HOME
| 書架
|
当サイトは「魔法先生ネギま!」関連の二次創作投稿サイトです。ネギま!以外の作品の二次創作も随時受け付け中!
書架
二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神)「第一話 二人の来訪者」 投稿者:九重九十九 投稿日:06/28-17:42 No.823
目を覚ますとそこは樹海だった・・・・・・
「あのバカいぬー!!!!」
金髪の長い髪を後ろで九つにまとめた少女の叫び声をBGMに、バンダナをした20歳ぐらいの青年は大きなため息をつき、金色の少女に背を向けながら生暖かい目で少女を見つめていた。(あれ?)
「おーいタマモ、いいかげんこの状況受け入れたほうが楽だぞー」
さんざん叫びつづけて気が済んだのか、静かになったころを見計らい青年は少女に声をかけると、タマモと呼ばれた少女は背後の青年に目をむけ反論しようと振り返った。
「うるさいわねー、だいたいあんたも・・・・・・」
ザ・ワールド!時よ止まれ!!!!
・
・
・
・
・
10秒後
・
・
・
・
・
そして時は動き出す
「ヨコシマ、あんた首がー!!!!!」
「首?」
「ずれてる!首が180度回ってるー!!!」
ヨコシマと呼ばれた青年は首の違和感を感じ、自分の首に手をやるが、あるべき位置に顔が無い事に気が付いた。
「うわわわわ、首がー!!死ぬ!死んじまうー!!!死ぬならせめて美女に埋め尽くされてー「やかましい!いいから動くな!!」・・・・」
ゴキョ!!!!!
何かが終わったような音とともに、タマモはいいかんじに振りぬいた腕を横島の顔面に叩き込んだ。
突っ込みにしては過大な、まして明らかに人類の稼動域を超えて回転している頭部に対して、あまりにも無慈悲な・・・無慈悲な一撃とともに横島は大地に崩れ落ちた。むしろとどめ?
「あー・・・・ヨコシマ、死んだ?」
「生きとるわー!!!!」
「あ、生きてたんだ」
「生きてるわい!なんちゅーことをするんだお前はー!」
「いいじゃない、生きてるんだし。首も治ったみたいだからむしろ感謝してほしいぐらいよ」
タマモはさっきまで横島の隣にぼろ布をまとい、大きな鎌を持った影を見たような気がしたが、横島の叫びと共に影が消えたので気にしないことにした。
なんか「今度こそー」という幻聴も聞こえた気もするが、気のせいだろう。
「人をなんだと思ってるんだ、お前は・・・」
「一応人類?」
「その疑問系はなんだー!!!!」
「断言できる?」
「・・・・・・・・・・最近我ながら自信がない」
「まあ、いいわ。で、・・・・・ここドコ?」
「さあ・・・・・?」
二人してあたりを見渡すが回りは木しか見えない。あたりは薄暗く、夜明けなのか夕暮れなのか判別できない。
「まあ、とりあえず道を探そう。いくぞ、タマモ」
「はーい」
二人は道を探しに歩き出した。
二人は知らない、これから始まる物語を。
非常識な日常から今までと違う別の非常識な日常へとつづく道、そこにはどんな物語がつづられているのだろうか。
第一話 二人の来訪者
ここで時間を数時間前にもどそう、横島とタマモが森で夫婦ドツキ漫才を繰り広げる前の時間に。
ドンドンという極めて近所迷惑な音が、まだ日も昇らぬうちからあたりに響き渡る。
「せんせー!!!朝でござるー、サンポの時間でござるよー!!」
「シロ、あんたもうちょっと近所迷惑という言葉の意味を勉強したほうがいいんじゃない?」
「だいじょうぶでござるよ、タマモ」
シロと呼ばれた白髪に前髪のみ赤いメッシュをかけた中学生ぐらいの少女が、笑顔で答えながらドアをたたき続ける。
しばらくしてドアが開くと横島が眠たそうな、不機嫌そうな顔でシロをにらむ。
「おまえら・・・昨夜午前2時まで仕事していた俺にこの時間から散歩にいけと言う気か?」
ちなみに今の時間は午前4時30分である。
「せんせーなら大丈夫でござるよ♪」
「やかましい!せめて寝させろ!!あと二時間! つーか今日は行く気は無い!!」
「キューン、そんなひどいでござるよー」
「ひどいのはお前だ!!つーかタマモも止めろ、常識あるなら!!」
「あんたに常識って・・」
「いってくれないんでござるか・・・?」
シロは悲しみにくれた目で横島を見つめる。
「う・・・やめろ、そんな捨てられた子犬のような目で俺をみるなー!」
「犬じゃないでござる!!」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
1時間後、朝日を背にリードを手にした横島は、これから始まる一人箱根駅伝往復コース(全区間新記録達成予定)に対し涙を流していた。弱い、弱すぎる・・・
「さあ、今日はドコへ・・・あの大きな山へ登るのもいいでござるなー」
なんか箱根駅伝から富士登山駅伝にランクアップしそうな感じである。あ、横島マジ泣きはいってる・・
「たのむ、シロ・・今日だけでいいから町内にしてくれ・・・」
そんな悲哀に満ちた横島を面白そうに見ていたタマモが、突然シロの胸にかけてるペンダントをむしり取ると、9本の尻尾をもつ子狐の姿に変化し横島の後頭部にしがみつく。
ポン!という音とともに、シロが犬(狼)の姿に変わる。そう、シロは人狼であり、胸のペンダントの力で昼間は人間の姿に変化してるのである。
また、タマモは九尾の狐の転生体でもあったりする。
「がうがうがう(なにをするでござるか!)」
シロは講義するかのようにタマモに向かって吠える。横島も不思議そうにタマモを見る。
「この前テレビで見た犬ゾリってやつ、一度やってみたかったのよね♪」
「おれはソリかー!!!!」
「がうがうがう!!!(犬じゃないでござる、狼でござるー!!)」
「まあ、いいじゃない子犬の姿ならそう遠くへ行く体力もないでしょう、ヨコシマ♪」
「う・・・まあいいか」
「わおーん(よくないでござるー!!!)」
「さあ、れっつごー!!!」
タマモの言葉と共に弾丸のようなスピードで横島が引きずられていく・・・横島の悲鳴をのこしながら・・・たしかに犬ゾリだ・・・
4時間後
「とまれー!!とまれったらとまれーこのバカ犬ー!!」
シロは珍しく、ほんとーに珍しく横島の言葉を守り町内のみを走っていた。
ただし・・・いったい何週したのかわからなくなるくらいに。
しかも始末の悪い事に、体が犬化したので普段人化してる時とは違い、人間では、少なくとも成人男性では通過不可能な空間を走ったりしていた。
当然横島はボロボロ状態、タマモは横島の背で楽しそうに笑ってる。
「がうがう(まだまだいくでござるよー!!)」
「とまれー!!!!」
と、交差点に差し掛かった時、突然横から車がクラクションを鳴らしながら迫ってきたためシロはあわてて急制動をかけた。
当然横島とタマモは慣性という物理法則に逃れるすべなどなく、車の前に投げ出された。
「うにゃああああああ!!!」
「も・・文珠ー!!!!!」
横島は叫び声とともに手にビー球のようなものを二つ取り出し、発動させようとした。
しかし、その瞬間・・・・
「へ?」
横島の気の抜けた声と共に、横島とタマモの前の空間に魔方陣のようなものが浮かびあがり、二人をのみこんで消えていった。
シロは目をつぶり、衝撃音がするのを待っていたが、いっこうに何の音もしないのでおそるおそる目をあけた。
しかしあたりには横島の姿もタマモの姿も無く、臭いも道路中央でとぎれて追うことが出来ない。
「わおーん!!!(せんせー!!!)」
シロの遠吠えがむなしく町に響き渡った。
三日後、いつまでも帰ってこない横島とタマモの捜索のため、横島たちの雇い主である美神令子は妙神山経由で神属の調査官ヒャクメを呼び出し、横島の捜索を行っていた。
「わかったのねー」
ヒャクメがトランクタイプのパソコンモドキから顔を上げ、調査結果を発表する。
「横島さんたちは、この時間軸の神界、魔界、人間界のどこにもいないのねー」
「ちょっと!それはいったいどういうこと?」
美神がヒャクメに詰め寄る。
「だから、横島さんたちはこの世界のどこにもいないのねー」
「それはどこかへ時間移動したという意味?」
「違うのねー、平たく言えば平行世界へ迷い込んだみたいなのねー」
「平行世界?」
「そう、ここと違う全く別の世界。本来けして交わることの無い別の世界なのねー」
「原因はなに?」
「まったくの偶然なんだけど、シロちゃんがその日散歩したコースが何らかの転移魔法陣モドキを描いてしまってるのねー」
ヒャクメがパソコン?の画面を指差し、みんなの前に見せる。
そこには今まで見たことも無い複雑な魔法陣が描かれていた。
「本来ならこれぐらいで発動することなんか無いんだけど、横島さんを引きずりながら走ってたから、見事に血で出来た魔法陣が形成されたみたいなのねー。しかも、世界有数の霊能力者の血で・・・」
「追跡はできないの?」
「調査した結果、これの行き先は完全にランダムなのねー」
「じゃあ、追跡は不可能ということ?」
「行き先が特定できない以上、不可能なのねー」
「せんせー!!!!!」
ヒャクメの絶望的な調査結果を聞き、シロは叫んだ。
場面転換
強制的に転移した横島たちは突然空中に投げ出され、現在、漢の勇気の印であり、アフリカの一部部族で成人の儀式となっているノーロープバンジーに挑戦していた。
本人たちの意思をかぎりなく無視して・・・・・・
「ぬぎゃああああああああああああ!!!!」
「きゃああああ!」
「死ぬ、死ぬー!!!!」
「あ、そうだ変化!!」
タマモは髪を翼に変化させて滑空しようとするが。
「あ、ずっけーぞタマモ!!」
「うにゃああドコさわってんのよ!はなせー!!!」
「誰が離すかー!!」
「文珠を使えばいいでしょうがー!落ちる、落ちるー!!!」
「あ、そうか!!」
横島はさっき発動させていなかった文珠二つに”飛””翔”とこめ発動させた・・・・・・だが時既に遅し・・
バキバキ!!
ズササササ!
ズドン!
「ぶべ!!!!」
「ぐきゃん!!」
ゴキリ・・・・
何とかギリギリで文珠を発動させる事に成功したが、勢いがつきすぎ落下速度を減少させる程度しか効果がなかったため、二人は死なない程度の速度で地面に落下する事になった。
この時横島が意図的にタマモをかばったのか、はたまたタダの偶然か横島を下敷きにするような形で落下したためタマモには怪我は無いようである。
横島については・・・・なんかイヤな音が森に響きわたり、沈黙した・・・・
そして物語は冒頭の場面へと続いていく。
いかにも高そうな調度品がならぶ部屋に一人の老人と渋めの男が話している。
老人は明らかに人類ではありえない、ひょうたん型の後頭部を持ち、仙人チックな格好で椅子に座り、部下らしい男に指示を与えていた。
「高畑先生、森でなにやら魔力が感知されたようじゃ、調査をお願いできるかの?」
「それはかまいませんが、学園長・・・今あの場所は刹那君が向かっているのではなかったですか?」
「うむ、刹那君は別件であの付近の退魔を依頼しておるでな、万が一敵の増援なら刹那君も大変じゃろうからな」
「わかりました、では刹那君の支援も兼ねて調査してきます」
「うむ、たのんだぞ」
横島とタマモ、二人の異邦人はこれからつむぐ物語にどのような影響を与えるのだろう。これから出会う小さな魔法使いとの物語はまだ始まったばかりである。
(あとがき)
はじめまして、九重九十九です。初のSSになりますので未熟なところが多々あるでしょうけどよろしくお付き合い下さい。
HOME
| 書架top
|
Copyright (C) 2006 投稿図書, All rights reserved.