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時空を超えた友情 インターミッション 投稿者:TAKUMA 投稿日:04/09-04:22 No.161

          時空を超えた友情 インターミッション





-麻帆良学園 学園長室



風香「まずは戦力の確認からだよね」



 そう言った風香が何処からか取り出したホワイトボートに今の戦力を書いていく。

 ちなみに特撮に1番詳しい鳴滝姉妹が場を仕切る事になった。

 戦力は以下の通りである。



 【近距離】 アスナ・タカミチ・高音・アギト・轟鬼・斬鬼・バリキオン



 【近・中距離】 刹那・ギルス・ブレイド・レンゲル・響鬼・マジレッド



 【中・遠距離】 真名・茶々丸・セリア・愛衣・G3-X・ギャレン・威吹鬼



 【近・中・遠距離】 ネギ・エヴァ・クウガ・カリス・マジシャイン



あきら「こんなものですね」



 書記係のあきらが鳴滝姉妹の支持通りに書いていく。



風香「まさかネギ先生が魔法使いとわね~」



史伽「薄々と変だと思いました……」



 ようやく此処で鳴滝姉妹に魔法使いの事を説明できたネギ。

 照れながら頭を掻いている。



風香「でも、アスナも戦えるの?」



アスナ「失礼ね。 十分に戦えるわよ。 〝アデアット〟」



 そう言うアスナが自慢げにアーティファクトを取り出した。

 それを見た双子を始め、ライダー達も「おお~」と驚いていた。

 中には「凄い手品」とか言う輩も居た様だが……



魁「バリキオンは戦えるのか?」



バリキオン「ブルルル」



魁「お前……また、逃げるとか言うなよ」



 ジト目でバリキオンを見る魁だが、バリキオンは流し目で明後日の方向を見ていた。

 ―――コイツ、またヤル気だな……

 魁は直感でそう思ったのだった。



学園長「さて、次は分担じゃが……東西南北の4チームに地上班を合わせて5チームじゃな」



タカミチ「僕と茶々丸君とセリア君、愛衣君に高音君、そして刹那君は地上に残ります」



学園長「残りの魔法先生・生徒達も掻き集めよう」



 タカミチの言葉に書記係のあきらがホワイトボードに書いていく。



 【地上】 タカミチ・茶々丸・セリア・愛衣・高音・刹那



ネギ「これで地上班は決定ですね」



刹那「はい……そうですね……」



 ホワイトボードに書かれた自分の名前を見て声が落ち込み気味の刹那。

 その内心では斬魄刀が未だに扱えない事に焦っていた。



刹那(私が斬魄刀さえ使いこなせれば―――)



 キリッと悔しさで歯軋りする刹那。

 流石にゴムの様に変な刀よりはマシな普通の日本刀になったが、

 剣心や鶴子からして見ればまだまだだと言う。

 学園に帰ってからもエヴァの別荘を借りて鶴子から言われた特訓メニューをこなしていた。

 腕立て・腹筋・マラソン・丸太を持って40ヤード走・地雷原をほふく前進・水責め・火炙り・紐無しバンジーetc……

 ……………鶴子さん、何やらしてるんディスカ……………



刹那(どうする……………こうなったら―――)



 意を決した刹那が向かった先に居たのは……



刹那「アルさん!! 私を鍛えて下さい!!」



 その言葉に一同の論議の声が止まった。



アル「はて……どういう事ですか?」



刹那「私はまだまだ力不足です。 ネギ先生達を短期間で鍛えたアルさんなら―――」



 そう言って頭を下げる刹那。

 一方、アルは面白そうな目で斬魄刀を見て……



アル(ふむ……これはこれで面白そうな事になりそうですね)



 等と内心でニヤニヤしていた。

 その様子を見ていたエヴァが、



エヴァ「お、おい、刹那!! それだけは止めとけ!! あの顔は何か企んでいる顔だ!!」



アル「企んでいるとは心外ですねぇ~ 私はいつ何時でも真面目ですよ」



エヴァ「お前が真面目なキャラか!! ゴルァ!!」



アル「ふっ……歳を無駄に取ると人を信じなくなるのは本当なんですね」



 思い耽った顔で明後日の方を見るアル。



エヴァ「貴様~!! 余程、私を怒らせたいらしいな……」



 ――ゴゴゴゴゴ……



 物凄いオーラでアルを睨むエヴァに周りは少々どころか3mは離れている。



アル「いや~ これだから嫉妬深い人は……」



 そう言いながら刹那の肩に手を置くアル。



アル「―――では、私達は秘密の特訓があるので……」



エヴァ「ちょ、ちょっと待……」



 エヴァの静止する声を無視してアルと刹那の姿が消えたのだった。



アスナ「……………刹那さん、無事に戻ってこれるかな?」



ネギ「あははは……」



 アルの地獄の特訓をした2人は苦笑いしかできなかったのだった。



風香「ま、まぁ……兎に角、次は東西南北のチームを分けようよ……」



 アルが消えた事に驚きながらもパーティ分けを進める風香。



史伽「条件としては魔化魍が出る事を予想してヒビキさん達、鬼の人達はバラバラにした方が良いよね?」



 史伽の確認の言葉に頷くヒビキ達。

 その時、不意に風香が漏らした。



風香「ところでヒビキさん。 『アームドセイバー』はもってるの?」



ヒビキ・イブキ・トドロキ・ザンキ「「「「あ……………」」」」



 風香の言葉にヒビキ達が固まった。

 どうやら今の今まで忘れていた様である。



ヒビキ「あれ? アームドセイバーどうした?」



 キョロキョロと探す振りをしながらイブキ達に聞くヒビキ。

 そのヒビキの言葉に答えたのは呆れているあきらである。



あきら「ヒビキさん……アームドセイバーはみどりさんが調整中だと言ってたじゃないですか」



ヒビキ「あ、そうだった……」



 あきらの言葉で思い出すヒビキ。

 少しばかりメンテナンスする為にみどりに預けっぱなしだったのだ。 <時空を超えた友情 第14話参照>



ヒビキ「まいったなぁ、アレがあれば少しは戦力になるのに……」



 少しどころか大幅アップですってと言いたげの風香。

 だが肝心のブツが異世界となると取りに行く事は出来ない。

 ただ2つの方法を抜かして……



ヒカル「それじゃあ、バリキオンで取りに行けばいいじゃないか」



 そのヒカルの言葉に一同の視線がバリキオンに向いた。

 一方、向けられたバリキオンはアスナに頭を撫でられ上機嫌だった。



魁「―――という訳で行ってくれるか?」



 そんなバリキオンにムカつきながらも刺激しない様に言う魁。

 だが、説得する間も無く……



 ――カプリ



 「俺の至福を邪魔するな」と言いたげに魁に噛み付くバリキオン。

 この時点で魁の怒りの沸点に到達し……



 ――プチン



 『何か』がキレる音がした。



魁「表に出ろぉぉぉぉぉ!! この馬鹿馬ぁぁぁぁぁ!!」



バリキオン「ブルルルルル!! ヒヒーン!!」



 魁の挑発にバリキオンが雄叫びを上げる。

 そのままドアから勢い良く出て行く1人と1頭。

 その様子を唖然として固まる一同。

 しばらくすると……













 ――ちゅどぉぉぉぉぉん!!



 ――どっかぁぁぁぁぁん!!













 窓の外から何やら爆発音が聞えて来た。

 しかし、爆発音を無視して話を進める事に……

 ―――いや、この学園じゃ日常茶飯事だし。 by学園長。

 学園長が認める程の非常識な学園なのだ。



ヒカル「バリキオンが使えないとなるとトラベリオンしか無いな」



 バリキオンと同等の能力を持つ機体の名は『トラベリオン・エクスプレス』

 だが、問題が1つあった。

 その肝心のトラベリオンは現在、『ネギま』の世界の外の『時空の壁』に阻まれて来れないのだ。

 ヒカル達は『時空の壁』にギリギリ通れる穴から通って来ていた。

 また帰りも同じように穴を通ればいいのだが、穴の大きさは微妙過ぎて通れるか分からない。

 来る時は落ちた為に多少小さくとも通れたのだ。



ヒカル「煙のスモーキーだけなら通過できるが……………ん?」



 考えながら見渡すヒカルの視線がある人物で止まった。

 その人物の名は……



エヴァ「な、何だ?」



 エヴァだった。



ヒカル「君のその魔力……もしかして、君は吸血鬼――バンパイヤ――?」



一同『え……………?』



 ヒカルの言葉に雄介達―――第3部からのメンバーが素っ頓狂な声を上げた。

 そのな彼らを尻目にエヴァが「そうだ」と淡々と答えた。



ヒカル「そうか!! それなら彼女に行ってもらおう。 吸血鬼なら蝙蝠に変身できる筈だし」



エヴァ「た、確かに変身はできるが……あれはチョットな……」



 流石に蝙蝠には変身出来る事が少しコンプレックスになっている様だった。

 だが、それでもヒカルは引かなかった。



ヒカル「今は君のその不死身に近い身体と能力が必要なんだ!! 強力してくれ!!」



 真っ直ぐな眼で見られ、真剣な言葉で口説かれるエヴァ。

 その顔はトマトの様に赤く、正に年相応の少女だった。



エヴァ「わ、分かった。 私が行ってやる」



 プイと真っ赤な顔を見られたくないのか、別方向を見ながら承諾するエヴァ。

 本人がOKすれば話は早かった―――かの様に見えたが……



タカミチ「そうだ。 『登校地獄』の方はどうするんだ?」



 タカミチの言葉で一気に上がったテンションが下がった。

 そう……彼女には切っても切れない『呪い』があるのだ。

 修学旅行の際は5秒に1回で書類に判子を押す事で精霊を騙せた。

 何より、それは学業の一環だったから問題は無かった。

 そして、前回は3秒に1回で書類に血判を押す事で精霊を騙した。

 だが、後遺症として学園長は貧血を起こし倒れた。

 その為に時間が限られてくる。

 如何したものか……と考えていると、



 ――バンッ!!



ガンドルフィーニ「我々に任せてもらおう!!」



 勢い良く開いたドアから入って来たのは魔法先生の方々だった。

 入って来たのはガンドルフィーニを始め、教授、弐集院、瀬流彦と数名居た。

 しかも心無しか全員が男性である。



教授「学園長。 大体の話は聞かせてもらいました」



学園長「う、うむ……何か良い案はあるかのぅ……」



教授「方法はあります。 私達が『学園長代理』になれは良いんです」



 髭を擦っていた学園長の手が止まった。

 顔には「その手があったか」と驚きの表情です。

 更に教授の話は続いた。



教授「一応『代理』という事で書類の効果は少し薄れますが、1秒に1回のペースで血判を押せば大丈夫でしょう」



弐集院「この人数なら余裕で12時間は持たせられるよ」



ガンドルフィーニ「『闇の福音』の呪いを解く等と危険な事はしたくありませんが、状況が状況ですからな」



瀬流彦「刀子さんやシャークティさん等の女性の方々は生徒達の非難誘導の方に回ってます」



 他の魔法先生達もヤル気を出している。



学園長「君達……いいのかね?」



教授「我々は恥かしながらも彼らの様に戦力になりません」



 そう言ってネギ達を見る教授。



教授「だから……せめて裏方で彼らを支えたいんです」



 胸を張って言う教授。

 その後ろでは同じように魔法先生達が頷いた。



学園長「皆……すまないのぅ。 力を借りるぞ」



教授「そうと決まれば書類の準備を―――」



しずな「その必要はありません」



 そう言って入って来たのはしずな。

 しずなと後ろの数名の生徒達が持っているのは紙の束だった。

 その数、裕に5000枚はあった。



しずな「印刷部の方達が印刷機を止めずに回してくれています。 他の人達も先生達と同じなんですよ」



 そう言いながら書類を用意していくしずな。



教授「我々の方は準備完了だ!! 行って来い!!」



 そう言って自分の親指を軽く切って血判を押し始める。

 すると自身の魔力が上がってるのを感じてるエヴァ。



エヴァ「うむ。 試みは成功の様だ」



 自分の手をグーパーグーパーと感触を確かめるエヴァ。

 魔力に申し分は無かった。

 これなら異世界に行っても大丈夫だろう。



ヒカル「それじゃ行くぞ」



 そう言ってグリップフォンを取り出すヒカル。

 そしてマジチケットをグリップフォンで改札すると、

 学園長室のドアが開き、その先には歪んだ空間みたいなのが見える。



ヒカル「あの先にある壁の穴を潜ればトラベリオンがある」



 ヒカルの説明に黙って頷くエヴァ。



ヒカル「トラベリオンの運転は……スモーキー、君に任せた」



スモーキー「だ、旦那!!」



 仲間外れにされると思ったのか顔を出して抗議するスモーキー。



ヒカル「僕の他にトラベリオンの運転が出来るのは君だけだ。 彼女を守ってやってくれ」



 真剣な眼で見られるスモーキー。

 不意に笑みを零し、



スモーキー「分かったニャ。 オイラが責任持って彼女を連れて行くニャ」



 そう言ってエヴァの手に渡るマジランプ。

 ―――とその時、奥でヒビキ達と何かしていた超が、



超「エヴァ、コレも持っていくネ」



エヴァ「コレは?」



 渡されたのは小型デジタルビデオだった。



超「ヒビキさん達から『たちばな』の皆さんへのビデオレターネ。 そう簡単に渡して貰えないでしょ?」



 「なるほど」と納得したエヴァが大事にビデオを仕舞った。

 これが無いと唯の不審者と間違われるだろう。



ヒビキ「あ、それと何十枚かディスクアニマルを持って来てくれ」



 追加注文するヒビキ。

 彼の話だと、ただアームドセイバーがあってもアームド響鬼には変身できない。

 変身する為の相当量のディスクアニマル達が必要なのだ。

 その話を聞いて了解するエヴァ。



エヴァ「じゃ……行ってくるが……………坊やだけは向こうを見ててくれないか? (//// ////)」



 頬を真っ赤に染めるエヴァ。

 一方、ネギは『?マーク』を浮かべて何でなのか分からなかった。

 ライダー達の中には気付かない連中が多かったが、自称・恋する乙女は気付いた。

 エヴァの放つ『ラブ臭』に!!



アスナ「ほら。 アンタはあっち向いてなさい」



ネギ「な、何でですか~!?」



 訳も分からずエヴァとは反対方向を向かされるネギ。



アスナ(確かに意識する相手に蝙蝠になる姿は見せたくないわよね……)



 ―――と心の中でエヴァと同感するアスナだった。

 一方、エヴァは簡単な呪文を唱えると姿を蝙蝠へと変えた。

 ちなみにビデオはマジランプの中に収納している。(出来るか知らないけど……)



エヴァ「では。 行ってくるぞ」



 そう言ったエヴァ蝙蝠が元気良くドアから出て行った。

 そのままドアが閉まり、試しにトドロキがドアを開けたが、そこは普通の廊下だった。

 魔法って凄いと一同が思った瞬間だった。













 話はかなり脱線したが、東西南北のパーティ分けが始まった。

 まずは「北に行く」と宣言したネギ。

 その後にアスナが「それなら私も北に行く」と言った。

 他の皆もネギとアスナは一緒にした方が得策と判断し了承した。



ヒカル「―――となると、自動的にバリキオンも北になるな……」



 バリキオンの性格を考えたヒカルが漏らした。



トドロキ「あの馬鹿馬が他のルートを選ばないでしょうしね」



 窓の外で戦っている1人と1頭を見ながらトドロキが呟いた。



ヒカル「そうなれば魁も北に行く事になるな……」



 ヒカルの言葉通りにあきらがホワイトボードに書いていく。



ヒビキ「だけどさ、コレって危ない組み合わせじゃないか?」



 ジッとホワイトボードの字を見ていたヒビキが口にした。

 現在、外で起こっている惨劇を考えれば、その答えが出てくるのは必須だった。

 ―――となれば誰か制止役が必要である。

 このメンバーで1番統率力があるのは……



ヒビキ「―――という事でザンキさんを北に行ってもらいたいんですが……」



ザンキ「……分かった。 俺が抑えになろう」



 ―――と言う訳でザンキも北チームに組み込まれる。



風香「このメンバーだと、残るは遠距離を1人入れたらどうかな?」



 風香の言う遠距離―――それは銃タイプの事である。



史伽「残る銃タイプは……G3-X・ギャレン・カリス・威吹鬼ですね」



 ホワイトボートに書かれている戦士をみながら答える史伽。

 ちなみにマジシャインはマジランプが無い為に武器は剣だけである。



イブキ「僕は既にザンキさんが入っているので駄目ですね」



ヒカル「戦力を分けるなら僕も魁とは別のチームの方が良いだろう」



 そう言って辞退するイブキとヒカル。



翔一「残るは氷川さんと橘さんと相川さんですね」



風香「なら、残りの1人はカリスに決定だね」



 そう言って風香が北チームの欄に『カリス』と記入した。



橘「理由は何なんだ?」



風香「1番、問題事を起こさないからだよ」



橘「……………」



 風香に質問した橘だが何処か納得する部分があったのか、納得してくれた。

 ―――と言う訳で北チームは以下の通りに決定した。



 【北チーム】 ネギ・アスナ・魁・バリキオン・斬鬼・カリス



風香「次は他の所だね」



史伽「主役級の人達は力があるからバレけた方がいいですね」



 そう言いながらアギトを東チーム、ブレイドを西チーム、クウガを南チームに入れた。



ヒビキ「あれ? 俺は?」



 一応、自分も主役だと自覚しているヒビキが自分を指して双子に尋ねるが、

 「アームドセイバーが無ければ意味が無い」と突っ返された。

 確かにアキドもクウガもブレイドも2段変身が出来るが、今のヒビキには出来なかった。

 そう説明されると渋々下がるザンキ。

 ―――とその時、真名が手を上げた。



真名「私は南に行った方が良いだろう」



 その言葉に一同が「何で?」と疑問に思うが、双子と雄介には直ぐ分かった。

 ペガサスフォーム用の拳銃だった。

 別に他のライダーの銃――例えばG3-Xの『GM-01 スコーピオン』やギャレンの『ギャレンラウザー』――でも代用できる。

 しかし、それでは他のライダーが戦えない可能性が高かった。

 そこで『麻帆良の歩く武器庫』こと真名が立ち上がったのだ。

 彼女の所持している銃は多い為に1丁位は雄介にも貸せられる。



あきら「分かりました」



 真名の説明に納得したあきらがホワイトボードに書いていく。

 これで残るは響鬼・威吹鬼・轟鬼・ギャレン・レンゲル・ギルス・G3-X・マジシャインの8人だ。



ネギ「あれ? これじゃあ1チームは1人足りなくなるのでは?」



 ボードの表と字を見ていたネギが言った。



風香「大丈夫。 響鬼さんの入る所は2人分も主役級が入るんだから1人少なくするの」



 その説明を受けて納得するネギ。

 ―――そして、数分後……

 協議の結果、最終パーティ分けは以下の通りになった。









 注:◎はそのチームのリーダーです。



 【地上班】 ◎タカミチ・茶々丸・セリア・愛衣・高音・(刹那)



 【北チーム】 ◎ネギ・アスナ・魁・バリキオン・斬鬼・カリス



 【東チーム】 ◎アギト・轟鬼・ギャレン・マジシャイン



 【西チーム】 ◎ブレイド・響鬼・G3-X



 【南チーム】 ◎クウガ・真名・威吹鬼・レンゲル・ギルス



 【アームドセイバー回収チーム】 ◎エヴァ・スモーキー









 後は門の入り口の場所等の打ち合わせを終えて、最後に気合をいれる為に円陣を組む戦士達。

 音頭を取るのは―――ネギだった。



ネギ「僕達は絶対に負ける訳にはいきません……」



 そう言って周りを見渡すネギに頷く一同。



雄介「大丈夫。 俺達は仮面ライダーなんだから」



 そう言ってサムズアップする雄介。



魁「それだったら、俺達だって無限の勇気が武器の魔法使いだぜ」



 「な」と同意を得る様にネギの肩を叩く魁。

 そんな魁にネギは頷いた。



ネギ「それでは皆さん……行きますよ……」



 気合を入れる為に軽く深呼吸するネギ。













ネギ「僕達は強い!!」



一同『うおぉぉぉぉぉ!!』



ネギ「湘○~!!」



一同『ファイオッ!! ファイオッ!! うぉぉぉぉぉ!!』













 気合満タンの戦士達がドアから飛び出していく。

 残ったのは数千枚の書類と戦う学園長+学園長代理達と……



しずな「…………………………何か違う様な気が……………」



 最後の最後で不安を感じるしずなだった。













-麻帆良学園 郊外



 一方、学園から離れた郊外では、結界により森が割られていた。

 その結界の内側に微かな人影が2つあった。

 1人はオレンジ頭に大きな刀を背負った高校生風の青年。

 もう1人は白髪―――と言うよりも銀髪で長い刀を背負った少年だった。

 2人とも同じ黒い着物の様な物を着ていた。

 如何にも怪しい2人組だった。



青年「ふぅ~ ギリギリセーフだったな」



 オレンジ頭の青年が汗を拭いながら少年に話しかける。



少年「まさか、これ程の結界とはな…… ちっ、松本達を外に置いて来たじゃないか」



 何やら舌打ちをする少年。

 その表情は如何にもヤバそうな感じだった。



少年「お前がモタモタした所為で俺達2人しか入り込めなかっただろ!!」



青年「し、仕方ないだろ!! 夏梨達を誤魔化すのに時間喰ったんだよ!!」



少年「その前に俺達の言う事を信じて無かっただろうが!! この石頭!!」



青年「何だと、このチビ!!」



少年「だ、誰がウルトラスーパーミラクルミジンコ豆だとぉぉぉぉぉ!!」



青年「誰も其処まで言ってないだろ!! 耳がおかしいんじゃないのか!?」



 ギャーギャーワーワーと痴話喧嘩を始める2人。

 終いにはお互いに背負っている刀に手を伸ばそうとした時だった―――



???「其処までにするでござるよ。 日番谷殿、黒崎殿」



 その声が聞こえると2人の動きがピタリと止み、声のした方向を見ると、

 其処には赤い髪に緋色の着物を着て腰に日本刀を差している青年と後ろに黒髪の少年が立っていた。



青年「緋村さん……それに……小太郎?」



小太郎「おう。 久しぶりだな、一護」



 黒崎と呼ばれた青年―――黒崎一護が赤髪の青年と黒髪の少年の名を口にした。

 この赤髪の青年こそ、先日、刹那が修行をして貰った師匠―――緋村剣心だった。

 そして、もう1人の少年―――犬上小太郎は剣心の一番弟子の少年だった。



少年「緋村こそ、何でこんな所に?」



 剣心に日番谷と呼ばれた少年―――日番谷冬獅朗が聞いてくる。



剣心「お主達と同じでござるよ……」



 そう言って剣心の見詰める先にあるのは麻帆良学園だった。

 黒崎一護と日番谷冬獅朗は死神と死神代行である。

 そんな彼らが何故にこの麻帆良の地に居るかと言うと……

 事の発端は2週間前の魔化魍騒ぎからだった。

 霊界こと『尸魂界』の中でも死神達が住む『瀞霊廷』の『護廷十三隊』では麻帆良学園で起こっている事を全て監視していた。

 当時は『虚』の仕業じゃないとの事で魔法使い達や響鬼達に任せたのだが、不可解な事に殺された人々の魂が行方不明になったのだ。

 別に『虚』とかになった訳でも無かったし、良くある事だろうと見逃していた。

 しかし、今回の騒ぎの報告を受けた総隊長『山本元柳斎重國』は直ちに護廷十三隊の動ける隊長格に現世に行かせたのだ。

 その報告とは『世界樹の増大な魔力にて関東方面全体の『虚』が麻帆良学園に向かっている』という内容だった。

 過去数十年の間、そんな事は無かった筈だと知っている総隊長は企みを予測したのだった。

 その際に戦力になる筈の死神代行の一護も連れて行けとの話になり……現在に到った。



剣心「やはり『尸魂界』も今回の事件を重要視していたでござるか」



 実は剣心も刹那が学園に帰ってから、気が気でなく留守の京都と道場を青山姉妹に頼み、

 無理矢理付いてきた小太郎と共に結界が張られるギリギリで潜り込んだのだった。



剣心「ところで……他の方々は?」



 キョロキョロと見渡すが見えるのは木々だけだった。



日番谷「他の連中は外だ。 今頃、この馬鹿でかい結界の魔力に惹かれた虚達と戦っているだろうさ」



小太郎「あーあ、俺もそっち側の方が良かったな~」



 頭で組みながら言う小太郎。

 彼は根からの戦闘狂――バトルマニア――で手に負えなくなった詠春が剣心の元に預けたのだった。

 当初は嫌がった小太郎も鶴子の『説得』と言う名の『脅し』により弟子入りしたのだった。

 後に彼は「師匠が姐さん(鶴子)じゃなくて剣心で良かった……」と涙しながら語ったと言う……



剣心「油断はいけないでござる。 外の虚達は雑魚でござろう」



小太郎「―――って事は、中の方が強い奴と戦えるのか!?」



 目をキラキラと輝かせた小太郎。

 その小太郎の言葉に剣心は頷いた。



剣心(恐らく……拙者達でも太刀打ちできない程の敵が居る……)



 それは決して言葉にしなかった。

 余計な事を言って士気を下げたくなかったのだ。

 ―――と言っても日番谷は気付いているだろうと思った剣心が日番谷を見ると、

 彼はボーっと学園のある方を見ていた。



一護「どうしたんだ?」



 一護も様子がおかしい事に気付いたのか日番谷に問いかける。



日番谷「……これから行く所の名前……何て言ったけ?」



 一護の方も見ず日番谷が静かに問いかけた。

 すっ呆けた事を言う日番谷に『?マーク』を浮かべる一護。

 代わり答えたのは剣心だった。



剣心「『麻帆良学園』でござるよ」



日番谷「マホラか……………」



 その答えを来て黄昏れる日番谷。



一護「来た事があるのか?」



日番谷「知り合いが居る。 小太郎を見て思い出しちまった」



 それを聞いた小太郎が「オレ?」と自分を指差す。



一護「誰なんだよ? まさか……恋人か?」



 ニヤニヤしながら言う一護に日番谷は「違う」と答え……













日番谷「出来損ないの馬鹿弟子だ」













-麻帆良学園 廊下



しずな「生徒の皆さんは急いで総合スタジアムに集まって下さい~!!」



 しずな達、魔法先生達が先導して総合スタジアムに一般人達を非難させている。

 麻帆良学園を出れない以上、1箇所に集めて守った方が効率が良いと判断し、

 サッカーやアメフトといったスポーツが室内で出来る総合スタジアムに集める事にした。

 (実際にあるかどうか分かりませんが、ある事にしていて下さい……)

 その非難する生徒達の中には3-Aの生徒達も混ざっていた。



まき絵「いよいよ、始まるんだね……」



 まき絵が不安そうに空の結界を見た。



亜子「ねぇ、トドロキさん達大丈夫かな~?」



裕奈「大丈夫だよ!! だって、仮面ライダーなんだし!!」



 亜子の心配する声に裕奈が自信満々に答え、アキラも頷いた。



風香「そうだよ!! 響鬼に始まり、クウガ、アギト、ブレイドも居るんだし!!」



史伽「それにマジレンジャーも居るんですよ~」



 戦士達に貰ったサイン色紙を大切に抱きながら答える鳴滝姉妹。

 その後ろではこのかが手を組み、祈っていた。



このか(せっちゃん、ネギ君、アスナ、みんな頑張ってな……)



 真剣に祈るこのか。

 今回の敵が今までの敵とは違う事に彼女の心配は収まらなかった。

 下手すれば死ぬ可能性も少なくなかった。

 1人でも居なくならない様に誠心誠意に祈る。

 それしか彼女には出来なかった。

 ―――とその時、このかの肩に誰かの手が置かれた。



あやか「ちょっと、ネギ先生とアスナさん、桜咲さんに龍宮さんやエヴァさんに茶々丸さんの姿まで見えませんが……貴女達、何かご存知ありませんか?」



 突然にその様な事を言うあやか。

 何時もの式紙の効果が何時の間にか無くなっていたのだ。



このか「し、知らんよ~ な~みんな~」



 しらばっくれるこのかの言葉に頷く裕奈達。

 そんな彼女達をジッと見詰めるあやか。

 その様子に他の3-Aの生徒達も視線を向け始めた。



あやか「このかさん。 今回の一件、学園長先生から何か知らされていませんか?」



このか「だ、がから、ウチは何も知らないよ~」



 その言葉に更に目を細めて睨むあやか。

 「そうですか」と目を逸らすと、このかが安易の溜め息を吐いた。

 ―――が、次の瞬間……



あやか「では、この画像はどう説明してくれるんですの? 千雨さん」



 そう言って千雨が一同に見せる様にノートパソコンの画面を開いた。

 写っていたのは戦っている仮面ライダー達と一緒に居るネギ達の写真だった。

 そんな写真が1枚だけでなく、数十枚もあった。



このか「こんな写真を何処で……」



 突き付けられた証拠に動揺の顔を見せるこのか。



千雨「私の友人が取った写真だ。 不思議にネットには上がってないがな」



 その秘密は超と葉伽瀬が裏で手を回してネットでの情報の漏洩を防いでいる。

 だが、今回の襲撃は大きく派手だった為に偶然に証拠が残ってしまったのだろう。

 それを彼女が手に入れたのだ。



あやか「さぁ……知っている事を全て吐いてもらいますわよ……」



 黒いオーラを排出しながら3-Aの生徒達がこのか達を問い詰めようと追い詰める。

 仕方ないと覚悟したこのか達は全てを語りだした。

 その集団の後ろでは「あらあら」と笑顔で聞いていた千鶴が呆けている様子のさよに気付いた。



千鶴「相坂さん? どうかしたの?」



さよ「いえ……少し懐かしい気を感じたので……」



千鶴「あらあら。 相坂さんの彼氏?」



さよ「い、いいいいえ!! 違います!!」



 笑顔でからかう千鶴の言葉に真っ赤な顔で否定するさよ。



千鶴「じゃ、誰?」













さよ「私には勿体無い立派な師匠さんです」













 こうして、運命の曲は最終楽章に入るのであった。









 続く。

時空を超えた友情 / 時空を超えた友情 最終章 第43話 西の戦い

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