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EPISODE.8「歓迎」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:06/29-23:51 No.831
EPISODE.8「歓迎」
SIDE:翔馬
「へぶろっっ!?」
今、俺の目の前でネギ君が教室の入り口に仕掛けられたワナに引っかかった。
――――――仕掛け人はあの双子だろう。俺が以前教え込んだワナだし。
うむ。成長したなぁ…イタズラの師匠としては嬉しい限りだ。
単発のイタズラではなく、コンボで仕掛けられたワナ。それでいて大怪我をしないようなレベルで抑えられている。――――――なかなか見事だ。
弟子の成長を喜ぶ俺をよそに、ネギ君をさらなるコンボ技で仕掛けられたワナが襲う。
しかし…これが俺や姉さんだったらどうするつもりだったんだろう?
いや、俺ならちょっと仕返しをするくらいですませるが…姉さんはっ――――――!?
『ちょ、ね、姉さん!? それはいくら何でもマズ…!!――――――――うぎゃああああああああああ!!!!!!?』
―――――――――――え? 今のナニ?
な、何か恐ろしい記憶が…?
―――――――――――わ、忘れよう。トラウマをこれ以上増やしたくは無い…。
俺がトラウマを忘れようとしている間に、話は進む。
「えっと、これからこの学園でまほ…英語を教える事になった、ネギ・スプリングフィールドです―――――――それで、こちらが…」
そう言ったネギ君が、俺の方を向く。
さて―――――――――――
俺は、ネギ君の代わりに教卓に立つ。そして、おもむろに天に指を指して――――
「天の道を往き、総てを司る男―――――――――――」
次に窓の外に見える世界樹を指し―――――
「俺の名前は―――――『源翔馬』」
「「ええっ!? 天道○司じゃないの!?」」
俺のボケにつっこむ双子―――――――――――『鳴滝風香』と『鳴滝史伽』。
うむ、ツッコミも精進しとるようだな。師匠としては嬉しい限りだ。
「まあ、とにかく、俺がここの副担任っぽい? んで、こっちのネギ君がここの担任だ」
「「な、なんでよ(ですって)~~~~~!!!!」」
そう叫びながら立ち上がったのは我が幼馴染たち。
「ちょ、待ちなさいよ!? 唯でさえこんなガキが担任になるって言うのに、翔馬が副担任!? 冗談じゃないわよ~~~!?」
と、明日菜が吼えれば、
「待ちなさい!! ネギ先生は可愛らしくて私としては何も問題ありません。いや、むしろOK? な感じですが―――――――――――翔馬さんが私たちの副担任!? 翔馬さんのような極悪非道、悪戯大好きで人をからかう事が何よりも好きだと公言して憚らない、将来の夢は? と聞かれて『明日菜とあやかを本妻にしてハーレムを作る事』などと小学生にして言い切った人がよりにもよって女子中の先生!? ―――――――――――あ、悪夢ですわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
失礼な事を言い切ったのはもう一人の幼馴染の『雪広あやか』
「お前なぁ…小学生の戯言を間に受けるなよ…そんなの冗談に決まってるだろ?」
古い話を…。
そんな事をいまさら思うわけが無いだろう?
今の俺の夢は本妻が木乃香ちゃんで、妾が刹那。愛人が明日菜とあやか。メイドとして茶々丸。義理の妹としてエヴァ。ボディーガードとして楓と真名。
そんな男のロマン溢れた壮大な夢を持っているんだぞ!?
―――――――――――まあ、これもまた戯言だけど。
…イヤ、本当ニ冗談デスヨ?
SIDE:明日菜
「――――――冗談じゃないわよ~~~~!?」
翔馬が副担任!?
コイツがこれからいつも近くにいるなんて―――――――――――
何て悪夢―――――――――――!!!!!!
翔馬が私といいんちょ―――――あやかにやってきた悪行を知れば、同じ意見になると思う。
「―――――――――――あ、悪夢ですわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ほら。いいんちょもそう思っている。
いつもはケンカする仲だけど、翔馬に対してだけは私たちは一致団結して立ち向かう。
―――――――でないと負けちゃうし。
まあ、勝った事も無いけど。
なぜか翔馬は、私とあやかをからかう事に命どころか魂をかけるレベルで取り組んでいる。
普通なら、そんな悪戯をする様なヤツとは縁を切るのだろうけど―――――――
私たち二人はそうはしなかった。
まあ、私たちが負けず嫌いだった事もあるのだろうが、翔馬は本当に人を傷つけるような事はしなかった。身体はもちろん、心を傷つけるような事も。
逆に、オッドアイでいじめられる私や、家がお金持ちで妬まれて同じようにいじめられていたあやかも守ってくれた。
翔馬がいなければ、今の私とあやかは無かったかもしれない。
まあ、確かにそれについては感謝しているが、それを私たちが翔馬に言う事はたぶん無い。―――――――――――アイツが調子に乗っちゃうし。
それに―――――――――――
「んー、どーしても嫌か?」
「あたりまえよ!!」
「なら、明日菜。お前には俺が撮影した高畑先生ベスト写真5枚をくれてやろう。これでどうだ?」
「これからよろしく。翔馬先生」
あっさり前言をひっくり返した私は、翔馬から高畑先生の写真をもらってにこやかに挨拶した。
―――――――――――いや、翔馬が撮る写真ってプロが撮ったくらいのレベルだし。
賄賂を受け取った私は、翔馬の先生就任を認めてしまった。
こんな風に翔馬は私たちが喜びそうなモノで釣ってくる。
ああ…賄賂に目が眩んでしまった…でも、この写真の高畑先生格好良いよ~~!!
SIDE:あやか
「―――――――――――あ、悪夢ですわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
私は大声でそう叫んでしまっていた。
はっ!?
こんな教室で明日菜さんと同じように叫んでしまうとは!?
雪広あやか、一生に一度の不覚ですわぁぁぁぁ!?
あまりに可愛らしいネギ先生を見た後で、理性が切れかかっていたようですわ。
しかし、翔馬さんが先生とは…!!
確かに翔馬さんは成績優秀で人柄もよい、模範的な優等生と周囲から思われています。
けれど――――その正体は極悪非道な悪戯好き。ネコを幾重にも被った、人をからかう事にかけては右に出る者がいないほどの性格破綻者ですわ!!
…まあ、極稀に優しい時もありますが。
私の生まれるはずだった弟が亡くなった時――――明日菜さんと一緒に元気づけていただきましたし。
――――け、けど、それとこれとは別ですわ!!
「翔馬さん!! 私は認めませんからね!!!」
「明日菜にはこの――――」
「これからよろしく。翔馬先生」
な、何あっさり買収されてますの!? 明日菜さん!?
にやけて翔馬さんから買収された明日菜さんは、あっさり前言を取り消した。
「私は誤魔化されません――――」
「さて、あやか。撮影したてのネギ君の写真一式で手を打たないか?」
「ようこそ!! 翔馬先生!! ネギ先生ともども歓迎いたしますわ♪」
「うわ~~、ホント似た者同士やなぁ…」
そんな木乃香さんの呆れた声が聞こえた気がしますが、ネギ先生の愛らしい写真を見るのに忙しくて聞こえませんわ~~♪
――――ああ、ついでに翔馬さんにはネギ先生歓迎用のアレを作っていただきましょう!!
SIDE:翔馬
「やれやれ…あやかも急な依頼をするんだからなぁ…」
俺は、俺とネギ君の歓迎会をするという教室に向かっていた。
手に持っているのは先ほどあやかから依頼されたブツ。
そんな俺の目の前に、ふらふらとたくさんの本を持って歩く一人の少女が。
「あれは――――確か、宮崎さんか?」
とりあえず、ネギ君が授業――――ほとんど明日菜とあやかのおかげでまともな物にはならなかったが――――をしている間、名簿を見てクラスの名前と顔は一通り覚えた。まあ、半分近くはすでに顔見知りだったが、改めてこのクラスはどこかしらおかしい人間が集まっている事に気がついた。
おそらく、このような人間を一クラスに集めたのはあの学園長が何か考えがあってのことだろうが。
吸血鬼にロボット。
忍者に巫女スナイパー。
神鳴流剣士に学園長の孫。
マッドサイエンティストに天才少女。
幼稚園児にしかみえない双子に、こちらは大人にしかみえない落ち着いた雰囲気の女性。
学園大格闘大会「ウルティマホラ」優勝者に俺が師匠と認める天才料理人。
そして、我が幼馴染たち。
――――そーいえば、教室の隅になんでかセーラー服を着た少女が居たような気がするが…気のせいじゃないよな?
まーとにかく、そんな子たちがいるこの2‐A。
いつ騒動が起こってもおかしくないと判断した俺は、授業中、ネギ君の担当指導員である姉さんに色々聞きながら、彼女達の事を一通り覚えた。
まあ、そんなわけで覚えた顔の中に彼女――――『宮崎のどか』という名前を覚えていたのだ。
「危なそうだなぁ…手伝うか…」
そう判断して、彼女の元に走りだした俺だったが、彼女は階段にさしかかり――――
「――――!? 危ないっ!!」
彼女は足をつまずいたのか、階段から落ちようとしていた。
くっ――――!?
この位置からじゃ間に合わない――――!!!!
助けようと走り出すが、ここからでは助けられない!!
しかし、彼女は地面に叩きつけられようとしていた時、急に落下スピードが落ちた。
――――――――!?
驚きで立ち止まってしまった俺の視線の先には、彼女の落下位置に滑り込んで助けるネギ君の姿が。
「あでぼっ!!」
…なるほど。魔法を使って助けたわけか。まあ、こんなトコで魔法を使ったのは戴けないが、緊急事態だったし仕方がないか。
俺的人間評価のネギ君の点数を少し上げながら彼らに駆け寄ろうとする俺。
だが――――
「げ。明日菜!!」
今のネギ君を見てしまったのか、ネギ君を抱え上げて走り去る明日菜。
うわ~、明日菜ってば見ちまったのか…このままだとネギ君に記憶を消されるか、学園長たち魔法先生にバレて大騒ぎになるか――――どっちにしろ歓迎できないな。
ここは明日菜に口止めしておいた方がいいか。
明日菜は人の秘密をベラベラ喋る人間じゃないし。
そう思いながら、明日菜がネギ君を連れ込んだ茂みに入る。
「あんたって超能力者――――」
「ぼ、僕は魔法使いで――――」
いや、ネギ君。そこは一応、否定して誤魔化そうよ?
一応秘密なんだしさ?
そんな事を思いながら近づく俺の耳に、ネギ君の声が――――
「記憶を消させてもらいます!!」
杖を構えて呪文を唱え始める。
「ちょっと、パーになるかもしれないですが、許してくださいね」
「な、なによ!? パーって!?」
おいおい、そりゃ困る。
――――まあ明日菜の場合、勉強面ではすでにパーだが。
「あー、そこで止めてもらえないかな? ネギ君」
「へ?――――しょ、翔馬さん!?」
「しょ、翔馬!?」
驚く二人。
「ネギ君。明日菜には誰にも話さないように俺から言っておくから、記憶を消すのは勘弁してくれないか?」
「で、でも、もし魔法の事がバレたらオコジョに~~~!!」
そーいえば、魔法がバレたらオコジョになるって言う罰があるって聞いたような?
「まあ、そこは俺と明日菜を信じてくれないかな?――――それに、明日菜がパーになると困るんだ」
話についていけない明日菜の頭をポンポンと叩きながら、
「明日菜は俺の大事な人だからな…」
微笑みながら明日菜に言った。
「ななななななぁぁぁぁぁ!?」
一気に顔を上気させる明日菜。
おお、珍しい表情だ。写真、写真――――
手品のごとく手に隠し持った“オーガショット”で隠し撮り。ファインダーを見ずに撮影するのもお手の物である。――――しかもコレ、シャッター音が出ないし。
「しょ、翔馬!? アンタまさか――――!?」
顔を真っ赤にして後に下がる明日菜。
そんな彼女に向かって、ニヤリと悪戯っぽく笑いながら言葉を続ける。
「明日菜は俺の――――大事なオモチャだからな♪」
その俺の言葉に、一気に顔が引きつる明日菜。
そして――――
「そんな事だと思ったわよ~~~~~!?」
バシーーーーン!!
「でんどろびうむっ!?」
必殺のアスナキックを受けて吹き飛ばされる俺。
吹き飛ばされる俺の脳裏に、とある電波が。
(ぴろぴろりん♪ イベント“明日菜、ノーパンでパイ○ンを高畑先生に見られる”のフラグが消えました)
え? ネギ君を止めなかったら、そんなステキイベントが?
――――ちっ! 止めなきゃよかったか?
その後、教室に向かう明日菜に、魔法使いの事やネギ君の事――――ネギ君が“マギステル・マギ”を目指していることなど――――そして、なぜ俺がその世界に関わったのかを、上手く誤魔化しながら説明する。
「ちょっとした事件に巻き込まれてなぁ…まあ、それで俺はちょっとした力を手に入れて、コッチの世界に関わったんだよ」
「ふ~ん…まあ、話を聞いたら幼馴染の私たちにも黙っていた事にも理解はできるけど――――」
複雑な表情の明日菜。
アレは、理解はしても納得は出来ないって顔だな。
でも、納得してもらわないと俺もネギ君もヤバイ目にあう。
まあ、多少の事なら学園長が便宜を図ってくれるだろうが――――
あのじじいに借りなんか作った時にはどんな仕事を押し付けられるかっ…!!
「ま、とにかく、俺やネギ君の事は黙っておいてくれよ?」
「ふー…解かったわよ。どーせ、こんな事誰も信じないでしょうし」
そんな事を話しながら、歓迎会がおこなわれる教室に向かった。
その歓迎会では、まあ当然のように騒ぎが起こった。
ネギ君に先ほど助けられたお礼をする宮崎さん。
そして、あやかから依頼されたネギ君の銅像――――我ながら良い出来だ。とても一時間半で作ったとは思えないクオリティだ――――を披露するあやか。
そして、ネギ君が言った『わずかな勇気が本当の魔法だ――――』の発言。
うんうん。ネギ君は本当に10歳とは思えないほどの良い子だ。
これからは楽しそうなオモチャとして――――ゲフンゲフン!!
仲の良い友人としてやっていけそうだ。
その後、ネギ君と明日菜がキスしようとしているように見えた光景を、あやかが勘違いして二人が激闘を繰り広げたのは――――まあ、お約束とゆー奴である。
――――To be contenued
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