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時空を超えた友情 最終章 第50話 ン・マさん消滅なの 投稿者:TAKUMA 投稿日:04/09-04:36 No.169





-鳴海市 市街地



ン・マ「グォォォォォォォォォォ!!」



 忘れられいた為か怒るン・マを上空から見下ろすシグナム。

 その手には愛剣『レヴァンティン』を抜いていた。



シグナム「ヴィータ、スフィンクス、準備はいいな」



ヴィータ「おう!!」



スフィンクス「問題ありません。 先に行きます」



 後から配置に付いたスフィンクスが先に動いた。

 右腕には自慢の武器『ウィズダムカノン』を装着している。



スフィンクス「〝クローズレンジ・バースト フルパワー!!〟」



 ――バシュゥゥゥゥゥ!!



 ウィズダムカノンから激しい光弾が放たれた!!



 ――ドォォォォォン!!



 激しい閃光を発してン・マの魔法障壁を1枚破る。

 次にヴィータが自慢のデバイス『グラーフアイゼン』を構える。



ヴィータ「『鉄槌の騎士』ヴィータと『鉄の伯爵』グラーフアイゼン!!」



 その叫びに応えてグラーフアイゼンがカードリッジをロードする。



 ――〝Gigantform〟



 一旦分解した鉄槌の先端部分が再度組み変わり金槌部分が多きくなる。



ヴィータ「轟天爆砕!」



 グラーフアイゼンを振り上げるヴィータ。

 その金槌部分は信じられない程に大きくなる。



ヴィータ「ギガント・シュラーク!!」



 何倍にも大きくなった鉄槌を想いっきり振り下ろす!!



 ――ガギィィィィィン!!



 激しくぶつかる音が鳴り響き、障壁をまた1枚ぶち壊した。



シグナム「『剣の騎士』シグナムが魂、『炎の魔剣』レヴァンティン。 刃の連結刃に続く、もう1つの姿……」



 そう言うとレヴァンティンの柄の底――剣首――に鞘を付ける。

 音声と共に鞘と剣が変形し、その姿を弓に変えた。



 ――〝Bogenform〟



 現れた矢をセットして弦を引き、狙いをン・マに定める。



シグナム「翔けよ、隼!!」



 ――〝Sturmfalken〟



 矢に魔力の光が集束していき、弦には炎が纏う。



 ――バシュゥゥゥゥゥ!!



 放たれた矢がン・マ目掛けて突っ切る!!

 矢は見事にン・マの障壁に突き刺さる。



 ――ドォォォォォン!!



 激しい爆発と共に最後の障壁も破壊した!!



ン・マ「グォォォォォ!!」



 流石に裸にされて叫びを上げるン・マ。

 此処からは選手交代である。



ファイズ「先に行かせて貰うぜ」



 そう言うファイズがファイズフォンに腕の『ファイズアクセル』のミッションメモリーをセットする。

 するとフォトンストリームが赤から銀色に変わり、目も黄色から赤色に変わった。

 更に装甲――フルメタルラング――が展開した、その姿は高速戦闘形態『アクセルフォーム』である。



カブト「ほぅ……」



 ファイズの2段変身を見ているカブトを他所にファイズは腕のファイズアクセルのスタータースイッチを押した。



 ――〝Start up〟



 機械音声と共にファイズの周りの時間が止まった様になる。

 そしてン・マ目掛けて駆け出した。

 それを横で見ていたカブトは……



カブト「アイツも『クロックアップ』出来たのか。 なら、俺も……クロックアップ」



 そう言ってベルトの右側のスタータースイッチを叩くカブト。



 ――〝Clock up〟



 カブトもファイズ同様に周りの時間が止まった。

 そして、ファイズの後を追い、地を蹴った。



ファイズ「―――――ッ!?」



 先に止まったン・マの懐に入り込んだファイズが後ろのカブトの動きに驚く。

 だが、流石に時間が無いので早めにン・マを海に運ぼうとするが……



カブト「そいつを上に蹴り上げろ!!」



 カブトの声が聞こえ見てみると、カブトがビルの壁沿いにジャンプしているのが見えた。

 その動きで何が言いたいのか分かったファイズがン・マの身体を上に蹴り上げる!!



 ――ドカッ!!



 物凄い勢いで上に吹っ飛ぶン・マ。

 その間にファイズも三角跳びでビルの屋上に向かって地を蹴った。

 先に屋上に到着したカブトは海の方向を確認して、飛んできたン・マを海の方に蹴る!!



 ――ドンッ!!



 その先には先回りしていたファイズが更にン・マの身体を蹴る!!

 まるでサッカーのパスみたいに海の方へと運ぶ2人。

 海が近づくとカブトがバックルのカブトゼクターのボタンを押した。



 ――〝One〟



 ――ドカッ!!



 そして、ン・マの身体を蹴り先回りする。

 一方のファイズも腕のミッションメモリーを『ファイズポインター』にセットする。



 ――〝Ready〟



 ――ドカッ!!



 そして、やって来たン・マの身体を蹴り飛ばして加速する。

 先回りしたカブトが次のボタンを押した。



 ――〝Two〟



 ――ドカッ!!



 再び、ン・マの身体を蹴り飛ばす。



 ――バキッ!!



 ファイズはファイズポインターを右足のホルスターにセットしてン・マの身体を殴り飛ばす!!

 その先に回り込んだカブトが最後のボタンを押した。



 ――〝Three〟



 それと同時に飛んで来たン・マを上に蹴り上げる!!



 ――ドカァァァァァン!!



 空中を飛ぶン・マの身体。

 その下の港には2人のライダーが既に到着していた。

 そして、ファイズがファイズフォンを開いて『ENTER』を押す。



 ――〝Exceed charge〟



 フォトンストリームに赤い閃光が走り、ファイズポインターにエネルギーが溜まり地を蹴った。

 一方のカブトもゼクターホーンを左に戻し、



カブト「ライダーキック」



 また元の右側に倒した。



 ――〝Rider kick〟



 機械音声と共にカブトの身体に稲妻が纏っていく。

 其処へ落ちてくるン・マの身体。

 ファイズが空中でポインターの光――ポインターマーカー――を発射した。

 発射されたマーカーは円錐状にエネルギー光を発生させた。



ファイズ「はぁぁぁぁぁ!!」



 その円錐状のエネルギー光にキックを放った!!



 ――ズガガガガガ!!



 エネルギー光はドリルの様にン・マの身体に突き刺さる!!



カブト「はぁっ!!」



 ――ドカァァァァァ!!



 其処に止めにカブトが右上段蹴りをン・マに放つ!!

 丁度同時にファイズアクセルのカウンターが『0』を表示した。



 ――〝Time out〟



 ――〝Reformation〟



 機械音声と共に元の形態に戻り着地するファイズ。

 一方のカブトも、



 ――〝Clock over〟



 機械音声と共に時間の流れが元に戻った。

 すると止めをされた状態で止まってたン・マは―――



ン・マ「グォォォォォォォォォォ!!」



 大きな悲鳴を上げて港から沖の方に吹っ飛んでいた。

 そして、沖合で次第に勢いが衰え、終いには海に落ち……



 ――ドォォォォォォォォォォン!!



 大きな大爆発と水飛沫を起こしたのだった。













 その戦闘の速さに驚いたのは障壁担当のシグナムだった。



シグナム「な、何だったんだ……今のは。 殆ど一瞬であんなに移動し、大ダメージを与えただと?」



 信じられない速度に驚くしかなかった。

 あの速さは自分よりもフェイトよりも上だった。

 目が追い付くのに精一杯だったのだ。



ヴィータ「すっげーんだな。 仮面ライダーって……」



スフィンクス「驚いている場合じゃないですよ。 私達も急ぎましょう」



 シグナム同様に驚くヴィータ達にスフィンクスがそう言って沖合の方に飛んで行く。

 それを追う様にシグナムとヴィータも沖合を目指すのだった。













-鳴海市 沖合



 再び戦いの場は沖合に戻り一安心したなのはとはやて。

 約1名―――ファイズを知らないフェイトが驚いているのを無視して爆発のあった地点を眺める2人とエヴァ。



なのは「しかし……凄いね~」



 爆発地点を見下ろしながらライダーの凄さに改めて関心するなのは。



なのは「あのン・マさんも一撃だよ」



はやて「めちゃめちゃ反則だけどな~」



なのは「やられちゃった……のかな?」



 流石に2大ライダーに倒されたのかな―――と近づいて確認するなのは。

 ―――とその時だった。



 ――〝Master!〟



なのは「―――――ッ!?」



 相棒―――レイジングハートの警告に直ぐに上空に逃げるなのは。

 彼女達の視界に海面が少しずつ揺れているのが分かった。



 ――バシャァァァァァ!!



 レイジングハートの警告通りに大きな水飛沫と共に現れたのは元の魔獣の大きさに戻ったン・マだった。

 元の―――と言うよりも前の魔獣よりもグロテスクに更に大きくなっている。



はやて「うわぁ……なんか凄い事になってる……」



 身体中から顔やら触手やら羽やら何でもかんでも出ている状態に軽く引くはやて。



エヴァ「どうやら、ライダー達の攻撃で耐え切れずン・マの形を保ってられなくなったんだな」



なのは「え? どういう事なの?」



 現状を冷静に見解するエヴァに『?マーク』を浮かべるなのは。



エヴァ「つまりは……理性の効かなくなった猛獣と同じ―――簡単に言えば『暴走』だ」



なのは・フェイト・はやて「「「―――――ッ!?」」」



 『暴走』という単語に反応する3人。

 あの防御プログラムが暴走すれば世界が終ってしまうのだ。

 それ阻止しないと―――と各々のデバイスを握る力を込めた、その時―――



ン・マ『ガァァァァァァァァァァ!!』



 ――ゴォォォォォォォォォォ!!



 暴走したン・マの叫びの衝撃波が上空の4人に襲い掛い、物凄い勢いに吹っ飛ばされてしまった。

 だが丁度シグナム達が到着して、はやてとフェイトをシグナムが、

 なのはをヴィータが、エヴァをスフィンクスが見事にキャッチしてその場に止まった。



シグナム「大丈夫だすか、主はやて、テスタロッサ」



はやて「ありがと、シグナム」



フェイト「助かりました」



なのは「ヴィータちゃん、ありがと」



ヴィータ「ふん。 たまたまだ」



 そう言って外方を向くヴィータの顔は少し赤くなっていた。

 一方、スフィンクスとエヴァはこの状況に顔を顰めていた。



スフィンクス「まったく……想定していたとは言え……どうするんですか?」



エヴァ「知るか!! 碌に近づけ無い上に詠唱も出来ん!!」



 衝撃波を受け止める事が精一杯で詠唱まで集中出来ない。

 なのは達も各々のデバイスがシールドを張ってるが、維持するので精一杯の様だ。



エヴァ「誰か、あのデカイ口を塞げ!!」



 エヴァの無茶な要望に「無理だよ~」となのはの泣きが入った時だった―――



 ――シュシュシュシュシュ……ポッポォォォォォ!!



スモーキー『それなら俺達に任せるニャ!!』



 ン・マ以上に忘れられていたトラベリオンがン・マ目掛けて走る。

 トラベリオンの9200tもの重量なら衝撃波で飛ばされる心配は無かった。



スモーキー『魔法変形!!』



 スモーキーの掛け声と共に車両が分裂して手足になり、最後に先頭部が胴体になった。



スモーキー『完成、魔法鉄神トラベリオン!!』



 変形したトラベリオンが沖合に聳え立った。

 大きさは今のン・マよりも少し小さい位である。



ヴィータ「スッゲー!!」



 目の前で行われた魔法変形に目を輝かせるヴィータ。

 他の皆々も軽く驚いき、トラベリオンに託す事にした。



スモーキー『ナイ、メアのお2人さん!! 頼んだニャ!!』



ナイ『オッケ~ 任せといて!!』



メア『行っくよ~!!』



ナイ・メア『『リモートライナー、ゴー!!』』



 2人の掛け声でトラベリオンの両足から1両ずつ小さな機関車が走り出した。

 そのリモートライナーの運転席には其々ナイとメアの姿があった。

 衝撃波の強風の中、ただ飛ばすだけでは成功しないと、2人が手動で運転する事にしたのだ。

 そんな2人が操縦するリモートライナーは激しく揺れつつも、確実にン・マの周囲を走り、走った跡の線路がン・マをからめとっていく。

 まずは大きな身体を縛り、羽、手足と拘束が進み、次第に口も縛り上げた!!

 その為に叫ぶ事も出来ず、衝撃波も止んだ。



エヴァ「でかしたぞ、馬鹿猫!!」



 ガッツポーズをするエヴァが直ぐに呪文の詠唱に入った。

 詠唱するエヴァから感じ取れる魔力の大きさに、なのは達も少し寒気を感じていた。



エヴァ「契約に従い我に従え氷の女王! 来れ! とこしえのやみ!! 〝えいえんのひょうが!!〟」



 ――ギシィィィィィン!!



 巨大なン・マの身体が魔力の冷気で一気に凍りついた!!

 エヴァの実力を目の当たりにして驚くなのは達。

 それもその筈、威力はクロノが持っていた氷結の杖『デュランダル』以上の効果だ。

 だが、流石に暴走にてパワーアップしたン・マを簡単に封じ込めてない。

 少しずつだが氷に亀裂が入りン・マが再び暴れようとしていた。



エヴァ「全ての命ある者に等しき死を! 其は、安らぎ也! 砕けろ!! 〝おわるせかい!!〟」



 ――パチン



 エヴァが最後の詠唱に指を鳴らした。

 すると巨大な氷塊に大きな亀裂が入り……



 ――パキャァァァァァァァァァァン!!



 大きな音を上げてン・マの氷塊が砕け散った。

 ―――が、砕けて発した水煙の中に少し小さくなったが、無傷のン・マが健在していた。

 だが、今の攻撃がかなり効いたのか少し弱っている様子である。

 今がチャンスと3人娘がン・マの上空を囲む様に配置に着いた。



なのは「いくよ、フェイトちゃん、はやてちゃん」



 頷くフェイトとはやて。

 一気に勝負を付ける大技は既に決まっていた。

 レイジングハートを構えるなのは。



 ――〝Starlight Breaker〟



 なのはの足元に魔法陣が展開する。

 更にレイジングハートの先端にも大きな魔法陣が展開して魔力を集結させている。



なのは「全力全開!! スターライト……」



 フェイトも身の丈程ある黄色の剣を掲げる。

 足元には黄色の魔法陣が展開して周囲から稲妻が集まりだす。



フェイト「雷光一閃!! プラズマザンバー……」



 フェイトの掛け声で大きな落雷がバルデッシュに落ちて剣が更に大きくなる。

 はやても足元に白い魔法陣を展開させ、リインフォースを天に向けて掲げた。

 先端に魔力が集まりだすリインフォース。

 ン・マを見て少し可哀相な気がするはやでだが、その想いを振り切って叫ぶ。



はやて「響け、終焉の笛!! ラグナロク……」



 その呪文に足元の魔法陣が更に大きくなり、魔法陣の魔力が跳ね上がっていく。



なのは・フェイト・はやて「「「ブレイカァァァァァァァァァァ!!」」」



 3人同時に叫び、各々の必殺技を放った!!



 ――ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!



 激しい光を放つ魔力の砲撃がン・マの身体を包み込んで行く!!



ン・マ『グォォォォォォォォォォ!!』



 激しく苦しむン・マ。

 その断末魔に等しい咆哮に3人の手は緩まず魔力を放ち続ける。



 ――ドッゴォォォォォォォォォォン!!



 流石のン・マも耐え切れず大爆発を起こした。

 揺れる大気に踏ん張る一同。

 ―――終ったのか?

 誰もがそう思った、そう思いたかった。

 そして、次第に煙が晴れていき……其処に残っていたのは僅かな肉片と化した、防御プログラムの『本体コア』だった。

 空中に浮く、そのコアはニュルニュルと触手を動かしながら少しずつ生体部分を修復している。



エヴァ「今だ!! 馬鹿猫!!」



スモーキー『了解!! 姐さん』



 そう言って前に出るトラベリオン。



深雪『スモーキー、ヘマしないで下さいね』



スモーキー『分かってますニャ…… お嬢さん方、少し離れて下さいよ!!』



 深雪の変なプレッシャーに掛かりながら操作するスモーキー。

 彼の注意に生体コアの周辺を飛んでいたなのは達がその場を直ぐに離れた。



スモーキー『喰らえ!! 〝デストラクション・ファイヤー!!〟』



 ――ゴォォォォォ!!



 胴体部分が開いて物凄い勢いで吸い込むトラベリオン。

 負けじとその場に止まり、耐えるン・マ。



 ――ゴォォォォォ!!



 吸い込むトラベリオン。

 耐えるン・マ。



 ――ゴォォォォォ!!



 吸い込むトラベリオン。

 耐えるン・マ。



 ――ゴォォォォォ!!



 吸い込むトラベリオン。

 耐えるン・マ。



 ――ゴォォォォォ!!



 吸い込むトラベリオン。

 耐えるン・マ。



 ――ゴォォォォォ!!



 吸い込―――



ヴィータ「だぁぁぁぁぁ!! サッサと逝け!! 〝超忍法689号!!〟」



 ――カッキーーーーーン!!



 その下らないやり取りにキレたヴィータがグラーフアイゼンでン・マを打ち飛ばした。

 そのままン・マの身体は吸い込まれる様にトラベリオンの中で星になった。

 しばらくの間、静寂が走り……



なのは・はやて「「やったぁぁぁぁぁ!!」」



 喜びの声を上げるなのはとはやての2人。

 その横ではフェイトとエヴァが「やれやれ」と溜め息を吐いていた。



シグナム「ヴィータ、良くやったな」



 一息吐くヴィータにシグナムが激励の言葉を掛けた。



ヴィータ「ま、まあな」



シグナム「しかし、最後の技は何なんだ? ベルカ式にあんな技あったか?」



ヴィータ「知らない。 自然に口から出てきた」



 ヴィータ自体も知らない様で首を捻った。

 ―――と、その言葉を聞いていたスフィンクスが呟いた。



スフィンクス「もしかしたら……『ハンマーの神』が囁いたんでしょうね」



ヴィータ・シグナム「「『ハンマーの神』って何!?」」



 同時に突っ込むヴィータとシグナム。

 その時、はやての脳裏に『黄色のゴツイロボット』がサムズアップしていたのが見えた。

 それは幻覚であって欲しい―――と願いながら、はやては意識を失うのだった。









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-Side NEGIMA 南の地下通路



 一方、凄く長い間忘れられていた『ネギま』の世界。

 その1つ南チームは暢気に通路を進んでいた。



雄介「え、真名ちゃんって中学生なの!?」



 真名を後ろに乗っけた雄介が驚きの声を上げる。

 暇潰しに雑談をしていたのだが、その話の中で年齢の話が出てきたのだ。

 その質問に対し、各々正直に歳を答える。

 年齢順に並べると最年長が28歳の雄介、24歳の芦原、20歳のイブキ、18歳の睦月、

 そして1番の驚きが、真名の14歳宣言だった。



 注:殆どが憶測の計算ですが、合っていると思いますが、このままでお願いします。



真名「そ、そうだが……何かあるのか?」



雄介「いや……最近の若い娘は発育が進んでるな~って思ってね」



真名「???」



 完全にオヤジ発言の雄介だが、背中に柔らかい物が当たっていても平然としていた。

 鈍感な雄介がそんな所を気にする筈も無いのだが……



睦月「あーあ、望美ももう少しあれば……」



イブキ「僕は今のままの香須実さんで十分……」



 ―――と真名のスタイルを見て何故か惚ける2人。

 その様子を尻目に見ていた葦原は、



葦原「(まったく……どいつもこいつも……)―――ッ!? おい!!」



 呆れて前方を見ると何やら広い空間に出る出口が見えてきた。

 そのまま突っ切って出口を突破する4台。

 其処は北や西同様に途轍もなく広い部屋だった。

 その部屋の中心に3つの人影があった。



イフリート「俺は冥府十神五武神の1人、イフリート!!」



 1人は大きな棍棒に鎖で繋いだ鉄球を持って、胴体が恐ろしい顔の模様になっている大きな怪人―――イフリート。



サイクロプス「同じく五武神の1人、サイクロプス……」



 もう1人はライフルを持った1つ目で機械の様な身体の怪人―――サイクロプス。



トード「同じく五武神の1人、トード様なんだな」



 最後の1人は大きな鉄鎚を持って、青い肌にブヨブヨと太ったイボだらけの身体の怪人―――トードだった。

 3体の冥府神が立ち塞がり、先に行く道がシャッターで塞がれているので雄介達もバイクを止めて降りた。



サイクロプス「我等冥府神の名に懸けて、此処から先には行かさん!!」



葦原「……どうやら、こいつ等を倒さないと先に進めない様だな」



 このメンバーで1番好戦的な芦原が前に出た。

 他の面々も各々の変身ポーズを取っている。



雄介・芦原「「変身!!」」



 アークルのスイッチを押した雄介が可動音と共に姿をクウガへと、

 地を蹴り空中で1回転した葦原もギルスへと変身した。



睦月「変身!!」



 ――〝Open up〟



 バックルを開いて現れた光の壁を通りレンゲルに変身する睦月。



 ――ヒュィィィィィ



 展開して鳴らした変身鬼笛・音笛を額に当て横に振り発生した竜巻がイブキの身体を包み込む。



威吹鬼「はぁ!!」



 竜巻をチョップで割り、現れる威吹鬼。

 その変身に少しうろたえる冥府神達だが、



サイクロプス「なるほど……アレが『仮面ライダー』という奴等か。 トード!!」



トード「分かったんだな!!」



 そう言うトードがサイクロプスに向けてイボの1つの毒をぶっ掛けた。



一同『―――――ッ!?』



 突然のトードの行動に驚くライダー達。

 だが、驚くのはその先だった―――なんと、毒を掛けられたサイクロプスの身体が見る見る内に消えていったのだ。



トード「僕の毒の中の1つ、『姿を消す毒』なんだな」



イフリート「トード!! 俺にも例のヤツを!!」



トード「分かったんだな。 ほれっ!!」



 そう言うトードが今度はイフリートに毒をぶっ掛ける。

 すると今度は姿が消えたのではなく、何と人体発火を起こしたのだ!!



トード「これは『人体発火を起こす毒』なんだな。 これを浴びた者は地獄の炎で包まれるんだな」



イフリード「だが、俺は炎を司る冥府神。 俺にとって炎は最高の力の源だぜ!!」



 そう言うイフリートの身体の炎が激しく燃えている。



レンゲル「何て奴等なんだよ……」



クウガ「今までの敵とかなり違う」



 今までこんな敵と戦った事の無いレンゲルと珍しくクウガがうろたえる。

 その時、姿の見えないサイクロプスの声が響いた。



サイクロプス「ふふふ。 我等、冥府神を敵にした事を悔やむが良い!!」



 音が響く所為か何処から聞えてくるのか分からず身構える一同。

 ―――とその時、一同に隙が出きた!!



トード「チャンスなんだな!! ほれっ!!」



 今度はライダー達に向かって毒を放つトード。



一同『―――――ッ!?』



 トードの毒の恐さを見た一同が左右に避け様とするが―――



レンゲル「しまった!!」



真名「ちっ!!」



 避け遅れたレンゲルと避けきれず毒を足に浴びた真名が声を上げた。

 すると2人の身体が光に包まれ、しばらくすると光は消え崩れる2人。



クウガ「真名ちゃん!! 睦月君!!」



 2人を心配したクウガが2人に駆け寄る。

 ギルスと威吹鬼も周囲を警戒しながら駆け寄った。



レンゲル「大丈夫だ。 問題ない」



 そう淡々と答えて立ち上がるレンゲル。



真名「はっ、だ、大丈夫です。 良かった~」



 なさけない声で答えた真名が自分の胸に手を当てて安心するが―――



レンゲル・真名「「ん?」」



 レンゲルは自分の身体の違和感と持っていた違う武器に疑問を持ち、真名は自分の手の柔らかい触感に疑問を持った。

 そして、2人が恐る恐るとお互いの姿を見ると―――



レンゲル・真名「「あーーーーー!!」」



 大声を上げてお互いの姿を指差した!!

 その2人の変な行動に『?マーク』を浮かべるライダー達。

 何が起こったのかまったく分からなかったのだ。

 その答えを答えたのは毒を掛けた本人―――トードだった。



トード「その毒は『魂と体の音を入れ替える毒』なんだな」



 その言葉を聞いた一同の顔に縦線が引かれた。



威吹鬼「つまり……2人は……」



 恐る恐ると威吹鬼が口を開いた。









レンゲル・真名「「入れ替わったって事!?」」



 レンゲルと真名の声が部屋内に無駄に響いたのであった。









 続く。

時空を超えた友情 / 時空を超えた友情 最終章 第51話 南の戦い 前編

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