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リポート3 初めてのお仕事!!(その2) 投稿者:麒山悠青 投稿日:07/08-02:07 No.901
「ところで学園長、俺達が最初にいたあの樹って何なんですか?なんだか俺達の知らない力が放たれてるんスけど。」
横島の言葉に学園長は怪訝な表情になる。
「知らぬ力?あの世界樹からは魔力が放たれておるんじゃが…………、冗談じゃろ知らぬなど。」
今度は横島達のほうが驚く番だった。
「あれが魔力!?俺達の知ってる魔力とぜんぜん違いますよ。」
「……………その話詳しく話してくれんか?」
横島が話したのはそれが自分達が魔力と呼ぶものとまったく違うということ。さらに人間は魔力を持たず霊力を持つということ。
そして横島はこの世界と自分の世界が別のものであることを改めて実感していた。
しばらく待ったのち学長室の扉がノックされ、入ってきたのは自身の身長と同じぐらいの包みを持った少女と、ギターケースを担ぎ褐色の肌のスタイルのいい長身の少女。
ルシオラは横島がいつも通りの行動を起こすのではと危惧したが危惧したがそのようなことはなく、不思議に思い彼のほうに顔を向けると、横島は何やら難しい顔をして考え込んでいる。
「どうしたの、ヨコシマ?」
「いや、なぜかわからんが体が反応しない。」
「はぁ。」
「あんな美少女を前にしてなぜに反応せん俺の体よ。」
「フォッフォッフォッ、なに彼女たちはまだ中学生じゃからのう、本能がそれに気づいてストップでもかけておるんじゃろ。」
部屋に入ってきた二人は、横島達の会話の意味がわからずただ眺めるだけだった。
その後横島が世界の不条理を、天に向かって叫ぼうとしてルシオラの霊波砲(弱)で沈黙したり、すぐさま復活した横島に少女たちが驚いたりした後、やっと本題に入ることになった。
「実はの森のほうで強い魔力反応ががあっての4人にはそれの調査、それが召喚によるものですでに鬼などが召喚されていた際にはそれの排除をお願いしたい。」
「わかりました。」
「報酬分の働きはするよ。」
「あいよ。」
「わかったわ。」
4人それぞれの返事をし学長室を後にした。
「それで、仕事の前に自己紹介しときたいんだけどいいかな?」
校舎から出たとき最初に口を開いたのは、長身の少女だった。
「ん、そうだな。これからも一緒に仕事することもあるかもしれないしな。
俺は横島忠夫。今度学園で警備員権退魔師として働くことになった。よろしくな。」
「私は龍宮真名だ。内容にもよるが報酬さえ出してもらえば何だってやる。そうやって生計を立てているんでな。
最初に聞いておいたいんだが、そこの人は人間じゃないな?」
真名の視線の先には案の定ルシオラの姿。
「案外簡単にばれちゃったわね。」
言って自分にかけていた幻影を解き、頭部の触覚をあらわにする。
それを見た二人に緊張が走るが、ルシオラはそれを気にせず横島の腕を取りにっこりと笑って自己紹介をする。
「ご察しの通り私は人間じゃなくて魔族よ。そしてこの人の妻のルシオラよ、よろしくね。」
ルシオラの妻発言があまりにも意外だったのかぽかんとしてしまう二人。そんな二人をいたずらが成功したとばかりの表情でにこにこと眺めるルシオラ。
「それでお前は?」
問われた刹那は一瞬、へ?とした表情になるがすぐにわれに返り自己紹介を始める。
「わ、私は桜咲刹那です。以後よろしくお願いします。」
「んで、自己紹介は御終いかな?」
「そうだね、それでお互い何が出来るのか確認したいんだが。戦闘になった時に役割がわかっていれば何かと便利だからね。
ちなみに私は遠距離だな。まぁ近距離も出来ないことはないがな。」
そう言って真名はギターケースを叩いて見せる。続いて刹那が包みの中から長大な刀を取り出してみせる。
「私は見ての通り、この野太刀を使った近接戦が得意です。一応陰陽術も使えますが、それは補助的なものです。」
説明を終えこちらに向けてくるし視線にルシオラは少々思考して答える。
「私は蛍の化身だから、光を操って幻影を見せることが出来るわ、さっきまでやって見せていたようにね。後は獲物に麻酔をかけることも出来るわ。つまり私は戦闘補助が得意ってことになるんだけど、基本的な能力は人間より高いしたいていのことは出来るわよ。」
ルシオラの説明が終わり二人の視線は横島に注がれる。
「俺かぁ、一応遠近両方出来るし、まぁオールラウンドってことで。」
「じゃぁ、刹那と横島さんが前衛、ルシオラさんがその補助、私は後方からの援護。これでいいかい?」
「別にかまわないよ。まぁ、戦闘にならないのが一番好ましいんだけどな。」
苦笑して進む先をみる横島。前方には森の端が見えていた。
一体何体目になることか、刹那は両手で構えた『夕凪』で対峙していた2体の鬼を一度に切り伏せた。
森の中をしばらく進み、そこで百は軽く超えるだろう鬼たちに相対した。無論即刻戦闘になった。
そこで驚いたのは、横島とルシオラの人魔夫婦の実力だ。横島は両手に気のようなもので具現化させた手甲纏いそれを剣にあるいは糸に、またあるいはそのまま伸ばして鬼たちを一撃で屠り、還してゆくのだ。
そして自ら魔族だといったルシオラは、戦闘開始とともに頭上に舞い上がり、そこから気によるものか砲撃を雨のように降らして鬼達を還して行き、時に幻影を用いて刹那たちの援護をする。
「『勝者の糸(ストリング・オブ・ウィナー)』」
横島の操る糸が、まるで一本一本に意思があるかのように華麗に舞い敵を屠る、刹那はその糸の動きに一瞬目を奪われる。が、それはこの場では命取りとも言える行動。
刹那が気づいたとき、その棍棒は彼女のすぐそばまで、回避もダメージの軽減も望めないところまで迫っていた。
「しまっ………!!」
その一撃で刹那は近くの木に叩きつけられ、夕凪もその手から離れてしまう。
「桜咲さん!!」
ルシオラの声が響く。同時に再び棍棒が振り下ろされる。
「『無限の槍(ランス・オブ・アンリミテッド)・殲滅』!!」
横島の声が刹那に届くのと同時に、振り下ろされようとしていた棍棒がその背後から迫った光の筋に破壊される。さらにそれは鋭い角度で切り返し、その鬼の頭部を吹き飛ばした。
しかしそれの猛撃は終わらない。複雑な軌道で宙を駆けるそれは、次々と鬼たちを貫き還してゆく。
その発射下を確かめようと辿った先にいたのは、右手を前に突き出し淡く緑色に輝く手甲から光の一閃を放つ横島の姿。その後ろには、斧を振りかぶった戌面の鬼。刹那は危ないと叫ぼうとしたが、間に合わなかった。否、必要なかった。上空から放たれた一撃がその鬼をかけらも残さず吹き飛ばしたのだ。それは見る間でもない。放ったのはルシオラだった。
横島が右手を振るう。すると一本の閃光だったそれは、5本の糸となって鬼を襲う。
「『勝者の糸(ストリング・オブ・ウィナー)・殲滅』」
その後の戦闘は圧倒的だった。広範囲に渡って張りめぐらされた光の糸は、縦横無尽に己が身を躍らせて敵だけを切り裂いてゆく。それを掻い潜ったとしても、再び左手から放たれた閃光や、ルシオラの放つ砲撃によってその身を散らしてゆく。
「これは私たちは必要無かったんじゃないのか?」
横島達の見せた圧倒的なまでの戦闘能力に呆れた表情で近づいてくる真名。
「二人とも怪我は無いかい?」
「大きな怪我は、特には無いよ。」
真名は自分と刹那の体の状態を眺めてそう答える。
「つっても小さな怪我は結構あるみたいだな。」
横島が二人の肩に手を置き、(このとき二人は、直に消えてしまったがそこに何かビー玉のようなものがあるのを感じた)指と指の間から淡い緑色の光が漏れ出し、傷という傷を治していった。
それも一瞬で。
それには再び驚く。それもそうだろう何か道具を使ったようだったが、一瞬で、無詠唱でそれを成したのだ。驚くなというほうが無理である。
「いったいどうやったんだい?」
当然の疑問だろうそれを真名は口にする。
「まぁ、おれが使える魔法だと思ってくれ。」
苦笑しつつ言う横島。
「さぁて、これでこの件も片付いたし学園長に報告して帰りましょう。」
「そうですね。あぁ、横島さんさっきは助けていただいてありがとううございました。」
「礼なんていらないよ。仲間同士助け合うのは当たり前だろ。」
何を言ってるんだかといった感じの横島。
して4人はその場を後にした。
新学期、3-Aの教室に向かう途中、魔法先生(表向きには子供先生。)のネギに見せてもらった名簿の中に、二人ほど見知った名前を見つけた。
(まさか彼女たちのクラスとはね。)
世界は狭いといった感じに微笑を浮かべて、ルシオラはネギとともに廊下を歩いていた。
今のルシオラの格好は、紺色の女性用のスーツ姿で頭部の触覚は幻術をかぶせて隠している。
彼女は見事にスーツを着こなしていて、見方によってはやり手のOL、社長秘書といった風でもある。
「ネギ君、お前から見てクラスのみんなはどんな感じなの?」
「そうですね。みんな元気で仲もよく馴染みやすい、いいクラスですよ。」
「それは楽しみね。」
微笑むルシオラに、ネギは楽しいですよと廊下を進む。
そしてたどり着いた3-A、ルシオラは入ろうとして扉の上に挟まれた黒板けしに気づく。
(何でこんなところに?)
とその意味に気づかずにわなを解除。そのとき教室内の約3名が周りに聞こえない程度の音で舌打ちしていた。
そして入った教室の床には第2の罠、ワックスによって必要以上に滑りやすくなった床。
ルシオラはそれに不思議に思ったものの、最初の一歩で少しバランスを崩しただけで後はばれない程度に宙において回避。これもまた罠だということに気づかずじまい。
続いて落ちてきたバケツは片手でつかみ、ここで初めて(あれ?おかしいな)と思うルシオラ。けどやっぱり意味するところはわかっておらず、放たれた吸盤付きおもちゃの矢を片手で持ったバケツで防ぐ。
そうしてすべての罠を回避したルシオラは教壇の前に立った。
「自己紹介する前に聞きたいんだけど、なに、これ?」
指差すのは手にしたバケツ。一瞬の沈黙の後、あたりにまるで雪崩のような歓声が上がった。
『『『『『スゴーイ!!』』』』』
いきなりの口撃(?)に目を回すルシオラ。
矢継ぎ早に放たれる質問の数々にルシオラは目を白黒させるばかり。
「皆さん落ち着いてください。この時間は質問会にしますからとにかく席について下さい。」
ネギの言葉に「は~い♡」と答えて、生徒たちは席に戻っていった。
(まさかルシオラさんが副担任とはな。)
(副担任が来るとは聞いていましたが………、彼女とは。)
刹那と真名の二人は入ってきたルシオラにそんなことを思っていた。ほかにも数名は………。
(何者だ?あいつ。微妙に漏れ出ている力、あれは魔力には見えんしかといって気でもない。)
(ふむ、やるでゴザルな。)
(ムムム!!やるアルね、これは一度手合わせをしたいアルナ。)
などと考えていたりする。
そんなことを知る由も無いネギは皆が席につくのを確認してルシオラを促した。
「では最初に自己紹介をお願いします。」
「えぇ、皆さんはじめまして。このたびこのクラスの副担任になった横島蛍です。担当教科は数学で、あとネギ君のサポートが主な仕事ね。短い期間だけどよろしくね。」
笑顔の挨拶にクラスのほぼ全員がはーいと元気良く答える。
((横島蛍!?))
約二名は内心でルシオラじゃないのか?と考えていた。
かくして3-A質問会は始まった。
「好きな人はいるんですか?」
今回最後の質問はやっとこさ出番となった朝倉のものだった。朝倉としてはこの質問で動揺するなり、あたふたするなりしたルシオラの姿を納められればと思っていたのだが、その期待は裏切られた。それはいい意味で裏切られたといえばいいのか、とにかくスクープには違いなかった。
「好きな人?いるわよ。
その人の名前は横島忠夫。私の最愛の夫よ。」
そのルシオラが既婚者だという事実は、そのことを知っている二人以外を心底驚かされたのだった。
「そんなに驚くこと?」
という声は誰にも聞こえなかったとのことだった。
あとがき
やっとかけた。ここにGSのリポート#をお送りします。次は魔神将でお会いしましょうでは
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