またもや爆炎の華が咲き誇る!!

「皆さんの未来、私達の未来、この星の未来!! 私達の手で創ってみせます!!」

「そうよ!! だから………邪魔しないで!! ブラスターミサイルッ!!」

Gギガブラスターの両手の全指先にミサイルが装弾され、機関銃のように発射される!!

1隻のデプスティンガーが、ミサイルが当たった所から円形に消滅していき、最後には爆散する!!

「アスナさん! 離れて!!」

その言葉を受けて、足場代わりにしていたデプスティンガーから離れる。

「反撃が来ますわ。敵をこちらに引き付けてください。出来るだけ多く、出来るだけ遠くに!」

敵機から、レーザー光線の雨が降り注ぐ!!

「来ますわ! 集中砲火、約20000!!」

「ブラスタァァァーーー、シィィィーーールドッ!!」

しかし、Gギガブラスターは背部よりマントのようなシールドを取り出し、光線を防いだ!!

「そんなもので! アタシ達がやられるかぁぁぁーーーーっ!!」

再びブラスターレーザーが敵陣を切り裂く!!

「要塞島まで、あと残り僅か。もう少し持ち堪えれば………!?」

そこで、上方から大量の飛行GF軍団が、Gギガブラスターを押し潰さんと迫る!!

「下からも!?」

さらに下方よりも迫る!!

次の瞬間!!

大量の飛行GF軍団が、Gギガブラスターに引っ付き、球体状に固まる。

「アスナさん!!」

「いいんちょ!!」

やられてしまったのかと思って、声を挙げるネギ達。

しかし………

その飛行GF軍団が引っ付いて出来た球体が、上下に割れる。

「「「「「!!!!」」」」」

何と!!

Gギガブラスターが、上方の飛行GF軍団を両腕で持ち上げ、下方の飛行GF軍団を足で押さえつけて、上下に分断していた。

「参りましたわね………このような手段で来られるとは………流石と言っておきましょうか」

「思ってもいなかったわ………でも、アタシ達とGギガブラスターを甘く見ないでよね! ダブルブラスターコレダァァァーーーッ!!」

Gギガブラスターの両手首と両足首から、無数の槍が射出され、飛行GF軍団に突き刺さる!!

「うわあああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

そして、槍から電撃が放たれ、飛行GF軍団は大爆発した!!

そして、爆炎が治まると、無傷のGギガブラスターが姿を見せた。

「アスナさん………いいんちょさん………凄い」

感嘆を漏らすネギ。

[次は、私の番です!!]

と、今度は、茶々丸のGアーマードが敵陣へ突撃した!!

[マイクロ拡散ミサイル………発射っ!!]

Gアーマード上部のコンテナ部分が展開し、三角柱のミサイルが18本発射される!!

散開して避ける敵艦隊と飛行GF軍団。

しかし!!

三角柱のミサイルの側面から36発、1本辺り108発、計1944発のマイクロミサイルが発射された!!

流石に回避しきれず、敵艦隊と飛行GF軍団は次々に撃墜された。

生き残った敵軍が、接近戦を仕掛けようと近づくが、PF部分の両腕に装備されたスーパーバズーカとメガレーザーライフルの攻撃によって防がれる。

[対艦ミサイル、ファイヤッ!!]

同じ所から今度は、大型ミサイルが発射され、大爆発を起こしながら、またも敵艦隊と飛行GF軍団を次々に撃墜する。

[魔法粒子形成………サーベル展開!!]

さらに、機体の下部両横側に、紫色の粒子状のサーベルが展開する。

そして、デプスティンガー2隻の間を擦り抜けるようにして、ブリッジ部分を分断した!!

埒が明かないと思ったのか、Gアーマードの正面から一斉に突撃する敵軍。

しかし………それは自殺行為だった。

[エネルギー充填400%………超重力波砲! 全門一斉掃射!!]

機体下部前面に付けられた4門の超重力波砲から黒紫のエネルギー波が放たれ、前方に集中していた敵軍を押し潰すように破壊した!!

「茶々丸さんも凄ーーーいっ!!」

今度は、まき絵達が歓声を挙げる。

「Gギガブラスター、Gアーマードの攻撃によって、要塞島への突入路が開きました!!」

「よし! チャンスネ!! 全速前進!!」

「了解!! 全速前進!!」

2機が開いた突破口を全力で突き進むバハムート。

「ビリーブも前進!! 遅れを取らないでください!!」

「了解!!」

ビリーブもそれに続く。

「全機、突貫せよっ!!」

「「「「「「「了解っ!!」」」」」」」

そして更に、ガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊が続く。



遂に………要塞島外壁へと到達した!!



「要塞島外壁に到達!!」

「全砲門開け!! 要塞島外壁に向かって一斉射撃!!」

「各砲座!! 照準合わせ!!」

「撃てぇぇぇーーーっ!!」

バハムートとビリーブが、全砲門を要塞島外壁の一点に向かって一斉発射する!!

「全火力を集中!! PFが通るくらいの穴は空けられるはずだっ!!」

「「「「「「「了解っ!!」」」」」」」

ガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊も、同じ所に集中射撃を行なう!!

激しく爆炎と黒煙が巻き起こる。

しかし………

それが治まった後、見えたのは………少し焦げ目が付いただけの外壁だった。

「なっ!? アレだけの一斉攻撃を受けたのに!?」

「クッ!! 予想よりも要塞島の装甲材質が強固だったとは!!」

苦々しげに言う機龍。

「あっ!? 飛行PF、GF軍団と艦隊の半分がこちらに向かってきます!!」

「何っ!? 神楽坂くん達はどうした!?」

「残りの半数を相手にさせられていて、身動きが取れていないみたいです!!」

飛行GF軍団と艦隊が、ガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊の背後から迫る。

「イカン!! このままでは追い詰められてしまう!!」

「このままでは作戦は失敗だ!! そうなれば、我々の負けだ!!」

隊員達の中に焦りが浮かぶ。











バハムートブリッジ………

「ぬ………う………」

艦長席で冷や汗を流す超。

「超さん!! 何か良いアイデアは無いんですか!?」

「このままでは、ネギせんせー達が!!」

「しっかりしてよ!! 麻帆良最強の頭脳でしょ!!」

「な、何か無いんですか!?」

「何でも良いから早く考えろ!!」

オペレーター組が、超に打開策を求める。

「………これしかないネ」

苦悩したような仕草を見せた後、超は決断した顔となる。

「おお! アイデア、有るの!?」

「総員に告げる! バハムートより退艦せよ!!」

「「「「「えっ!!」」」」」

これには、オペレーター組ならず、クルー全員が驚いた。

[ちょ、超さん! どういうことですか!?]

機関室のハカセから、慌てた様子で通信が入る。

「説明している時間はないネ!! 急いで退艦ネ!!」

[は、ハイッ!! 皆ーーーっ!! 退艦命令よーーーっ!!]

超の気迫に押されて、ハカセは機関士達に退艦命令を出す。

「さあ! 皆も直に退艦するヨ!!」

超はオペレーター組にも退艦命令を出す。

「一体何する気なの、超!?」

「説明している暇はないと言ったネ!! 早く退艦するヨ!!」

「「「「「は、はいっ!!」」」」」

オペレーター組も、超に強く言われて、慌てて退艦する。

「……………よし」

超は、それを確認すると、艦長席のコンパネを操作し始めた。











要塞島外壁………

「超! 超! どうした!? 応答しろ!!」

突如停止したバハムートに通信を送る機龍。

しかし、返事は返ってこなかった。

「クッ! 一体どうしたんだ!?」

とその時!

バハムートから、脱出艇が射出された。

「!? 脱出艇が射出された!?」

そこへ、脱出艇から通信が入ってきた。

[機龍先生!!]

「綾瀬くんか! 何があった!?」

[分かりません! いきなり超さんが、退艦命令を出してきて………]

と、言い掛けた時………

突如、バハムートのエンジンが最大出力で点火し、要塞島の上方へと上りあがった!!

「何っ!?」

そして、艦首を下向きにすると、勢いよく要塞島目掛けて突撃した。

「!? 特攻だと!?」

「馬鹿な!? 何考えてんだ!?」











バハムートブリッジ………

ブリッジ内には、警報が鳴り響き、赤色ランプが点滅を繰り返す!!

[全動力炉、臨界突破!! 危険、危険!!]

「それぐらい百も承知ネ!! 出力を限界まで上げるヨ!!」

非常制御用のAIからの警告のアナウンスを無視し、超は更に出力を上げる。

「バハムート………突撃ぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ!!」

エンジンを全開に吹かし、重力をも味方に付けて、要塞島に向かって特攻するバハムート!!

遂に、その艦首が要塞島外壁に突き刺さった!!

しかし、それは僅かに食い込んだだけで止まってしまう………

だが………

「艦首波動魔砲のエネルギー回路を開け!! ゼロ距離発射ネ!!」

[危険! 危険! 危険! 危険!]

「うるさいネ!! 発射ぁぁぁーーーーーーっ!!」

警告を一喝し、発射操作を行なう超。

艦首波動魔砲が、ゼロ距離で放たれた!!

要塞島外壁と共に、バハムートの艦首が吹き飛ぶ!!

そして出来た大穴に、バハムートが突入した!!

煙をもうもうと立てる要塞島とバハムート。

「超!!」

「「「「「「「超さん(りん)!! 」」」」」」」

その光景に、誰もがバハムートに通信を入れた。

「機龍………今ネ………突入班を………率いて………突入………する………ネ………」

切れ切れに超からの返信が入ってくる。

「超!! 大丈夫なのか!?」

「早く!!………行くね!!………」

心配する機龍に、声高に言い返す超。

次の瞬間………バハムートのブリッジ部分が爆発し吹き飛んだ!!

「「「「「「「超ーーーーーーーっ!!」」」」」」」

「!!………突入班! 俺に続け!! 残りの者は敵機の侵入を防いでくれ!!」

「機龍さん!? でも………」

「超の行動を無駄にするな!!」

「!! りょ、了解っ!!」

機龍を先頭に、惑星J組にネギと小太郎を加えたメンバーが、バハムートが突き刺さった場所に空いた隙間から、要塞島内部へと突入して行った。

(待ってろよ、真名………今行くぞ!!)









終幕は近い………










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