オープニング 投稿者:精霊姫 投稿日:09/19-23:47 No.1312
「ふわ~・・・眠い・・・」
「クスクス。夜遅くまで、ゲームをしてるからですよ」
世界樹の根元に、一人の少女と一人の女性がいる。
少女は、寝転がり、あくびを一つこぼし。
女性は、そんな彼女の横に座り、微笑んでいる。
「しょうがないじゃない・・・一応、訓練になるんだから」
「そうですね・・・ごめんなさい。面倒なこと頼んでしまって・・・」
「べつにいいわよ。昔からの知り合いで頼めるのは私しかいないんだし。
もしかしたら、私の目的もここにあるかもしれないしね。」
寝転がっていた、少女は苦笑しながら起き上がり、座っている女性の頭を撫でる。
「ん~・・・じゃ、もう昼過ぎだし、開店時間近いから、もう行くわね。あなたも、おとなしく寝てなさい」
「はい・・・どうかよろしくお願いします」
少女は一つ、大きく伸びをして、立ち上がり、世界樹から立ち去っていった。
女性は、少女を見送り、風に溶け込むように、いつの間にかいなくなっていた。
六門を扱いし者 ~麻帆良召喚記~
オープニング
彎月「さて、今日は何をメインにしようかな」
移動販売者――「小さな妖精のお菓子や「ブラウニー」」――の中で、彎月(わんげつ)がお菓子のレシピ片手に、本日のメニューを考えていた。
彎月「昨日は、ケーキ関係にしたから・・・ゼリーにしてみようかな?」
そう決めると、すぐに材料を用意し、調理を始めた。
さて、調理をしている間に、簡単に紹介しましょう。
この少女、彎月は、この移動販売者で、依頼があればどこでも行く、出張料理人見たいなものの一人。
彼女の専門は、デザート、お菓子関係で、かなり腕が立つほうである。
しかし、雑誌や、テレビ等目立つことが嫌いで、彼女を知るのはごく一部の者達しかいない。
その、一部と言うのもまた特殊なもので、精霊だったり・・・妖精だったり・・・
つまり、「普通」じゃないのである。
ついでに言えば、依頼内容もお菓子作りではなく、いわゆる、裏の関係が主だったりする。
彎月「この時期なら、苺のゼリーとかいいかも・・・」
ゼラチンをふやかしてる間に、冷蔵庫から苺を取り「あ~~~~~~!」
彎月「ラン~~~~!また、勝手につまみ食いしたわね!」
ラン「げ!ばれた!」
戸棚の隙間から、何かが飛び出すが、それをガシッと彎月が捕まえる。
飛び出したそれは、背中から蝶の羽を生やした小さな少女のようだ。
彎月「あれだけ、食べちゃダメって言ったでしょ!」
ラン「きゃ~~~~!ギブギブ!苦しい」
彎月はその少女――ランを縦に、横にと振り、「いつもの」お仕置きを執行した。
さて、また、時間が来たので軽く説明&紹介を。
小さき少女――ランは、「フェアリー」と呼ばれる、スピリット種の一種。
六門世界、風の属性のモンスターである。
六門世界とは、火、水、風、土、聖、魔と時の属性で構成されている異世界である。
そこは、多種多様な種族が住んでいる。「フェアリー」もそのうちの一つ。
なぜ、そんな異世界の住人のものがいるかと言うと、
昔、彎月が、召喚符(モンスターコレクションTCG)と言うカードを使って、六門世界との門を開き呼び出したのである。
六門世界との門を開ける者を召喚士(サモナー)と呼ぶ。
本来なら、用が終われば元の世界に戻す(これを送還という)のだが、
ランは彎月の作り出すお菓子の大ファンになり、なおかつ、彎月が味見要員として、共に旅する者になったのである。
それのおかげで、彼女が「フェアリー」を呼び出せば、すでに呼ばれて無い限り、「ラン」が呼び出されるのである。
(厳密には、「ラン」の真名(モンスターの固有名詞)を知っているので彼女個人を呼べる。
本来なら、「フェアリー」だけだと、ぞの種族の中で召喚に応じてくれた者のみ呼べるので、毎回違う)
彎月「ふ~・・・しょうがない。さくらんぼを使ったものと、ミックスにしますか」(カパ、ポン、トコ、ガチャ)
眼を回している、ランを小瓶に入れて蓋をして、戸棚に置き、放置。
そして、冷蔵庫からさくらんぼやら色々な果物を出して、また、調理を再開する。
ラン「こら~!だしなさ~い!」(ガタガタ)
彎月「うるさい!そこでおとなしく反省してなさい!」
まぁ、喧嘩するほど仲がいいといいますけどね・・・。
彎月「大体、つまみ食いをあれほどするなって言ったでしょうが!」
ラン「お腹がすいてたんだからしょうがないじゃない!」(ガンガン)
妖精と喧嘩する少女・・・端から見れば、異様である。
「ん~・・・人選を間違えたかしら?」
世界樹の枝に座った女性が冷や汗を流したり流して無かったり。
第一話に続かしてみせる。
ラン「え、私このまま!?ちょ!ま」
続くったら続く。
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