HOME
| 書架
|
当サイトは「魔法先生ネギま!」関連の二次創作投稿サイトです。ネギま!以外の作品の二次創作も随時受け付け中!
書架
ネギまStrikerS 月下の守護者 第二話 事情説明開始 投稿者:紅蓮さん 投稿日:06/19-11:58 No.2572
「・・・さて、君たちにはこれから俺と一緒に地球に言ってもらうが、詳しい説明は言ってからだから、今は聞くなよ?」
「聞かせてください!!」
小雨の確認口調に、ティアナは思わず大声を上げた。
「・・・そんなに聞きたい?」
「いきなり麻帆良学園に行くなんて言われても、さっぱり事情がわかりません!! ねえスバル」
大声で反論してから、ティアナは同意を求めるようにスバルに話を振る。
だが、なぜかスバルはバツが悪そうに視線をそらした。
「スバル?」
「え、いや、その・・・」
いつになく様子がおかしい相棒の様子に、ティアナははっとなって小雨を振り返る。
小雨は思わず視線をそらしたが、やがて自分から頭を下げると、
「すまん。ギンガの妹ぐらいには言っとこうかと思って、ある程度のことは前に教えたことがあるんだ」
白状した。
「・・・教えてください。仲間はずれはいやです」
「ラジャー」
小雨は観念した。
それでも少し迷っていたが、やはり話したほうがいいと思い直し、口を開いた。
「・・・まず最初に、今から行く管理外世界『地球』には、リンカーコアをもった人間が少ないのは知っているよな?」
最初に、小雨はそんなことを言った。
それぐらいはティアナも知っている。その代わりといっては何だが、素質を持っている人間は、たいていエースクラスの実力を持っていると言うことも知っている。
自分たちの直接の上官であるなのはやはやてはもちろんのこと、今でも話に出てくることがあるギル=グレアム提督や、目の前にいる小雨も地球出身だ。スバルも先祖は地球出身だが、父親に素質はないそうなので、この場合は除外される。
なぜ素質を持った人間が少ないのかは現在も不明。最近の有力な説としては、リンカーコアを使用しない魔術体形が発達したことにより、リンカーコアが退化していったと言う説が有力だ。
その場合、リンカーコアを持っている人間は、その希少性ゆえにリンカーコアが突然変異的に発達する。さらに、それを使用しない魔力の供給も行われる。この二つが原因となって、それが優れた素質の下地になるという説である。
大体そんなことを説明したが、アレスはゆっくりと首を振った。
「なかなかに博識だが、実は間違いが一つある」
「え?」
疑問符を浮かべるティアナの肩をスバルがゆっくりとたたいた。
「そろそろ局内で発表されるそうなんだけど、その説があたりなんだって」
「ええ!?」
スバルの説明に、ティアナは心底驚いた。
この説は最近になってはやり始めた説であって、そんな速さで浸透するとは思いもよらなかったからだ。
だが、小雨はその驚愕をさらにあおった。
「ちなみに、この説が出てからこの事実がわかったんじゃない。この事実を受け入れやすくするために、この説を流したんだ」
「な、なんでそんなこと知ってるんですか!?」
ティアナが大声で聞くのも無理はないだろう。
そんな半ば陰謀めいた話すら信じられないが、もっと驚くべきことは、なぜそれを小雨が知っているかということだ。
その問いに対して、小雨はすぐには答えなかったが、やがて指をだした。
左手の人差し指には小さな指輪。それを見せてから、小雨は呪文を唱えた。
「プラクテ・ピギナル・火よ灯れ」
―ボッ!
呪文を唱えて指を鳴らすと、人差し指の先から、一メートルにも及ぶ火柱があがる。
「なっ・・・っ」
ティアナは、何が起こったのかわからない。だが、わからないなりに事態を理解しようとする。
それよりも早く、小雨が顔を近づけて、いたずらに成功した子供のような笑顔を見せた。
「驚いたか?」
「え・・・な・・・」
いきなり顔を近づけて笑みを見せられたので、ティアナは混乱して顔を真っ赤にする。
それを見て、小雨は満足そうにうなづく。そのままタネを明かした。
「俺は地球(あっち)の魔法使いなんだよ」
「今から行く麻帆良学園は、表の世界では学園都市、裏の世界では関東魔法協会、つまり魔法使いの団体という、二つの顔を持っている」
歩きながら、小雨は簡単に状況を説明していく。
「さっきのことが時空管理局も知ることになったのは四年前。俺がたまたま時空管理局の人間を助け
たことがきっかけだ」
小雨は過去のことを思い出す。
森の中を鍛錬として走っていたら、いきなり目の前で戦闘が始まった。
眼前には、破損した槍をもつ男。そのさきには、何人もの魔導師が、まさに男に止めを差そうと武器を構える状況。自分はその真後ろで、何がなんだかわかってもいなかった。
とっさに最大威力の魔法を放って迎撃したが、勝算がないことは自明の理。すばやく連絡を入れてから、時間稼ぎに終始徹さねばならなかった。
「・・・ま、その後いろいろあって、数年間ほどこっちの魔法を勉強することにしたんだよ」
「なるほど。それでそんなに事情に詳しいんですか・・・」
ティアナは納得した。
おそらく、先ほどの魔法は地球の魔法使いの魔法なのだろう。
「それで、リンカーコアを介さない以外の特徴は?」
「その辺はスバルに基本的なのは教えてある。・・・いってみな」
「え!?」
思わず大声でスバルは驚いた。
「ええと・・・。確か魔法すべてに多少の詠唱が必要で、無詠唱で魔法を唱えれるのはレベルが高い証拠。魔法を発動させるのには杖が必要で、それを利用すれば誰でも飛べるが、杖を使わずに飛ぶのはかなりの上級魔法使いじゃないとできないこと。あとは魔法使いの護衛やサポートとして、ミニステル・マギ(魔法使いの従者)がいて、それぞれアーティファクトって言う専用アイテムがあること・・・でしたっけ?」
「正解。・・・ま、後無駄な知識を教えておくと、魔法使いは大きく分けて、後衛型の魔法使いと前衛型の魔法剣士があること。魔法のほかに、どちらかと言うと体力に近い気ってのを使ったものがあることとかだな。あと、日本における知識だけど、今からいく魔法協会は魔法メインで、もう一つある関西呪術協会は気がメイン。その二つは現在仲が悪いってことだ」
小雨はスバルの説明に満足しながら、教えてなかった補足情報について手早く教える。
存外に物覚えがよくて助かる。小雨はほかの詳細事項を簡単に伝えながら、二人のレベルの高さに感心していた。
ようやく、転移すると言うときに、小雨は最後の確認を行うことにした。
「・・・さてティアナ。今のところ、ほかに質問は?」
「・・・なんで私たちが行くことになったんですか?」
もっともな質問だと、小雨は納得した。
これについては俺も疑問がある、と前置きしてから、手早く説明する。
「第一に、俺がクロウリー一派について詳しいことと、協力してくれる麻帆良の学園長にして魔法教会の理事と親しいこと。第二に、レリックが絡んでいるから、機動六課から何名か出すのが固定されたこと、あと最後なんだが・・・」
そう、最後のが疑問なのだ。
小雨自身首をかしげながら、とりあえず聞いている事を二人に説明する。
「なぜか、学園長のジジイの要請で、俺と『親戚』という設定にできる、『十代半ばの女子』をつれてくるように言われたんだ」
「へ?」
スバルの目が点になった。
まあ、それについては心のそこから同意できるので、深くは突っ込まないようにしている。
「・・・それで、ナカジマつながりのスバルと、Rを『ランスター』にすればごまかせる私が選ばれた・・・というわけですね」
「まあな。ま、それにはシューティングアーツを学んでいる上、射撃主体のガードウイングな俺なら、戦闘における連携もしやすく、なおかつ訓練もできると考えてのことでもあるんだけどな」
小雨はそういって苦笑すると、表情を急にりりしいものへと変えた。
突然の変化に、二人は戸惑う。
「え・・・え・・・?」
「言いか二人とも、これから行く麻帆良学園は、いろんな意味で常識はずれ。そんな環境で、なおかつ下手をすればSランク魔導師とも戦わねばならない」
戸惑っている二人をよそに、今までにないしっかりとした声で、小雨は言い放った。
「・・・任務を完遂する覚悟はあるか!」
「「は・・・はい!!」」
戸惑いながらも、二人はしっかりと返事をする。
それを聞いて、小雨は表情を崩した。
「その調子その調子。・・・ま、向こうの戦力はなのはさんにケンカ売れるほどのやつもいるし、気張らず、友達作って転移用の場所を用意しておくぐらいの気持ちでいけや」
三人は、転移すると麻帆良学園を見渡した。
広大な土地を持つ学園都市。巨大な世界樹と図書館島に目を奪われかけたティアナだったが、我に返ると小雨をにらみつける。
「隊長・・・いえ、『兄さん』。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「うん。私もとっても聞きたいことがあるんだ、『お義兄ちゃん』」
二人は「親戚と言うことにするわけだから、敬語はなしでいい。呼び方は呼び捨てか兄呼ばわりにしといたほうがいいだろうな」という小雨の発言を受けた上での呼び方と口調に変更して、小雨を呼んだ。
小雨も言いたいことはわかっている。紫色の髪をかきながら、視線をそらして聞き返した。
「なんだ? ・・・それから約一名ニュアンスが違う。お前の姉とは誤解だって言ってるだろうが」
「いやだってキスしたって―」
「それはいいから。・・・じゃあいうわね」
ティアナは、言い返そうとするスバルの声をさえぎってから、大声で怒鳴った。
「なんでこんな高さから落ちているんですか!! 私たち全員、空戦魔導師じゃないんですよ!?」
「おそらく学園結界が変な干渉したんだろうなぁ。・・・あのジジイ変な強化しやがって・・・死んだら祟ってやるぞ学園長ぉおおおおお!!!!」
小雨は理不尽を感じながらも問いに答えてから、全力で怨嗟の叫びをあげた。
HOME
| 書架top
|
Copyright (C) 2006 投稿図書, All rights reserved.