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怪奇!!人ならざるもの? 投稿者:血影 投稿日:08/06-19:21 No.2783

「……でそうなっている。」

麻十夜は学園町室へと続く道すがらエヴァに麻帆良とはどういうところなのか、この国の今の状況などを軽く聞いていた。どうせ分かることだと思ったのだろう、今度はすんなりと教えてくれた。

それによるとここは学園がいくつも集まってできている大都市で、正式名称は麻帆良学園都市というらしい。
そんな都市は麻十夜の世界には影も無かったが、世界としてはせいぜい総理大臣や大統領、たどってきた歴史が少し違うくらいで、根本的な社会ルールや社会情勢などはあまり変わらないようだった。

変なところでチキンな麻十夜はここが世紀末○○伝もびっくりな世界だったらどうしようとか本気で考えていたので内心とても安堵したのであった。

「でだ、お前にこれから合わせるのは関東魔法協会の理事でもあるこの学園の学園長だ。」

エヴァが説明を続ける。

「中々食えないじいさんでな、何を考えているのかは私でも分からん。せいぜい化かされないようにするんだな。」

「化かすって…妖怪じゃないんだからさぁ」

「忠告はしてやったからな。さて、ここが学園長室だ。入るぞ、じーさん」

“妖怪じゃないんだから”そのドアが開かれたとたん、何も知らなかった麻十夜の考えはすぐに撤回されることとなった。

部屋の中は広く、側面には大きな本棚がいくつもあり幾冊もの重苦しそうな本が眠っている。正面にはソファとテーブルがあり来客のさいの応接に使うのだろうと容易に想像できた。奥には学園長が使うのであろう立派な机と椅子。
そしてそこに座っているはずの学園長の変わりに、老人と頭の長い仙人と妖怪の中間のような生き物がいた。

「何か用かのぉエヴァ。その後ろの青年は誰じゃ?」

未確認生命体が何かを喋った。だが麻十夜にとってはそれどころではなかった。学園長が本物の妖怪(仮)であったことへの驚きを隠しきれない。魔法協会の理事というからには当然人間だとばかり思っていたのだから。
さらにはエヴァも吸血鬼、そのことは麻十夜の思考に拍車をかけていた。

(もしかしてこの世界には怪の類のものしかいないのか?しかし、俺を見て も驚かないということは、少なくとも人間はいるのでは…もしかしたら昔 はいたけど滅びたとかかもしれない。吸血鬼の寿命は長いし知っていても おかしくはない。俺はエヴァに人種、いや、現在の生態系については聞か なかった。
 そしてよくよく考えれば師匠も立派な吸血鬼だ。その可能性は十分にあり える。というかそれしかないんじゃないか?そうに違いない。だとしたら どうする、逃げるか?いやいや、種族とかそういうので差別するのはよく ない。見たところいい人っぽいし、まずは冷静に話を聞こう。)

壮大な勘違いをしたまま麻十夜は覚悟を決めた。ちなみに思考時間は一秒にも満たない。

「さっきここの結界に侵入してきた馬鹿だ。八つ裂きにしてもよかったんだが、少々興味深いのでな」

学園長の問いにエヴァが答えた。

「ほう、見たところ人間のようだが。すさまじい魔力を内包しとるのが見てとれるのぉ。なりのテダレのようじゃ。わしの名前は近衛近右衛門。君は名をなんというのかのぉ」

未確認…もとい学園長がしゃべった。覚悟を決めていた麻十夜は、

「佐橋麻十夜と申します。以後お見知りおきください」

実に礼儀正しく、仙人のようなものとのファーストコンタクトを試みた。

「なんだ貴様、私のときとずいぶんと態度が違うじゃないか」

エヴァが自分との明らかな態度の違いに苛立った声を上げた。それに対して麻十夜はおお真面目に言い放った。

「それはそうだろう。かたや自分をいきなり攻撃した幼女吸血鬼、かたや立派な仙人骨をお持ちの妙齢の仙人(仮)態度も少しは変わる」

その言葉を聞いたとたん、苛立ちにそまっていたエヴァの端麗な顔がなんの容赦もなく破顔した。

「ハハハハハハッッ!!このじじいが仙人だと!本気で言ってるのか!?」

エヴァの大笑いの中、麻十夜のなかに不安がよぎった。まさか、俺の知らない妖怪のほうだったのか?そうすると自分はとても失礼なことをいったんじゃないかと

「ゴホンッ!麻十夜君、わしはれっきとした人間じゃよ」

「はい?人間…?」

常識的に考えてそんなに頭の長い人間がいるはずがない、その考えこそがそもそもの間違えだったことに気づくのにはその後多少の時間を要した…

二人の優しき魔術師達

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