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Re: 紅と蒼の来訪者!プロローグ 投稿者:松嶽キノコ 投稿日:07/10-05:15 No.2664  

~それは一人の男の物語~

「―――――答えは得た。――――大丈夫だよ遠坂」

~七組の主従が戦った小さく大きな戦争~

(―――ああ・・・そろそろか・・・)

~戦争を戦い抜いた赤き主と紅き英雄~

(所詮この身は座より現れし分体・・・記憶としてのみ“今の”わが身は残るのか・・・)

~朝焼けの中、主と英雄の最後の別れ~

(・・それもよかろう・・・私が得られるはずの無い答えを得られたのだから・・・)

~光の中へ消える紅き英雄~

「―――――――ホント、最後の最後まで・・・バカなんだから・・・」

~常に気高くあった主の最後の言葉が消えた英雄へ投げかけられた~




□■□

Side~Emiya

座へともどった私は記憶と言う形になって消えるだけのはずだった。

「・・・なんだこれは?」

目の前にいる男・・・姿形、すべてにおいて私と同じ・・・いや、これは私の『座』の本体だろう。
『座の私』と向き合う私は私としての形を保っている。
普通なら遠坂と別れた後、ただの記憶と言う情報になるはずなのに今回はまだ姿を保っている。

「・・・説明してもらおうか?『私』よ?」

目の前にいる『座の私』に語りかける。

―――守護者、抑止の従僕たる”私”が答えを得た。・・・これがどのような意味か解るか?――――

声ではない。意思として直接私に答えてきた。

「・・・ふむ。それが何か問題あるのかね?」

――――否、”私”が答えを得ることはありえない。それにもうお前は”私”ではない―――

「っ!?それはどういう意味だ!?」

――――抑止はお前と言う”私”を認めない。守護者として機能しなくなる危険因子としてお前を消すだろう―――――

抑止の考えることだ、世界の掃除屋として私が機能しなくなることを嫌い、私を消す・・・それはわかる。だが・・・・

「なぜ私が答えを得るはずが無いのだ!?現に私は得ることができたのだぞ!?」

――――それは騎士王の主であり、結ばれた私には到達することが出来ないことがわかっているからだ――――

磨耗した記憶の中でも今尚輝く白金の騎士王。
役目を果たし、彼女も答えを得た。
そしてその別離の果ての存在たる英霊『エミヤ』・・・それが私だ。

今回の結果・・・過去に戻っての聖杯戦争は確かに私が知っているものとは違った。
騎士王たる彼女も答えを得たのかはわからない。

――――私は衛宮士郎が騎士王結ばれる事象と衛宮士郎が『正義の味方』ではなく『桜の味方』になる事象・・・・この二つの事象のみが起こりうる可能性として認識している――――

「な・・に・・?」

―――幾重にも分岐している世界で衛宮士郎が遠坂 凛と結ばれ本当の『正義の味方』になる可能性は皆無。幾千の世界を渡りし”私”達も同じ結論に至っている――――

「では私が経験した世界は”ありえるはずのない”世界なのか!?」

――――肯定だ。よってお前は存在するはずのない”私”なのだ。エラーの発生した世界に干渉したお前は”私”とは違う存在なのだ――――

「・・・・・それで?貴様は俺をどうするつもりだ?」

――――ふっ、どうもせん。ただお前には完全な”私”であって”私”ではない存在になってもらうだけだ――――

遥か昔のことのように感じるやり取り・・・衛宮士郎と弓兵の会話のようにも思えた。

「・・・・何故抑止を裏切るような真似をする?」
私を消さない・・・つまり、抑止への反逆ともとれる。

――――お前は答えを得たのだろう?それが例えエラーによって得たものだとしても・・・それが私の救いであることには代わるまい。それに・・・これは私の我侭なのだよ・・・・いや贖罪だろうな・・・凛への・・・――――

師匠であり仲間であった彼女へ・・・・私は・・『衛宮士郎』はなにもしてやれなかった。

―――――あの遠坂が幸せになれた世界があったんだ。そこから生じたお前をみすみす消されるようなことがあれば、あの赤い悪魔になにをやられるかわからんのでな――――

「・・・・そうか」

――――納得してくれたようだが、時間が無いので早々に済ませるとしよう。先に言っておくが・・・・・驚かず、冷静になるのだぞ。そして私を恨むな―――

「・・・む?ちょっと待て。それはどういう――――」

――――強化・解析・投影・開始(トリプル・トレース・オン)―――――

強化、解析、投影・・・その三つを複雑に組み合わせた魔術を走らせる。

私の体が解析、分解、再構築、強化され投影される。

――――強化・解析・投影・完了(トリプル・トレース・オフ)―――――

「・・・・・・・・・へ?」

――――ふむ、我ながら良い仕上げだ。同一の存在にして対の存在・・・女性たる私を作り上げることが出来た。同一の魂だからできる芸当だな。ああ、ちなみに私は完璧主義者だからな。例えルール・ブレイカーやそれを越える解呪の宝具でも解くことは不可能だ。私でも・・・そして抑止、世界ですらもな――――

私は姿の変わった体を見る。

身長は170くらい・・・胸に手を当てれば男にあるはずの無い二つの山・・・しかも何気に大きい。
股がスカスカする・・・・・・・男としてあるべきものがなくなっている。
髪の毛は白髪のまま。腰まで伸び、手触りは絹糸のようだ。
肌は焼けてなく、雪を思わせるような白。
服装は・・・黒いインナーに紅い外套は変わらず。だが・・・デザインが男のものとは明らかに違い、締め付ける場所は締め付け、出るところは出ている(太ももとか)。

結論

「なんで女になってんのさああ~~~!!!!!」

――――こうして弓男は弓女になりましたとさ。とかいうナレーションがつきそうだな私よ。なに、心配するな。二~三日すれば慣れる。・・・・・と思うぞ――――

「きっきさっ貴様!!なんでさ!?なんで女なのさ!?しかも慣れる訳無いだろうが!こらっ!!」

――――ははは、いや別に暇だったからとか面白くなりそうだったからとか一人だけ救われて羨ましいとかそんなこと思ってやったという訳では無いぞ?しかも口調が士郎に戻っているぞ?―――――

「絶対思ってただろうが!この確信犯が!!」

――――さてと、先ほども言ったようにあまり時間が無いのでちゃっちゃと済ませるぞ?いい加減抑止が気がつくだろうしな。いいか?よく聞け。今から私は抑止の力の及ばない平行世界にお前を送る。そこでお前は第二の人生を謳歌するがいいさ――――

そういって取り出したのはどっかの魔法使いの爺様がもってる宝石剣・・・・

「ちょ・・待て待て待て!!”私”に使えるわけがないだろうがその剣!!」

――――いやなに、先ほど事情を話したら快く使用することを承諾してくれたぞ?―――

「あの愉快痛快スペクタルロマン妄想特急爺が!!!一回殺す!!!」

――――まああれだ・・・ギャグだと思って割り切るといい。この間『諸葛凛』も言っていたぞ?――――

「だれだよ!?てかあの赤い悪魔か!?なにが『一人前にしてみせる』だ!まずは自分のギャグ属性をどうにかしろ~!!!」

――――それじゃあ、そろそろ逝って来るがいい!――――

「ちょ!おま!字が違う!!って宝石剣多重投影して複数利用しようとするんじゃ―――」

―――――さらばだ!弓子(アチャ子)よ!!もう会うことも無いだろう!!!――――

「アチャ子ってなんでさ~~~~!!!!!!」

煌く光の渦に巻き込まれて私は・・・女になって平行世界へぶっ飛ばされた。




こうして弓男改め弓子(アチャ子)は旅立った
苦難ひしめく世界へと降り立ったアチャ子の前に現れる新たな影!
「いよう・・・いい月夜だとおもわねえか?姉ちゃん」
その影の名前とは!?
そして明かされるアチャ子の新たな名前!
次回!『紅と蒼の来訪者!第一話~蒼き槍兵~』
京都の樹海を駆け抜けろ!アチャ子!!



桜「・・・あら?おじい様空に向かって何を呟いているんですか?」
ラ「桜・・・あれはきっと・・・(ゴニョゴニョ)ですよ」
桜「そうなの・・・だったら非常に良い事ね。フフフ・・・」
ラ「・・・・(そんな黒い桜も素敵ですよ・・・)」




つづく?

紅と蒼の来訪者!

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