第13話 蘇る剣 投稿者:TWIN,S 投稿日:04/08-04:14 No.58
麻帆良の森の奥で封印されていた残酷な殺し屋が再び目覚めた。
目覚めの咆哮と共に深夜にも関わらず森の中に居た動物は逃げ惑う。
深夜のエヴァ宅から始は血相を変えて飛び出す。
続けてエヴァが、その後ろに茶々丸が彼女に続いて出てくる。
「は・始、今のは……。」
「……剣崎…。」
エヴァの問いに答える事無く始は深夜の麻帆良の空を見上げていた。
ネギま!剣(ブレイド) 第13話 蘇る剣
翌朝、始は超包子に行く前に研究室に行き烏丸から頼んでいた物を受け取った。
「頼まれていた通りにはしておいたが……君ならば調整しなくともあれを使いこなせるんじゃないか?」
「確かに俺だったら……しかし、これはアイツが使うほうが相応しい。」
「そうか…私は再びチベットへ行く、石碑に付いて何か分かるかもしれないのでな。」
「後の事は、超君達に任せる……凄い子達だ我々の技術をもう自分達の物にしているからね…。」
烏丸は始にもう一つの物を渡し、部屋を出て行こうとすると鳴滝姉妹が大慌てで飛び込んできた。
「「大変だ、です 大変だ、です!!」」
「こ・これ見てよ、これ!」
風香は持ってきた紙をみんなの前に広げる。
学校新聞らしいものを見ると一同は目を見張った。
その新聞には仮面ライダーとアンデッドに関する事が一面に張り出されていた。
ネギ達は報道部に押しかけちょうど部室に居た朝倉和美に声を掛けた。
「何これ? 私こんな記事書いた覚えないよ。」
「確かにこの面の記事の担当は私だけど、私まだ記事提出してないし…。」
朝倉は他の部員に記事の事を尋ねるたが部員の一人が昨日、朝倉自身が記事を提出した事を確認していた。
「そんな馬鹿な! 私こんな記事書いてないし、こんな写メールで取った写真を記事で使わないわよ!」
「どういう事だ…しかし、この新聞が明日発行の物だったのが幸いだったな……。」
「……ところで、何で鳴滝姉妹が明日発行の新聞を持ってた訳…?」
「ギクッ!!」
鳴滝姉妹に問い詰めたところ、2人は次回の麻帆良新聞に自分達と始が恋人同士だというガセネタを載せ様とした所この記事を目撃し勝手にプリントアウトして持ち出したのだ。
「……だって、近頃は情報戦だって言うし…。」
その後、ネギ達は記事の差し押さえと鳴滝姉妹の説教をして報道部を後にした。
残った、和美は鳴滝姉妹が持っていた記事を見ながら呟いた。
「まさか本当に仮面ライダーとアンデッドが実在するなんて…ネギ先生達があれ程、ひた隠しにする位だから…。」
「それと後ろに居たあの人は白井虎太郎……これは、すごい特ダネかも。」
その頃、森の奥の建物では…。
「(既に半数以上のアンデッドが封印されましたか……しかも、ジョーカーが完全に復活したとなると迂闊にアンデッドを送り出す訳にはいきませんね・・・。)」
「(正体がばれる恐れが有るので余り使いたくは無かったのですが……頼みますよ…。)」
何者かが悟ったように佇むと、何者かの影より異形の集団が姿を現し始めた。
そして、異形の集団が部屋を出ると部屋の隅に居た影が何者かに近づく。
「(あなたはやはり新たなジョーカーに拘りますか…余程4年前の事が屈辱なのですね…。)」
「(良いでしょう、完全な本能に取り込まれる前ならば封印も容易いでしょうから…。)」
研究室に突然鳴り響くアンデッドサーチャーの警告音を聞き取り、広瀬はモニターを見る。
同時に全員の携帯に連絡を入れると、運が良いのか全員一斉に連絡が取れた。
「アンデッド確認、数は……嘘、10体!?」
「まさか、この前みたいに上級アンデッドが団体で現れたんじゃ…?」
「…まって、アンデッドサーチャーにカテゴリーが出ないの……。」
「そ・そんな…それってまさか…!!」
虎太郎は驚きの声を上げる中、駅前の通学路では10体のアンデッドが逃げ惑う人々に襲い掛かろうとしていた。
幸い見つけたのが早かったのか、多くの生徒が逃れていたがアンデッドの魔の手は刻々と生徒達に迫っていた。
逃げ惑う生徒達の中、運悪く再びアンデッドに遭遇してしまった運動部4人組は気分が悪くなった亜子を担いで逃げていた。
「亜子、しっかりして!」
「もう、あかん。 ウチ置いてはよ逃げて…。」
自分を置いて逃げる事を進める亜子にアキラが声を飛ばす。
「何言ってるのよ、あなた置いて逃げられる訳無いじゃない!」
友を救おうと必死に逃げる4人、だが遂に人間を追いかけていたアンデッドの1体が追いついてしまった。
「も・もう~駄目~~~。」
絶望を感じ目を瞑ったまき絵だったが、彼女の前に人影が割り込んできた。
何時までも何も起こらないのに疑問を感じたまき絵が目を開けると、目の前には一人の青年がアンデッドを取り押さえていた。
「早く逃げろ!!」
青年はまき絵達に逃げる様に言うと彼女達は青年の事を気にしながらもその場から逃げ去った。
青年はアンデッドを投げ飛ばすとアンデッドの一団を睨み付ける。
するとアンデッドの一団は青年の姿を見ると怯えて身を竦ませるが闘争本能を駆り立たせて青年に襲い掛かる。
「うぉおおおお~~~!!」
青年は獣の様な咆哮を上げアンデッドの一団に向っていった。
「こ・これは……。」
騒ぎを聞きつけた夕映が現場へ着くと其処には既に動かなくなっていたアンデッドの一団が横たわっていた。
自分が現場の近くに居た事と回りには橘達の姿が無い事からアンデッド達を倒したのは剣崎かも知れないと言う事を夕映は考えた。
夕映は剣崎の手掛かりは無いかと辺りを見回すと路地裏に向って続く緑色の液体を見つける。
アンデッドの血液の色を知っている夕映はすぐさま足取りを追った、その後ろを誰かが追っている事にも気付かず。
血の跡はやがて林の中へと消えていった、夕映が辺りを見回していると近くに人の気配を感じ。
気配の方向に近づくと其処には一人の青年が息を荒げに横たわった。
「…剣崎さん!」
「来ちゃ駄目だ、夕映ちゃん!!」
剣崎の許に近づこうとする夕映を近付けさせないように手を出す。
剣崎の腕を見て夕映は思わず身を引いた、アンデッドの血に塗れた剣崎の腕は人間とは思えない形になっていた。
「…このままでは、俺は完全に化け物になってしまう……その前に、始にこの学園から立ち去るように伝えてくれ……。」
「始さんがジョーカーの本能を抑えられる手段を見つけました……行きましょう剣崎さん。」
「……駄目だ、前に言ったとおり、俺が始に会ったら……。」
「大丈夫です、その時は皆が剣崎さんの事を止めて見せます……剣崎さんが皆を信じたように、私も剣崎さんがこんな事位じゃ負けないと言う事を信じてます……。」
「……夕映ちゃん…。」
暫く考えた後、剣崎は夕映の腕を取った、そして夕映も血塗られた腕を臆す事無く剣崎の腕を掴む。
すると、草陰から突如音が聞こえ身構える夕映であったが、中から出てきたのは鳴滝姉妹と朝倉、そしてさよであった。
「イタタタ……、ゆえ吉。 怪しいと思ってたら何時の間に男なんて作って……。」
鳴滝姉妹が前を進み、辺りに誰も居ないのを確認するとその後を剣崎を連れた夕映と和美、さよが続く。
夕映の強い懇願に負けた和美は剣崎を連れて行くのを手伝っているが、彼女の探究心が剣崎が何かに関わっている事を理解していた。
すると、先に進んでいた鳴滝姉妹の悲鳴が上がり、それを聞いた剣崎は二人の手を払い身体を引きずる様にして悲鳴が上がった場所へと急ぐ。
夕映達が剣崎に追いつくと剣崎の後ろに震えている鳴滝姉妹の姿が見える。
しかし、剣崎が見ていた先にいた者の姿を見て、夕映達…特に和美は言葉を失くした。
剣崎が見ていた先には…朝倉和美がいたからだ。
「…あ・あああ朝倉さんが二人居ます…!?」
さよが信じられない様な声で二人の朝倉を見る、片方は驚きの余り声が出ないでいる。
するともう片方の朝倉和美が携帯電話を構えながら喋り始めた。
「あ~あ、残念! あの記事が学校中に出回ればもっと面白かったのに……。」
「でも、その分今、楽しませてもらうよジョーカー!!」
次の瞬間、もう一人の朝倉和美の姿はコーカサスオオカブトムシの祖たる、コーカサスビートルアンデッドに姿を変える。
「皆、逃げるんだ!!」
剣崎は皆に逃げるように指示すると、上着からカードを取り出しバックルを出現させる。
「変身!!」
「<CHANGE>」
掛け声と共にカードをベルトのスリットに通すと剣崎の姿はカリスへと変わった。
夕映が剣崎の足取りを追った少し後に現場へ駆けつけた橘達が倒れているアンデッドの一団を見た。
「こいつ等は…剣崎がジョーカーの本能に目覚めたからか…?」
「違う、こいつ等はジョーカーが最後の一体になった時に生物を死滅させる為の最終手段だ。」
「他のアンデッドが健在の時にこいつ等は決して現れない。」
「……こいつ等はアンデッドなのか…見た目は全部同じに見えるが…?」
刹那は自分の胸で木乃香の顔を覆う様にしながら気分を悪そうに倒れているアンデッドを見る。
倒れているアンデッドの一団、ある者は肩から胴体に掛けて切り裂かれ、ある者は胸を貫かれ、ある者は頭を握り潰され。
すると、倒れていたアンデッドの一団は炎に包まれるとやがてその場から消滅する。
明日菜と古菲は慈悲の無い虐殺の光景の跡を見て顔を蒼くしていた。
「ああ、こいつ等は……まさか!」
アンデッドを見た始が何かに気付いた瞬間通信機から連絡が入る。
「アンデッドが出たわ、しかも今度はカテゴリーKよ。」
「そのカテゴリーKとカリス…剣崎君が戦っているみたいなの…。」
カリスはコーカサスビートルアンデッドに向って拳を放つが片手で受け止められてしまう。
そして、掴んだ腕を固められ動けないカリスに裏拳を放つ。
「ぐぁあ!!」
コーカサスビートルアンデッドの強力な拳にカリスは大きく吹き飛ばされる。
吹き飛ばされたカリスはラウザーをアローにセットしてカードを取り出そうとするがコーカサスビートルアンデッドはその隙を逃さない。
「甘いね!!」
コーカサスビートルアンデッドが放った光弾はホルダーに命中しその勢いでホルダーの中のカードが飛び散る。
カードが飛び散った事で一瞬隙を見せたカリスにコーカサスビートルアンデッドは蹴りを放つ。
吹き飛ぶカリスの姿が剣崎の姿に戻るとコーカサスビートルアンデッドは倒れている剣崎を見下すかのように近づく。
「4年前、僕は君からカードを使えなくしたにも関わらず僕は封印された…。」
「僕は君の事を侮っていたよ……だから、今度は念を入れて!!」
言葉と同時にコーカサスビートルアンデッドは剣崎の右腕を勢い良く踏みつけ、次に同じ様に左腕を踏みつけた。
倒れている剣崎を責め立てる凄惨な光景に隠れて見ていた夕映達は思わず目を逸らす。
「ぐぁああああ~~~!!」
「これで君はもう剣を振るう事も出来ないだろう、これでおしまいだ!!」
コーカサスビートルアンデッドは破壊剣オールオーバーを手にすると剣崎に向って振り下ろそうとする。
振り下ろそうとした瞬間、コーカサスビートルアンデッドの顔面に向って魔法の射手が放たれた。
「剣崎!!」
魔法の射手を放った始とネギの後ろからベルトを巻きつけた橘、刹那、真名、楓が駆け出す。
「「「「変身!!」」」」
「<TURN UP>」
「「「<OPEN UP>」」」
変身した4人は不意打ちによろめくコーカサスビートルアンデッドを剣崎から引き離すと。
始、ネギ、エヴァ、木乃香の4人が剣崎の傍に寄る。
「大丈夫か、剣崎!」
「は・始……うぉお~~~!!」
コーカサスビートルアンデッドの執拗な責めに傷だらけの剣崎であったが、ジョーカーの本能が剣崎を更に苦しめる。
「待っていろ剣崎、今ジョーカーの本能から解放してやる。」
始は剣崎の胸元にスペードのAのカードを置くと木乃香が前へ出る。
「始、お前の力ではまだ無理だ、魔法は近衛木乃香が行う。」
「但し、考える限りでは彼女の魔力でも辛いはずだ、そこで私達は彼女に魔力を送り込んでサポートする。」
「…わかった、君が言うならそうしよう。」
エヴァの指示に従い木乃香が剣崎の傍に付くとその後ろに始達が付く。
「坊や、彼女の力を解放しろ!」
「はい…。」
「契約執行180秒間!!(シス・メア・パルス ペル・ケントウム・オクトーギンタ・セクンダース)」
「ネギの従者 近衛木乃香!!(ミニストラ・ネギィ コノエコノカ)」
「今だ!」
エヴァの掛け声と共に木乃香が回復を行うと始達が彼女に魔力を注ぎ彼女をサポートする。
回復魔法の光が何時無く強力な輝きになると剣崎の全身を包み込み。
そして、光が収まると元の人間の腕に戻った剣崎が信じられないような表情で起き上がった。
「……う・腕が…それにジョーカーの本能も…。」
「どうやら成功らしい…良くやった、近衛木乃香。」
疲労でネギに支えられぐったりとしている木乃香はエヴァの顔を見て微笑む。
「…剣崎。」
「……始。」
「……戦えるな?」
「……もちろん!」
始に戦える事を宣言した剣崎に夕映達が飛び散ったカードを持ってやってくる。
「剣崎さん、これを…。」
夕映は剣崎にカードを渡そうとするが始はそれを遮る。
「これは俺が使う、剣崎、お前はコイツを使え。」
始は剣崎にブレイバックルとスペードスーツのカードを渡すと、もう一つ違うバックルを取り出す。
「始、それは…?」
「烏丸に作ってもらった…さあ、夕映ちゃん。」
始は夕映からハートスーツのカード、そして剣崎からカリスのカードを受け取ると剣崎の横に並ぶ。
「行くぞ、剣崎。」
「ああ、始。」
2人は同時にカードをバックルに差し込むと腰に添えてベルトを巻きつける。
そして、掛け声と共にバックルのハンドルを引いた。
「「変身!!」」
「「<TURN UP>」」
バックルの中心の部分が反転し前方に光の壁が出現し、2人は各々のAの絵柄の壁を走り抜ける。
走り抜けた事で剣崎はライダーシステム2号機で変身した姿、仮面ライダーブレイドへ。
そして、始は新たなライダーシステムの力でカリス…否、真の仮面ライダーカリスへと変身した。
ブレイブ、ランス、ラルクの3人が一斉に攻撃しようとするがコーカサスビートルアンデッドの反撃を喰らい吹き飛ばされ。
Jフォームになったギャレンがギャレンラウザーの剣先の部分で斬りかかろうとするが防がれて反撃を受けてしまう。
「な・なんて強さだ…。」
「まったくでござる……前に戦ったカテゴリーJやQとは段違いでござる…。」
立ち上がろうとする4人であったが2つの影が横切り飛び上がる。
跳び上がった2つの影、ブレイドとカリスがコーカサスビートルアンデッド目掛けて飛び蹴りを放った。
2人の蹴りを喰らいよろめくコーカサスビートルアンデッドであったがすぐに体勢を立て直し反撃に出る。
コーカサスビートルアンデッド強力な拳でカリスを狙うがカリスは身軽にかわすと空中で回転し蹴りを放つ。
しかし、頑丈なボディーを持つコーカサスビートルアンデッドはカリスの攻撃をものともしなかったが、其処にブレイドが力を込めたパンチを放った。
軽快なカリスがコーカサスビートルアンデッドを足止めし隙を付いた所でブレイドが強力なパンチやキックを喰らわせる。
2人の完璧なまでの連携がコーカサスビートルアンデッドを追い詰めていった。
そして、ブレイドが醒剣ブレイラウザーのオープントレイを展開してカードを取り出そうとする。
「させるか!」
コーカサスビートルアンデッドは再びカードを吹き飛ばさせようとブレイドに向かい光弾を放つがブレイドの前にカリスが立ちふさがる。
そして、カリスの新たな武器、大醒鎌ネオ・カリスラウザーで光弾を弾くと、その間にブレイドはカードをスリットに通す。
「<SLASH>」
「てやぁあ~~~!!」
リザードアンデッドの力を吸収したブレイラウザーを構えて駆けたブレイドがカリスを飛び越える。
カリスが死角となったことで隙が出来たコーカサスビートルアンデッドに向ってブレイラウザーを振り下ろした。
ブレイラウザーで斬りつけられた怯むコーカサスビートルアンデッドに其々のラウザーで斬りかかる。
しかし、コーカサスビートルアンデッドはラウザーを破壊剣オールオーバーと盾で防ぐと反撃に出た。
幾度と無く斬りかかるブレイドとカリスだったが剣と盾を持ったコーカサスビートルアンデッドは全ての攻撃を防ぎ、剣で反撃する。
コーカサスビートルアンデッドはカテゴリーKに相応しい強さで2人を追い詰める。
「2人とも横に飛んで下さい!」
後方から聞こえたネギの指示通りブレイドとカリスは左右に飛ぶとその間から既に魔法詠唱を終えたネギが杖を構えていた。
「風花!! (フランス)」
「武装解除!! (エクサルマテイオー)」
前回のビートルアンデッドの戦いで武装解除の呪文が通用する事が分かっていたネギがコーカサスビートルアンデッドの剣と盾を吹き飛ばす。
丸腰になったコーカサスビートルアンデッドにブレイドとカリスはラウザーで斬りつけ、同時に蹴りを放った。
コーカサスビートルアンデッドを吹き飛すとカリスはネオ・カリスラウザーの石突き部分に付いているオープントレイ展開してカードを取り出し。
続けてブレイドもオープントレイを展開してカードを取り出すと互いのスリットに通す。
「<FLOAT>」
「<DRILL>」
「<TORNADO>」
「<SPINNING DANCE>」
竜巻と螺旋に浮遊の力が加わりカリスの身体は瞬く間にコーカサスビートルアンデッドの頭上高く舞い上がり。
高速回転を行いながらコーカサスビートルアンデッドを狙う。
「<KICK>」
「<THUNDER>」
「<MACH>」
「<LIGHTNING SONIC>」
ブレイドが3枚のカードの力を吸収するとその為に用いたブレイラウザーを地面に突き刺し、加速の力でコーカサスビートルアンデッドに詰め寄り。
加速の力が最高潮に達した時、ブレイドは跳躍し蹴撃と雷の力を得た蹴りに更なる力が加わる。
「はぁあ~~~! はぁあ!!」
「うぇえい~~~! てぁあ!!」
其々の最強技である回し蹴りと飛び蹴りがコーカサスビートルアンデッドを捉え。
カリスの回し蹴りがコーカサスビートルアンデッドの胸を貫くと追い討ちを掛けるようにブレイドの飛び蹴りが炸裂した。
「……ば・バカな……!?」
吹き飛ばされ、今だ自分の敗北が信じられないコーカサスビートルアンデッドのアンデッドの印が開く。
ブレイドは再びオープントレイを展開してカテゴリーKの未封印カードを投げ付け封印した。
「……俺が勝てたのは、カードでも強い武器でもない。 信じられる仲間がいる事さ…。」
コーカサスビートルアンデッドを封印したカードをしながらブレイドはカードに語る様に呟いた。
「……皆、ありがとう。」
変身を解いた剣崎の周りに皆が集まり、剣崎は皆の顔を見ると笑顔で礼を言った。
「…始、あいつ等は一体…?」
剣崎は少し前に戦った謎のアンデッドの集団の事について始に問いかけた。
すると、始は険しい顔で世界樹の方を見ると語り始めた。
「今から、遥か昔の事だ…統率者に反旗を翻し世界を支配しようとした1体のアンデッドがいた。」
「しかし、統率者の前に敗れ何処の地に封印されたもう一人の……。」
森の奥の屋敷では何者かが先の戦いを見通していた。
「(カテゴリーKが封印されましたか……それに、やはり私の正体もばれてしまいましたね。)」
「(暫くは、身を潜めて残った者達に頑張って貰うしかないですか…彼女の真の力が解放されるにはまだまだ時間が掛かりそうですね。)」
何者かが部屋からベランダに出ると陽の光が闇に隠れていた何者かの姿を映し出す。
「(彼女が真の力を解放した時…遥か昔からの悲願が果たされる…世界は私の手に!!)」
夕暮れに陽の光に照らされた何者かの姿はまさにジョーカーその者であった。