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時空を超えた友情 最終章 第45話 北の戦い 後半 投稿者:TAKUMA 投稿日:04/09-04:30 No.164





-北の地下通路



 ファイヤーカイザーとスレイプニルの巨人決戦が行われる足元で、

 世紀の『昭和ライダーvs平成ライダー』の戦いの火蓋が切られようとしていた。



1号「お前が俺の相手か!?」



 新サイクロン号に跨った1号が始を指差した。

 本物でないゴーレムは普通は喋れないが、作る時にフェイトが性格もコピーしといて言語能力も付けたのだ。

 だから偽者で敵と言えど性格はまるまる1号なのだ。



始「ああ……俺は手加減はしない。 変身」



 ――〝CHANGE〟



 カリスラウザーに『CHANGE』のカードをラウズして仮面ライダーカリスへと姿を変える始。

 その様子を見ていた1号が……



1号「そんな地味な変身で仮面ライダーを名乗るとはな」



 流石にこの言葉に軽くカチンと来るカリス。

 心の中で1号をボコにする決意を固めた。



1号「それでは……こちらから行くぞ!!」



 ――ヴォン!!



 スロットルを全開にして新サイクロン号がカリスの乗るシャドーチェイサーの方に突っ込んできた。

 新サイクロン号の必殺技『サイクロンアタック』である。

 一方のカリスもカードデッキから1枚のカードを引いた。



 ――〝TORNADO〟



 ラウズしてのは『TORNADO』のカード、シャドーチェイサーを突風が纏っていく。

 突風を纏ったシャドーチェイサーも新サイクロン目掛けて発進する!!



 ――ガギィィィィィン!!



 頭と頭でぶつかり合う2台。

 しかし、ただの体当たりである『サイクロンアタック』もカードの力を得た『トルネードチェイサー』には力負けし始めていた。

 押しているカリスが相手の方を見るが、新サイクロン号に1号の姿が無かった。

 何処に言ったと思った次の瞬間、頭上から声が聞こえた。



1号「ライダー月面キィィィィィック!!」



 空中での月面宙返りで勢いの着いたライダーキックがカリスに直撃した!!



カリス「ぬぉっ!!」



 直撃でシャドーチェイサーから吹っ飛ばされ地面に叩きつけられるカリス。

 当初の『サイクロンアタック』は『ライダー月面キック』の為の囮と勢いを付ける為だったのだ。

 流石は『技の1号』といった所である。

 そんな強烈なキックを喰らいヨロヨロと立ち上がるカリス。



1号「俺の月面キックをまともに喰らって立てるとは……信じられん」



カリス「今のが貴様の最大の技か? まだ橘の『バーニングディバイド』の方がマシだ」



 強がりを言うカリスだが正直、かなりのダメージを受けていた。

 前に受けた『バーニングディバイド』程の威力は無かったものの、もう一度受けたらタダでは済まない。

 そんなカリスに1号が地を蹴った。



1号「なら、俺の技のオンパレードを見せてやる!!」



 そう言って助走の後、地を蹴って空高くにジャンプした!!



カリス「そう何度も同じ手は喰らわん」



 カリスもカードデッキから2枚のカードを引いた。



 ――〝DRILL〟



 ――〝TORNADO〟



 ――〝Spinning Attack〟



 コンボ技『スピニングアタック』の成立と共にカリスも地を蹴りジャンプした!!

 一方、1号は自らの身体を高速回転させていく!!



1号「ライダースクリューキィィィィィック!!」



 1号の『ライダースクリューキック』が空中のカリス目掛けて放たれた!!

 カリスも自らを高速回転させ迫り来る1号目掛けて『スピニングアタック』を放った!!



 ――ガギィィィィィン!!



 2人のぶつかり合う足先から火花が散っている。

 互角の勝負の決着は引き分けた。

 カリスは下に、1号は上に弾き飛ばされた。

 そのまま地面にまたしても叩きつけられるカリス。

 一方の1号は空中をクルクルと回転して安定していた。



1号「この時を待っていた!!」



カリス「何ぃ!?」



 上半身を軽く起こして1号の姿を視線で追うカリス。

 1号は空中を回転し壁に辿り着くと、

 壁を数回蹴ってカリスの方に凄まじい勢いで飛び蹴りを放つ!!

 その足先は稲妻が纏っていた。



1号「ライダー稲妻キィィィィィック!!」



 その凄まじい勢いのキックを避ける余裕がカリスには無かった。

 やはり昭和ライダーの方が上か―――と思った、次の瞬間!!









 ――〝TORNADO〟









 ――バシュ!!



 咄嗟にラウズした『TORNADO』の『ホークトルネード』が放たれる!!



 ――ドゴォ!!



1号「ぬぉぉぉぉぉっ!?」



 そのまま放たれた弾丸は無防備に突っ込む1号を問答無用で叩き落した。

 間一髪で逃れたカリスが立ち上がった。



1号「飛び道具とは……卑怯だぞ!!」



カリス「これが俺の戦い方だ。 お前の戦い方に付き合う義理は無い」



 そう冷たく言い放つカリスが1枚のカードを引いた。

 そのカードは剣崎がジョーカーの覚醒を恐れて使わなかったカード、



カリス「これが俺の切り札だ」



 そう言ってカリスラウザーにそのカードをラウズする。



 ――〝EVOLUTION〟



 その機械音声と共に13枚のカードの絵柄がカリスの身体を纏っていく。

 身体の色も黒主体から赤へと変わり……『ワイルドカリス』へと姿を変えた。

 更にワイルドカリスの身体から出た13枚のカードが1枚のカードになりワイルドカリスの手に……



カリス「これは俺からの『先輩』への手向けだ」



 そう言ってワイルドクラッシャーを合体させたカリスアローにカードをラウズした。



 ――〝WILD〟



 機械音声と共にカードの絵柄がカリスアローに纏い、光輝いている。



 ――バシュゥゥゥゥゥ!!



 そのカリスアローを1号に向けて発射した!!

 放たれた光の弾丸は見事に1号を貫いた。



1号「これが……………世代の違いか……………」



 ―-ドッゴォォォォォォォォォォン!!



 1号の身体が大爆発を起こし、ゴーレムは土に還ったのだった。













 ――ヴォォォォォン!!



ネギ・アスナ「「うわぁ!?」」



 迫り来るバイクを避けるネギとアスナ。

 ネギ&アスナvsバダーの戦いは難攻していた。

 『戦いの歌』や『咸卦法』を使っているとは言え、バイク相手に人間の2人が追いつける筈も無かった。

 ただ一方的に体当たりしてくる攻撃を避けるのが精一杯だった。



バダー「ガギデガ・クウガ・ジャャバギボガ・ザンベンザ」



 どうやら相手が天敵であるクウガじゃない事に残念がるバダー。

 一方、そんなグロンギの相手をするアスナとネギは……



アスナ「ネギ!! 合体すれば楽勝よ!!」



 そう言って腕の『ヒュージョンリング』を見せるアスナ。



ネギ「いえ……今、使ってしまったら後で必要な時に使えません。 今は合体抜きで切り抜けましょう」



 ネギのマトモな大人の意見にアスナ納得しつつも「どうするのよ」と聞き返した。

 その答えにしばらく考えたネギが「何とかしてみます」とサムズアップを決める。

 そんなネギに軽くときめいた事はアスナの中で封印した。



バダー「ギベ!!」



 ――ヴォォォォォン!!



 そうしている間もバダーが全速で2人向かって突っ込んできた。



ネギ「アスナさん!! ギリギリまで引き付けて下さい!!」



 そう言って1人だけ横に飛んだネギ。

 一方、アスナはネギの言葉に焦っていた。



アスナ「ギリギリって……どうするのよ!!」



 訳も分からず正面から来るバダーのバイクに剣を構える。

 迫り来るエンジン音に緊張するアスナの額に冷や汗が流れた。



 ――ブロロロロロ



 次第に距離が短くなり……



 30m……



 20m……



 10m……



 5m……



アスナ「ゴメン、やっぱ無理!!」



 某女子寮を鉄球から我が身に代えて守ろうとした某約束の女の子の様に横に逃げるアスナ。

 だが、バダーがそれを許す筈も無く、ハンドルを切ってアスナの方に向ける。



バダー「ロサダダ!!」



 前輪を上げてアスナに襲い掛かるバダーのバイク。

 アスナも避けられないと剣で受け止めようとした時だった―――



 ――ヒュン



 横から『何か』が飛んできた。

 それはバダー―――ではなく、バイクのタイヤの方に吸い込まれる様に飛んでいき……



 ――ガギィィィィィン!!



アスナ・バダー「「―――――ッ!?」」



 激しい金属音と共にバイクが止まった。

 何事かと思った次の瞬間―――



ネギ「〝雷の斧!!〟」



 ――ドゴォォォォォン!!



 『何か』が飛んできた方からネギがバダー目掛けて『雷の斧』を叩き込んだのだ。

 炎上するのはバダーのバイクだけだった。

 バダー本人は寸前でバイクから飛び降りていた。



アスナ「ネギ……一体、何をしたの?」



ネギ「バイクのホイールに杖を突っ込んで強制的に止めたんです」



アスナ「あんた……ガキの癖に恐ろしい事を平気でするわね」



 サラリと凄い事を言うネギに冷や汗を流すアスナ。

 ネギは自分の杖をホイールに通してタイヤを回らなくして、止まった所を狙ったのだ。

 木製の杖でも一応は魔法の杖なので多少の強度を持っている為に出来た業である。



 注:これはあくまでフィクションの話&相手がグロンギだから出来る事なので絶対に真似しないで下さい。



ネギ「これで相手は丸腰です。 今のうちに倒しましょう!!」



アスナ「それはそうだけど……………あんた、少し性格が変わってない?」



ネギ「そうですか?」



 アスナの指摘に『?マーク』を浮かべるネギ。

 その時、アスナの脳裏で1つの答えが出た。



アスナ(まさか……私との合体の影響とか……?)



 半分正解だった。

 1年間の修行でネギの性格が少し好戦的になった模様である。



バダー「ババババ・ジャスバ・ラゾグヅバギ」



 そう言ってネギを指差すバダー。



バダー「ゴセロ・ジリヅ・ゼギビゾ・ヅバデデ・ジャス ヌォォォォォ!!」



 何かを宣言した後に唸るバダー。

 するとバダーの両腕が見る見る内に変わっていく。

 その変化が終了した時にはバダーの両手が機関銃に変わっていた。



アスナ「嘘……」



 その変化を見ていたアスナが呟いた。



バダー「ギベ!!」



 ――ズダダダダダ



アスナ「うわわわわわ!?」



 バダーの放つ弾丸の雨に必死に避けるアスナ。

 だが瞬動術をマスターしているネギは以外にも銃弾を避けていた。

 そして、「杖よ」とバイクの残骸の中から杖を呼び戻した。



ネギ「行くぞ―――フミコミザン!!」



 グッと足に力を入れて地を蹴り姿を消すネギ。

 その時、突然にBGMが流れ出した!!



アスナ「な、何!? この音楽!!」



 その曲とは―――『ロックマンのテーマ~風を突き抜けて~』だった!!



バダー「―――――ッ!?」



 次にネギが現れたのは驚くバダーの懐の中だった!!



ネギ「ラス・テル・マ・スキル・マギステル……………」



 ネギの始動キーの呪文に警戒したバダーが後ろに飛んだ。

 今のネギの位置だと腕の機関銃が打てなかった。

 一旦距離を置き、ネギに狙いを定めようとした時にネギの詠唱が終わっていた。



ネギ「喰らえ!! 〝魔法の射手 螺旋丸・雷!!〟」



 ――バチバチバチバチバチ



 ネギの右手に稲妻が集いだし雷の弾となり―――



ネギ「〝魔法の射手 螺旋丸・風!!〟」



 ――ゴォォォォォ!!



 ネギの左手に風が集まり風の弾となり―――



ネギ「〝魔法の射手 螺旋丸・光!!〟」



 その2つの弾を合わせる様に頭上で2つの弾を合わせる。

 するとその2つの弾は1つの大きな刃へと変わっていた!!



ネギ「プログラムアドバンス!! 〝ケン・マ・ゴウイツ!!〟」



 そのまま振り下ろす様に刃を飛ばした!!



 ――ゴォォォォォ!!



 凄まじい勢いで風を切りバダーへと迫り来る刃。

 丁度、後ろに飛び着地体制のバダーは避けられない!!



バダー「ゴンバ……ダババァァァァァァァァァァ!!」



 ――ちゅどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!



 脅威のライダー、ゴ・バダー・バもまた地獄に還って行くのだった。



アスナ「……………道理で『あのアニメ』を真剣に見ていると思ったら……………」



 修行中にネギが見ていたアニメを思い出して、そう呟くアスナだった。













2号「はぁぁぁぁぁ!!」



斬鬼「ぬぉぉぉぉぉ!!」



 一方、こちら仮面ライダー斬鬼vs仮面ライダー2号の対決は力勝負になっていた。

 両手を組み合わせて押し合っている怪力対決。

 猛子の中でも怪力の持ち主である斬鬼に対して、『力の2号』と呼ばれた仮面ライダー2号。

 正にその力は五分と五分だった。



2号「なかなかやるな!! 俺とタメを張るとは―――」



斬鬼「それはどうも!!」



 押し合いながら余裕の会話―――でも無かった。



 ――ズキッ!!



斬鬼(―――ッ!? 傷の痛みが!!)



 押し合っている内に足の古傷に軽く痛みが走った。

 実はこの世界に来た時に学園の魔法医師に診てもらった事があった。

 その時の医者の判断は「ここの魔法技術で傷は完治しますよ」と言われた。

 それを聞いた時には正直言ってクールなザンキもトドロキと一緒に喜んだ。

 直ぐに魔法で治療を行い……完全に復活したザンキ。

 現にナラクとの戦いでも足に痛みは来なかった……が―――

 魔法医師は完治時にこう言った。



医師[もしも、また痛み出したら……それは身体の痛みで無く心の痛みだと思います]



 つまりは傷が覚えている―――恐怖が痛みを生み出すと言う。

 現に今、仮面ライダー2号という強敵を相手に足の傷が暴れだしたのだ。



斬鬼(治まれ!! この程度で俺は負けん!!)



 グッと腕に力を入れる斬鬼だが足からの警告が更に強くなった。

 腕の力も抜けて負けている気がする。

 ―――とその時だった。



小金狼「ガォォォォォォォォォォ!!」



 自ら斬鬼の腰から離れて飛び掛る小金狼。



2号「―――――ッ!?」



 襲い掛かってきた小金狼に驚き、手を離して斬鬼から距離を取った2号。

 地に下りた小金狼が斬鬼の方を見詰めている。



2号「それは卑怯だぞ!!」



 そんな時に2号がそんな事を行って小金狼を指差した。

 どうやら彼は1対1のタイマンがしたかった様だ。



斬鬼「……………卑怯ではない。 コイツは俺の仲間だ!!」



 そう言って小金狼を元のディスクに戻し直すと近くに刺していた『音撃弦・烈斬』を構える斬鬼。



斬鬼「そうだ……俺は俺の戦い方が勝てば良い……」



2号「そうか。 なら……行くぞ!!」



 そう言って地を蹴りジャンプする2号。

 空中で回転や捻りを繰り返す!!



2号「ライダー卍キィィィィィック!!」



 その勢いで斬鬼に向かって最大の必殺技『ライダー卍キック』を放った。

 一方の斬鬼もその右腕に稲妻を纏わせる!!



斬鬼「〝鬼闘術・雷撃拳!!〟」



 ――バチバチバチバチバチ



 自慢の必殺技で2号に立ち向かう斬鬼。

 ぶつかり合う足と拳!!

 だが微妙に上からの攻撃が強く斬鬼は吹っ飛んだ。



2号「まだまだ!!」



 そう言って、またしても地を蹴りジャンプする2号。

 その先は斬鬼―――では無く壁だった。

 壁を利用して壁を蹴り斬鬼の方に向かう2号。



2号「ライダー反転ダブルパンチ!!」



 そう言って光る拳を斬鬼目掛けて放った時―――

 斬鬼は咄嗟にディスクアニマルを投げつけた。



浅葱鷲「クェェェェェェェェェェ!!」



 投げたディスクは『浅葱鷲』のディスクだった。

 浅葱鷲は真っ直ぐ2号の方に飛び、2号を嘴で攻撃してバランスを崩し地面に落とした。

 そのまま威嚇を続けて攻撃しているが、余りの素早さに2号もタジタジだった。



斬鬼「今だ!!」



 烈斬を構えて2号の方へと地を蹴った。

 そのまま勢いで烈斬を振り上げ―――一閃。



2号「くっ!!」



 浅葱鷲に気を取られ斬鬼の奇襲攻撃に気付かず怯む2号。

 透かさず懐ら入り込み、その緑の装甲に烈斬を突き刺した!!

 直ぐにバックルの『音撃震・斬撤』を烈斬に取り付けた。



斬鬼「〝音撃斬 雷電斬震!!〟」



 ――ギュィィィィィン!!



 ――どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!



 爆発と共に土に還る偽2号。

 倒した直後も暫くの間、そのまま動かない斬鬼。

 烈斬を握る自分の手の平を見て握り拳を作った。

 そして、不意に烈斬をクルッと1回転させるとライブの様に烈斬を掻き鳴らしていた。













アスナ「ねぇ、アレ何しているのかな?」



 斬鬼の演奏を聴いているアスナがネギに聞いた。



ネギ「アレって……トドロキさんがやっていた事じゃないですか?」



 この1週間、『仮面ライダー響鬼』を見ていたネギは知っていた。

 当初の轟鬼が魔化魍を倒した後に烈雷を掻き鳴らしていた事を。

 すると後ろから来た始が―――



始「まるで勝利の雄叫びの様だな」



 その雄叫びは暫くの間、部屋内に響くのであった。









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-Side MAJI 小津家 魔法部屋



 魁達が『ネギま』の世界に旅立ってから、こちらの世界では1週間が過ぎていた。

 1人残った深雪とマンドラ坊やが暇していたが、今日は魔法部屋に珍しい客人が来ていた。



スフィンクス「そうですか……魁達は異世界に……」



 そう言って紅茶のカップを下ろすのは地底冥府インフェルシアの神―――スフィンクスだった。

 その横にはナイとメアも揃っている。



ナイ「折角、カイ達と遊んでやろうと思ったのにね~」



メア「つまんないね~」



深雪「まあまあ。 これは私が作ったアップルパイですけど……どうぞ」



 そう言って3人に自慢のアップルパイを切り分ける深雪。

 アップルパイに目を輝かせて頬張るナイとメアを横にスフィンクスは真剣な表情で深雪に話掛けた。



スフィンクス「実は皆さんに大事な相談があって来たんです」



深雪「大事な相談?」



スフィンクス「はい。 恐らく今回、魁達が関わっている事に関係ある事だと思います」



 スフィンクスの言葉に反応する深雪。

 その横ではナイとメアが魁が置きっ放しにしていた『魔法先生ネギま!』を読んでいた。



深雪「それは一体、どういう事なのですか?」



スフィンクス「絶対神『ン・マ』を倒し、一時はインフェルシアも人間界も平和が来たと思いました。 ですが……」



 そう言ってテーブルのチャンネルを手に取りTVの電源を付けた。

 すると丁度、ニュースをしている様でテロップには『地球の危機!? 世界を襲う異常気象』と書いてある。

 その内容の中では冥府神達の映像も出てきてインフェルシアの所為だと言っている者も居た。



深雪「コレは私もおかしいと思ってたけど……貴女達の仕業とは思えないし……」



スフィンクス「もちろんです。 私達の仕業どころかインフェルシアも似たような現象が起こってます」



 スフィンクスの言葉に驚く深雪。

 現在、インフェルシアも人間界同様に突然の台風や竜巻、雷雨、積雪等々に襲われていた。

 もちろん死傷者は沢山出てインフェルシアも困っていたのだ。



深雪「それと……今回の魁達の事が関係あると?」



スフィンクス「はい。 私が調べた所、この世界とは別の世界からの干渉によるマイナスエネルギーが異常気象を起こしている模様です」



深雪「つまり……何者かが私達の世界を支配しようと?」



 その飛躍的な深雪の言葉にスフィンクスは静かに頷いた。



スフィンクス「それが何者かは知りませんが、その者を止めない限り被害は増える一方です」



 今は干渉程度で異常気象止まりだが、このまま進めば絶対神『ン・マ』が見せた様な何もない世界になると言うのだ。

 その事を聞いた深雪の顔が不安の表情で一杯だった。



深雪「私達にする事はないのかしら……?」



スフィンクス「異世界へ行く方法が絶たれた今は彼らに願いを託すのみです」



 前までは絶対にそんな事を思わなかったスフィンクスが内心で自分を笑っていた。

 ―――変われば変わるもんですね……

 それが良い方向に変わった事は言うまでも無かった。

 そして……暫くの間、静かなお茶の時間が流れると思った次の瞬間―――













 ――ポッポォォォォォ シュゥゥゥゥゥ













深雪・スフィンクス「「―――――ッ!?」」



 突然に聞えた汽笛の音。

 それは間違いなく『トラベリオン・エクスプレス』の物だった。

 魁達が帰ってきたのだろうか―――と2人の視線がトラベリオンの車庫に通じるドアを見詰めた。



 ――ガチャ



 そして……ドアが開かれ、中から出てきたのは……













スモーキー「いっけねぇ!! 『魔法方位磁石』を忘れちまった!!」



 サンジェル―――ヒカルの使い魔(?)のスモーキーと―――













エヴァ「馬鹿者!! 早く取って来い!!」



 幼女だった。













ナイ「あ、漫画の娘」



メア「本当だ」



 固まった空気の第一声は『ネギま』を見ているナイとメアだった。









 続く。

時空を超えた友情 / 時空を超えた友情 最終章 第46話 エヴァ珍道中

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