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仮面ノリダーTHE FIRST in ネギま3話(仮面ノリダー×テッカマンブレード オリ有) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/08-01:22 No.18

「お迎えですかぁ?」

「うむ、明日ウェールズから新任の教師がやってくるのじゃ。 まだ日本に慣れとらんじゃろうし、この痲帆良もこの大きさじゃ、多分迷うだろうからな。 それで君とチビ、ワシの孫の木乃香と友達のアスナ君と一緒に迎えに行って欲しいのじゃ」

「はぁ・・・迎えに行くのはわかりますが、なんで僕達まで?」

「新任同士じゃし気も合うじゃろ、それにその教師はワシと同じ魔法使いじゃ。 見回りと兼ねて頼む」



ようするに、雑用みたいな感じである。

給料ははずむということなので、猛はアッサリとその頼みを受ける。 貧乏は辛い。

学園長の用事はそれだけだったらしく、猛はすでに家となってしまっているホテルへと戻っていく。



―ホテル



「お帰りー」

「おぉ、ただいま。 チビノリダー、明日は生徒二人と一緒に新任の教師を迎えに行くことになった。 だから早く寝ろよ」

「うん。 ノリダーよりは早く寝てるよ」



一言多いが、まぁ子供の純粋なところなので仕方なかった。

因みにこのホテルのオーナーは心が広いのか、二人が居候同然の状態でも豪快に笑って許してくれた。 かなりの大物である。

猛たちが平和な一日を過ごしている時、家賃の滞納に腹を立てた管理人に追い出されそうになりながらも、必死でボロアパートに住み着くジョッカーの皆様。 何故か、最近になって給料の支払いが途切れてしまっている。 先月分はすでに家賃となって消えて行ったのだが、今月分がまだ届いていないのだった。 電話で問い合わせても『その電話番号はすでに使われておりません』といった感じで本部と連絡が取れない状況だった。 今は近所のあばちゃんからのお裾分けで飢えをしのいでいるのだった。 コレが涙が出るほど上手かった。 戦闘員の一人が「お袋の味だ」と言って、他の戦闘員に慰められていた。



―秘密基地



「ファンファン大佐、コレはおかしいです! 本部から何の連絡も来ないなんて」



戦闘員がファンファン大佐に定時連絡を入れる。

この世界に来てからというもの、どうも本部の対応が遅い。 部下達の給料が支払われないのもあるが、それ以前に何の連絡も来ないともなると、不安になってくるものである。



「う~む・・・キングジョッカー様復活の為に日夜努力しているというのに。 まさか・・・本部の運営資金を横領したのがばれたのかもしれんな? よし、ラッコ男よ、お前は今すぐに本部まで行ってくれ。 もしかしたら、本当にばれてるかもしれん」

「おいおい、俺に詫び入れに行けってのかよ?」



しぶしぶながら、本部へと遠出をするラッコ男。

一応、この痲帆良支部の幹部となっているラッコ男ではあるが、規模が小さい為こういった雑用を任せられることが多いのだった。



「さて、チョコ玉男の方はどうだ?」

「はい、なんの支障もなく順調だそうです」

「そうか・・・アイツで大丈夫かな?」



チョコ玉男・・・それはもしかしたらジョッカー怪人で最弱かもしれない怪人だった。 なんせ両腕が無いのだ。 彼の場合は数体のチョコ玉男たちがいるのでその点はカバーできるのだが、なんせチョコである・・・直射日光などといったものには弱いのだった。

そんなチョコ玉男だが、今は一生懸命に自分の作戦を進めているところである。

そんでもって次の日



―痲帆良駅



「うわー・・・ヤッパリ日本は人が多いや」



などといった感想を述べているのは何を隠そうネギ・スプリングフィールドその人である。

遠くウェールスの山奥の魔法使いたちの里から、新任教師としてやってきたのだった。



「あぁ、急がないと遅刻しちゃう!」



ネギは他の生徒たちの登校ラッシュに紛れ込んで走る。 魔法で強化されているので、生徒たちに巻き込まれることは無い。



「あれ? 何だろう?」



ふと彼の目に入ったのは、横断歩道を渡っている怪しげな男六人いた。



「♪クエックェックェックェックェ、チョコ玉男~」



怪しい・・・それはもう怪しい・・・いい歳した大人が、何をやっているのかとネギは思っていた。

因みに、『クエックェックェックェ』の部分で歩き出し『チョコ玉男』の部分で足踏みをしながらその場で回っていた。 そのせいで遂には信号が赤くなり、車からクラクションを鳴らされていた。

ネギを含め、その場にいる人たちはチョコ玉男たちが一体何者なのか全く知らなかった。 口々に「なんだアレ?」や「おかしいんじゃないの?」とかいった非難の声が上がる。



「あんな人たちもいるんだ・・・日本って興味深いな~」



エライ勘違いをしているが、これはすぐにでも解決する。

ネギは学園へと急いだ。



「それにしてしても、迎えの人遅かったな・・・わっ、す・・・すみません!」



人とぶつかってしまい、謝るのだが何の返事も返ってこなかった。



「あれ・・・・・・?」



おかしい。

ネギの周りはまるで時が止まったかのように・・・・・・いや、実際に時が止まっていた。 何が起きているのかはわからなかったが、兎に角、大変な事が起きていることは確かである。



「あれぇ? 何で動けるのかなぁ?」

「えっ!」



後ろから声が聞こえてきたので、振り向くと、そこには五人の青年たちがいた。 話しているのは中央の青年だったが、他の四人も小声で何かしら話しているようだった。

本能的にネギは恐怖した。 逃げようと思った時にはネギの意識は途切れた。



―数十分前



猛たちはミニバイクに乗りながら痲帆良を疾走していたのだった。 ただ、四人乗りなので、何時ぞやの時以上にバランスが悪かった。



「早い早い~」

「なんで、小さいバイクに四人乗りなの!」

「ノリダー、スピード違反になっちゃうよ」



内一人は楽しんでいて、内二人からは怒られていた。

というより、二人だけでもキツイのに何故四人乗れたのかは、不思議である。



「すまない、寝坊&エンストで予想以上に遅れてしまった。 もしかしたら新任の先生は先に行っちゃてるかもしれないな。 ん?」



どうもエンジンの調子がおかしい。 するとバイクはその場で停止してしまう。 エンストだった・・・・・・コレで四回目だった。



「猛さん、早くしないと!」

「ノリダー、メンテナンスぐらいはちゃんとしようよ!」

「待て待て! え~と・・・これがこうなって・・・えぇと・・・おっそうだそうだ! ・・・・・・よし、これでいいぞ! すまないな三人とも、これで・・・・・・ん?」



簡単な修理でバイクは直ったのだが、今度は辺りがおかしかった。 皆いや、正確には猛とチビノリダーだけがその場を動けるのだった。

周りの人々は何故かそのままのポーズで停止していたのだった。

何の冗談かと思いつつ猛はアスナを揺する。



「おい、アスナ君・・・一体なんだぁ?」

「ノリダー、なんだかおかしいよ。 妙なエネルギーが痲帆良全体に広がってるんだよ」

「何だって? むぅ・・・一体何が・・・うお!」



突然、二人の周りに何かが降ってきた。 その破片が猛の頬に付着すると、ヒンヤリと冷たかった。



「氷? 一体なにが?」

「動くな!」



二人の上から少女の・・・しかしどこか殺気が混ざっている声が聞こえてきた。



「ノリダー! 誰かいるよ!」

「上かぁ?」



二人が上を向くと、そこには宙に浮かぶ少女の姿があった。 学園の制服を着ていたので、生徒だということはわかるのだが、それが何故宙に浮いているのだろうか? ましてや、先ほどの攻撃は間違いなく、彼女の仕業であるのは確実だった。



「妙な結界が張られたと思ったら・・・さっさとこの結界を解除してもらおうかね?」

「待ってくれ、これは僕達の仕業じゃないんだ! 君は魔法使いだろ? それだったら一体なにが起きているのか、教えてくれ!」



猛は弁解するのだが、またもや足元に氷の矢が飛んでくる。



「言い訳は聞くつもりはない・・・子供は見逃してやろう・・・ほら、早く解除しろ」

「子供って、アンタも子供じゃないか! それに僕達にこんなこと出来ると思うの?」

「ふむ・・・それもそうだな・・・魔力の欠片も感じられんしな・・・だが、それでまだ信用できんな」

「そうだ! これなら・・・・・・ほら、学園長から貰った証明書だ!」



そう言って、猛が取り出したのは名刺だった。 そこには『痲帆良学園警備員・木梨猛&チビノリダー』と書かれており、その隣には学園長の似顔絵が描いてあった。 間違いなく、この学園の警備員の証? だった。



「・・・・・・そんなわけのわからんものを作るのはあのジジイしかいないな。 わかった・・・一応は信じてやろう。 まさか同業者だとはな・・・」

「同業者?」

「聞かされてないのか? 私が貴様の上司にあたる、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ。 どうせジジイのことだ、痴呆でも進んだんだろう。 それより、この結界が貴様が作ったものじゃないとすると・・・・・・あいつか」



エヴァは振り向きもせず、後ろへと瓶を投げる。 すると、それは氷の矢となり、目標へ命中する。



「クエッ!」

「お前は・・・チョコ玉男!」

「知り合いか? まぁいい。 おい、そこのコスプレ男、この結界はなんだ?」



エヴァはチョコ玉男の首を握りしめる。

チョコ玉男は腕がないので、ジタバタ暴れるしか抵抗できなかった。



「知らねぇってば! こっちだって何が起きてるやら・・・おかげでこっちの作戦もパーだ」

「死にたいか?」

「本当だってば! こっちの本部では資金不足でこういった装置は開発することは出来ないんだ!」

「何かしっているの? ねぇねぇ、エヴァジェリンさんだっけ? まずはコイツから情報を聞き出したほうがいいと思うんだけど」



少し間が開いたが、エヴァはチビノリダーの提案を受け入れる。



「おい、少しの間だけ寿命を延ばしてやろう。 はけ」

「乱暴だなぁ・・・この結界はうちのジョッカーが以前開発した『ジョッカー時間止めちゃうんです☆』と同じ効果が現れている。 しかし、それはたった二分で自爆しやがった。 そんでお蔵入りになったわけなんだが・・・こいつぁ、それ以上の効果だぜ?」

「やはりジョッカーがかかわっていたのか!」

「待て、こいつは俺達じゃない! コイツは発生させるのに、膨大な電気が必要になるんだ。 こっちは電気代がかかってんだ、そんなもんに使う余裕はない!」



悲しいことにこれは事実である。

少しリアルな事情ではあるのだが、ではジョッカーでなければ一体誰がこの結界を張り巡らせたのであろうか?



「ふむ・・・よし、コスプレ男。 その装置とやらは何処にある? これでもこの学園の警備員をやらされているいる身でな・・・そうせんとジジイが五月蝿いのだ」

「装置はかなり目立つはず・・・それにこの結界を発生させている時には近所迷惑になりかねない騒音をだすはずだと思う・・・まぁ、改造されてなければの話だが・・・」

「なるほど。 感謝しろコスプレ男、お前の寿命は少しだけだが延びたぞ。 おい、部下」

「僕のことですか?」

「他に誰がいる。 これから私はその装置とやらを破壊しにいく。 逃がすなよ」



それだけ言って、エヴァは飛び去っていく。

根拠はないが、彼女なら何とかしてくれると猛は思った。

その場に残される猛とチビノリダーとチョコ玉男。



「なぁ、俺死にたくないしさぁ・・・・・・そろそろ本部に戻りたいんだよね」

「そうだね、君の本部へ連れて行ってくれると嬉しいな」



突然、猛たちの後ろから若い男の声が聞こえてきた。

振り向くと、そこにはアイドルグループでも組めるほどの〝二〟人の美形がいた。 一人は神経質そうな顔なのだが、その美形でなんとか誤魔化しているような感じで、もう一方は無表情な大人しそうな顔だった。



「何者だ!」



猛は身構えるが、一方の青年二人はポケットに手を入れた姿で余裕の表情を浮かべていた。



「あれぇ? 何で改造人間じゃないのに、動けんの? 今日はおかしな奴に会う日だなぁ・・・このガキも改造人間じゃないし」



先ほどの声の持ち主が言う。

へらへらとしているが、身にまとっている殺気は只ならぬものだった。 それに横にいる青年の脇には気絶している少年が抱えられていたのだった。



「さて・・・ジョッカー痲帆良支部を教えてもらおうか?」

「なんでお前たちに教えなきゃならん。 てか、お前たち誰だ?」

「あぁ・・・僕たちね・・・そうだな・・・仮面ノリダーさ・・・セッタァァァァァップ!」



神経質な青年がそういうと、二人の少年たちは一斉に光だしその姿を変化させる。 最初に顔以外の箇所が再構築され、次に仮面が半分ずつ顔に装着される。 口の部分が丸見えだったが、すぐさまそれを覆うようにマスクを装着する。

近未来的なスーツと鎧、それぞれ色違いのマフラー、コンパクトかつカッコイイベルト、最近のヒーローのような仮面が青年たちの姿を変える。 さらに、ノリダーといっていたのは嘘ではないらしい。 本家とは似ても似つかないほどかっこよくなっているが、ノリダーが大きな耳に対して少年たちのはセンサーやアンテナとなっており、鼻にあたる部分は上手く黒くなっていた。 なんだか、ノリダーの方がバッタもんの様に見えてしまう(実際はそうなのだが)



「仮面ノリダァァァァダガァァァァ!」



神経質な青年が変身した姿。そして、



「仮面ノリダァァァァラァァァンス!」



大人しそうな青年が変身した姿。

二人の仮面ノリダーは猛たちと対峙する。 ダガーと名乗ったノリダーは肩を回し、面倒臭そうにベルトから武器を取り出す。 それはボウガンの様な弓矢であった。



「何でそこの二人が動けるのかは知らないけどさ・・・・・・まぁ、実験体はこのガキで十分だし・・・御免ね」



ダガーは武器を猛とチビノリダーに向け、矢を打ち出してきた。

それらをバックステップで軽やかに避けると、猛はポーズを決め、あの言葉を口にする。



「一体なんなんだぁ? か~いわれ巻き巻き、ね~ぎとろ巻き巻き、巻いて巻いて~・・・・・・」



その間にも攻撃を受けているのだが、どれもコレも致命傷どころか、かすり傷一つ負わすことは出来なかった。



「ノリの悪いやつらだなぁ・・・手~巻き寿司!」

「き・・・貴様は!」

「仮面ノリダー! おい、お前たち! さっさとその子を開放しないと痛いめに会うぞ!」



ダガーとランスを指差すが、なんの反応もない・・・ランスは先ほど避叫んだ以外は特に目立ったことはしていないのだが、ダガーは肩を震わせていた。



「お前が・・・・・・」

「ん? 何か言ったか?」



次の瞬間、ダガーは咆哮を上げ、ノリダーに向かってきた。 ボウガンを槍のように構えて、ノリダーの首や心臓を狙って突き刺してくる



「アァァァァァ! お前がオリジナルか・・・会いたかったよ・・・お前みたいな裏切り者で出来損ないが僕達のオリジナルだってことが頭にきててね・・・殺してやりたいほど会いたかったよ!」

「お前、相当恨まれてんだなぁ」

「何もやってないって! コイツらなんか全く知らないしさ!」



似合わないほどかっこよくダガーの攻撃を受け流す。 ノリダーもジョッカー怪人も真剣に戦えば以外と強いのかもしれん。

我武者羅に繰り出される攻撃を避け、反撃に出るノリダー。



「ノリダーパーンチ!」

「ガァ!」



防御など考えていなかったダガーはモロにパンチを喰らってしまう。 吹き飛ばされたダガーはゆっくりと立ち上がると、ノリダーを睨む

コレにはノリダーは冷や汗を流してしまう。

そして焦っていた。 相手が以外と強いのもあるが、なにより向こうとこっちとでは空気が違う・・・なんというか、別次元の人だった。

突然だが、ここで仮面ノリダーダガーについて少々説明しよう。

ダガーはノリダーたちが元いた世界の住人で、その時に誘拐されてしまったのだった。 そこでダガーへと改造されたのが、彼はそれをとても喜んだ。 元々、力というものに憧れていたのだった。 だが、彼はふとしたキッカケで自分のオリジナルである存在を知った・・・・・・オリジナルの戦闘能力は凄まじいらしいのだが、その戦闘記録を見るとどれもコレも真剣には戦ってはいなかった。 このことは改造人間であることを誇りに思っていたダガーには腹ただしいことであった・・・・・・こんなわけのわからない奴が自分の元になったということが、彼には我慢がならなかった。 自分は一番でなければいけない・・・組織はコイツが最高傑作と言っていた・・・自分はそれのコピーに過ぎないと言われ続けた・・・・・・裏切り者が最高傑作。 ダガーは組織に認めてもらい、自分が最高の改造人間ということを証明したい為、オリジナルのノリダーを倒すことだけを考えていた・・・・・・それが今叶おうとしているのだ、逃す訳にいかない・・・・・・邪魔なものは味方であろうと駆除する・・・ダガーは一種の暴走状態に陥っていた。



「ダガー、装置に何者かが近づいている・・・・・・」

「五月蝿い、お前達で何とかしろよ! 僕はコイツを殺さなくちゃいけないんだ!」

「そうは言うがな・・・他の三人が手も足も出んのだ・・・・・・」



ダガーはあろう事か、味方であるランスに矢を放った。 ランスは体をそらすことで矢を避けた。



「お前が行けよ・・・・・・僕は忙しいんだ!」

「・・・・・・」

「ノリダー火炎放射!」



ランスは何も言わず、他の三人の救援に向かった。 しかし、そのランス目掛けて、炎が襲い掛かる。 咄嗟に両腕で防御体制を取るが、そこでランスは罠だということに気がついた・・・抱えていた少年ネギを手放してしまったのだ。 落下していくネギはチビノリダーが受け止める。



「くっ・・・・・・!」

「何やってんだよ! あのガキは僕が回収する。 お前はあいつらんとこに行け!」



ダガーは邪魔者がいなくなって、上機嫌のようだった。 ノリダーは勘弁して欲しいと思った。

両者の意思は微妙にすれ違い、戦闘を続行する。 そして、残されるチビノリダーとチョコ玉男と気絶しているネギだった。



―ジョッカー時間止めちゃうんです☆付近



何と言うか、大阪万博に出ていた太陽の塔とそっくりな装置の近くまでやってきたエヴァ。 ノリダーたちと別れてから、すぐにこの装置は発見できた。 何と言うか、公園のど真ん中に設置されていた。



「よくもまぁ・・・大胆に」



エヴァはさっさと装置を破壊して仕事を終えようと思ったのだが、それは少々後になりそうだった。

エヴァはため息をついて、誰かに問いかける。



「そろそろ出てきたらどうだ? 不意打ちなんて、姑息な手なんて使わずにな!」



そこらじゅうに殺気を撒き散らし、隠れている敵を威嚇するエヴァ。 すると、木の影、塔の後ろから三人の影が現る。 見た目は美形の青年達なのだが、普通の人間ではないことがエヴァには理解出来た。 そういえば、あの猛と横にいたチビからも同じような感じがしたが、今は目の前の三人の青年の相手が先決だった。



「見つかったか。 上手く隠れたつもりなんだけどね」



長髪の青年が木の陰から出てくる。



「あは。 可愛い女の子だぁ・・・ねぇ、連れて帰ってもいいかな?」

「さぁ? 好きにすれば・・・・・・」



眼鏡をかけた青年と何処かの学生服を着た青年が装置から現れる。

三人は談笑しながら、エヴァの前に立つ。 見た目が幼い少女なので油断しているようだが、彼等はまだ知らない・・・今の自分達ではどう足掻いても、彼女には手も足もでないということが。



「失せろ。 リク・ラク・ラ・ラック・ライラック、来たれ氷精、闇の精、闇を従え吹けよ常夜の氷雪『闇の吹雪』」

「なっ!」



闇と吹雪が三人を襲う。 普通の人間なら、あの至近距離で受けてしまうとまず命はないだろう。 だが、彼等は普通の人間でがなかった

彼等もまた、ノリダーなのだ・・・・・・



「何だ一体・・・たかが人間でこんな力が?」



長髪の青年は立ち上がると、エヴァ警戒してか、後ろへ後ずさりする。 エヴァは大人でも泣き出しそうな笑みを浮かべる。



「人間? 違うな・・・私は吸血鬼だよ・・・・・・」

「・・・・・・首領の言ってたことは本当みたいだな・・・・・・」



眼鏡の青年はそう言って、服についた埃を払い、眼鏡をかけなおす。



「女の子だけど・・・やるしかないようだね・・・」

「あぁ・・・」

「セッタァァァァァップ!」



三人を光と風が包み、その姿を変化させていく。



「仮面ノリダァァァァァァァアァァァァックス!」



長髪の青年が、



「仮面ノリダァァァァァァァソード!」



眼鏡の青年が、



「仮面ノリダァァァァァァァエビル!」



学生服の青年が、姿を変える。 

各々の武器を構え、エヴァと対峙する三人のノリダー。 しかし、エヴァはそんな三人に臆するどころか、今だに余裕の表情だった。



「ふん。 なにやら、面白いことをやってくれるようだが、力を封じられている私でも貴様ら如きに遅れを取るわけがない!」

「いってくれるね・・・後から謝っても、許さないぜ!」



アックスの巨大な斧がエヴァに振り下ろされるが、その斧はエヴァの横スレスレを通っただけだった。



「馬鹿な! 外した!」

「動きが大きいんだ、私は横に動いただけだぞ?」

「油断は禁物だよ、お嬢ちゃん?」



ソードが後ろから袈裟斬りを繰り出してくるが、エヴァはそれさえも避けず、アックスの斧でソードの攻撃を防ぐ。 しかし、エビルが槍で突き刺してきた。



「やった・・・え?」

「ほぉ・・・連携は出来るようだな・・・だが、まだ戦闘に関してはド素人だな」



槍の上にエヴァが立っていた・・・・・・エヴァは瓶を放り投げ、呪文を唱える・・・一瞬のことに対応できず、エヴァの繰り出す氷の矢を全弾、受けてしまう三人。



「グアァァァァ!」

「嘘だろ? まだ、未完成でも俺達がたかが子供に・・・・・・」

「チッ・・・・・・」



アックスとソードは完全にダウンしていた・・・動けないほどでないにしろ、ダメージが大きい。 比較的二人よりダメージが少ないエビルは宙に舞い上がり、胸のクリスタルへエネルギーを充填する。



「エビル! それはまだ!」



アックスの静止を聞かずにエビルはエネルギーを充填し続ける。 光の粒子がクリスタルに集まっていき、光だす。



キュィィィィィン



「ノリダーテッカァァァァァ!」



眩いまでの光がエビルの胸から発射される。



「な・・・・・・」



光がエヴァを包み込んでいく。



―ノリダー対ダガー



「ウガァァァァ!」

「ちょ・・・ちょっと待った!」



矢を撃ちまくり、ノリダーに反撃の機会を与えないダガー。 それを避けているノリダーも凄いのだが・・・・・・

かれこれ、十分も同じ様な事を繰り返している。 どうにも、ダガーはコケにされていると勘違いをしているようだった。



「戦えよ、戦えよ、出来損ないぃぃぃぃ!」

「もぉ・・・なんだかやりにくいなぁ。 ノリダー出刃包丁!」



何処からか出刃包丁を取り出し、ダガーの矢をまるでルパン三世の五右衛門の様に弾いていく。 ノリダーの足元には真っ二つになった矢が落ちていた。



「またつまらぬものを斬ってしまた・・・・・・」

「出来損ないのくせに・・・流石は僕達のオリジナルだね・・・さぁさぁ、次は避けきれるかな?」



ダガーは先ほどとは比べ物にはならない数の矢を打ち出してきた。 さらにその矢はノリダーだけではなく、後ろのチビノリダーたちにまで向かっていた。



「やっべー、チビノリダーそっちいったぞ!」

「ノリダーがなんとかしてよ!」



どんな状況でも自分の空気を変えないのは芸人の鑑ではあるが、そんな和やかな状態ではない。



「こんにゃろ! ボインボイン作戦SP!」



チビノリダーとネギを守るかのように、チョコ玉男たちがダガーの矢を弾いていく。 ところで、他のチョコ玉男たちは一体何処から現れたのだろうか?



「おい、仮面ノリダー。 どうやら俺達の利害は一致してるみたいだからな。 手は貸せんが、足は貸すぜ!」

「サンキュー! おい、ダガーとかいったな! お前なんか高いところ連れてってやる!」



ノリダーとチョコ玉男の共同戦線が始まる。 まずはチョコ玉男がダガーにボインボイン作戦を仕掛ける。



「喰らえ!」

「ふざけやがって! 邪魔だ!」



チョコ玉男たちをボウガンで払いのけるダガー。 吹き飛ばされたチョコ玉男たちに執拗に矢を放つダガー。 それによって、配下のチョコ玉男たちは全滅してしまったが、本物はどういうわけ無傷だった。



「ノリダー・・・パーンチ!」

「何ぃ! くっそぉぉぉぉ!」



ダガーもパンチを繰り出すのだが、ノリダーパンチの前には無力だった。 逆に吹き飛ばされてしまうダガー。



「ガァァァ! 許さねぇ・・・なんで出来損ない如きにやられなくちゃいけないんだ・・・認めない、僕は認めない!」

「アイツ大丈夫かな?」



自分のことを殺すとか物騒なことを言っている相手を心配するノリダー。 ここまで来ると優しいとかの問題ではなく、他人の悪意に無神経としか言いようがない。

一人でブツブツいっているダガーを危ない奴と思いながらも、心配しながらノリダーは次の技を考えていた。 全く別のことを同時に考えられるのはノリダーだけである。



「ククク・・・・・・僕を怒らせた罰だ・・・ウアァァァァ!」



ダガーの鳩尾に当たる部分の装甲が左右に開き、クリスタルが出現する。 するとそこへエネルギーを充填し始める。

キュィィィィィィンっといった音が鳴っているのが、実に様になっている。



「ノリダァァァァテェッカァァァァ!」



高出力のビームがノリダーに迫る。 しかしノリダーはダガーに負けないぐらいの大声で技名を叫ぶ。



「ノリダービィィィィィッム!」



ノリダーは腕を組み、仁王立ちのポーズを取る。 そして、両目からギャグなどでよく見られるギザギザの白色の光線だった。 どう見ても、ダガーの方が強そうである。 事実、ダガーのノリダーテッカーはノリダービームを押していた。 



「ん・・・・・・」

「あ、目が覚めた?」

「・・・僕は・・・アレは!」



目が覚めたネギはチビノリダーに支えられながら、今起きている戦闘に見入っていた。 よくわからない二体の戦闘・・・そして、ビームとビームが互い相殺する様をネギは見ていた・・・・・・



「い・・・一体何が・・・」



いくらなんでもコレはありえない状態だった。 なんだか混乱してきたネギだったが、なんとか意識は保っていた。



突如としてノリダーに敵意をむき出しにする仮面ノリダーダガー。 そして、仮面ノリダーエビルのノリダーテッカーを受けたエヴァは一体どうなってしまったのか? なんだか空気の違う相手に戸惑いながらも、ノリダーは痲帆良の平和を守る為に戦うのだった。

行け仮面ノリダー! 戦え仮面ノリダー! 

次回、出現! 恐怖のD(デストロン)ジョッカー。 Xノリダー五人衆とは何か? お楽しみに。

仮面ノリダーTHE FIRST in ネギま

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