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第8話 学園の秘密 投稿者:TWIN,S 投稿日:04/08-04:03 No.53

行方が分からないのどかを探しに行こうとしたネギ一行であったが、始が負傷している古菲を連れてきた為、捜索を楓と真名に任せ戻る事にした。

負傷した古菲は始が呼んで来てくれた橘が治療を行ってくれた、医学研究を行っているだけあってか彼は手際良く治療を行った。

幸いな事に命に別状は無く、治療が済む頃には静かな寝息を立てていた、しかし戻ってきた楓と真名からのどかを見つけたと言う報告は聞くことは出来なかった。

そして、夜が明けた…。



夜が明けたが太陽がまだ上り切ってない状態の空の下、世界樹の麓に始は一人佇んでいた。

世界樹を見上げていた始はやがて世界樹の周りを歩き出し注意深く辺りを見回した。

やがて巨大な世界樹を一周し元の位置に戻ってきた始は一言呟いた。



「……おかしい、此処に確かにあったはずだ…。」





ネギま!剣(ブレイド) 第8話 学園の秘密





エヴァに連れられて学園長室にやってきた烏丸達はアンデッドに関する一件を学園長に報告した。



「うむ、まさかこの学園が…宜しい君達の学園の滞在を認めよう。 住む所に関しては夕方までには手配する。」

「相川君と橘君じゃったか、話は木乃香から聞いておる生徒を救ってくれてありがとう。」

「いや、俺は帰る途中に偶々傷ついた彼女が近づいてくるのを寮に運んだだけだ。」

「医者ではないが医学の知識は持っているのでな……それにアンデッドの犠牲になる人をもう見たくは無いんだ…。」



橘を見て学園長は彼がアンデッドの関わりで哀しい過去があるのを理解した、そして彼に本題を打ち明けた。



「なるほど、そこでだ橘君。 君に少しの間、保健室の先生をやってもらいたいのじゃ。」

「え!?」



突然の誘いに素っ頓狂な声を出した橘だが学園長は話続けた。



「実はな、保健室の先生を務めているしずな先生を海外出張に出さねばならなくなってな。」

「代わりに勤めてくれる先生を探しておったんじゃが、そこで君が来てくれてな。」

「だが、俺は養護教諭の資格は持ってないぞ。」

「イヤイヤ、構わん聞いた所によると化け物共と戦えるのは今の所、君以外居ないそうじゃな。」

「ならば、生徒達の傍に居て貰った方がワシ等しても助かるんじゃ、もちろん緊急時には何時でも学校を抜け出して構わん。」

「は・はぁ…。」



余りにも突拍子かつ強引な話に声が出せない橘であったがその後も学園長の勧誘は続き、結局橘は学園長の依頼を受ける事になった。

橘の手続きを済ませ、エヴァは次の場所へ案内する為、部屋を出ようとした始が学園長の前に立った。



「一つ聞きたい事があるんですが」

「ふむ、構わんが何の事じゃ?」

「世界樹の下にあった石碑は何処に…。」



石碑と言う言葉を聞いて学園長の表情は変わった。



「…君はそれを何処で知った?」

「俺はアンデッドだ知らない訳が無い。」

「ほぅ…あの木の下には石碑が有ったのか、私もそんなこと知らなかったぞ。」



この学園に留まって15年間警備員を勤め学園中を見てきたエヴァが物珍しそうに答える。



「知らなくて当たり前じゃ、破滅の石碑についてはこの学園内で最重要機密だったものじゃ。」

「破滅…最重要機密…何の事だ?」



エヴァの質問に対して悩む学園長であったが語ることにした。



「あれは、ワシが子供の時、曽祖父が見せてくれた…。」

「何でも、学園を造っている時に世界樹の下で発見したらしいが、余りにも強大な魔力を放っておったそうじゃ。」

「曽祖父達はすぐに解読と研究を始めたが突然研究は中止、石碑自体も封印する事を決定した。」

「それから時が経ち、曽祖父は子供の時よりこの学園の長となる事を約束されていたワシに石碑を見せてくれた。」

「そして、【この学園の長たる者はこの石碑を何が何でも守り通さねばならぬ、もしこの封印破れし時、世界は破滅するだろう】、と語った。」

「…禍々しい石碑じゃった、それを見ていた曽祖父の顔は子供ながら恐怖を感じているのがわかった…。」

「そんな物騒な物まであるとはな…それで、その石碑を何処にやったんだ?」



学園長は深くため息をつくと石碑の行方について話す。



「本来は図書館島の奥深くに封印しとったのじゃが…。」

「ワシが石碑を見せてもらったから数年後、突如封印されてた部屋が謎の大倒壊を起こし、石碑は地底深くに落ちてしまったそうじゃ…。」

「それ以来、その石碑を見た者はいない…。」

「だから、【だった】なのか…して、相川始、お前はその石碑について何を知っているのだ?」

「俺も学園長が言っていた事位しか知らない、もしかしたらアンデッドの封印を解いた者は石碑に関係あるかと思って聞いてみたんだ。」

「なるほど、しかし何の進展も無しか…まあ良い、それより次に向うとしよう。」



学園長室を後にし、次なる場所に移動していた一行であったが始の携帯が鳴る。

電話に出た始の話によると古菲が目を覚ましたらしい、そこで虎太郎は古菲から話を聞く為に学生寮に、エヴァ達は麻帆良大学工学部へと向った。



エヴァ達は麻帆良大学工学部にあるネギの生徒、超鈴音と葉加瀬聡美がいる研究室にいた。

そこでエヴァは彼女達に今回の一件を話しバックル開発の援助を求め、二人は未知なる技術に触れられるのならばと快く了解した。

初めは紹介された科学者が中学生である事に不信感を持たずにいられない橘達だったが、すぐに二人の才能を垣間見る事になる。



「成るほどネ。 このバックルにカードを入るとエレメント・レディエーションオーヴと呼ばれる物から原子レベルにまで分解したオリハルコン・エレメントを放出してアーマーを形成するアルか!」



超は烏丸が持ってきた、ライダーシステムに関する資料と設計図を一目見ただけで理解し。



「どうやら、バックルがアーマーに搭載されたマイクロコンピューターが完全に同調してないですね、これによりアーマー生成に時間がかかりそうです。」



葉加瀬は残り2つのバックルの調整作業に入った。



「この調子なら旨くいけば明日には完成するかもしれない。」



二人の手際の良さに感化されたのか烏丸も作業に加わり橘と広瀬も続き、更に葉加瀬に呼ばれた茶々丸も加わる。

開発作業を部屋の隅で見ていたエヴァと始であったが見るのも飽きてきたのかエヴァは始に話しかけてきた。



「このまま見続けているのも退屈だろう、少し学園内を歩かんか?」

「いや、しかし…。」



橘達の事を考えたが、その後エヴァの強引な薦めもあり、始は橘達に了解を経て烏丸に話し掛けた後エヴァと共に研究室を後にした。





その頃、虎太郎は天音、明日菜、木乃香、刹那、夕映と共に古菲の部屋にいた、古菲は体中包帯だらけなのが痛々しかったが本人は気にしてない様子である。



「体中こんなに包帯巻いて大げさネ。ワタシならこの通り元気…アタタ…。」

「古菲、そんな無理したらあかんよ。」



もう平気なのをアピールしようと無茶をした古菲を木乃香が抑える。

改めて古菲が無事だったのを確認して安心した虎太郎は本題に入る為古菲に1枚の絵を見せた。



「君が戦った相手はこんな奴かな?」



虎太郎は古菲にカリスの絵を見せた、古菲が昨夜謎の戦士と戦ってやられたと言う話は虎太郎が来る前に明日菜達が聞き出していた。



「違うアル、コイツじゃないアルよ。」

「それじゃあ、コイツかい?」



首を横に振った古菲に今度はレンゲルの絵を見せた、すると古菲は興奮気味のを出しながらレンゲルの絵を指差した。



「そうアル! コイツある!」

「初めは女の子だったアルよ、でも変なベルトを着けた途端にコイツに変わったネ。」

「お・女の子だって!」



レンゲルに変身したのが女の子だった事に面を喰らったがその後、虎太郎は古菲から幾つかの情報を聞き部屋を出た。

聞き出した情報からは、レンゲルに変身したのは女の子だった事、レンゲルは幾つかのカードを所有している事だった。



「そのレンゲルと言う仮面ライダーがカードを持っていると言う事は既に何体かのアンデッドは封印されているという事ですね。」

「そう言う事だね、でもレンゲルに関して重要なのはそれじゃないんだ…。」

「何なのその重要な事て…?」



明日菜の質問に対し虎太郎はレンゲルバックルの説明を始めた。

レンゲルバックルは仮面ライダーに対抗する為にアンデッドの手によって作られたバックルである。

仮面ライダーになると装着者本人よりもカテゴリーAである、スパイダーアンデッドの意思が強く作用する。

しかも、その作用は変身を解いた後も残り装着者はアンデッドの邪悪な心に支配されてしまう危険があった。



「それじゃあ、変身した女の子はそのアンデッドに操られているの?」

「うん、多分そうだと思う、あのカードはそれだけ危険な物なんだ。」



古菲から話を聞いた虎太郎は橘達に報告する為に大学工学部に向い、明日菜達も自分達の部屋へと戻っていった。





自分の部屋に戻ると夕映は身支度を始めた。

古菲の話にものどかが出てこなかったとなると、やはりのどかは図書館島で何らかのトラブルに巻き込まれた可能性が高かったからだ。

夕映は頭に携帯用のサーチライト腰のベルトポーチに必要器具を揃えるとチア3人組が夕映に何か話し掛けて来たが「興味ありませんから」の一言で片付け寮を後にした。



呆然としているチア3人組の前に明日菜達が声を掛けてきた。

理由を聞くと今流行の男の子の写真を見せて感想を聞こうとしたが夕映の一言で一蹴されたらしい。



「夕映にそんな事聞くだけ無駄じゃない。」

「そ・そうかな、夕映にも興味はあると思ったんだけどな…。」

「……夕映に男の人の話し…そう言えば一度だけ聞いた事あるよ。」



木乃香の一言に5人は注目した、恋愛とは関係しなくとも異性に関する話は興味あるようだ。



「どんな話なの、まさかお父さんとかじゃないよね?」

「それはちゃうねん、あれは…そう、3年前の夏休み家に帰とった夕映が両親と一緒に買い物に行ったそうなんよ。」

「ところが、行ったデパートが火事になって一人で本屋に行ってた夕映は取り残されてしもうたんや。」



木乃香の話を聞いていた5人は夕映がそんな体験をしているとは思いもよらなかった。



「夕映自身も、もう駄目やと思うたそうなんやけど、その時や、男の人が夕映の事を助けにきたんや。」

「その男の人は夕映を庇いながら炎の中から夕映を助け出したそうなんや。」

「ふ~ん、それじゃ、その人が夕映にとって白馬に乗った王子様なんだ。」

「それで、その人はどんな人だったの?」

「夕映の話では、その人は夕映を助けた後何処と無く去っていたそうなんや。」



木乃香の話を聞いて感慨に耽る6人であった。





学園の通りを始とエヴァは歩いていた、何故自分を連れ出したか理解出来ない始であったが、エヴァは始に話し掛けてきた。



「相川始よ、貴様は私と同じで不死なる存在であろう、永遠に老いず、死なない存在が彼女達と共に幸せな時を過ごせると思うか?」



始は何故エヴァの言葉の真意が分からなかったが、自分なりの考えを答える事にした。



「……そうだな、しかし彼女が求める限り俺は彼女の許に現われ幸せを守って上げたい。」

「幸せを護る、それが貴様の幸せか? 貴様は幸せになれると思うか。 私と同じ、人外である貴様が。」



エヴァの問い掛けに暫し考え込んでいた始であったがそこに、今の空気に似合わない垢抜けた声が飛び込んできた。



「よう。お二人さん! 良いのかい、それぞれ思い人がいるのにデートなんかしちゃってさ。」

「き・貴様はカモ、何故こんな所に、坊やはどうしたのだ?」



二人で話している所をネギに観られていたのではないかと、あわてるエヴァであったが幸いネギの姿は見られなかった。



「兄貴は朝から学校で会議さ、日曜だってのに大変だぜ。」

「そんな事より、俺っちとしてはあんたが男と歩いている事に驚きだがな。」

「うるさい! 貴様、煮て喰うぞ!」



エヴァとカモのやり取りを見ていて顔が綻ぶ始であったが突如厳しい顔つきに変わる。

それを見たエヴァは始が見ている方向を見るとそこには蜻蛉が飛んでいるだけだった。



「どうしたのだ、蜻蛉を見た途端顔付きを変えて……何故こんな季節に蜻蛉がいるのだ?」



エヴァの疑問に答える間も無く、空から彼女達の前に蜻蛉の祖たるドラゴンフライアンデッドが舞い降りてきた。

始はエヴァの前に立つとドラゴンフライアンデッドを睨み付けた。



「またお前か…。」



しかし、ドラゴンフライアンデッドは答える事無く両刃のダガーで始に向って切りかかった。





図書館島に着いた夕映は正面の入り口からではなく、図書館島探検部しか知らない秘密の抜け穴から内部に潜入していた。

それも、今日は日曜日なので図書館島は閉館していた為だ、夕映は誰も居ない館内を歩き始めた。



「何らかのトラップに巻き込まれたかと思ってましたが、一般の生徒が来る所にトラップがあるとは思えませんし…。」



捜索範囲を広げようと奥へ進もうとする夕映であったが、奥から何者かが近づく音が聞こえた。

夕映はのどかが自力で此処まで戻って来たのかと思い、音が聞こえる方へ近づいた。

しかし、夕映の目の現われたのは2本の剣を持ったクワガタの祖たるスタッグビートルアンデッドであった。





始と夕映がアンデッドに襲われる直前、大学工学部の広瀬のノートパソコンから突如、警告音が鳴り響いた。

広瀬はすぐさまパソコンを開き、搭載されているアンデッドサーチャーを起動させる。

すると、先程入力していた学園内の地図が表示され、アンデッドが出現した位置を表示した。



「大変、アンデッドが2箇所で出現してるわ。」

「そうか、まずは近い位置のアンデッドを封印する。」



橘はグレイブバックルを持ち出すと、表に止めてあった専用バイク、レッドランバスに乗り込んだ。

レッドランバスに乗り出現位置を目指す橘だが目の前に更なるアンデッドが姿を現した、啄木鳥の祖たるペッカーアンデッドである。

ペッカーアンデッドは左手のナイフ状の指で橘を切り裂こうとしたが身を屈めて攻撃を避ける。

橘はレッドランバスから降りると、グレイブバックルにカードを装填する、カードが装填されたバックルからベルトが出てきて橘の腰に巻かれた。

ベルトが腰に巻かれたのを確認すると橘は掛け声と共にバックルのカバーを開いた。



「変身!」

「<OPEN UP>」



バックルより飛び出した光の壁を潜り抜けた橘は仮面ライダーグレイブへと変身し、ペッカーアンデッドに挑んだ。

ネギま!剣 / 第9話 幸せの行方(前編)

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