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時空を超えた友情 最終章 第49話 タッグ結成なの 投稿者:TAKUMA 投稿日:04/09-04:35 No.168





-Side KABUTO



 その世界では7年前に東京の渋谷に隕石が落ちた。

 隕石が落ちたのを境に謎の生命体『ワーム』が出現し人々に襲い掛かった。

 人々は秘密裏に『ZECT』と呼ばれる組織を結集し立ち向かった。

 そしてZECTは『マスクドライダー計画』の際に『カブトゼクター』を作り上げた。

 そのカブトゼクターに選ばれた男『天道総司』

 彼はカブトゼクターで『仮面ライダーカブト』へと変身してワームと戦うのであった。



カブト「ライダーキック」



 カブトゼクターのゼクターホーンを左から右に倒す。



 ――〝Rider kick〟



 機械音声と共にカブトの身体に稲妻の様なエネルギーが纏う。



カブト「はぁっ!!」



 ――ドカッ!!



 ワームのテンプルに稲妻を纏った右足を叩き込んだ!!

 そのまま吹っ飛ぶワーム。



ワーム「グォォォォォォォォォォォ!!」



 ――ドォォォォォォォォォォン!!



 呻き声を上げて爆発するワームの身体。

 その様子を見ながらカブトが天に指差すポーズを取っていた。



加賀美「やったな、天道」



 背後から聞える声にカブトは変身を解き――カブトゼクターが飛び去った――振り向いた。



天道「この程度、俺の敵じゃない」



 無愛想な答えを返す天道が愛車『カブトエクステンダー』に向かって歩き出す。

 その後ろを慌てて追いかける加賀美が話し掛けた。



加賀美「しかし、何なんだろうな。 もう春だってのに雪なんてさ」



 今まで描写が無かった為に分からなかったが、彼らの周囲は雪が降っていた。

 本日の最高気温は季節を無視した氷点下である。

 その為に加賀美はいつも以上の厚着なのだが、天道は何時もの格好で平気な顔をしている。



加賀美「しかも、ワームは大量発生するわ。 ZECTは大忙しだぜ」



天道「さぞかしあのハーモニー男は大変だな」



加賀美「だから頼むよ。 ZECTに協力してくれ」



 手を合わせて天道に頼む加賀美。

 するとカブトエクステンダーに当直した天道が、



天道「断る。 これから樹花に美味しい夕飯を作らないといけなからな」



 そう言ってヘルメットを被りエンジンをスタートさせる天道。

 走り去る天道の後姿を見た加賀美が「極度のシスコンだな」と思う中……









 ――ピカーーーーーッ!!









 天道の後姿から発する眩い閃光に目を庇う加賀美。

 手を退けて周囲を確認すると……



加賀美「天道が……………消えた?」



 有り得ない自体にパニックになる加賀美だった。









-------------------------------------------------









-???



天道「んっ……………此処は?」



 目を開けると其処は宇宙の様に真っ暗な空間だった。

 そんな中に漂う自分……無重力の様だ。

 周囲には先程まで乗っていたカブトエクステンダーと何故かカブトゼクターが浮遊している。

 天道は冷静に直前までの出来事を思い出す。

 何時もの様にワームを倒し、加賀美と話しながらバイクに跨り……

 少し走った所で謎の閃光に包まれ……気が付いたら此処に居たのだ。



天道「何処なんだ? 此処は……………」



 再び同じ疑問を呟く天道。

 その時だった―――



???「お前も突然に消えて、此処に来たパターンか?」



天道「―――――ッ!?」



 この空間に来ての第3者の声に反応した天道が振り返る。

 其処に居たのは銀のバイクを伴った茶髪の青年だった。



天道「お前は?」



巧「乾巧だ。 そっちは?」



 巧に聞き返された天道は天(?)に指差した。



天道「天の道を往き、総てを司る男…… 俺の名は天道総司」



巧「……………」



 いつもの天道の自己紹介に呆れた表情の巧。

 ―――とその時、何処からか声が聞こえてきた。



???『ファイズのベルトの保持者よ……』



巧「―――――ッ!?」



 突然にファイズ―――自分の事を言われた巧が周囲を見渡す。



???『そして、カブトゼクターに選ばれし者よ……』



天道「……………」



 1度ある事は2度あると考えていた天道は然程驚かずに周囲に注意を配りながら口を開いた。



天道「お前が俺達を此処に呼んだのか?」



???『そうだ』



天道「何が目的だ」



???『今、全世界を脅かす脅威が現れた』



巧「―――――ッ!?」



天道「……………」



 謎の声の言葉を理解して驚く巧に対して、天道は冷静な顔つきだった。



???『そこで汝達の力を借りたい』



巧「俺……達の力?」



 謎の声に聞き返す巧。

 一方、天道は黙ったままである。



???『そうだ。 汝ら仮面ラ「断る」……何?』



 謎の声を遮ったのは天道の声だった。



天道「さっきから聞いていれば随分と一方的だな。 それに俺は顔も見せない奴の言う事は信用できない」



???『……………そうか。 それは済まなかった』



 天道の言葉を聞いた謎の声が謝罪の言葉を上げた。

 共に2人の目の前が光り、人型の光体が現れた。



???『私はある事情で身分と姿を現す事が出来ない。 コレが私の限界だ』



天道「……いいだろう。 詳しい話を聞こうか」



 完全にリードを奪った天道。

 そして、謎の声は簡単に説明をする。

 『ネギま!』の世界で巨大な悪が動こうとしている事。

 その悪は他の世界―――異世界にも影響を及ぼすという事。

 説明を聞き終えた巧が信じられないと言った顔をしている。

 だが、天道は相変わらず平然としていた。



天道「なるほど。 最近の異常気象にワームの大量発生はその影響か」



???『そうだ』



天道「その『巨大な悪』を倒せば元に戻ると?」



???『そうだ』



天道「それを証明する物はあるのか?」



???『ない』



 天道の質問に淡々と答える謎の声。

 だが、最後の質問で天道が「馬鹿にしているのか」といった表情になった。



???『だが、君達なら、分かってくれると確証している』



巧「……………」



天道「……………」



 謎の声の堂々とした発言に流石の天道も黙った。

 そして……………天道が口を開く。



天道「いいだろう。 戦おう」



巧「さっきまで疑ってたんじゃないのか?」



 天道の豹変に喰い付く巧。



天道「ああ。 だが……あそこまで堂々と言われると、やりたくなるじゃないか」



巧「……………まあな」



天道「それに……………」



巧「それに?」



 まだ続く天道の言葉に聞き返す巧。



天道「俺の可愛い妹が最近の冷え込みで風邪を引きそうなんだ。 兄として何とかしてやらないとな」



巧(こいつ……シスコンってやつか?)



 天道の真面目な顔での発言にそう思ってしまった巧。

 決して口にしないのは、良い心掛けである。

 そして、天道が光体の方を向いて話し掛けた。



天道「で? 俺達はその『巨大な悪』と戦えば良いんだな」



???『そうだ。 だがこれから君達に行ってもらうのは違う場所だ』



巧「どういう事だ?」



???『行けば分かる。 それでは……「ちょっと待った」……なんだ?』



 またしても遮ったのは天道だった。



天道「家に電話をさせてくれないか? 可愛い妹が俺の帰りを待っているんだ」



???『いいだろう。 ……………今、電波を繋げた』



 その言葉を聞くと慣れた手付きで自分の家に電話を掛ける天道。

 その時、巧と目が合い「お前は掛けないのか」と聞かれて「いい」と返す巧。

 天道も深く追求せずに黙って樹花が電話に出るのを待った。



 ――ガチャ



樹花『はい。 もしもし、天道です』



天道「あ、樹花か?」



樹花『あ、お兄ちゃん。 今ね、加賀美さんとひよりさんが来ているんだよ』



天道「加賀美とひよりが?」



樹花『何でもお兄ちゃんが突然に消えちゃったとかで』



天道「そうか……あ、そうだ。 しばらくの間、家を留守にするんで、ひよりに世話して貰えないか?」



樹花『え? それってどういう意味?』



 どうやら突然の天道の言葉が理解出来なかった様である。



天道「しばらく留守にするから、ひよりに食事とか作って貰えと言ったんだ」



樹花『どうしたの? 突然―――』



加賀美『もしもし? 天道?』



 突然に樹花の声が途切れ、代わりに加賀美の声が聞えて来た。

 折角の妹との会話を邪魔されて軽く眉を顰める天道。



天道「加賀美か……丁度良い、ひよりに樹花の事を頼んでくれ」



加賀美『何だよ!? いきなりそんな事―――』



天道「少しばかり厄介な事に巻き込まれた」



加賀美『厄介な事?』



天道「そうだ。 その為に暫くの間、家を留守にする。 だから樹花の事を頼んだんだ……ひよりに」



 あくまでも『加賀美に』では無く『ひよりに』である事を強調する天道。

 やはり其処は兄として譲れない所なのだろう……



加賀美『何か引っ掛かる物があるけど…… 天道、お前らしくも無いんじゃないのか? 樹花ちゃんを1人にするなんて』



天道「心配するな。 お婆ちゃんが言ってた…… 傍に居ない時はもっと傍に居てくれると」



 その、いつもの天道の言葉に少しばかり安心する加賀美。



天道「俺が帰る時には総てが終わっている。 それまであの完全調和野郎に頑張れと言ってろ」



加賀美『それって、まさか……この異常気象と関係が―――』



天道「じゃあな」



 ――ピッ



 説明するのが面倒と判断した天道が加賀美の言葉を遮って電話を切った。

 兎に角、用件は伝えたので大丈夫だろうと思う天道。



巧「いいのか?」



天道「アイツはああ見えて感情深いからな。 樹花の事も大丈夫だろう」



 そう言った天道が光体の方を向いた。



天道「準備は出来た。 何時でもいいぞ」



???『それでは改めて…… 世界を救う為に行け!! 仮面ライダーファイズ、仮面ライダーカブト!!』



 次の瞬間―――2人の視界は眩い閃光に包まれた。

 その時、2人とも心の中で「仮面ライダーって何?」と疑問に思ったのは言うまでもなかった。









-------------------------------------------------









-鳴海市 市街地



フェイト「……………仮面ライダー……………?」



 後は前回の通り、登場した2人が変身した姿を見たフェイトの呟きが、その場に響いた。

 実際に彼女は『カブト』は勿論の事、『ファイズ』は見た事が無かった。

 だが、自然にバイクに跨ったヒーローの代名詞―――『仮面ライダー』の単語が出て来た。

 それは姿形が違えど同じ戦士なのだから……



シグナム「かめん……らいだー?」



ヴィータ「楽器を持った鬼じゃないのかよ」



 そのフェイトの呟きに疑問に思うシグナムとヴィータ。

 彼女達が考えていた『仮面ライダー』とは『響鬼』だけであった。

 つまりは『仮面ライダー=響鬼』と連想しているのだ。

 それ故に彼女達は『仮面ライダー』の本当の意味を知らないのだ。



ファイズ「さて……勢いで変身したが、どうするんだ?」



 先に口を開いたのは珍しくファイズ―――巧の方だった。



カブト「決まっている。 お婆ちゃんが言っていた……美少女は必ず助けろと―――」



ファイズ「……………俺、お前の婆ちゃんの顔が見てみたい」



 カブトの言葉に本音を漏らすファイズ。



ン・マ「ヴォォォォォ!!」



 ――バシュバシュバシュバシュバシュ



 その間にもン・マの触手が2人目掛けて飛んで来た。



カブト「そんな事より―――行くぞ」



 カブトの掛け声で地を蹴り触手攻撃を避ける2人。

 そのままカブトは真っ直ぐン・マへと走り出す。

 ン・マの触手攻撃も難無く避けて行く。



カブト「遅い」



 遂にはン・マの目の前まで辿り着くカブト。

 手には走る際に抜き取った『カブトクナイガン』のアックスモード。

 そのまま振り上げてン・マ目掛けて振り下ろす!!



 ――ガギィン!!



 だが、ン・マの表面を覆う謎の光によって、その刃は阻まれた。



カブト「くっ」



 そのまま押し切ろうとするがカブト―――しかもパワー系の『マスクドフォーム』の力でも押し切れなかった。

 迫り来る触手に仕方なく横に飛び去るカブト。

 目の前の障害物が無くなり安心するン・マだが、カブトによって作られた死角にファイズフォンを構えたファイズが立っていた。



 ――〝Burst mode〟



ファイズ「喰らえ!!」



 ――バシュバシュバシュバシュバシュ



 ファイズフォン―――フォンブラスターから放たれた赤い閃光がン・マに襲い掛かる。

 だが、ン・マは避け様としていない。

 それどころか、襲い掛かる赤い閃光がン・マの表面の謎の光によって弾かれた。



ファイズ「何? バリアか?」



 謎の光の正体に気付くファイズ。

 だが、同時に駆け出した者が居た。

 横に飛んでいたカブトである。



カブト「これなら!!」



 触手の攻撃をアックスモードで捌きながらン・マの目の前まで接近する。

 再び懐に入り込んだカブトはカブトクナイガンを持ち替えた。

 アックスモードからガンモードに変わるカブトクナイガン。

 そのまま目の前のン・マに銃口を当てた。



カブト「自慢のバリアもこの距離なら―――」



 ――バシュバシュバシュバシュバシュ



 零距離で容赦無く引き金を引くカブト。

 銃口とン・マの間に眩い閃光が発光する。

 何十発もの発したカブトが射撃を止めた。

 軽い煙に包まれるン・マ。

 流石にこの攻撃に耐えられる筈も無いとカブトが離れようとした時だった―――



 ――シュルルルルル ガシッ!!



カブト「―――――ッ!?」



 煙の中から伸びてきた触手がカブトを捉えた。

 次第に晴れる煙……………其処に立っていたのは無傷のン・マの姿だった。



ファイズ「あの攻撃で無傷だと!?」



 驚くファイズだが、カブトはそれどころでは無かった。

 何本もの触手がカブトに巻き付き、凄い力で締め上げている。



カブト「く……………がはっ!!」



 流石のカブトもン・マのパワーに耐えられなかった。

 マスクドフォームの装甲にも次第に亀裂が入り始めている。

 ファイズも助けようと駆け寄るが触手が邪魔をして近づけない。

 何とか動く右手をバックルの『ゼクターホーン』に引っ掛けて起こした。



カブト「キャスト……オフ」



 そう言ってゼクターホーンを左から右に倒した。



 ――〝Cast off〟



 機械音声が鳴り響いた次の瞬間―――カブトの厚い銀の装甲が弾け飛んだ。

 その衝撃で触手の拘束が少し緩んだ。

 その隙を突き、カブトがジャンプして拘束から逃れてファイズの横に降りた。

 片膝を付いた状態から立ち上がるカブト。

 その顔ではカブトホーンが起き上がっていた。



 ――〝Change Beetle〟



 機械音声が鳴り響き、カブトが『マスクドフォーム』から『ライダーフォーム』へとキャストオフを終えた瞬間だった。













シグナム「な、何なんだ……あいつらは……」



 2人の仮面ライダーの戦いを呆然と見ているシグナムが呟いた。

 その横ではカブトのキャストオフに目を輝かせて喜んでいるヴィータが居る。



はやて「しらんの? シグナム」



 シグナムの呟きに答えたはやてとなのは、エヴァ、スフィンクスがシグナム達の所にやって来た。

 ちなみにマジマザーはトラベリオンの準備の方に戻っている。



はやて「この世界ではな、バイクに乗った仮面のヒーローの事を『仮面ライダー』と呼ぶんや」



シグナム「仮面ライダー……鬼の事を言うのでは無いんですか?」



 やはり彼女の中では『響鬼=仮面ライダー』の方程式が出来上がっている様である。

 間違いではないのだが、響鬼しか見た事の無い彼女達には仕方の無い事だ。



はやて「ちゃうちゃう。 仮面ライダーは色々に種類がおるんや」



 そう言うはやてが次々とライダーの種類を言っていく。

 ―――と言っても平成仮面ライダーの『クウガ』からであるが……

 平成生まれの小学3年生の女の子が昭和ライダーの事を詳しく知っている筈も無い。

 そう説明を終えたやはての横でなのはがファイズを指差した。



なのは「確か……あの人は『ファイズ』で……もう1人は誰?」



 カブトの方を見て『?マーク』を浮かべるなのは。

 一瞬、カブトがコケた様に見えたのは幻覚だろう。

 ―――とその時、アースラのエイミィからの通信が入った。



エイミィ『今、そっちの世界のネットで軽く検索してみたけど……どうやら来年の新ライダーみたいだよ』



ヴィータ「え? ―――って事は響鬼のオッサン達も見られないのかよ」



 エイミィの言葉らブーたれるヴィータ。

 彼女から見ればヒビキもオッサン扱いである。



エイミィ『名前は『仮面ライダーカブト』 分かったのは名前だけだね』



 流石にまだ放映されていないので名前の他に詳しい事は分からなかったのだ。



エヴァ「ま、確かに見た目で『カブト』って感じはするな……」



 カブトを見たエヴァがそのままの感想を言う。



エヴァ「だが、奴らでもン・マの障壁を抜けないか……」



 顔を顰めるエヴァ。

 このパターンには慣れたものの仮面ライダー達の力もン・マの前では及ばないのだ。



スフィンクス「ン・マの表面に3重の魔法障壁を感じます。 まずは障壁を無くす事が先決でしょう」



シグナム「3重? 4重じゃなかったのか?」



 スフィンクスの言葉に疑問に思うシグナム。

 先程の作戦プランでは4重の障壁を破り、生体コアを露出させ、宇宙に飛ばし消滅させる事だった。



スフィンクス「おそらくは先程のライダー達の攻撃で1枚目の障壁が無くなったのでしょう」



エヴァ「だが、それは一時的な物だ。 直ぐに回復する……叩くなら今だ」



 スフィンクスとエヴァの言葉に考え込むなのは達。

 だが、既に作戦プランは出来上がっていた。

 そのプランをエヴァ達に話すなのは達。

 プランを聞き終えたエヴァが少し考えた。



エヴァ「ふむ……最後の宇宙に飛ばすのをトラベリオンの『デストラクション・ファイヤ』で閉める訳か」



 現在サポート班が1人も居ない為に長距離転送出来る者が居ないのだ。

 そこでアルカンシェルで止めの所をトラベリオンに変えたのだ。

 威力は殆ど同じだし、トラベリオンの燃料にもなる、一石二鳥の作戦だ。

 だが、この作戦には1つ問題があった……



なのは「問題は……どうやって市街地に被害を出さないかだよね」



 なのはの言葉に考え込む一同。

 ―――とその時、別な所から声が聞こえた。



???「その役目、俺達に任せて貰おう」



 声が聞こえた方を見ると、何と地上のカブトとファイズがエヴァ達の方を見上げていた。



シグナム「あの位置で聞えていたのか?」



 ライダー達の聴力に驚くシグナム。

 空中のエヴァ達が居る場所から地上のライダー達が居る所まで約200m。

 そんな距離でも人の何倍もの聴力がある仮面ライダーにとっては軽い事である。

 流石に距離があると会話が出来ないのでライダー達の下に降りる。



なのは「あ、あのあのあの……高町なのはです!!」



 とにかく挨拶が大事だと先程、天道が言った言葉通りに頭を下げるなのは。

 なのはに続いてフェイト達も軽い自己紹介をする。

 エヴァ達と違ってヒーローが相手なのか軽く緊張もしていた。



エヴァ「―――で自慢げに言ってたが、出来るのか?」



 発言したカブトに対して挑戦的に言うエヴァ。



カブト「出来るさ。 何せ俺は……」



 そう言って天を指差した。



カブト「天の道を往き、総てを司るから」



なのは「じ、じゃあ……最初の予定通り、海の方にお願いします」



 カブトの言葉に少しうろたえつつも海の方向を指差すなのは。

 了解したと頷くカブトとファイズ。



ファイズ「だが、海まで俺達が運ぶとしても……あの変なバリアが邪魔で如何し様も無いぜ」



シグナム「あの障壁は私達に任せろ。 私とヴィータで……」



 そう言うシグナムに頷くヴィータ。

 その時、スフィンクスが前に出た。



スフィンクス「私もやりましょう。 3重なら1人1枚でイケます」



シグナム「有り難い。 貴女の力は実証済みですし。 心強い」



ヴィータ「確かにな。 なんせ冥府神の1人だし」



 スフィンクスの申し出に賛同するシグナムとヴィータ。

 心強い味方に2人の顔もほころびた。



カブト「その後は俺達が海まで奴を飛ばす」



ファイズ「おい……それよりも……大丈夫なのか? あんな子供達に任せて……」



 今一度ファイズの方はなのは達の実力に疑問を抱いている様だ。

 確かに空を飛んでいたし、只者では無い事は分かっているが……どうも納得しないのだ。

 少ないオツムが。



ファイズ「うっせぇ!!」



 突然に怒鳴った為になのはとフェイトがビクッと震えた。

 駄目ですよ、地の文にツッコんじゃ……

 すると、カブトは天を指差した。



カブト「大丈夫だ。 お婆ちゃんが言っていた……純真無垢な少女は嘘を付かないと……」



ファイズ「……………俺、お前の婆ちゃんに一度会ってみたいよ」



 真面目な声で言うカブトに呆れ口調のファイズがツッコむ。

 他の皆もファイズ同様に軽く引いていたのは言うまでもなかった。



なのは「海に出た所を私達が一気に攻撃するんだね」



フェイト「なのはの『スターライトブレイカー』、私の『プラズマザンバー』、そして……」



やはて「うちの『ラグナログ』でな……」



エヴァ「更に私も加われば鬼に金棒だろう」



 意気合点する3人娘。

 其処に加わったのは『ネギま』代表の魔法少女(笑)のエヴァだった。



なのは「エヴァちゃん……出来るの?」



 『ネギま』を知らないなのはがエヴァの実力に疑問を持つのは無理も無かった。



エヴァ「当たり前だ。 私はこれでも『闇の福音』と恐れられたのだぞ」



 そう言って無い胸を張るエヴァ。

 自信満々のエヴァになのは達が「おお~」と唸る中……



スフィンクス(―――と言っても、最近はギャクキャラ、もしくはロリキャラ要員ですけどね……)



 更にややこしくなると思い口にしない確信犯のスフィンクスだった。

 ……………間違ってないけど。



エヴァ「私達の集中砲火後にトラベリオンで止めだな」



 エヴァの言葉に頷く一同。

 だが、スフィンクスだけは頷いて無かった。



スフィンクス(確かにエヴァさんの力は認めましょう。 問題は……)



 スフィンクスの視線がなのは達に向けられる。



スフィンクス(彼女達の力がどれまでか――― それで全てが決まります)



 つまり命運のキーパーソンはなのは達次第だと心配しているのだ。

 幾らダメージを与えても、かなりの致命傷を与えないとトラベリオンの効果は薄い。

 相手は未覚醒ながらもマジレジェンド以上の力を持つ絶対神ン・マ。

 そう思うと自分の杖を握る力も自然に強くなった。



なのは「じゃ、みんな……行くよ!!」



一同『おおーーーーー!!』



 心配するスフィンクスを他所にその場を去る6つの光。

 残されたのはカブト、ファイズ、そして考え事で残ったスフィンクスだった。



ファイズ「どうしたんだ? あんた」



 残ったスフィンクスに話し掛けるファイズ。

 突然に声を掛けられて正気に戻るスフィンクス。

 周りに皆が居ない事に気付き、自分も配置に付こうと地を蹴る時だった。



カブト「お婆ちゃんが言っていた……人を信じなければ真の力は発揮できず、何事も失敗に終わると……」



 その言葉に振り返るスフィンクス。

 其処には天を見上げるカブトの姿があった。

 カブトの言葉に何か吹っ切れたスフィンクス。



スフィンクス「貴方の祖母は素晴らしい方ですね」



 そう言って地を蹴り、上空に飛び立った。









 ―――信じてみよう、『魔法』の力と『信じる』という力を……









 その想いを秘めて……









 続く。

時空を超えた友情 / 時空を超えた友情 最終章 第50話 ン・マさん消滅なの

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