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時空を超えた友情 最終章 第47話 異世界横断ハチャメチャ大迷惑列車横断 投稿者:TAKUMA 投稿日:04/09-04:32 No.166





-時空空間 トラベリオン 運転席



スモーキー「いや~姐さん。 凄かったですね~」



 先程のダイボウケンを倒したエヴァの勇姿を思い浮かべながらスモーキーが言った。

 それを聞いたエヴァが今更冷静になって「倒して良かったのか?」と疑問に思ったり……



深雪「無事に逃げられましたが……大分時間が取られましたね」



 そう言った深雪が時計を気にする。

 その事実に元凶のエヴァがチッと舌打ちをしてスモーキーの胸倉を掴む。



エヴァ「もう少しスピードは出ないのか!!」



スモーキー「さ、さっきぶつかったショックでスピードが出難くなってるみたいニャ!!」



一同『なんだってーーーーー!?』



 スモーキーの報告に驚愕する一同。

 どうやらカーブ等の為に減速等をすると再び速度が上がるのに時間が掛かるという。

 ―――だが、『一直線』に『止まらなければ』そのままのスピードを維持しつつ速度も次第に上がるのだ。



ナイ「それって……もしかして……」



メア「ノンスチップで突っ走れと?」



スモーキー「ピンポーン♪」



 ナイとメアの答えに正解を出すスモーキー。

 ふと一同がトラベリオンの前方を見ると……輝く星―――異世界が迫っていた。

 勿論の事、『響鬼』の世界ではない。



スフィンクス「迂回すればスピードが落ち……時間が更に掛かるのですか?」



 スフィンクスの問いに頷くスモーキー。

 その時、エヴァの『何か』がキレた。



エヴァ「え~い!! まどろっこしい!! このまま突っ込め!!」



スモーキー「そ、そんなニャ~!! またさっきみたいにぶつかったら……?」



エヴァ「その時は私が薙ぎ払ってくれる!! あーはっはっはっはっはっ!!」



 自信満々に胸を張り高笑いを上げるエヴァ。



ナイ「いけいけ~!!」



メア「ゴー♪ ゴー♪」



 そんなエヴァの後ろからナイとメアがエヴァに拍車を掛けていた。

 こうなったら誰にも止められないと深雪とスフィンクスも悪乗りして……

 そんな女性陣にスモーキーが勝てる筈も無く……



スモーキー「分かったニャ…… どうなっても知らないニャ」



 そう言ってトラベリオンは目の前の異世界に飛び込む。

 かくして、『異世界横断ハチャメチャ大迷惑列車横断』が始まったのだった。









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-Side ???



 ごく普通の緑が広がる森……

 その中に佇む2体の巨人の姿があった。



マックス『ヘァッ!!』



 1人はM78星雲からやって来た光の戦士―――ウルトラマンマックス。



バルタン『フォッフォッフォッ』



 もう1人は両手に鋏を着けた蝉の様な顔の怪獣―――バルタン星人だった。

 睨み合う両者。

 マックスが光の速さで近づこうにも、バルタン星人も自慢の分身能力で回り込まれた。

 更にバルタン星人の鋏から熱線が放たれる!!



 ――ドォォォォォン!!



 間一髪で避けるマックスだが、当たった周囲は盛大に爆発していた。

 こうなったら一撃で決めるしか無いと立ち上がるマックス。

 左腕を上に上げて『マックススパーク』が光り輝く。

 そのままスペシウム光線の様に構え、必殺技『マクシウムカノン』を放った!!



 ――バシュゥゥゥゥゥ!!



バルタン『フォッフォッフォッ』



 その攻撃を待っていたかの様に軽々と避けるバルタン星人がマックスの後ろに回りこんだ!!

 マックスの背中に零距離で両方の鋏を向ける。

 その内部に己の最大パワーを詰め込み、発射し……様とした次の瞬間―――









 ――シュシュシュシュシュ……ポッポォォォォォ!!









 突然に現れた謎の機関車が―――









 ――どっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!



バルタン『グォォォォォォォォォォ!!』



 バルタン星人を思いっきり跳ね飛ばした!!

 そのまま機関車は凄いスピードで走っていく……



マックス『ヘァ?』



 その後ろ姿をただ呆然と大きな冷や汗を掻きながら佇むマックスが見ていた。













-トラベリオン 運転席



エヴァ「今、何か轢いたか?」



 ナイとメアと深雪と『ネギま』のDVDを鑑賞していたエヴァが振り返った。



スフィンクス「いえ。 ただの『蝉』です。 問題ありません」



エヴァ「そうか」



 運転していたスフィンクスが淡々と答える。

 ただの『蝉』と聞いて問題無いと判断したエヴァが再び鑑賞に戻った。

 ちなみに何故にスフィンクスが運転しているのかと言うと……

 ただ一直線の操縦なので興味本位のスフィンクスがスモーキーから運転方法を習い交代したのだ。

 現在、スモーキーはマジランプの中でご就寝中である。

 しかし、超科学星人のバルタン星人もインフェルシアの神から見ればただの『蝉』とは……………









 ご愁傷様でした。 ポクポクポクポクΩ\ζ゜)チーン...









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-Side ???



 かつて1人の人間が木星まで行った。

 その者は成績優秀・運動神経抜群の完璧な人間。

 だが彼はある日、民衆にこう告げた。

 自分は『コーディネイター』である事を……

 それから人は普通の人間『ナチュラル』と遺伝子操作された人間『コーディネイター』に別れた。

 ナチュラルとコーディネイターの間には激しい摩擦があり、月日が流れる事に争いが続き……

 そして、約3年前のC.E.70……遂に人々が恐れた悲劇『血のバレンタイン』が起こった。

 約1年後、1人の少年『キラ・ヤマト』が戦場の舞台に上がり、数々の悲劇を味わった。

 だが……彼を始めとする『三隻同盟』の活躍によりC.E.71の『第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦』にて全ての戦いが終わった。

 ―――かの様に見えた1年半後のC.E.73に火蓋は再び切られ、現在ザフトの機動要塞メサイアにて最終決戦が行われようとしていた。



ギル「これで全てが終わり、全てが始まる……」



 メサイアの司令室で戦いの勝利を確信して陶酔しているデュランダル。

 現在、クライン派のエターナルとAAがステーション1に向かっていると連絡が入っている。

 時期にメサイアにも来ると思い、メサイア付近にはミネルバを始め、ディステニーとレジェンドが待機している。



 注:本編と流れが違いますが御了承下さい。



ギル「仕方ない、ミネルバにはステーション1に―――」



 ――ヴィー ヴィー ヴィー



 デュランダルがミネルバでAAを討たせようと命じ様とした時、

 突然に鳴り響いたのは警告音だった。

 言いかけた言葉を切り上げて立ち上がるデュランダル。



ギル「何事だ!? 敵か!?」



オペレーター「い、いえ!! 前方12時の方向より謎のエネルギー反応が!!」



ギル「オーブ軍か?」



オペレーター「違うと思われます。 オーブ軍はその更に後方の方です」



 画面には現在の位置状況を記した地図が現れた。

 メサイアを中心に前方に謎のエネルギー反応、その更にずっと後方にオーブ軍が描かれていた。



ギル「一体、何なんだ? エターナルやAAではあるまい」



 その直後、ステーション1での戦闘の知らせが来た為に考えは却下された。

 考えている間にも反応が大きくなり……遂に―――



オペレーター「画面に出ます!!」



 オペレーターの声と共にメインスクリーンに反応がある付近の映像が映りだした。

 何も無い宇宙空間が渦巻いている様に見える。



ギル(何だアレは……)



 今まで見た事の無い現象に首を捻るデュランダル。

 見た所、ブラックホールの様にも見えるが……



ギル「仕方ない、ミネルバ始め、デスティニーとレジェンドを始め1小隊で索敵してくれ」



 戦力をつぎ込み過ぎだと言えばそうなのだが、此処まで来て失敗は許されなかった。

 更に言えば先程からデュランダルは感じていた……とてつもなく嫌な予感を……………



オペレーター「エネルギー反応急激増大!! 何かが出てきます!!」



 オペレーターの声に一同の視線がメインスクリーンに注目される。

 次第に渦が発光し始めた、次の瞬間―――









 ――シュシュシュシュシュ……ポッポォォォォォ!!









 渦の中から現れたのは謎の機関車だった。

 呆然と沈黙が走る司令室の中で誰かが呟いた。



ザフト兵「銀河○道9○9?」



 その言葉を聞いた一同は脳裏に金髪黒服美女と少年の姿を思い浮かんだのだった。













-宇宙空間



シン『何なんだよ!? アレ!!』



 逸早く謎の機関車―――トラベリオン付近に来た『デスティニーガンダム』のパイロット『シン・アスカ』が怒鳴った。

 その後ろには『ルナマリア・ホーク』が操縦する『インパルスガンダム』、

 そして『レイ・ザ・バレル』が操縦する『レジェンドガンダム』に数機の『グフ』が着いて来ていた。



ルナ『機関車?』



レイ『タダの機関車ではあるまい』



 呆然と見たまんまの事を言うルナに対して、レイは冷静に状況を分析していた。

 だが、そんな言葉を耳にしないシンは1人先走りしていた。



シン『どうせ、アイツも敵なんだ!!』



 そう言ってデスティニーの『高エネルギー長射程ビーム砲』をトラベリオンに向けて構える。



ルナ『シン!? 何をする気なの!?』



 デスティニーの行動にルナが呼び掛けた。



シン『敵は討つんだろ!!』



 『高エネルギー長射程ビーム砲』にエネルギーを充填させるデスティニー。

 その様子を見るルナは心の底で不安を感じつつも謎の機関車が敵であるので止める言葉が見つからない。

 一方でレイは内心で「それでいい」とほくそ笑んでいる。



シン『沈めぇぇぇぇぇ!!』



 ――バシュゥゥゥゥゥ!!



 勢い良くトラベリオンに向けてビーム砲を発射するデスティニー。

 そのままビームは避ける事も無いトラベリオンに向かい……



 ――ちゅどぉぉぉぉぉん!!



 激しい爆発を起こすトラベリオン。

 それを見て「よし」とガッツポーズをするザフト面々だが、

 爆煙が晴れた其処には無傷のトラベリオンの姿があった。

 トラベリオンにとって、デスティニーの攻撃はそれほどダメージを与えない様である。



ルナ『そ、そんな……無傷なんて……』



 呆然と佇むルナ。



シン『くっそー!! こうなったら、もう1発!!』



 そう言って再度『高エネルギー長射程ビーム砲』を構えるデスティニーだったが、

 その時、トラベリオンから出てくる2つの人影があった。



ルナ『人!?』



 驚くルナ。

 画面のズームを最大にすると1人は幼女、もう1人は異形な着ぐるみの様な人。

 しかも驚くべき事に両人とも宇宙なのにノーマルスーツを着ていなかった。

 更に言えばブースターも無いのに高速で一直線にこっちに向かってきている。



エヴァ「突然に攻撃して来たのは貴様らか!!」



 その2人が付近まで近づくと幼女の方―――エヴァが大声で問いかけた。

 それを聞いたルナを始めザフト兵達は「何で宇宙空間で喋るの」と疑問で頭が真っ白だった。



シン『そうだ!! 悪いか!!』



 だがそんな中、特攻馬鹿ことシンは何も考えていなかった為に普通に答えていた。

 ちなみにレイでさえ目を丸くしていたと言うのに……



エヴァ「そうか……そうなのか……」



 シンの言葉を聞いてワナワナと微かに震えるエヴァ。

 良く見ればもう1人の着ぐるみ―――スフィンクスも何やら『怒りマーク』を浮かべている。



エヴァ「貴様がぁぁぁぁぁ!! 〝魔法の射手 氷の52矢!!〟」



 ――バシュバシュバシュバシュバシュ



 プチンとキレたエヴァが問答無用に『魔法の射手』をぶっ放した!!

 そのビームでも無く実物でもない攻撃に戸惑いながらも避けるザフト軍。

 だが、中には直撃を喰らい氷付けにされた機体もあった。



ルナ『な、何なの……アレ。 新手のビーム兵器?』



 凍った機体を見て普通に怯えるルナ。

 だが残りの馬鹿2人は……



シン『このぉぉぉぉぉ!!』



レイ『―――――ッ!?』



 ――バシュゥ バシュゥ バシュゥ



 問答無用にビームライフルとドラグーンを発射するのだが、人間サイズの彼女達には到底当たらない。

 例えるなら、3m先の縫い針に1発で糸を通す程難しいか、

 もしくはMサイズのMS(例:ルナマリア)の攻撃がSSサイズの運動性フル改造の某副指令に当てる命中率並に低い。

 ―――てか、それでは殆ど当てるの不可能では?



シン『チョコマカと!! これなら!!』



 そう言って大剣『アロンダイトビームソード』を構えて光の翼を展開するデスティニー。

 残像を残す速さでエヴァの元へと一気に駆け寄りビームソードを振り上げる。



エヴァ「遅い。 〝氷爆〟」



 ――カキーン!!



シン『―――――ッ!?』



 エヴァに見切られていたデスティニーの『アロンダイトビームソード』が一瞬にして氷付けになる。

 驚愕するシンだが、エヴァの攻撃はまだ終わっていなかった!!



エヴァ「これでトドメだ!! 〝エグゼキューショナーソード!!〟」



 エヴァの右手に少女の彼女の容姿には似合わない巨大な氷の剣が出現した。

 そのまま簡単に振り上げデスティニーを捕らえる。



 ――ザクゥゥゥゥゥ!!



 胴体から真っ二つに切られるデスティニー。

 その切り口は凄まじく氷り付き爆発を起こさないまま残骸が宇宙に漂った。

 その為にコックピットのシンも軽く凍傷を起こしただけで無事だった。

 だが無事で無いのは、その様子を見ていたルナ達だった。

 曲がり間違ってもシンはザフト軍のエースである。

 更に言えばデスティニーはザフト軍で最強の機体だ。

 そんなディステニーが謎の幼女に一撃で倒されたのだ、驚かない方がおかしいのだ。



レイ『シン!!』



 デスティニーの残骸に向けて飛びながらエヴァにライフルを構えるレジェンド。

 だが、その目前にはスフィンクスの姿が立ち塞がった。

 突然に現れた小さいスフィンクスに気付かず止まらないレジェンドだったが、次の瞬間―――



 ――ゴゴゴゴゴ……



 突然に大きくなるスフィンクスの身体に流石に驚きレジェンドが止まる。

 その大きさは約52m―――全長が18mのレジェンドからみれば2倍以上の大きさである。

 ちなみに比較対象はデストロイガンダム(約56m)だと考えて頂きたい。



レイ『ば、化け物か……』



 呟くレイの言葉を聞いたスフィンクスが、



スフィンクス『化け物とは失敬な。 これでもインフェルシアの神ですよ!!』



 そう言って右手が彼女の武器『ウィズダムカノン』に変わった。



スフィンクス『喰らいなさい!! 〝クローズレンジ・バースト!!〟』



 ――バシュゥゥゥゥゥ!!



 ウィズダムカノンから勢い良く放たれる巨大な弾丸を簡単に避けるレジェンド。

 伊達に『赤』を着ている訳ではないが……



 ――ドォォォォォン!!



レイ『―――――ッ!?』



 突然にレジェンドの背中が爆発した。

 避けた筈の弾丸をスフィンクスが操作してレジェンドの背中に当てたのだ!!

 たった一撃で自慢のPS装甲を打ち抜かれて沈黙するレジェンド。

 デスティニーに続き、レジェンドまで落とされザフト兵達はようやく現状に気付いた。









 ―――自分達はとんでもない事をしたのでは……………?









 気付いた時に既に遅く、ウィズダムカノンの銃口が自分達に向けられていた。



スフィンクス『そしてコレはエヴァさんに御教授して頂いた――― 〝魔法の砲弾 氷の10弾!!〟』



 ――ドンドンドンドンドン



 ウィズダムカノンから次々と放たれる氷の弾丸。

 トラベリオンで横断中に暇潰しにエヴァと深雪から魔法の使い方を教えてもらったのだ。













 ……………本当の所は技数が少ないからだという事は秘密だ。













-宇宙空間 トラベリオン 運転室



ナイ「うわ~ エヴァちゃんもスフィンクス様も派手にやってるな~」



メア「やっているね~」



 車窓からトラベリオンの操縦桿を握ったナイと何故か麻雀の牌を持ったメアが宇宙に咲く花火を見ていた。

 その後ろでは笑顔の深雪がノホホンと雀卓でお茶を啜っていた。



深雪「2人とも若いわ……」



 何処か遠くを見詰める深雪の傍らには箱に点棒の山が……他の席の箱は空になってた。

 実は暇だったので運転をナイに変わってもらったスフィンクスを交えて麻雀を4人でしていたのだ。

 ちなみにスモーキーは熟睡中。

 それでエヴァ・スフィンクス・メア・深雪の4人で囲ったのだが……………

 結果は何故か深雪の1人勝ちだった。

 だが、先程ようやく2人もリーチが掛かり大役で上がろうとした時にシンの放った攻撃で揺れてゲームが流れたのだった。



ナイ「深雪さん~ どうするんですか~?」



深雪「少しばかり放っておきましょう」



 ナイの言葉に胸の前で十字を切る深雪だった……………













 何処か知らない人達、恨むなら先に攻撃したソッチを恨んで下さい。 byナイ&メア













 数分後……………ステーション1を片付けたエターナル一行が見たのは、氷付けになったメサイアと、

 そのメサイアに打ち付けられたMSで書かれた『衛武亜&洲不印苦須、参上!!』という文字だった。



キラ『一体……何があったの……?』



 呆然と佇むフリーダムのコックピットでキラが呟いた。

 その様子を見て何かを思ったラクスが口を開いた。



ラクス『きっと日頃の行いが良かったお陰ですね』



 笑顔のラクスに誰も言い返せなかった。



キラ(―――と言うよりも天罰だったりして……)



 ふと過ぎった自分の考えを胸に仕舞うキラだった。









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-Side ???



 魔法、それは聖なる力。



 魔法、それは未知への冒険。



 魔法、そしてそれは勇気の証。



 溢れる勇気に魔法が応えてくれるのがマジレンジャー世界の『魔法』

 だが……マジレンジャーの『魔法』とも、ネギまの『魔法』とも少し違う魔法の形がこの世界にはあった。









 それは……………魔法少女!!









 闇が渦巻く空、大地には火の柱が立ち上り、海上には大きな黒い謎の球体があった。

 それは『闇の書』と呼ばれる魔導書の『防御プログラム』だった。

 その周りを飛んでいる小さな物体が4つ。

 白い服のツインテールの少女が、この世界の魔法少女『高町なのは』

 黒を主体の金髪の少女が『フェイト・テスタロッサ』、そして犬耳の女性『アルフ』

 残った少年がフェレットもどきの『ユーノ』である。



ユーノ「誰がフェレットもどきだ!!」



アルフ「どうしたの、ユーノ? 何を叫んでいるの?」



 突然に叫んだユーノにアルフが話し掛けるが「何でもない」と答えるだけだった。

 そして今、その『防御プログラム』の中から光の球が現れ、なのは達はソレを静かに見ていた。

 光の球の周りには更に4つ光が集まり……突然に眩しい光を解き放った!!

 閃光の中心―――光の球があった場所には白い魔法陣が描かれ、四方に男女が光の球を背に立っていた。



シグナム「我等、夜天の主の下に集いし騎士」



 ピンクの長髪にポニーテールで身長は高めのスタイル抜群の女性騎士―――シグナムが口を開いた。



シャマル「主ある限り、我等の魂尽きること無し」



 今度は金髪のボブカットの緑色の服を着た女性―――シャマルが語り、



ザフィーラ「この身に命が有る限り、我等は御身の下に有り」



 銀髪で短髪に犬耳に尻尾を生やした男―――ザフィーラが語り、



ヴィータ「我等が主、夜天の王―――『八神はやて』の名の下に!!」



 最後に赤髪で2つおさげで赤い服の女の子―――ヴィータが言い放つ。

 その時、中心の光の球が割れて杖を持った少女と1冊の本が現れた!!



なのは「はやてちゃん!!」



 なのはがその少女の名を呼ぶのに対し、はやては微笑みを返した。

 そのままはやてが杖を天に向けて掲げた。



はやて「夜天の光よ、我が手に集え。 祝福の風『リインフォース』、セーーーットアップ!!」



 その簡潔な呪文にてはやての姿が代わり、騎士甲冑を纏い、髪の色も少し白っぽくなった。

 新たな『魔法少女』の誕生の瞬間だった。

 4人の守護騎士達と再会を喜んでいる姿を見たなのは達が駆け寄った。

 久しぶりの少女達の再会に場は和やかになる中、時空管理局のクロノが現れ現状に引き戻された。

 クロノの持って来た案は『凍結魔法で凍らせる事』と『アースラの主砲『アルカンシェル』で吹き飛ばす』の2つだった。

 だが、前者は意味が無いと騎士達に言われ却下。

 後者は町に被害(特にはやての家)が出るとの事で却下。

 案が潰されて悩む一同の中、なのは達3人が良い案を思い浮かんだ。

 それは『大ダメージを与えて宇宙で『アルカンシェル』で消滅させる』との事だった。

 数値的にも可能との事で一気に話は纏まった。

 各方面の準備が整える間、防御プログラムを見下ろすなのはとフェイトにはやてが話し掛けた。



はやて「なのはちゃん、フェイトちゃん。 ……シャマル」



 シャマルの方を向いてアイコンタクトで何を言いたいのか分かったシャマル。



シャマル「はい。 お2人の治療ですね。 クラールヴィント、本領発揮よ」



 笑顔で答えるシャマルが自分の指輪『クラールヴィント』に軽く口を付ける。



 ――〝Ja〟



シャマル「静かなる風よ。 癒しの恵みを運んで!!」



 緑色の魔法陣から放たれた緑色の光が2人を包み込み傷を癒していった。



シャマル「湖の騎士『シャマル』と風のリング『クラールヴィント』 癒しと補助が本領です」



フェイト「凄いです……」



なのは「ありがとうございます、シャマルさん」



 笑顔でそう言うシャマルに驚きながらも御礼を言うフェイトとなのはだった。



アルフ「私達はサポート班だ。 あのウザいバリケードを上手く止めるよ」



ユーノ「うん」



ザフィーラ「ああ」



 アルフの言葉に返事をするサポート役のユーノとザフィーラ。

 その時だった、防御プログラムの周りに闇の柱が立っていく。



はやて「『夜天の魔導書』を呪われた『闇の書』と呼ばせたプログラム……闇の書の闇……」



 その言葉に応える様に闇の球が弾けて中身―――魔獣が現れた!!

 身構える一同に緊張が走り、サポート役のアルフとユーノが魔法を放とうとした時だった―――



エイミィ『みんな!! 近辺に謎の巨大エネルギー反応!!』



一同『―――――ッ!?』



 突然のエイミィの言葉に折角の魔法も寸前で止まってしまった。



クロノ「何だ!? 敵か!?」



 いつもの冷静なクロノがエイミィに向かって怒鳴った。

 流石にこの状況でグレアム達が邪魔をする筈が無い。

 なら一体誰が―――?

 クロノの脳裏で考えが渦巻く中、近辺の空間に突如、渦の様な物が現れた。

 その渦の中心部が光り、まるで何かのゲートの様だった。



フェイト「何なの? 一体……」



はやて「この光……嫌な気はしない……」



なのは「うん。 私も感じるよ」



 上からフェイト、はやて、なのはの順で語った。

 そして……暴走が始まろうとした、その時―――









 ――シュシュシュシュシュ……ポッポォォォォォ!!









 毎度お馴染みになった謎の機関車の登場だった。

 一同が突如現れた機関車に目が点になっていく。

 アルフやザフィーラは勿論、冷静なクロノでさえ―――









 だが……









なのは「あれって……もしかして……」



 目を真ん丸にして機関車を見るなのは。



フェイト「うん……多分、そう……」



 フェイトもなのはと同意見の様だ。



はやて「信じられへん。 ほんまにあるんや……こんな事」



 それははやても知っていた……



ヴィータ「マジかよ……」



シャマル「あらあら」



 否定的に口調ながらも何処かニヤけているヴィータと笑顔のシャマル。



シグナム「……………」



 現れた機関車を意味有り気に見ているシグナム。









 その彼女達の視線や表情が自分達と違う事に気付いたクロノ。

 その事を聞こうとした次の瞬間―――クロノは彼女達の言葉に驚愕した。









なのは・フェイト・はやて・ヴィータ・シャマル・シグナム「「「「「「魔法特急 トラベリオン……」」」」」」









 どうやら、この世界も『魔法戦隊マジレンジャー』が放映されている様だった。









 続く。

時空を超えた友情 / 時空を超えた友情 最終章 第48話 天の道を往き、総てを司る男

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