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EPISODE.3「帝王」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:06/15-02:12 No.743

EPISODE.3「帝王」


SIDE:翔馬

「花形? 学園長、その人からオルフェノクのことなんかを聞いたんですか?」

俺がそう聞くと、

「うむ…彼は実は以前――――6年ほど前のスマートブレイン(SB)の社長だったんじゃ」

「SBの社長…!!」

「そして5年と数ヶ月前に彼から翔馬、おぬしが居た研究所のことを聞いたんじゃ」

っ!!

「研究所…!!」

さっき死に掛けた――――いや、実際に死んだ時に蘇った記憶の一部が脳裏をよぎる。

「うむ…彼はそこで実験体とされている少年…翔馬、お主を助けてくれとワシに頼んだんじゃ」

「――――なぜ、ソイツ自身が助けに行かなかったんだ? SB社長なら権限で研究を止めさせるなり出来ただろう?」

そのエヴァンジェリンの疑問に、

「当時、花形は行方不明になり、次代の社長…“村上峡児”と言う者の命令でその実験は進められておったんじゃ」

村上峡児――――ソイツが記憶の中で研究員が言っていた社長だったんだろうか?

「ほう…それで、そこではどんな研究をしていたんだ?」

「なんでも、オルフェノクの王についてだとか、それを守る戦士だとか…断片的なデータしか集められなくてのう…」

俺の記憶にもそこの所は無い。王がどうしたとかは聞いた気がするんだが――――

「で、そこに救出部隊を送り込んだと?」

「うむ。 高畑君など、戦闘系の者を中心にのう。 なぜかほとんどのオルフェノクが出払っておったから、あまり損害は無かったんじゃ。…まあ、その時社長がいきなり交代したりしたそうじゃからオルフェノクも本社に行っておったんじゃろ――――そこで、翔馬。お主と――――」

そう言って、学園長は机の上に大きなアタッシュケースを出した。

「コイツを見つけたんじゃ」

そのケースには『SMART‐BRAIN』のロゴが。

「何だコレ?」

俺は、そう言いながら学園長に促されてそれを開けた。

その中には――――

「ベルトと――――携帯電話? んで、コレは――――剣…か?」

重厚感のある、黒と金を基調としたモノ――――が入っていた。

「なんだ? これは?」

当然な俺の疑問に、

「なんでも、オルフェノク用の特殊な装備らしいんじゃが」

「らしいって…解からないのかよ?」

「それに付いている取扱仕様書によれば、それを起動できるのはオルフェノクに覚醒したものだけらしいんじゃ。 つまり、それを見つけた当時はそれを使える人間がおらんかったんじゃよ」

なるほど…つまり――――

「オルフェノクになった、今の俺になら使えると?」

「そうじゃ。…まあ、どの道それはお主のモノじゃよ。 どうやらお主にしておった実験はそれを使って王とやらの護衛をさせるつもりじゃったらしいしの」

コイツが――――俺の?

俺は、仕様書をパラパラと見てみる。

「“オーガ”?」

どうやらコイツは“オーガ”と言う名前を付けられているようだ。

まず俺は、ベルト――――“オーガドライバー”を手に取る。

そして、次に携帯電話――――“オーガフォン”を。

「コレは――――“Ω(オメガ)”…?」

オーガフォンには、ギリシア文字で“最後”を意味する“Ω(オメガ)”の文字が装飾されている。

「それで、コレに“変身コード”を入力する…と」

って、オイ。

「“変身”って…どこの“仮面ライダー”だよ」

それがまるで、特撮のヒーローのようで、苦笑する俺。

「ふん…“仮面ライダー”か…面白いじゃないか」

にやりと笑うエヴァンジェリン。

それに、

「じゃあ、俺はさしずめ“仮面ライダーオーガ”か?」

にやりと笑い返す俺。

「俺は別に正義の味方なんてガラじゃないさ」

「正義の味方は男のロマンなんじゃないのか?」

「ロマンは解かるが、実際にやろうとは思わないよ」

そう返して、オーガフォンを開く。

おー、まんま携帯だなぁ。

オーガフォンを仕様書通りに横方向に折り曲げて変形させ、銃のような形にする。

そして、コードを入力。

『106‐ENTER』

すると――――

≪Burst-mode≫

重厚な機械音声が高鳴った。

仕様書通りなら、コレでエネルギー弾を連射できるのだが――――

さすがに学園長室でぶっ放すわけにはいかないなぁ…と思っていたら、ちょうど良い的があった。

ソレに狙いをつけ、引き金を――――

「あ~、翔馬よ。なぜワシを狙っておるんかの?」

顔を引きつらせながら言ったのは学園長――――ちっ、ばれたか。

「いや~、何となく」

あははははは~、と笑ってごまかす。

「まあ、ソレがお主の芸風じゃからの。 それより、試すのならばココで無く大学部の地下の実験室でやってもらえんかの? すでに超君や葉加瀬君達には連絡しておるし」

「なんでそこで、超とかハカセの名前がでる?」

なんで、そこで麻帆良一のマッド集団『超一味』の名がでる。

「超君達には、その研究所で手に入れたデータの解析などを頼んでいるんじゃよ」

あいつらに…? 確かに、あいつらはそこらへんの学者連中よりよほど優秀だが――――

「中学生にそんなやばそうなデータの解析任せるなよ…」

あきれる俺に、

「フォッフォッフォッフォッフォッ」

と、笑ってごまかす。――――まあ、いくら同じマッドでもエレキギターをかき鳴らすどこぞのキ○ガイよりはマシだが。

「とにかく、ソコに行ってくれんか? それにお主が喜びそうなモノもあるしの?」

ニヤリと笑うじじい。

「俺が喜ぶ――――?」

「“仮面ライダー”にはアレがつきものじゃろ?」

そのじじいの言葉を後にして、俺たちは大学部へと向かった――――。




SIDE:茶々丸

私とマスター。桜咲さんと翔馬さんの4人は、大学部のハカセのところにやってきました。

そこにいたのは――――

「あー、待ってましたよ~」

ハカセと、

「待ってたネ」

超さんでした。

「んで、じじいの言ってたヤツってなんだ?」

翔馬さんが早速超さんに用件を切り出しました。

「ん。コッチネ」

そう言って、超さんが案内したのは地下実験室。

対爆使用の重い扉が開き、実験室に入ります。

そこにあったのは、黒を基調とした一台のバイク。データを検索――――スマートブレインモータース製のバイクに酷似しています。

「おー、コイツは――――」

翔馬さんの声が地下室に響き渡ります。その声はどことなく嬉しさを隠せません。――――そういえば、以前なぜバイトをしているのか聞いたときに、バイクを買うお金を貯めていると言っていました。

「バイク…か? まあ、確かに“仮面ライダー”には付き物だが…」

「そうなのですか? マスター?」

「まあな」

そう私たちが話している内に、超さんと翔馬さんの話は続きます。

「コレが俺のもんになるのか!?」

「まあ、そーゆー事ネ。これは研究所にあった“SB‐555V オートバジン”を私たちが研究所でのデータや“オーガギア”…そのベルト一式にあわせて改良した、“CH‐000V オートバジン改”ネ。」

「ん? そのCHはなんだ?元になったSBはスマートブレインだろうが」

「C(チャオ)H(ハカセ)の事ネ」

「――――まあ、あえてつっこまんが」

「それより、早く起動させてみるネ」

「ん? ああ」

そう言って、翔馬さんはオートバジンに近寄ります。

「どうやって起動するんだ?」

「その“Ω”のトコを押してみるネ」

翔馬さんがそれを押すと、オートバジンに命が吹き込まれ――――

ブオオオオオオン!!!!

エンジン音が響きます。

そして――――

「おおっ!? 変形したぞ!?」

翔馬さんが驚いたように、オートバジンはロボット形態に変形しました。

「おおー、スゲーなぁ…イイよコレ!!」

目をキラキラさせています。やはり男性はこのようなモノが好きなのでしょうか?

「コレは、ビークルモードとこのようなバトルモードに変形出来るネ」

超さんの説明が聞こえます。

「そして、オートバジン改には、特殊なAIが組み込まれているからある程度自分で行動できるネ」

――――では、私と同じようなものなのでしょうか?

そんな私の疑問に気付いたかのように、超さんはこちらを見て――――

「そして、このAIを元にして茶々丸が作られたアルネ」

そう言った。――――私の…?

「へぇ…じゃ、オートバジンは茶々丸の兄みたいなもんか?」

――――兄? 私の?

翔馬さんがそんな事を言いました。

そして、私が思考に沈んでいる最中に、話は先に進んでいきます。

「ま、とにかくこれからよろしくな!オートバジン!!」

そう言って翔馬さんはオートバジン――――いえ、私と同じようなAIを搭載しているのならば「彼」…と呼ぶべきでしょう。――――に、手を差し出して握手を求めています。

「――――」

その行動にとまどうかのようでしたが、ぎこちなく手を握る彼と翔馬さん。

翔馬さんの、このような所は素直に凄いと思います。私や彼のようなロボットを相手にしても、一つの意志あるモノとして扱ってくれるところが。――――普段は、悪戯を鳴滝さんたちとしたり、神楽坂さんをからかったりしていますが。

「ま、顔あわせはそれ位にして――――」

超さんが翔馬さんに、話しかけます。

「さっそく、“変身”して見せてネ?」

どことなくワクワクしているような顔の超さん。

離れてコンピュータの調節をしていたハカセも、目がキラキラしています。

「んじゃ、やってみるか!!」

そう言って、翔馬さんは実験室の中央に歩いていきます。

「じゃあ、私達は別の部屋でモニターするネ」

超さんに促されて、私達は別室に移動しました。



SIDE:翔馬

中央に立った俺に、スピーカーから超の声が。

『では、お願いネ』

そして俺は――――

オーガフォンを開き、コードを入力。

『000‐ENTER』

すると、オーガフォンが起動し、

≪Standing-by≫

機械音声が鳴り響く。

そして俺はオーガフォンを胸元で構え――――

「“変身”!!!」

そう叫んで、腰に装着したオーガドライバーに叩き込む。

≪Complete≫

その機械音声と共に、ベルトから出た黄金の光のラインが俺を包み込み、鎧のようなフレームを形作る。

そして、次の瞬間俺の身体は黒い鎧に包まれた仮面の騎士――――『仮面ライダーオーガ』に変身していた。

――――いや、確かにさっきは正義の味方なんてガラじゃないとは言ったけど、ソレとコレとは話が別だし。ぶっちゃけ仮面ライダー好きだし。

そして、俺は全身を見渡してみる。黒をメインカラーとした身体。そして身体を囲むように流れる黄金の“フォトンストリーム”。そこに流れるのは、オーガの力の源“フォトンブラッド”。

頭部の“クラウンファン”は通信用アンテナで、放熱板としても可能。

“アルティメットクラウン”は、100%ルナメタル製の薄いハードシェルを多層に重ねた強化ヘルメット。

胸の“オーガコア”は大量のフォトンブラッドを溜めるエネルギーバンク。また、エネルギー流出を管理する。

“アブソリュートシールド”はルナメタル114の5重構造で製作された、超硬質のショルダーシールド。

“ワイズマンローブ”はオーガストリームが走る防護マントで、超高熱をも遮断することができる。

そして、身体を覆うのはルナメタル117製作のスーツ、“ルナフォーム”。

性能的には、他に存在するらしいどのベルトよりも高出力なモノで、“帝王のベルト”と呼ばれるらしい。

具体的には――――

パンチ力:4.5t

キック力:9t

走力:100m/5.6秒

ジャンプ力:38m

――――なに? このトンデモスペック?

9tってオイ、トラックがぶつかる位の衝撃があるんじゃねーか?

そして、ジャンプが38m? 普通のビルなんか飛び越せんじゃねーか?

極めつけはオーガの主装備である、“オーガストランザー”…冥界の剣という意味合いを持つコレは、起動させれば無限に伸びる、光輝くフォトンブラッドのエネルギーの刃を形成し、必殺技“オーガストラッシュ”を放つ。

…いや、どこの騎士王の持ってる聖剣だ? こいつは?

うっかり、“約○されし勝利の剣(エク○カリバー)”!!とかいいそうだぞ? 俺。

とんでもないモン手に入れちまったなぁ…。

それから俺は、色々スペックを実際に試したりしてソレが間違いではない事を実感した。

実験が終わり、変身を解いた俺は、再び学園長室に向かった。




「つくづく、とんでもねーぞ。コイツは」

戻った俺は、開口一番学園長に言った。

「ふむ…こちらでも見ておったが、ホントにとんでもないのぉ…」

呆れた口調の学園長。

「ああ。 これなら、オルフェノクに変身した方がよくないか? 幾らなんでも攻撃力高すぎだろ」

「それは駄目じゃ」

「ん? なんでさ」

「オルフェノクは目立ちすぎるからのぅ。魔法使いの中ではあまり知られてはおらんから、バケモノと間違えられて敵対しまいかねんのじゃ」

ん? 今、何つった? このじじい。

「は? 魔法使い? …じじい、ついにボケたか!?」

おいおい、勘弁してくれよ。木乃香ちゃんにじじいがボケたなんていいにくいぞ。

「まー、お主ならそう言うとはおもっとったが、実際に言われるとムカつくの」

いや、言うだろ。普通。

「源翔馬。確かにそこのじじいはボケたことを言う事が多いが――――」

何気にヒドイね。エヴァンジェリン。

「そのじじいも、私も、“魔法使い”だ」

――――とんでもねぇ事をいいだしたよ、このロリっ子。

「誰がロリっ子だっ!! …コホン!! それより事実だ。貴様は自分がバケモノだと認めているのに、“魔法使い”を認めんのか?」

いや、だって…なあ。

「ならば、証拠を見せてやろう」

そう言ったエヴァンジェリンは、

呪文を唱えて、指先に火を灯す。

――――トリック…は無いな。俺はよく悪戯目的で手品じみた事をするからこの手の類いのトリックはすぐにわかる。じゃあ…本当…なのか?

「これでも信じられんのなら――――」

そう言ってエヴァンジェリンは、部屋の外に向かって、

「“魔法の射手!! 氷の17矢!!”」

そう言ったエヴァンジェリンの手から、氷の矢が飛び出て夜空に消えていった。

――――マジで?

「あー、解かった。まー俺みたいなのも居るんだし、“魔法使い”がいてもおかしくないよな」

あれを見ては納得せざるを得ない。

「ま、じじいだけなら戯言と切り捨てられるが、エヴァンジェリンがそう言うのなら本当なんだろう」

「え? 今ワシ、ナチュラルに貶されんかった?」

じじいの言葉は勿論スルー。

「しっかし…魔法使いねぇ…ホントにいたんだ」

呆れるしか無い俺に、

「なにを言っている。貴様の義姉である“源しずな”も魔法使いだぞ?」

なんてことを言ってくれましたよこのちびっこは。

「嘘だろ!?」

姉さんが魔法使い!?

マジかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?

その日一番の驚きは、自分がオルフェノクになったことでも、仮面ライダーになった事でもなく、姉が魔法使いだと知った事だった…。


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MAGISTER MAGI&MASK’D RIDER 000 EPISODE.4「姉弟」

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