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EPISODE.7「子供」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:06/26-20:43 No.805

EPISODE.7「子供」


SIDE:翔馬

ミズチ事件から二ヶ月。俺は時々ある、侵入者などの相手をしながら日々暮らしていた。

――――別れるとき、鶴子さんが『また会いにきますえ~』とか言ってたのは気にしないでおきたい。



今日から新学期。

俺は、オートバジンに乗って俺が通う高校―――――――――――では無く、学園長室に向かっていた。

「ちっ…あのじじい、急に呼び出しやがって…」

いきなり、今日の朝学園長に呼び出しをくらったのだ。

文句を言いながら、ゆっくりバイクを走らせる。

この時間は学園都市らしく、大勢の生徒たちが登校している。そんなにスピードは出せない。

「―――――――――――ん? あれは…明日菜と、木乃香ちゃんか?」

前方に幼馴染と、その親友である『神楽坂明日菜』と、『近衛木乃香』の二人の少女が話していた。

「明日菜~今日の占い―――――――――――」

ゆっくりと二人に近づく俺。まだ、二人は俺に気付いていない。

どうやら、木乃香ちゃんが明日菜に占いを聞かせているようだ。

「東に向かって好きな人の名前を10回叫んでワンと言うと恋が叶うらしいで~?」

木乃香ちゃんがそう言った。

おそらく、いくらなんでもこんな事を間に受けないと、冗談のつもりで言ったのだろうが―――――――

甘ぁ~い!! 甘すぎるよ、木乃香さん~!!

具体的には某ゲームにでてくるバ○ターワッフル並みに甘いよ!!

奴ならやる!! 長い付き合いである俺にはわかる!!

アイツは―――――――――――そんな冗談を間に受けるバk…ゲフンゲフン!! 純粋な子だからなぁ…。

まあ、それより今はこんな明日菜をからかう機会を逃すわけにはいかない!!

俺の68ある特技の一つ―――――声帯模写で木乃香ちゃんの声色をマネして言葉をつなげる。

『高畑先生高畑先生~』と叫ぶ阿呆…いや、明日菜に向かってさらに行動を追加する。

「“そして、近くのおじいちゃんの銅像に向かってドラ○ンライダーキックをするんや~”」

「へ?」

突然、自分の声がさらに明日菜の行動を追加した事に驚く木乃香ちゃんは、ようやく後ろにいる俺に気付いた。

だが―――――――――――

「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

明日菜は、木乃香ちゃんだと思った俺の指示を間に受けて両手を前につきだし、某龍な騎士のファイ○ルベントの構えをする。

――――――――自分で仕向けておいて何だが、マジでヤル気だよ、この女。

その時、俺たちは明日菜の周りを紅い龍―――ドラ○レッダー―――が囲むように回る光景を幻視した。

「ていっっ!!!」

ジャンプ!! そして、空中で一回転し―――――――――――

「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!」

炎(幻です)に包まれた明日菜が、ミラーモ○スター―――――じゃなかった、じじいのキモい銅像に向かって今、必殺のド○ゴンライダーキック!!!

それをくらったじじい(銅像)は、爆炎(幻です)を撒き散らしながら粉々に砕け散った。

――――本物もこれ位あと腐れなく消えてくれればいいのに…。

そして、見事なファイナル○ントを決めた明日菜が、ようやく自分のしたことに気付いたのか、こっちに向いて叫んだ。

「――――――って、何させんのよ!!!!!」

「「ホントにやるとは…」」

俺と木乃香ちゃんの声がユニゾンする。

「殺すわよ―――――――って、翔馬!? 何でアンタがここに居んのよ!?」

「これはご挨拶だなぁ。幼馴染に向かって」



そう、今俺が言ったように、この『神楽坂明日菜』と、明日菜と同じクラスの『雪広あやか』は俺がここに来た5年前からの幼馴染だ。

本来、明日菜の保護者である高畑先生が当時まだ小学生だった明日菜の面倒を見なければならなかったのだろうが――――――高畑先生は仕事(今なら、魔法関係の仕事だと理解できる)で出張が多かったので、同じ仕事仲間の姉さんに明日菜の面倒を頼んでいた。

まあ、姉さんも忙しいので、必然的に2歳年上である俺が明日菜の面倒を全面的にみていたのだが。

あやかの方もまた、家が金持ちで両親が滅多に家に居なかったので、親友(毎回毎回ケンカばかりしていたが、不思議と仲が良かった。―――本人たちは否定するだろうが)の明日菜と一緒に面倒を見ていた。

逆にあやかの家に行ったときには、そこのメイドさんにさんざん世話になったが。メイドさんたちに料理を習ったりしたのはいい思い出だ。―――――――――――余談ではあるが、このとき俺は、スキル“メイド萌え”を習得した。

まあ、そんな感じで俺と明日菜たちの関係は5年続いている。



「ここは女子部の敷地内なのよ? 早く、自分のクラスに戻りなさいよ!!」

「それが、あのじじ…学園長に呼び出されてな」

「はぁ?」

「おじいちゃんに呼び出されたんか?」

「ああ。―――――というか、お前たちこそなんでこんな時間にこんなところにいるんだ? いつもならとっくに教室にいってる時間だろ?」

「それが―――――――――――」

答えようとする明日菜。だが、そこに―――――――――――

「あなた、失恋の相が出ていますよ」

そんな声が乱入してきた。

―――――――――――は?

「なんだと、こんガキャァァァァ!!!!!」

明日菜に向かって、そんな失礼極まりない事を言ったそいつは、まだ小学生くらいの荷物となぜか“杖”を背負った少年だった。

その少年――――――あやかと言う名のショタい人が見たら『お、お持ち帰りぃぃぃぃぃ!?』と叫び出しそうな整った顔立ちの少年は、明日菜に首元をつかまれてブンブン振り回されている。

「あわわわわわわわわ~~」

目を回す少年。―――――――――――いかん!! 明日菜を止めなければ!!

このままでは、怒りのあまり少年を殺しそうな明日菜を止めようとする俺。

さすがに俺が遊べるオモチャ・・・じゃなかった、幼馴染の少女を殺人犯にするのは忍びない。

「明日菜!! やめろ!!」

そう言いながら、姉さんから借りた“マジカルロッド”―――――――――――を明日菜の後頭部に向けて、“ライダーチョップ”並の勢いで振り下ろす。

殺す気か!? と言うツッコミは無しの方向で。

―――――――――――が、

野生の勘で、明日菜は振り向き、それを手で受け止める!!

がしぃぃぃ!!

「ちょっ!? ちょっと!! 危ないじゃない!?」

抗議の声を上げる明日菜。―――――――まだ、甘いなぁ…明日菜君!!

ニヤリと笑った俺は、手元にあるスイッチをオンにする。

すると―――――――――――

バチバチバチッッッ!!!!

「うぎゃああああああああっっっっ!?」

そんな女の子らしくない叫び声をあげる明日菜―――――――――――女の子はもっとエレガントにしないといけないぞ?

ぶすぶすと煙を上げて倒れる明日菜。――――効果はばつぐんだ!!

「さすがだ、“マジカルロッド”…明日菜のような体力バカにもこんなに効くとは…」

「しょ、翔馬さん? それって…?」

おそるおそるといった様子で訪ねる木乃香ちゃん。

「ああ、これは姉さんが通販――まほネットとか言う所で買った護身用の装備――商品名“マジカルロッド”だよ?」

まあ、姉さんに護身武器が必要だとは思えんが。

「えーと、それはスタンロッドって言うもんやないかなぁ?」

「ははははは、いやだなぁ木乃香ちゃん。スタンロッドは危険すぎて一般人が持ってはいけないんだよ? これは“マジカルロッド”。マジカルパゥワァーで敵を必殺するどこにでもある、護身用の道具だよ~?」

まあ、主なエネルギー源は電気だが。

「え~と、マジカルとか、護身用なのに必殺はあかんやろ!? とか色々ツッコミどころはあるんやけど・・・明日菜大丈夫やろか? なんか、痙攣しとるけど?」

「明日菜なら大丈夫だよ。たかが百万ボルトで死ぬほどヤワじゃないし」

黄色い電気ネズミがだせる電撃で明日菜が死ぬわけがない。

「それもそうやなぁ~。これくらいで死ぬようならとっくに翔馬さんのイタズラで死んどるし」

あはははは~、と笑いあう俺たち。

そこに―――――――――――

「あ~、死ぬかと思ったわ…」

明日菜が起き上がった。

立ち上がるその姿に、さっきの電撃の後遺症は無い。

―――――――――――さすがはギャグキャラ。どこぞの煩悩少年レベルの回復力だ。

「誰がギャグキャラよ!? ちょっと!! いくらなんでも死んじゃうでしょ!?」

俺に向かって吼えるケダモノ。

「ははは、明日菜がこれくらいで死ぬわけないだろう? バカだなぁ」

さわやかな笑顔の俺。

「~~~~っ!!! アンタって人はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「それは俺の台詞だぞ~~?」

俺のCVイメージは鈴○健一だし。

そんな事を言い合いながらワイワイ騒ぐ俺たちをよそに、先ほどの少年は呆然とした顔でこちらを見ていた。

―――――――――――放置プレイか? 明日菜?



SIDE:ネギ

な、なんなんだろ? この人たち…。

僕を掴み挙げた人に、ヘンな棒で殴りつける男の人。

まほネットとか言ってたけど…この人も魔法使いなのかな?

けど、あの“マジックロッド”とか言う棒には魔力がぜんぜん感じられないんだけど…。

あ。さっきの人が男の人に殴りかかった。

うわぁ…スゴイスピードでパンチの連打。

そして、右回し蹴り。

絶え間ない連続攻撃が男の人を襲うけど―――――――――――

ぜんぜんあたらない。ひょいひょいと避けながら、さらに女の人をからかう。

「ムキ~~~~~~!!!」

それに怒って顔を赤くしながら激高する、男の人にアスナって呼ばれている人。

さらに加速する攻撃。

スゴイ…!! パンチがぜんぜん見えない…!!

これが、アーニャが言ってた東洋の神秘―――北斗○拳なのかなぁ!?

日本人は全員これが使えるそうだけど…ぼ、僕、こんなところでやっていけるのかなぁ・・・?

そんな気持ちで、これからの生活に不安を持っていた僕に、救いの神がやってきた。

「ああっ!? タカミチ~~~~!!!」

よかった~~!!

「ははは、そこまでにしておいてくれないか? 明日菜ちゃん」

「――――――た、高畑先生!? お、おはようごじゃ、アイタッ!! ひ、ひたはんだ…」

「高畑先生、おはよーございます」

「高畑先生、おはようさん~」

現れたタカミチに挨拶する人達。――――――約一名、舌を噛んだのか涙目だ。

「おー、涙目の明日菜も萌えだなぁ…」

そう言いながら、どこからか取り出した黒いデジタルカメラでアスナと言う人を撮影している。


―――――――――――ホントに先生として、やっていけるのかなぁ…?

ネカネお姉ちゃん。日本はヘンな人が多いみたいです。

“マギステル・マギ”になるためにやって来たけど、早速挫けそうです(泣)





SIDE:翔馬

さて、ここは学園長室。

後頭部が長い、怪生物が生息する異郷である―――――――――――

そこで、我らが神楽坂隊長は―――――

「納得できません!!」

バンッッ!!!

机を叩きながら、現れた怪生物を威嚇していた!!!

―――――――――――飽きてきたな。普通のテンションに戻すか・・・。


まあ、どーゆー事かと言うとさっき明日菜にくびり殺されようとしていた少年―――――――『ネギ・スプリングフィールド』と言う名の少年が、デスメガネこと高畑先生の代わりに明日菜のクラスの担任になるといわれて、“高畑先生好き好き(はぁと)”なオジコン趣味の明日菜がキレたのだ。

ちなみに、彼の少年は見かけ通りに10歳。

―――――――法律違反じゃねーか?

と言うアナタ。

はっはっはっ。

このじじいに、そんな常識を期待してはいけません。

「フォッフォッフォッ、バレなければ犯罪じゃないんじゃよ~?」

ほら。こんな事を平然と言うヤツに何を言っても無駄なんだって。明日菜も長い付き合いでそれは知っているのだが、学習をしない明日菜は毎回キレる。

―――――――――――まあ、そんな所が明日菜の萌えポイントなのだが。

叫ぶ明日菜を、新型ツール―――黒いデジカメ、“オーガショット”でバッチリ撮影。

これは、ファイズの“ファイズショット”を参考にしてハカセたちが作ったデジタルカメラ型パンチングユニットだ。ミッションメモリーを装着して放つ“グランインパクト”は俺が編み出した通常のライダーパンチの数十倍の威力を誇る。

無論、デジカメとしての性能も市販のデジカメをぶっちぎりで超えた性能だ。

―――――――――――まあ、色々なツールを制作してくれるかわりに、ベルトやオルフェノクの研究に協力しているのだが。

世の中、持ちつ持たれつである。


その後、明日菜たちの部屋にネギ君が泊まることになったりと紆余曲折があって、明日菜と木乃香ちゃんはクラスに戻っていった。

そして――――

「ところで、翔馬よ」

学園長が俺に話しかけてきた。

そーいえば、俺に用ってなんだ? わざわざそのためにここに来たんだし。

「お主には、ネギ君のサポートとして2-Aに行ってもらいたいんじゃが」

「OK。じゃあ行こうか」

シークタイムゼロ。反射的にOKした。

「――――いや、翔馬よ。普通はそこで『何でですか!?』とか聞く場面じゃろ? 特にお主はもうすぐ高校2年なんじゃから」

その疑問には当然――――

「俺は自分で言うのも何なんですが、結構なんでもできます。俺は彼女たちに、自分の技術を伝えたいなぁ…と思ったんですよ」

いや、本気で色々できるよ? 例えばヘリの操縦とか、重機の操作とか。…免許はないけど。後はピッキングとかフィギュア製作とか漫画のアシとか。

「建前はいいから本音は?」

「野郎に囲まれながら潤いの無い学園生活を送るより、ここで女の子たちとすごした方が楽しいだろ。まあ、先生の真似事をするのも面白そうだし。特に2‐Aは知り合いもかなり多いしな」

明日菜にあやか。木乃香ちゃんに刹那。エヴァンジェリンに茶々丸。超にハカセに四葉。古菲に真名と楓に双子。朝倉に和泉――――

おお、およそ半分は顔見知りじゃないか。

「まあ、じゃからお主を選んだんじゃが…」

「それに、高校の方は何とかしてくれるんだろ?」

「それはもちろんじゃ。お主がここで仕事をすればそれを授業と同じ扱いにしよう」

なら、何も問題は無い。

「それじゃ、ネギ君――――」

俺は、側で話を聞いていたネギ君に、

「これからヨロシク!!」
と手を差し出した。

「こ、こちらこそお願いします!! 源さん!!」

「あー、翔馬でいいよ。ここでは俺の姉さんも働いてるし、同じ源じゃ解かりにくいだろ?」

「は、はい!! 翔馬さん!!」

がっちり握手する俺とネギ君。

そうして、ここに2‐Aの担任『ネギ・スプリングフィールド』と、その補佐をする副担任(名義上のみ)『源翔馬』が誕生した。


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MAGISTER MAGI&MASK’D RIDER 000 EPISODE.8「歓迎」

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