ブレイブV 重甲する&惚れられる勇気
「さぁ・・・・仲丸、ぶっ飛ばされる準備はできた?」 和樹はそう言うと、構えを取り仲丸たちに視線を向けた。 「ち!!2−Fの仲間まで引き連れてくるとは!!式森のくせに生意気だ!!」 仲丸はそう言うと、腰に付属していた拳銃を引き抜き、和樹たちへと向けた。 「ま、まずいわよ!!」 「あんなの撃つ気!?」 暁と黄昏は驚きつつも、即座にこのか・夕映・まき絵を抱きかかえその場を離れた。 「喰らえ!!ジャミングマグナム!!」 仲丸がそう言うと同時に、黒いエネルギー弾が放たれた。ネギと明日菜、クーフェイと刹那はなんとか急いでその場を離れたが、真名と楓はヘビスネークからのビームを避けていたためそっちにまでは気にしていられなかった。 「な!?しまった!!」 「油断したでござる!!」 しかし、その攻撃が当たる事はなかった。弾丸が当たる瞬間、二人は和樹に抱えられ、なんとかその場を回避したからだった。(ちなみにゴーレムは避けれるはずもなく撃沈w) 「二人とも、大丈夫?」 和樹が微笑みながら尋ねると、二人は顔を真っ赤にしながらコクコクと頷いた。そして二人を下ろすと、和樹は再び仲丸たちのほうを向いた。 「いくよ・・・・仲丸」 「やかましい!!いくぞ!!スティンガービュート!!」 仲丸はそう言って手を後ろに出すと、突如黒い武装が仲丸の腕に換装されたのである。 「喰らえ!!」 仲丸がおもいっきり振り下ろすが、和樹はそれを紙一重で回避し、地面を蹴り上げるほどの加速力で仲丸の装甲に軽く拳を叩き込んだ。すると、火花を散らして仲丸は吹っ飛ばされてしまった。 「ぐぬ〜!!ど、どんな改造手術を受けた!?式森!!」 「してないって」 和樹は苦笑しながら答えると、向かってくる仲丸に向かって駆け出した。 「さ〜て、和樹があのバカと戦ってるうちに、私たちも決着つけよっか」 「そうだね。あんまり長居したらテスト勉強できないからね」 暁と黄昏はそう言うと、互いの武器を手にとって構えた。面前に立つのは、バズーカを持った松田と、ウージーを構えている浮氣の二人。 「そう簡単に言ってるけど、私たちを甘くみてない?」 「そうだ。俺たちだってそうやすやすと負ける気はないぞ」 二人はふんぞり返りながら答えた。 「・・・なら見せてあげるわ。神風心刃流の実力」 「君たちにね」 二人はそう言った瞬間、地面から離れ空中へと跳躍した。 「浮氣!!上よ!!」 「分かってる!!」 浮氣は答えると同時に、ウージーの引き金を引いた。薬莢がばら撒かれる中、放たれる弾丸の軌道を読んで回避する暁。 「姉さん!!下からロケットランチャーで狙われてる!!気をつけて!!」 「オッケー!!」 黄昏を言葉を受け下を向くと、暁は自身の所持していた薙刀に力を込め・・・なんと何もない空を蹴って加速したのだ。 「え・・・ええ!?」 「いくわよ!!」 予想外の加速に驚く松田を尻目に、暁は薙刀を松田の前で振るった。それはまさに一閃。次の瞬間、松田は意識を失い倒れこんだ。 「ま、松田!?」 「油断だよ」 松田が倒れたのに驚く浮氣の前にスっと黄昏が現われた。浮氣はなんとかウージーをばら撒くが、それをなんなくかわし、黄昏は槍で横一閃、見事に吹っ飛ばしてみせた。 「はぁ・・・手ごたえがないってちょっとね」 「まぁまぁ、和樹級の強者はこの世に滅多にいないんだから、無茶言わないで」 黄昏はぶつぶつ文句をたれる暁をなだめていた。すると、和樹の戦っている方向で爆撃音が響き渡った。 「く!!」 「はは!!どうだ式森!!手も足もでまい!!」 和樹は仲丸とヘビスネークの同時攻撃をかわしながら反撃のチャンスを狙っていた。 「遠距離ばかりとは卑怯アル!!戦士なら拳で戦うアルよ!!」 「そ〜よ!!アンタだけそんな鎧着てるなんて自分でかっこ悪いって思わないの!?」 明日菜とクーの声が上がるが、仲丸は相変わらずふんぞり返っていた。 「ち!!ヘビスネーク!!式森を捕縛しろ!!」 仲丸の指示を受け、ヘビスネークは和樹に飛び掛った。なんとか避けようとするが、その一瞬に隙が出来、仲丸が銃を構えた。 「・・・いけない!!先輩、避けろ!!」 真名の悲鳴が届く間もなく、和樹に向けて弾丸は発射された。それは和樹・・・そしてヘビスネークも巻き込んで爆発した。 「先輩!!」 「式森殿!!」 「式森さん!!」 皆の悲痛な声が上がる。そして爆炎の中煙が消えると・・・そこにはヘビスネークを守るように背中で全てを防いでいる和樹の姿があった。そのためシャツは破れ、出血もしていた。 「はっはっはっはっはっはっは!!何をしている式森?そんな“化け物”、助けても価値なんてないぜ〜!!」 仲丸がそう言って大笑いする。それに反応し皆の♯マークが限界に達しようとしたその時、ふらっと暁と黄昏が合流した。その表情は・・・・「あ〜あ」というというものだった。 「バカねアイツ。和樹の前であんな事言っちゃって」 「もう止まらないよ。和樹は絶対」 「え?どういう事なの?」 疑問に思った明日菜が二人に尋ねた。すると二人は同時に「すぐに分かる」と言って、和樹のもとに向かった。 「へへへ・・・さぁ、チェックメイトだな。式も「それはお前だよ、仲丸」・・・何?」 仲丸はそう言うと和樹を見た。すると、和樹の瞳が両方とも・・・紅く染まっていたのだ。 「ただのお仕置きで終わらせようと思ったけど・・・・・やっぱり止めた」 「そうか、ならとっとと」 「本気でぶっ飛ばす。仲丸、手加減できないからね」 「なんだと!?」 仲丸が講義の声をあげようとするが、いつの間にか黄昏と暁が和樹の両隣に立っていた。 「・・・二人とも、“ヒーローズギア”は?」 「もちろん、肌身離さず持ってるわよ」 「そりゃ、和樹の数少ない魔法を発動させて作ってもらったんだ。持ってない訳ないだろ?」 二人がそう言うと、和樹は微笑んで答えた。そして和樹・暁・黄昏の三人は、懐から時計のような物を取り出した。それを三人が強く握った瞬間、和樹と暁はカブト虫、黄昏はクワガタ虫の形をした機械へと変わった。 「な、何をする気だ式森!?」 「見せてあげるよ。生きとし生けるものの力を!!」 そう言うと、和樹たち三人は構えた。そして告げる・・・生きる昆虫たちの生命を宿した力を。 「「「重甲!!!」」」 叫ぶと同時に、和樹たちは昆虫型の機械を空に掲げた。その瞬間、昆虫型の機械の翼が開き、それぞれ青・緑・赤の光が放たれた。そしてそれは和樹たちに纏っていき・・・・光が収まった次の瞬間、命の宿った三つの鎧の戦士が立っていた。 「な・・・・・なんだあの姿は?」 「せ・・・・拙者にも・・・分からんでござるよ・・・」 「命の溢れんばかりの輝きを感じます・・・これは・・・」 「・・・・強そうアル」 武道四天王の四人はそれぞれの感想を述べながらその様子を見ていた。 「き・・・・貴様!!何者だ!?」 仲丸が混乱しながら尋ねると、彼らは語る。己が名を・・・。 「ブルービート!!」 「ジースタッグ!!」 「レッドル!!」 三人は同時にポーズを切ると同時に、名乗った。 「「「重甲!!ビーファイター!!」」」 「び・・・ビーファイターだと。ふざけるなよ式森!!」 「お前こそふざけるな!!自分の目的のためにあの子を持ち出し、その果てには僕もろとも爆破しようと考えてる奴に・・・僕は負けるつもりはない!!」 「上等だ!!いくぞ!!」 「こい!!」 仲丸はそう言うと、跳躍してブルービートに襲い掛かった。しかしブルービートはそれを避ける事なく、向かってきた仲丸に拳を振るい、一撃でぶっ飛ばした。 「ぐあああああああああああああああ!!な、なんてパワーだ・・・ならば!!」 仲丸はそう言いジャミングマグナムを構えようとするが、突如放たれたエネルギー弾に弾かれ、更に狙い撃ちにされた。 「んがふ!!だ・・・誰だ!?」 「私を忘れてるわよ」 そう言い、インプットマグナムを向けているレッドルの姿があった。 「さ、黄昏。やっちゃいなさい」 「はいはい」 そう言うと、ジースタッグが仲丸の頭を掴んだ。そして万力が如く締めあげる。 「うぎゃああああああああああああああす!!」 悲鳴をあげる仲丸を、ぽいっと投げ捨てた。そして仲丸は地面へと倒れこむ。 「ぐへ!!・・・・貴様等!!もう許さんぞ!!スティンガービュート!!」 そう言って武器を取り出す仲丸。それを見た三人は互いに頷くと、腕を背中に向けた。 「「「スティンガーウェポン!!!」」」 その言葉に作用するが如く、三人の右腕にはそれぞれの武器が換装された。 「スティンガーブレード!!」 「スティンガープラズマ!!」 「スティンガークロー!!」 三人が武器を構えた瞬間、仲丸はジャミングマグナムも片手に持ち突っ込んできた。 「喰らえーーーーーーーー!!」 「なんの!!」 ジースタッグは向かってきた仲丸の腰をクローで締め上げる。その痛みにジタバタするがまだ終わらず、高速回転を始め仲丸は目を回しながら吹っ飛ばされた。 「まだよ!!」 今度はレッドルがプラズマを高速回転させ、更に自身の能力である炎まで発動し始めた。 「喰らいなさい!!炎華螺旋撃(えんからせんげき)!!」 プラズマと炎の混じった攻撃が仲丸を襲った。縛られると同時に熱を放つため、仲丸の装甲からは火花が飛ぶ。 「く・・・・くそう・・・」 「いくぞ!!仲丸!!」 和樹はそう言うと、右腕のブレードを高速回転し始めた。それは刃のようであり、ドリルのようでもあった。 「こ・・・・こうなったら貴様も道連れだ式森―――――――――!!」 そう言って突っ込んでくる仲丸。ブルービートはそれを確認するとブレードを振り上げる。そして・・・。 「・・・・・ビートルブレイク!!!!!!!!!!!!!!!!!」 その刃を振り下ろした。その瞬間、仲丸の着ていた鎧からは多量の火花が散り、次の瞬間・・・大爆発を起こした。そしてその爆炎の中からは、黒焦げでアフロ+ちりじりになり気絶した仲丸の姿があった。 「な・・・げほげほ・・がふ」 仲丸は口から煙を吐きながら、その場に倒れこんだ。それと同時に、和樹たちのアーマーは外れ、元に戻った。 「ふぅ・・皆、怪我はない?」 「あ・・ああ。貴方に助けてもらったからな」 「そっか。ならよかったよ」 そう言って満面の笑みを浮かべる和樹。それを見た武道四天王は、一瞬にして顔が普段の10倍くらい顔を真っ赤に染め、見とれていた。あの格闘バカであるクーもである。 「さて、こんな光景がそこ娘たちにバレたらまずいから、さっさと撤収するわよ」 「だね。あまりこの娘たちを僕ら側を知ってほしくはないし」 暁と黄昏はそう言うと、このか・まき絵・夕映の3人を抱え上げると、「お先に」という言葉を残し、その場から離れた。 「さて、僕たちも離れないと・・その前に」 和樹はそう言うと、倒れたゴーレム(気絶した学園長)の影に隠れていたヘビスネークの側に立った。するとヘビスネークはぶるぶる震え出した。あの和樹たちの圧倒的な力を見て怖がっているだろう。だが、和樹は攻撃する訳でもなく、その頭を撫でたのだ。 「怖かったんだね。ごめんね、君とは戦う気はなかったんだ。本当にごめん」 そう言って、和樹はヘビスネークをただ優しく撫でた。すると、ヘビスネークの目から涙が溢れ、和樹に抱きつきワンワン泣き出してしまった。そして数分が経ち、ヘビスネークは泣き止むと、その身が輝きだし、小さな白ヘビへと変わった。 「それが・・君の本当の姿なんだね?」 「みゅ」 白ヘビはなんとも言えない鳴き声で答えた。 「・・・・僕と一緒にくるかい?」 「みゅみゅ♪」 和樹の問いにコクコク頷く白ヘビ。すると和樹は、白ヘビを持ち上げ、肩に乗せた。 「ん〜。名前は何かある?」 「みゅ・・・みゅみゅみゅ」 「そっか。シオンって言うんだ。よろしく、シオン」 「みゅ♪」 その光景を見ていた六人(真名・楓・刹那・クー・ネギ・明日菜)は、優しい気持ちに包まれていた。するとそれに気づいた和樹が、皆のほうを向いた。 「ごめん。ウチのバカがまた暴走したみたいで」 和樹がそう言いながら首を動かして仲丸を指した。 「ま、結果的にはなんとかなったからいいんじゃないか?」 「そうでござるな。さすがにあのまま先輩が来なかったら、大変だったでござろう」 「そうですね。このかお嬢様を助けていただきましたのには本当にありがとうございます」 真名たち三人が賞賛の声を上げる。すると、一人クーが思い切って和樹にこう言った。 「私と勝負して欲しいアル!!」 「ダメ」 クーの意見は一瞬にして却下されてしまった。 「な、何故アルか?」 「僕のこの力はね、誰かを護るためだけに存在するんだ。だから、力試しのために使うわけにはいかないよ」 「そ・・・そうアルか」 クーが残念という表情をしていると、一つ妥協案を出した。 「・・・僕の体術を教えるっていうのならいいよ」 「ほ、本当アルか!?」 「うん」 それを聞き満足げなクー。それを見て真名は少し表情が曇る。そんな中、ずっと黙っていたネギと明日菜が和樹に尋ねた。 「ね、ねえ。先輩は一体何者なの?」 「僕かい?僕は出来損ないの魔法使いだよ」 「え!先輩も魔法使いなんですか!?」 この二人の発言により、一般人であるクーと多少裏を知っている楓に魔法使いという事がバレてしまったが、二人とも口を硬くして守ると約束してくれた。 「それで、式森殿のさっきの姿、一体何なのでござるか?」 楓が興味深く尋ねた。 「あれはね・・・・僕が魔法の発動を封印する呪いを受けた事による代償の力・・・かな」 それから和樹は、エヴァが真名に話していた事を話した(ただし自身の過去については話してない)。するとそれを知っていた真名が、エヴァからですら知りえなかった事について尋ねた。 「そういえば、先輩のあの鎧のような力。一体なんなんだ?」 「アレは僕が持つスキルの“レベルII”。一段階レベルがあがると、僕の目が赤に染まって、幻想の存在の力を自身に纏わせる事が可能なんだ」 「という事は、幻想の存在ならなんでも先輩は纏う事が可能なんでしょうか?」 「なんでもって訳じゃないよ。まだ僕はレベルIIだから、更に強い幻想の力を使うにはレベルIIIにいかないとダメなんだ」 刹那の問いに答える和樹。すると、和樹は何かを思い出したのか手をポンと叩いた。 「そうだ。そろそろ脱出しないと」 「あ、そうですね。でも・・・どうしましょう」 「ま、頑張って戻ればなんとかなるよ。それに、暁たちが道筋を残してるはずだから、速めに戻れると思うよ」 そう言うと、和樹は歩き出した。すると、それに連れられ皆も歩き出す。とその時、歩きながら近づいた楓が和樹に言った。 「式森殿、拙者どうも勉強が苦手でござる。ご教授してくださらぬか?」 「う〜ん・・・・僕はそれほどいいほうじゃないけど・・・それでもいい?」 「勿論でござるよ!!」 この発言を受け、残りの武道四天王がぞくぞく名乗りを上げた。そして地下から戻り学校へ行った後、和樹は2−Aの女子寮に呼ばれる事になった。これがまた波乱を呼ぶのか、混乱を呼ぶのか・・・。 |