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印之壱 投稿者:ヤクモ 投稿日:04/19-16:49 No.337

静けさが漂う森の中に一人の少年がいた…暫くの間呆然としていたが…
周囲を見回して、一言呟いた

「…ここ…何処だ?」

『彼』は思わず、そう呟いてしまう…彼は状況を確認する為に直前ま
での自分の行動を思い出すが、記憶を思い返してみても、伏魔殿で修行
していて、帰ろうとしたら、見ず知らずの森の中にいたのだから無理は
無いだろう

「(…えーと、オレは…天流闘神士『緋天 龍牙』…伏魔殿で修行中
…イヤ、帰還しようとして、ここに…。)記憶は正常だな…。…少なく
とも、ここは伏魔殿の中じゃないようだし…。」

一から、自分の事を思い出し、記憶は確かか確認するが伏魔殿を出よ
うとした直前までの記憶しか無く、気が付いたらこの場所にいたと言う
事しか思い出されない

気を取り直して、腰のホルダーに入っている緋色のゲーム機の様な機
械『神操機―ドライブ―』を取り出すと、彼が最も信頼する仲間達に語
りかける

「みんな…大丈夫か、コゲンタ?」

『ああ…。それにしても何処だ、ここ?』

龍牙の後に半透明な姿をした白い体毛を持つ人型の虎が現れ、龍牙に
そう言葉を返した

「…オレにも分らない…。ここが何処かなんて、こっちが聞きたいな
…。伏魔殿を出ようとした後の事…お前は覚えてないか?」

『さあな。オレも気が付いたのは、お前に呼ばれた時だ。』

「そうか…。」

龍牙の言葉には落胆の色が見える…気を取り直して、ポケットの中に
有る財布とドライブの入っていたホルダーの正反対の場所に有る闘神符
を確認すると

「…とりあえず、ここから出ようか…。幸い金も有るし、駅に着けば
ここが何処なのかも分かるし、電車かバスで帰れるだろう…。」

自分に言い聞かせるように今後の行動を決めて、歩き出そうとした瞬
間、彼は何かの気配を感じ取り、表情を変え立ち止まる

「コゲンタ。」

『ああ。』

彼の声に『コゲンタ』はすぐに言葉を返す、彼等の感じ取った気配、
その気配の正体はすぐに思いついた…『妖怪』…それを退治する事も、
彼等闘神士の大事な役目の一つなのだから

『「行くぞ!」』

同じ言葉を同時に叫ぶと龍牙はその気配の有った場所に向かい走って
いく




そして、走り出してから数分後、彼がその先で見た物は…蜘蛛の様な
怪物と、それと戦う刀を持つ少女だった

「…どう思う…?」

『ああ、見た所、心配は無さそうだぜ。でも、丁度良かったんじゃな
いのか? 人に会えたのは。』

「そうだな。邪魔したら不味いし、終わった頃声をかけるか。」

そう思っていた矢先、少女は剣を放つも蜘蛛の吐いた糸に捕まり、振
り落とされ、地面に激突した

蜘蛛は地面に倒れている少女に叙徐に近づいていく

「っ…危ない…!」

龍牙は闘神符の二枚を取り出し、一枚は少女と蜘蛛の間に、もう一枚
は蜘蛛に向かって投げる、それと同時にその場所から駆け出して、少女
の側まで近づく


Side刹那

学園からの依頼、いつもと同じだった。

しかし、今回違うのは予想以上に魔に苦戦していたからだ。

私が見くびったせいである。

私は反撃するも魔が口から吐いた糸に捕まり、振り落とされて地面に
激突した。

「うっ!? げほっ、ごほっ!」

私は受身をとれず、衝撃をそのまま受けてしまい衝撃で思わず、咳き
込んでしまう。

魔が叙所に私に近づいていく。

(ああ…私は…死んじゃうのかな…。)

私は死を覚悟した。最後に私は目をつぶり

(…このちゃん…。)

私の大事な友達で守るべきとても大切な人を思い浮かべた。

ドカーン!!!

突然の爆発音

「…え…?」

私は何事かと、つぶっていた目を開け、見ると空中に『壁』と書かれ
た文字と魔法陣らしきものが浮んでいた。

符が投げつけられ、空中で『爆』と言う文字に変わり魔に当たると爆
発が起こり、大きく仰け反り後ろに後退した。私は、目の前の出来事が
理解できなかった。

「君! 大丈夫!?」

声がした方向に目を向けると先ほど投げつけられた物と同じ符を持っ
た青いコートを着た少年が私の元に駆け寄ってきた。



Side龍牙

龍牙は少女の安否を確認すると蜘蛛を睨みつけ、腰に付けているホル
ダーから神操機―ドライブ―を取り出し、蜘蛛に突きつける…それでい
い…後は…最高の友を、仲間達を呼ぶ言葉を叫べば良いだけなのだから


「式神…降神!!!」

光に包まれ、その中より現れるのは…白い体毛の尻尾に大きな鈴を付
けた虎の姿をした獣人…

「白虎のコゲンタ、見参!!!」

光の中より現れるは、司る節季は秋分、西を守りし四神『白虎』の名
を冠する『信頼』を司る式神…その名を『白虎のコゲンタ』…かつて、
三人の闘神士と共に戦い、その何れも世界を救ってきた最強の式神が新
たなる契約者と共にその地に現れる。

「行くぜ!!!」

叫び声と共にコゲンタは蜘蛛に向かって行く、大蜘蛛は鋭い爪を持っ
た足で攻撃するが紙一重で避けられ、反撃の拳で叩き折られる。

『■■■■■■!』

大蜘蛛は足を1本叩き折られた痛みで後ろに下がる。

((よしっ! 今だ!!))

「龍牙、印だ!」

「ああ!!!」

手の中でドライブを一回転させ、目の前にいる大蜘蛛と対峙している
コゲンタに向け、それを大きく動かす

「『震』! 『坎』! 『兌』! 『離』!」

一つの方向に向け、振るう毎に叫びながら、龍牙がドライブを『□』
を書くように振るとその軌跡が光の文字となり、それがコゲンタに力を
与える。

『それ』と『それ』の持つ力を本能的に感じ取り大蜘蛛は慌てて逃げ
出そうとするが、すでに遅い、その技はすでに大蜘蛛を捕らえていた。

「必殺!!! 弧月拳舞!!!」

その叫び声と共に無数の光の刃となったコゲンタに切り裂かれ、光に
飲み込まれると大蜘蛛は消え去った。

「ご苦労さま、コゲンタ。」

「ああ。」

龍牙の言葉にコゲンタがそう答えると龍牙は少女の方に振り返り

「ねえ、君ここはどこなの?」



SIDE刹那

「ねえ、君ここはどこなの?」

私が苦戦した魔を白い虎の獣人と共に葬った少年はそういう。いつの
間にか彼が『コゲンタ』と呼んだ白い獣人は姿を消している。

私は場違いな質問に少し呆けてしまった。すぐに意識を復活した私は

「えっと…どこだといわれても…ここは麻帆良学園の敷地内ですけど
…。」

「麻帆良学園? 初めて聞く名前だな。」

彼は首をかしげた。

「…コゲンタ、聞き覚えは…ないだろうな。」

『そう思うんだったら、聞くな。』

突然、薄らと半透明になって現れた『コゲンタ』が彼の言葉に言い返
した。

私はとりあえず気を取り直し、

「助けていただきありがとうございます…あのままでは私は死ぬとこ
ろでした…いきなりで失礼ですが…あなた達は何者ですか?」

彼等は

「いや、何者といわれても…なあ。」

『ああ。』

かなり能天気な事を言った。

「そういえば、君怪我はない? 大丈夫?」

私を心配してくれるようなことを言った。

「あ、いえ…大丈夫です…。」

私が立ち上がろうとすると

「痛…!?」

右足に痛みが走る。どうやら、先ほどの魔との戦いで足をくじいたよ
うである。

「大丈夫?」

彼は本当に心配そうに私の顔を見る。

「あ…いえ、大丈夫です」

私は痛みを我慢し、そういうと

「無理しない方がいい。足を痛めたの?」

どうやら、彼にはごまかしが効かない様である。

「無理しない方がいいよ。」

そういい、それと同時に体が突如浮遊感に襲われた。だが、直後来る
落下感が来る前に、誰かに体を抱きとめられた。そして、彼の顔が目の
前に来て、自分の足を掬われ、直後そのままお姫様抱っこされているの
に気づいた。

「あ…お、降ろしてください…!」

私は恥ずかしくなり、その人に訴えたが

「いいから、いいから。」

『お前、分かっててやってんのか? それとも、天然なのか?』

彼はまったく気にした様子もなく、言い切っり、その直後、『コゲン
タ』が呆れた様にそう呟いた。

「あっ、そういえばお互い名前を知らなかったっけ。」

私もそう思い、

「そういえばそうですね。私は桜咲刹那といいます。あなたは?」

その人は笑顔で

「オレは龍牙。天流闘神士『緋天 龍牙』。騒いでるのは、オレの契
約している式神でコゲンタ。」

緋天さんはそういい

「それで刹那ちゃん。オレはどこに行けばいいの?」

「えっと…とりあえず学園長に報告したいのでとりあえず私が道筋を
言うのでお願いします。」

「分かった。ありがとう、刹那ちゃん。」

緋天さんはそう笑顔で返した。

「あ…いえ・・えっ、えとお願いします…。」

私はその優しげでどこか儚げな笑顔から目を離す事が出来なかった。

「了解。」

そういい緋天さんは進みだし私達はその場を後にした。







『お前、ホント、いつか苦労するぞ。』

「? どういう意味だ。」

コゲンタと龍牙の会話より、抜粋。




つづく…

陰陽大戦記麻帆良

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