HOME
| 書架
|
当サイトは「魔法先生ネギま!」関連の二次創作投稿サイトです。ネギま!以外の作品の二次創作も随時受け付け中!
書架
EPISODE.4「姉弟」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:06/15-23:15 No.749
EPISODE.4「姉弟」
SIDE:翔馬
俺の名前は神○剣……神に代わって剣を振るう男――――
クル○流交殺法影技――――乱刺(ランス)!!
ドシュッッ!!!!!
「ぐぺろすっ!?」
俺のボディに一撃必殺の蹴りが入る。俺の身体は横っ飛びに吹っ飛ばされ、壁に激突。壁を赤い血で染めた。
ハンパでなく痛いっす。
「翔馬。ボケるのもいいかげんにしておかないと、本気で怒るわよ?」
そんな事を笑顔で俺に言い放ったのは、俺の義理の姉である“源しずな”。
性格は温厚。誰にでも優しく、慈悲深い。生徒、先生から絶大な支持を受けている。外見的にも問題は無く、スタイルは抜群。特にその胸――――バスト99センチは凶器である。そして、メガネっ子と女教師というオプション付き。
だが、俺と学園長他、ごく僅かな人間だけが知っている。
この人は怒らせると、とてもとてもとーてーもー!!コワい人であると!!
しかもツッコミ属性の持ち主で、俺や学園長がボケると今のように、もはやツッコミじゃねーだろ? それは? みたいな殺人技法で鋭すぎるツッコミを入れてくれる。
今のマイブームはク○ダ流交殺法で、以前はなんと陸奥○明流を使っていた。その内、無明神○流とか使いそうでコワいのは、俺と君たちだけのヒミツだよ?
「ね、姉さん…」
痛みを堪えて言葉を言い放つ。
こ、ここはご機嫌をとっておかなければ…
「黒い下着がとっても似合ってるよ!!」
サムズアップでいい笑顔の俺。先ほどのケリを受けた時に見えた姉さんの下着を褒める。
「…翔馬?」
すんごい笑顔のお姉さま。どこぞの魔術使いが見たら、“あかいあくま”と呼びそうなとってもキレイでスバラシイ笑顔だ。
え? 俺、なにか選択肢をミスった?
「死になさい?」
そう言った、次の瞬間姉さんの姿が消えた。
こ、これはまさかっ…!!
クル○流交殺法影門「最源流技」――――神移(カムイ)!!
残像や音すらも残さずに移動する技――――!?
俺は、迫りくる“死”の気配に恐れおののく。――――姉さん、マジで殺る気だよ。オイ。
しかし、次の瞬間、俺の脳裏に姉さんが次にどうやって攻撃するかが浮かんだ。
これはまさか、スキル“直感”!? この土壇場で俺はかの騎士王の持つスキルに目覚めたのか!?
そして――――
「そこだぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」
自分の直感を信じて振り向いて全力ガード!! 直感通りに、後ろから蹴りを放つ姉さん!! 読みきったぜ!! 姉さん! 俺の勝ちだ!!
勝利を確信する俺。
だが――――
俺は最後まで気付くことは無かった。
姉さんの口元が僅かに上がっていたことに――――
ク○ダ流交殺法影門「最源流死殺技」――――神音(カノン)!!
えええええええええ~~~~~!?
トン――――
ガードした俺の腕に当たった蹴りは、そんな音をして受け止められた。
――――が、
バシュゥゥゥゥゥゥゥ…………!!!!!!
俺の全身に、強力な振動波が伝わっていく。
この技は、強力な振動波を敵に伝えて殺す技――――
俺の身体が、ガードした腕から少しずつチリになって崩れ去る。
――――姉さん、弟に神音(カノン)は無いんじゃないかなぁ?
それが俺の、この世で最後の思考だった…。
――――DEAD END
今までご愛読ありがとうございました。主人公死亡のため、ここで打ち切らせていただきます。
次回から「魔法女教師シズな!」が始まります。ご期待ください。
SIDE:しずな
「始まらないわよ。 早く起きなさい、翔馬」
まったく…いくらなんでも、振動波で人をチリにするほどの蹴りを放てるわけ無いでしょう?
「か弱い女の身の私が、そんな事できる訳ないでしょう?」
せいぜい、大理石の柱を粉々に砕く位しかできないわよ?
「うん、姉さん。 一度辞書を引いてみた方が良いとおもうよ? たぶん、姉さんの中のか弱いって言葉は意味が違うと思うなぁ」
そんな事をいいながら起き上がる弟に、軽いツッコミを入れる。
「そんな訳ないでしょ?」
スパアァァァァンンンン!!!
良い音を響かせて、翔馬の右頬に私のパンチがヒット。
「ほぶっっ!?」
――――首が180度くらい回ったような気がするけど…まあ、翔馬なら大丈夫でしょ。
「それより、早く晩御飯を作ってちょうだい?」
床に倒れこみ、ヒクヒクと痙攣する翔馬にそう言った。
「ね、姉さん、いつかツッコミで人が死ぬよ?」
ふらふらしながらも、起き上がる翔馬。
「死ぬわけないでしょう?」
何を言ってるのかしら? ツッコミで人が死ぬわけがないでしょう?
「いや、死ぬって!! 普通の人があんなパンチ受けたら死ぬよ!?」
「大丈夫よ。普通の人にはしないから。私がツッコミを入れるのは貴方と学園長だけよ?」
「えー? 今、ナチュラルに俺と学園長を普通じゃないって言わなかった?」
「? 何を言ってるの? 貴方と学園長が普通な訳ないじゃない」
「うわーい。この人俺をあんな妖怪ぬらりひょんと同レベルにしてるよー」
顔を引きつらせる翔馬。
「そんな些細な事より、早く晩御飯を用意しなさい」
まったく…そんな些細な事にこだわるなんて。5年前からしてきた調きょ…ゲフン、ゲフン!! 教育方針を間違えたのかしら?
「はいはい、解かりましたよ…まったく、運動、勉強、裁縫から掃除に洗濯、ほとんどの事は何でもできるくせして、何で料理だけは破滅的にできないんだろ? この人」
ぶつぶつ文句を言いながらも、手際よく料理をする翔馬。
その光景を見ながら、今までの5年間に思いをはせる。
翔馬が私の弟になってもう5年――――
私は子供の頃、“大戦”で両親を亡くして以来、一人で生きてきた。幸いにも両親から受け継いだ魔力や遺産で、生活には困らなかったし、学園長という後見人もいた。だが、“家族”を作ろうとは思わなかった。
自分で言うのもなんだが、私の容姿は凄く良い。いままで、何人もの人からプロポーズされたが、結婚して“家族”になろうと思ったことは一度も無い。
しかし――――
5年前、一人の少年と出会った時、その考えは変わった。
私がその少年に出会ったのは、一つの病室。
その少年を一目見て、こう思った。
“ああ、この少年はかつて両親を失った時の私と同じだ――――”と。
その子の瞳には何写ってはおらず、話かけても機械的に返すのみ。
そんな彼に名前を与えて引き取ったのは、一人で生きていくと思いながらも、心の奥底では“家族”を求めていた私の本心からだった。
その日から5年――――天馬のように空を自由に翔けてほしい――――という意味を込めて“翔馬”と名付けた少年は、いまでは元気にはしゃいでいる。…まあ、時にははしゃぎすぎて殺意を抱く時もあるが。
このまま、平穏な生活がいつまでも続くものと思っていたのに…。
翔馬は、あの研究所でのデータ通りにオルフェノクに覚醒してしまった。
しかし、翔馬のあのオルフェノクの姿を見ても私の心は変わらない。
彼は――――“源翔馬”は私の弟だと。
例え、どんな姿になろうとも、私との絆は無くならないと。
「翔馬――――」
そして、私は彼に告げる。
「ん? なんだ? 姉さん?」
振り向かずに、料理を続ける翔馬。
それに構わず言葉を続ける。
「あなたは――――これからもずっと…私の弟よ?」
その言葉に――――
「――――わかってるよ、姉さん。…俺はこれからもずっと――――姉さんの弟だよ」
そう言った翔馬の笑顔を、私は一生忘れないだろう――――。
――――To be contenued
HOME
| 書架top
|
Copyright (C) 2006 投稿図書, All rights reserved.