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Task.0「全ての始まり」 投稿者:いちか 投稿日:05/27-23:15 No.2467  



ここはサージェス財団の中にあるご存知ボウケンジャーのサロン。
ここで今、とある作戦会議が行われていた。

「と言うわけで、プレシャス「安倍晴明の呪札」を麻帆良学園の関係者が所有しているらしい。」

赤いジャケットを着た黒髪の青年、明石暁が指し棒で画面を指しながら言う。

「安倍晴明の呪札?安倍晴明ってだれ?」

今回回収するプレシャスにある名前「安倍晴明」に首を少しだけ傾ける黄色いジャケットを着た少女、間宮菜月。
菜月の疑問を横にいる青いジャケットを着た青年、最上蒼太が説明する。

「安倍晴明は平安時代に活躍した陰陽師さ。その安倍晴明が使用していたとされる呪札を千年以上保存しているのが京都呪術協会。」
「京都呪術協会ねぇ・・」

蒼太の言葉に今度は銀色のジャケットを着た青年、高丘映士がかったるい声を出した。

「あの協会の当主のおっさんには相当迷惑こうむったぜ。」
「なんだ、映士知り合いか?」
「ちょっとな。」

そう言うと映士は口を閉ざした。

「で、その安倍晴明の呪札を関係者から回収してくればいいんだろ。」

身を乗り出して明石に確認した黒いジャケットを着た青年は伊能真墨。
その問いに首を縦に少しだけ振った桃色のジャケットを着た女性は西堀さくら。

「そうです。この安倍晴明の呪札の回収とそれまでネガティブシンジゲートの手に落ちないように守護するのが我々に与えられた
今回の任務になります。あ、あと。」
「あと?」

さくらの言葉に怪訝な顔をする真墨。

「実はもう既にこのミッションに行って貰う人をこちらで決めてあります。菜月、真墨、高丘さんお願いいたします。」
「ちょっとまて!何で俺たちが行かなきゃ行けないんだ!!」
「麻帆良学園中等部って聞いた話によれば女子校じゃねーか!」
「菜月行くっ♪何だか楽しそう。」
「楽しくない!」

お気楽な菜月の声に2人が同時に突っ込んだ。
頭を抱えたさくらは視線を明石の方へ向けた。

「真墨、映士、これは命令だぞ。与えられたミッションを最後まで遂行する、それがボウケンジャーだ。」
「う・・」

明石の言葉に黙る2人。そして渋々ミッションを引き受けることになった。
2人の返事を聞いた直後、蒼太が銀色の箱を机の上に出した。

「こんなこともあろうかと、牧野先生と2人で考えていたんだ。」
「何だそれは。」

銀色の箱の蓋を開けると、底には小型の銃があった。それを取り出して目盛りを合わせる。

「チーフ、少し離れていてください。菜月ちゃんも危ないから真墨の側から少しだけ離れててね。」
「え、う・・うん。」

蒼太は菜月にそう言うと、真墨と映士目掛けて銃を放った。銃から出た怪しい光は2人を直撃した。

「うぎゃっ!!」
「そ、蒼太てめーーー!!」

ぼんっ!

如何にも漫画で出てきそうな間抜けな効果音と爆発が起きた。
慌てるさくらと菜月。

「そ、蒼太くん!?」
「蒼太さん酷いよ!真墨と映ちゃんを撃っちゃうなんて!!!」
「大丈夫だよ、死んだわけじゃないから。ほら。」

蒼太は狼狽する2人を宥めるかのように優しく指を真墨たちのほうへ指した。
煙が晴れ、中から咳き込む2人の・・・・・女性の姿が見えた。
今度は明石までも目を点にさせた。

「そ、蒼太・・・これはどういうことだ?説明してくれ・・・」
「ま、真墨と・・えっと、映ちゃんだよねっ・・が女の子になっちゃった。」
「蒼太くん、チーフの仰るとおりです。これはどういうことなのですか?説明してください。」
「あはは。実は牧野先生と以前から考えていたことなのですが、やはり潜入系のミッションで上手くネガティブを欺きいち早くプレシャスを
手に入れる為には姿かたちを変えないといけないと思いましてね。で、変装の名人(?)の牧野先生のお力をお借りしてこの銃を開発したというわけです。」

蒼太が説明をしている間、姿が女性に変わってしまった2人はぺたぺたとお互いの色々な場所を触っていた。
真墨は映士の胸を触り、映士は真墨の顔や胸を触っていた。
暫らくそんな行動を続けていた2人が漸く蒼太に文句を言った。

「蒼太!てめっ!!」
「俺様たちに何しやがった!?」
「あ、そうそう蒼太。忘れてたけど3人を既に麻帆良学園の転入生として手続きしておいたから。」
「何!?」
「俺様たちは中学生じゃねぇ!!」
「わーい。菜月学校に行ったことなかったんだっ♪」
「それなら菜月にとっては丁度いいボウケンだな。」
「そうですね、菜月。気をつけて行って来るのですよ。」
「はーい!」
「ちょっとまて!既に決定事項として処理すんなよ!!」
「そうだそうだ!!俺様たちは麻帆良学園に行くとは行ったが中学生に混じって学園生活を送るとは一言も・・・」

異議を唱える2人だったが、既に麻帆良学園へ行く気満々の菜月が力強く2人の腕を掴み引きずっていった。

「菜月~~~~っ!」
「大丈夫、菜月が真墨と映ちゃんにみっち~り女の子のこと教えてあげるから心配しないで。」
「ちがーうっ!」

ずるずると引きずられながら、3人は麻帆良へ向かった。
それを見送った残りの3人は手を振った後に同時にため息をついた。

「・・・本当に大丈夫でしょうか、あの3人に任せて・・・近衛学園長がひっくり返らなきゃいいのですが・・・」
「そうですよね。心臓麻痺起こさなきゃいいですけど。やっぱり僕らの中から1人は行った方がよかったのでは?」
「2人とも、そんなに俺の女性化が見たいのか?」
「え、遠慮いたします。」

そう言ってさくらと蒼太はまた深いため息をついた。




強き冒険者と迅き冒険者、そして眩き冒険者のちょっと変わった特殊なミッションが今始まった。

果て無き魔法魂

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