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EPISODE.18「吸血鬼3」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:08/01-21:20 No.1025
EPISODE.18「吸血鬼3」
SIDE:翔馬
俺が物思いに耽っている間に、乾さんは来たコーヒーを飲もうとして――――
「ふー、ふー」
と、コーヒーに息を吹いて冷ましていた。
――――そーいえば、この人猫舌だったよな…狼の癖して。
「そういえば、翔馬君?」
矢上さんが俺に話しかけてきた。
「乾さんについていた王の力の事なんだけど…」
は? …王――――“アークオルフェノク”でしたっけ?
「実は、貴方の体にも存在していたわ…それも、乾さんとは比べ物にならないくらい大量にね?」
「え…?」
俺の体に、王の力が…?
「それは多分…俺がいた研究所の実験の結果でしょうね…その時の記憶は少ししかありませんけど、『王の力』――――とかの単語は覚えていましたし…」
「そうなの…まあ、だから翔馬君はオーガを装着しても平気なんだけどね」
は? 平気って?
「元々、オーガは『帝王のベルト』といわれるほどの強い力を持ったベルトなのよ。だから装着者を選ぶ…普通のオルフェノク――――『使徒再生』でオルフェノクになった人では、装着できずにすぐ灰化してしまうわ…装着できるのは、オリジナルの中でもほんの一握りのオルフェノクだけよ…」
「え? そこまで条件が厳しかったんですか?」
「ええ。おそらく、私やマスターでも、無理でしょうね…恐らくオーガになれるのは貴方か――――オリジナルであり、多少だけど王の力を持つ乾さんくらいね」
え? それじゃあ、下手したら俺あの時灰化する可能性もあったのかよ…。
「ふ~、すっきりしたなぁ…」
そんな事を言いながら店に入ってきたのは、先ほど西園寺を追って店を出た佐倉兄。
――――――――何で、そんなに爽やかな笑顔何ですか…?
つか、その服に付いた返り血は何さ…?
「あ、マスター。喉が渇いたから俺はレモンスカッシュ一つ」
そう、言いながら再び愛衣ちゃんの隣に座るシスコン。
「あ、お兄ちゃん。――――あれ? 西園寺君は?」
愛衣ちゃん…いい加減、宏樹さんが西園寺を殺ったのを気付こうよ…。
「ああ――――彼なら、今頃どこかの河を渡っているか、坂を下っている頃じゃないかな?」
「え? 西園寺君。もう帰ったの?」
いや、愛衣ちゃん。宏樹さんが言ってる河は『三途の河』で、坂は『黄泉平坂(よもつひらさか)』の事だよ?
まあ、ぶっちゃけ…殺ったってこと何じゃないかなぁ…?
結論としては、西園寺は半殺しで済んでいた。
某所で血まみれになって倒れているのを、通りがかった人が救急車を呼んでくれたらしい。
そして、西園寺は(自分の)血で書かれたダイイングメッセージを残していた。
それは――――『トカゲが…』である。
宏樹さん…オルフェノクになって西園寺をボコったのか…?
その後、喫茶店『クローバーハーツ』を出た俺は、茶々丸を見つけ、声を掛けようとしたが――――
「ん? あの茶々丸をストーキングしてるのは…明日菜とネギ君?そして――――あのエロオコジョかよ…」
その茶々丸をストーキングする、2人と1匹の不振な行動に俺はその後をつける。
「何やらかすつもりだ…?」
SIDE:明日菜
私とネギは、エロオコジョの「相手は一人だぜ!! 今のうちにボコっちまおーぜ!」の言葉に惑わされて、茶々丸さんを尾行している。
――――何か、辻斬りみたいでいやね…。
私たちが尾行している茶々丸さんは――――
風船が木に引っ掛かった子供の為にそれをとって上げたり――――
歩道橋を上がるお婆さんを背負ったり――――
河に流れている仔猫を助けたり――――
「「いい人だ…」」
その茶々丸さんの行動を見て、ネギと共にほろりと来た。
「二人とも!! ネギの兄貴は命を狙われてるんでしょ!? ここは心を鬼にして…!!」
「でもー…」
ネギはあの茶々丸さんの行動を見て、躊躇っているようね…。いや、私もやりたくないんだけど。
結局、私とネギは茶々丸さんを襲う事になってしまった。
嫌だけど…ネギの命がかかっているみたいだし…
SIDE:茶々丸
「油断しました…でも、お相手はします」
この状況でネギ先生たちが襲撃してくる可能性は低かったのですが…マスターが言っていた、助言者のせいなのでしょうか…?
「茶々丸さん…あの、僕を狙うのを止めてもらえませんか…?」
「申し訳ありません、ネギ先生。私にとって、マスターの命令は絶対ですので…」
私はマスターの従者ですから…。
「ううっ…仕方ないです」
そう言ったネギ先生は、隣の神楽坂明日菜さんと目を合わせ、
「…では、茶々丸さん」
杖を構える。
「…ごめんね」
神楽坂明日菜さんが私に謝る。
今の私はネギ先生の敵でしか無いのですが…。
「いい、パートナーを見つけましたね」
私は素直な感想を口にする。
そして――――
「行きます!! “契約執行 十秒間!! ネギの従者『神楽坂明日菜』!!”」
バシュ!!
神楽坂さんが、私に向かって突っ込んできました。
――――いくら、仮契約による魔力で身体能力が上昇しているとはいえ、神楽坂さんのスピードは私から見ても速いものでした。
「はやい! 素人とは思えない動き」
その一瞬の動揺を突いて、ネギ先生が魔法を放ってきました。
「“魔法の射手 連弾・光の11矢”!!」
ドン!!!
ネギ先生魔法が私に迫る。
「追尾型魔法至近弾多数――――避けきれません」
私はその判断を一瞬で下した。
「すみません、マスター。もし、私が動かなくなったらネコのエサを――――」
そして、翔馬さんに兄さん…マスターの事を頼みます――――あと今、修理中の新しい兄さんにも会ってみたかったですね…。
そして、私に魔法の矢が迫る。
「や、やっぱりダメーーー!!!! 戻れ~~~!!」
何故かネギ先生が魔法の矢を戻そうとしました。
ですが――――
「あ、あれっ!?」
いくつかの矢はネギ先生の方に方向転換しましたが、数本の矢が変わらずに私を狙ってきました。
なぜネギ先生が魔法の矢を戻そうとしたのかは不明ですが、おそらくとっさの事で全ての魔法の矢をコントロール仕切れなかったのでしょう…ネギ先生の年齢を考えれば仕方ない事ですが。
私を狙う矢は3本。
これだけでも私を行動不能にするには充分な威力を持っています。
しかし、その矢は私を傷つける事なく消滅しました。
なぜなら――――
「あ、あれは何よ!?」
戻ってきた魔法の矢をくらって倒れるネギ先生を起こそうとする、神楽坂さんの叫びが聞こえます。
それは仕方ないことでしょう。
私を庇って突然黒い仮面の騎士と、その従者であり、騎馬である黒いロボットが現れたのですから…。
――――翔馬さんと、兄さん…?
SIDE:ネギ
「や、やっぱりダメーーー!!!! 戻れ~~~!!」
茶々丸さんに迫る魔法の矢を戻す僕。
けど、いくつかの矢は今だに茶々丸さんを狙っている…!?
しまった…!! 魔法のコントロールを失敗した!!
慌てて矢のコントロールをしようとしたが、戻した魔法の矢の直撃を受けてしまった。
ドカカカカカカンッ!!
「うひゃーん!?」
情けない声をあげながら吹き飛ばされる僕。
「ネ、ネギ!?」
「兄貴―――っ!? 何で矢を戻したりしたんだよ!?」
カモ君が何か言っているけど――――
それより…!!
「ちゃ、茶々丸さんは!?」
数本の矢は僕のミスで茶々丸さんを直撃したはずだ…!!
慌てて茶々丸さんの方を見ると――――
「あ、あれは何よ!?」
明日菜さんがそれを見て叫ぶ。
なぜなら、そこには茶々丸さんを庇う黒い騎士とロボットが、僕の魔法の矢を防いでいたのだから…。
「な、何だ!? エヴァンジェリンの仲間か!?」
カモ君が何か叫んでいたが――――
よ、よかった…茶々丸さんが無事で…。
今の僕には、突然現れた黒い騎士よりも茶々丸さんが助かった事の方が重要だ。
そして、その騎士は茶々丸さんを抱え上げ、ロボットと共にその場を去っていった。
「な、何だったのよ…? あの黒いのとロボットは…?」
明日菜さんがあっけに取られた表情でそんな事を言った。
茶々丸さんの無事がわかると、あの騎士の事が気にかかる。
カモ君の言うとおり、エヴァンジェリンさんの仲間なのだろうか…?
――――To be contenued
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