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-第1話-裏方稼業、そして影 投稿者:kaname 投稿日:09/15-16:54 No.1267

―――――――SIDE:大和

俺は麻帆良学園大学部の2年生、明石大和。

自他共に認めるお人好しさ!

好きなものは家族と子供と、そしてバイクとコーヒー!

嫌いなものは弱いもの虐めだ。

そんな俺だが、今何をしているのかと言うと、


「ゴオアアアアア――――――――――ッッッ!!!!!!」


森ん中で女の子を抱き抱えながら、馬鹿馬鹿しい程でかい怪物(怪獣?)とリアル鬼ごっこを繰り広げていたりする。

くそっ、何でこうなったんだっけ?




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




事の始まりは今朝の朝飯を終え、我が家恒例のモーニングコーヒー(俺特製の〔ヤマトのSPブレンドコーヒー、リラックス11号〕の味見も兼ねて)の時、学園長の爺さんからの依頼について、親父から告げられた事だった。


「大和、学園長が『久々に碁を打たんか』だそうだ。」


「『指導碁』? 『真剣勝負』? どっちさ?」


「『真剣勝負』をしたいそうだ。」


これは俺と親父、そして学園長の爺さんの間でしか通用しない合言葉の様なもの、学園長からの依頼を受けた時、表の仕事なら指導碁と、裏の仕事なら真剣勝負と、言う。

今回は真剣勝負だから、裏の仕事、つまるところ魔法関係って事だ。

この後、出かけると言った俺に裕奈が涙目に上目づかいで一緒に買い物に来てくれと懇願したが一蹴し、仕事の格好(因みに超一味に依頼し、オーダーメイドで作らせた逸品さ!)に着替えて相棒のオフロードバイクに跨り学園長の所へ行った。

んで、学園長の依頼通り、麻帆良学園の外れの森林、って言うか樹海と言ってもよさそうな程馬鹿でっかい森に来た。

実はこの森では、最近行方不明者が続出しており、調べに入った麻帆良学園の報道部員や警備員も幾人かこの森の中で消息を絶っているという。

ならば、という訳で、麻帆良の魔法生徒達の中では優秀な方で、今現在暇な俺に白羽の矢が立ったって事だ。


「さてと、本当に謎の存在による事件だったらもう被害者達は生きてはいないだろうな。

とっとと謎の存在の正体を暴いて倒さなければ・・・」


相棒のオフロードバイクを森の入り口に置いて、森へと足を踏み入れる。

しかし、事態は恐ろしく早い展開を見せる、


「キャアアアアアアアアアッ!!!!!!」


一人の女の悲鳴によって。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




―――――SIDE:朝倉

「はっ、はっ、はっ、はっ・・・・・・・・」


私は報道部突撃班の班長の命により、最近行方不明者が続出している森の調査に来ていただけだってのに、何で訳の分かんない化け物に追っかけられなきゃなんないのよ!

後ろを見てはいけない、今見たら恐怖で身動きが取れなくなってしまうに違いない、あの化け物を見て、こうして走っていられるって方が奇跡に近い。

あの化け物はロボットだとかそんな物じゃ絶対ない、生物特有の怖気がした・・・・

突然、足が止まる。

動かない? 違う、動けない!

嘘だ・・・さっきまで自分の後ろにいた筈の化け物が目の前にいて、自分を見て舌なめずりを・・・・・


「キャアアアアアアアアアッ!!!!!!」


思わず悲鳴が出た、だけど化け物はお構いなしにどんどん近付いてくる。

誰も、誰も助けに来てくれない。

背が木に当たり、ズルズルと腰が落ちる。

私、こんな所で死ぬのかなあ・・・・


「セイヤアアアアアアア―――――――――――ッ!!!!!!!!」


そんな声がして、一つの影が躍り出て化け物を吹っ飛ばし、一人の人間が目の前に降り立った。

助けに来てくれた! でも一体誰が?

私は意識が飛びそうな中、最後の力を振り絞って助けに来てくれたその人の姿を見ようとした。

しかし、私はその人のはっきりとした姿を見る事が叶わずに、意識を手放した・・・・




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




――――――SIDE:大和(冒頭の少し前)

危なかった! この女の子、後もう少し助けに入るのが遅れていたら、化け物に殺される所だった。

見た所気を失ってるみたいだし、後は脱出・・・・・

と、思ったけどそうは問屋が卸さないらしい。

『戦いの歌』で発生した魔力を右足に集中させた偽・ライダーキックの直撃を喰らったというのに、化け物がさっきとまるで違わない姿で立っていた。

こいつはやばいな、あれが効かないんだったら残っている攻撃方法で効きそうなのは『光の烈火』ぐらいしかないぞ。

と、いう訳で最終手段! 即ち、戦略的撤退!!

俺は女の子を所謂お姫様抱っこという方法で抱きかかえ、走り出す。



――――そして、冒頭に戻る――――



「撒いたか・・・?」


俺は気を失った女の子を木にもたれかからせて、呟く。

それにしてもあれは一体何なんだ? 鬼とは違うし、悪魔とも違う。

だが似ている部分はあった。

それはズヴァリ! 本能のままに動いてるって事だ。

とは言えど、上級の鬼や悪魔はちゃんと理性がある、なのにあの化け物はというと、パワーは子爵級の悪魔よりも上だというのに、それを統御する知能がまるで無いようだった。

それなら俺にも倒す手段はある。

それにはまず奴を確実に倒せる状況を整えなくては、そう思ったんで胸の内ポケットに収納しておいた親父謹製のフラスコ入り魔力触媒薬1セット(購入のお問い合わせは麻帆良学園大学部の明石教授までだ!)を取り出す。

さてさて、久し振りにやりがいのある仕事になりそうだ・・・・



――――――――約十分後



用意をすっかり整えた俺は、奴を罠の場所に牽きつける為に奴と戦っていた。


「ソロ・デュオ・トリオ・カルテット!

炎の精霊32柱! 集い来たりて敵を射て!

『魔法の射手・連弾・炎の32矢』!!」

《ズドドドドドドドドドド・・・・・・・・・・・ドンッ!!》

『魔法の射手』を放ちながら、奴を牽きつける。

『魔法の射手』に怒った、奴が巨大な腕を我武者羅に振るい、俺を打とうとする。

だが、どれも予測の範囲内、いとも簡単にかわす。

それにしても、先程から殆ど絶え間なく、『魔法の射手』を打ち込んでるっていうのに、全く効いていない様だ。

まあ、奴を怒らせて誘き寄せるのが目的だから、それはこの際無問題。

うまくいってるみたいだしね?

そしてそのまま奴を開けた空間に誘き寄せる。

奴は何も気付いていない様だ、この空間こそ俺の罠の領域内であると。

そして俺は勝利を呼び込むための言葉を紡ぐ。


「ソロ・デュオ・トリオ・カルテット 来たれ炎精、光の精!!」


詠唱を始めると同時に、地面に親父謹製の魔力触媒薬で描かれた魔力増幅の魔法陣が俺の魔力を増幅する、奴はようやく気付いたのか慌てて俺の魔法の射程範囲外に逃げようとするが、もう遅い!!


「光を引き連れ 荒れ狂え 灼熱の大火!!

受け取れ、化け物!!

『光の烈火』!!!」


突き出された俺の右腕からエネルギーを圧縮され、光となった灼熱の劫火が奴を焼き尽くす為に放たれ、奴を飲み込む。

奴の断末魔すら焼き尽くし、過ぎ去った後には奴の体は一欠けらも残っていなかった。

つまり、俺の完全勝利って訳だ!

しかしやばいな、何がと言うと、魔力増幅の魔法陣で大幅に強化された『光の烈火』が森林の一角を薙ぎ払ってしまったという事だ。

まあ、奴を倒す為にはこうする位しか方法がなかったんだし、全部学園長に責任を取って処理して貰おう・・・

後はあの女の子の記憶消して、仕舞いだ。

あ~疲れた、家に帰ったら〔ヤマトのSPブレンドコーヒー、リラックス7号(就寝直前用カスタムタイプ)〕を飲んで、ぐっすり眠ろう・・・・





―――――SIDE:???



「ほほう、まさか変身せずにあのトライアルαを倒してしまうとは、これは誤算だったね。

やはり、消滅させる事が出来てしまうアンデッドもどきのトライアルシリーズでは無理か。

ならば、本当のアンデッドをけしかけるか・・・

くっ、ふっふふふふふ・・・・はあーはははははは――――――!!」

受け継がれるは信念、そして魂

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