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時計が刻む物語 第五話(×足洗い邸の住人たち) 投稿者:紅 投稿日:04/09-03:40 No.135
時計が刻む物語
第五話 『就任初日。顔合わせ』
バロネスがこの麻帆良学園都市に出現してから、丸二日が経過していた。
今日は学園長との契約に従い、教師として中等部へと赴く日である。
久方ぶりに受け持つ授業、それも相手が『女子だけ』と言う事で緊張しているかと思えばそんなはずもなく。
彼はバタバタと登校する生徒たちを尻目に、余裕綽々と言う態度で歩いていた。
時刻は午前八時前後。
授業開始まであと四十分ほどと言う時間で、彼は再契約を終わらせた後の事を回想していた。
あの後、無事に再契約を済ませた彼らが最初に取り掛かったのは洋館の掃除と妖精たちの部屋割りだった。
まずは掃除。
若干の騒動こそ起こったが特に手間のかかる事態にはならなかった。
むしろ速やかに終わったと言っていいだろう。
これは一重に家事の達人である『シルキー・フラウ』のお蔭である。
彼女が主導権を握った事で、薄気味悪かった外観からは想像もつかないような美麗な内装に『わずか六時間』で仕上げる事が出来たのだ。
ちなみに掃除の間、シルキーにこき使われる『騎士』や『魔法使い』、『護衛役』の姿を見て、バロネスが笑い転げたのは余談である。
百戦錬磨のバロネスもさすがに彼らの『三角巾と割烹着姿』には勝てなかったのだ。
着せたのは当然、シルキーだ。
だが何故人数分、いやそれ以上の数の割烹着や三角巾を彼女が所持していたかは不明である。
騎士は鎧の上から、魔法使いもローブの上からムリヤリ着せられたのだろう。
違和感全開だった。
本人たちも不満たらたらだったのだが、こういう場面(家事全般)において恐ろしく押しが強くなるシルキーの前では威厳など無いに等しかった。
顎でこき使われる様は、彼らを伝承で知る者が見れば卒倒する事、間違いなしである。
護衛役はサイズが合うモノが無いと言う理由から割烹着を着る事は避けられたが、申し訳程度に三角巾は付けられており、やはりシルキーにこき使われていた事に変わりはない。
他の妖精も大なり小なり、似たような風体だったがこの三名は特に際立っていた。
なんとか笑いを堪えていたバロネスも、この三名の姿には耐えられなかったのだ。
むしろ他の連中の割烹着、あるいはそれに類似する姿に耐えていただけでも立派なモノだろう。
その後、某三名に追いかけられながら洋館中を逃げ回るバロネスの姿が妖精らに目撃されている。
誰も止めようとしなかったのは彼らを信頼しているからなのか、それとも止めても無駄だと諦めているのか。
その辺りの心情は彼らにしかわからない。
追記すると彼らは三十分もの鬼ごっこの後、シルキーの怒りに触れ四人で仲良く後始末をさせられている。
自業自得なので当然のように誰も同情はしなかった。
この時点で妖精たちの脳内では洋館の権力の頂点に『シルキー・フラウ』の名が刻まれていたりするが、それも仕方の無い事だろう。
それほどに家事という領域での彼女は凄かったのだから。
その後の部屋割りも割とすんなり決まっている。
まず唯一の人間種族であるバロネスが個室を持つ事を主張。
この意見はなんなく通り、洋館の中で最も広い部屋が宛がわれる事になった。
そして無駄に大きい妖精種や元来、部屋で過ごすという習慣のない妖精たちは館の敷地内に適当に放しておく事になり、何の問題もなかった。
残ったのは女性型と個人的に部屋を所望した者たち。
女性型と言っても、マトモなソレと言えるのはエアリエルとシルキー、『蛇の長』だけだったのでエアリエルとシルキーが同部屋になり、『蛇の長』が個室になると言う事ですんなり決まってしまった。
個人的に部屋を所望した者たち(魔法使いや赤帽子など)に関してはかなり揉めたのだが、予想以上に外(敷地内)で構わないと主張する者が多かったので、それぞれに個室を宛がう事で解決している。
こうして教授と愉快な仲間たちの館が完成したのだ。
住んでいる人間は一人だけ。他にいるのは二十以上の異形。
名実共に完全な『幽霊屋敷』である。
しかもバロネスは、周囲の森も自分の土地の延長であるとかなり自分勝手な解釈をしているので、その辺りにも妖精らが闊歩している。
今頃は『時に囚われた騎士』が、自慢の黒馬で森の中を楽しげに駆け回っている事だろう。
いつ、誰に見られてもおかしくない野放しの無法状態なのだ、あの敷地は。
勿論、バロネスはそんな事は毛ほども気にしていない。
彼の世界に『魔法の隠匿』などという意識は欠片もないのだからそれも仕方のない事だろう。
少なくとも今回、彼には(珍しい事に)罪はない。
悪いのは『魔法などの一般人への流出、又はそれに準ずる行為の全面禁止』というこの学園都市において最も重要であろう事柄を伝えていなかった学園長である。
この二日、正確には彼らが屋敷に住み着いてから一日経った現在。
あの場所に幽霊が出るという噂が学園中に広まっていた。
既に興味本位で見に行こうと言う者も出始めている。
何も知らされていない魔法関係者にいたっては調査するべきだという意見が大半である。
問題なのは魔法関係者だろうと一般人であろうとあの洋館に近づけば『ただでは済まない』と言う事だろう。
一応、バロネスは一般人に対しては二度と来ないように仕向けるだけにしろと頼んでおいた。
彼らもソレには同意したので間違っても『殺される』事はないだろう。
だが彼は同時にこうも言い含めている。
「相手が裏側の連中だったら加減なんぞいらねぇ。好きにして良し」と。
つまり魔法関係者があの辺りをうろつくというのは彼らの死に直結しかねないのだ。
しかも彼は一般人に関しても『殺すな』とは言っているが『危害を加えるな』とは言っていない。
恐らく五体満足では帰ってこれないだろう。
少なくとも精神を病むのは間違いない。
出来の悪い悪夢を具現化したような目に遭う事が決定しているのだから。
「(あー、そういや帰りに食料、買い込むから呼べとかシルキーのヤツが言ってたか。……残ってくれたのはすげぇありがたいんだが、ここまでこき使われるのもアレだな)」
過去から現在へと思考を切り替え、肩を竦める。
笑顔で買い物を主張する真っ白な家政婦の活き活きとした姿を思い浮かべ、彼は「はぁ~~っ」と長いため息を洩らした。
しかし心中のぼやきに反して彼の口の端は実に楽しげに吊り上っていた。
「(まぁ……楽しいってのも本音か。クックック! 『楽しい』か。戦闘以外でそんな風に思えるなんてな。ちっと丸くなり過ぎか?)
自分の変化を客観的に且つ心底楽しげに見つめる。
昔の彼ならば『そんな風』に考える事はできなかっただろう。
殺伐とした世の中で、殺伐とした思想を抱きながら、殺伐と生きていたのだから。
『楽しさ』など感じている暇はほとんどなかった。
『大召喚』後の彼が感じた『楽しさ』は殺しあっていた相手にトドメを刺す時、相手が罠にかかったとき、ピンチから大逆転した時の三つだけ。
それほどまでに彼は『戦い』に執着していたのだ。
そんな彼がこの世界に来て二日。
まだ『たったの二日』だと言うのに彼は『穏やかな』気性に変わりつつあった。
それは一重に『故郷に帰る事』よりも『自分と共に在る事』を望んでくれた妖精たちのお蔭だ。
無論それだけではなくこちらの世界に来た当初から、『そういう変化』の兆候は見られていたのだが。妖精たちの決断が最も重要な部分を占めているのは間違いないだろう。
「……扶養家族が二十人強、か。こりゃジジイに色々吹っかけネェとその日暮らしになっちまうな。また適当に脅すか?」
とはいえ、根っこの部分はやはり変わらないようだ。
独白の中身には相変わらず情けも容赦もない。
「ま、とりあえずは授業だな。せいぜい楽しむか。クックック!」
楽しげに指を鳴らしながら通学路を歩く。
周囲には相変わらずドタバタと流れていく人の群れが在る。
だがバロネスはそんな彼らを視界に納めながらもまったく速度を変えずに歩き続けていた。
時刻は八時二十分。
麻帆良学園史上『最凶の教師』が赴任するまであと十分。
学園長室
マホガニーの机にいつも通りふんぞり返っている学園長。
机を挟んで彼と相対している者は二人。
一人は白髪の男。
口元に無精ひげを蓄え、スーツを身に着けている彼はその実年齢よりも老けて見える。
彼の名は『高畑・T・タカミチ』。
この学園都市において『死の眼鏡(デスメガネ)』とあだ名される有名な広域指導員であり、学園内の魔法関係者の中でもトップクラスの実力者でもある。
もう一人は少年だ。
年の頃、十歳と言ったところだろう。
赤い髪に幼いながらも将来を期待させる面立ち。
背中には布を巻きつけた棒状のモノを背負っている。
彼の名は『ネギ・スプリングフィールド』
若干十歳という若さで麻帆良学園の教師(まだ教育実習生だが)になった少年であり、『見習い魔法使い』である。
二人とも何故、自分たちが呼び出されたかわかっていない様子だ。
一様に困惑している。
「学園長。僕らを呼んだ理由はなんなんです? そろそろ呼び出されてから十分経ちますが……」
「ボク、すぐに授業なんですけど……」
「まぁ待ちなさい。二人に顔見せしておきたい者がおるんじゃよ。もうそろそろ来る頃じゃからそれまで楽にしておってくれ」
既に同じようなやり取りを二回ほど行っているが学園長は取り付く島もない。
二人は顔を見合わせてため息をついた。
この老人、時々どうでもいいような事で周囲を混乱させる悪癖がある。
今回もソレなのだろうと二人は諦めにも似た心情を抱いていた。
「コレコレ、お主ら。何を勘違いしとるか知らんが、君らにとっても重要な事じゃぞ? 特にネギ君にはの」
「えっ? ボクですか?」
ウムと大仰に頷いてみせる学園長。
その様子に一抹の不安を覚えるネギ。
なにか自分が問題になる事をしたのだろうか?と。
実際のところ、彼の素行にはかなりの問題があった。
教師としてでも、人としてでもなく、『魔法使い』としての素行に。
魔法使いという存在は現在、世界的に秘匿されている。
不必要な力の流出、公開がもたらす混乱を避ける為に設けられた『ルール』。
ネギ少年はその最低限であり、大前提であり、最重要であるそのルールをなんと赴任初日から破っているのだ。
人助けの為とはいえ、『それ』を使用する現場を担当するクラスの生徒に目撃され、あまつさえその記憶を消す事にも失敗。
彼女が良心に従って秘匿を約束してくれたから良かったものの、そうでなければ『魔法使いとしての修行』云々以前にルールを破った罪で処罰を受ける身なのである。
勿論、学園長はその事を知っている。
処罰をしないのは目撃者である少女の特殊な境遇とネギの幼さのお蔭である。
十歳の子供であるという事でとりあえず今回の処罰は見送られたのだ。
「(もしかして明日菜さんに魔法がばれちゃった事かな?)」
自分が特別扱いを受けて罰を保留されているという事実など露とも知らない彼は勝手に不安を膨らませ、戦々恐々していた。
横にいるタカミチにすがるような視線を向ける。
「……学園長、ネギ君にとって重要と言う事は例の『副担任』の件ですか?」
その様子を見かねたタカミチの触れた事柄。
意外な内容にネギは首をかしげる
「えっ? 副担任ですか?」
初耳な情報に思わず鸚鵡返しする。
学園長はタカミチの言葉にまたも大仰に頷いた。
「その通り。教師としての教育は一通り受けておるが、それでもネギ君。君は十歳の少年じゃ。色々とわからない事も多いと思うんじゃよ。一応、しずな君を付けておるがそれとて四六時中、一緒というわけにもいかん。彼女も何かと忙しいしの。じゃから補佐として一人、現役(?)の教員を付けようと思ったんじゃ。
(契約さえしっかり行っておれば彼は害にはならんしの……たぶん)」
「それじゃあ顔見せって言うのは……?」
「うむ。その彼が今日から赴任するのでの。それに先んじて……と言う事じゃよ」
ホッホッホと仙人然とした笑い声を上げる学園長。
彼の意図を知った二人はとりあえず自分たちが呼ばれた事には納得したようだ。
ネギなどはあからさまにホっとしている。
そして件(くだん)の人物がどのような人なのか想像を膨らませ始めた。
「(どんな人なんだろう? 現役って言ってたから年は僕より上なんだろうな。新田先生みたいな人かな?)」
その横でタカミチは別件の洋館の調査について考え込んでいる。
ガチャリ!
その時だ。
何の前置きも無くドアが開いたのは。
「「んっ?」」
「時間ピッタリじゃな、バロネス君」
ノックも無しに開いたドアの先を反射的に見つめる二人。
学園長は二人の反応に内心で苦笑しながら、入って来た人物に声をかけていた。
「ジジイ、来てやったぜ」
ニヤリと笑いながら指を鳴らす来訪者、バロネス。
彼の不遜な態度にポカンとするタカミチとネギ。
そんな彼らを面白そうに見やりながら学園長は挨拶を返した。
「ウム。よく来てくれたのぉ。しかしジジイはやめてくれんか?」
「じゃあぬらりひょんだ」
「……」
間髪いれずに返された言葉に沈黙する学園長。
その脳裏を一昨日の悪夢が過ぎていく。
「………わかった。ジジイで良いわい。……確認じゃが契約の条件は満たしてきたんじゃろうな?」
「愚問だな。『教師として就業中の間は殺傷能力の高い妖精の使用及び召喚媒体の持込みは禁止』。守ってるよ。俺の懐にあるのは無害なのが一体。護身用が二体だけだ。それでいいんだろ?」
「うむ。
(ホッ……これでなんとか普通に教師してくれそうじゃな。しかしちゃんとした契約を結んだだけでこうも対応がおとなしくなるとは……違反したら一体どういう目に合うんじゃろ?)」
背筋に薄ら寒いモノを感じたので彼は想像する事をやめた。
洒落にならない目に遭いそうだからだ。
自分が化け物に頭から齧りつかれている様など誰が想像したがるだろう?
「で、だ。ちゃっちゃと用件に入ろうぜ。時間は有るだけしか無いんだからよ」
そこで初めてバロネスは、ネギとタカミチに視線を向けた。
その品定めでもするかのような不躾な視線に、ネギはびくりと震える。
タカミチは目の前の礼儀知らずな人物が、かなりの実力者であると察して警戒していた。
微妙に位置を入れ替え、ネギと彼の間に立ちはだかるようにしている。
当然、バロネスもその事に気づいているが元々、敵対するつもりもないのでスルーしていた。
彼が少しでも殺気を放てば即座に反応するよう必要最低限の心構えはしているが。
「どっちだ? 俺に補佐される『運の悪い教師』ってのは?」
「なっ!? 学園長! ネギ君の補佐をするというのは彼なのですか!?」
バロネスの言葉に声を荒げながら学園長に問うタカミチ。
どう見ても教師に向く人間には見えないのだからその態度も当然と言えた。
「ホッホッホ、その通りじゃ。バロネス君、そちらの少年が君が補佐する子じゃ。名前はネギ・スプリングフィールドと言う。これでも大学を出ておる天才児じゃ」
「ホウ? そいつはまたヤベェくらいスゲェガキだな。だぁが……」
左目を細めてもう一度、ネギを見つめるバロネス。
彼の左目の『第二視力(セコンド・サイト)』が探るような視線で、改めてネギを見つめる。
『第二視力』
一般に霊感と呼ばれているソレ。
目に見えないが確かにソコに存在する何かを探知する能力。
それが彼の左目には宿っている。
そしてその左目は鮮明に彼に宿る力を捉えていた。
目の前の少年の体から溢れている薄いモヤ。
魔力と呼ばれているその力を湧き水のように垂れ流しているその『未熟極まりない姿』を。
「天才も努力しなけりゃ使いモンにはならねぇぞ。なんだぁ? その無様に垂れ流されてる魔力は……」
「っつ!?」
侮蔑を隠そうともしないバロネスの言葉がネギの胸に突き刺さる。
「ほう? 彼の潜在的な魔力に気づきおったか。伊達に修羅場はくぐっとらんな」
「当たり前だ。気づかねぇ方がオカシイ。こーいう無自覚なヤツは『向こう』じゃ恰好のエサだしな。……こっちが平和で良かったな、ガキ。でなけりゃてめぇは生まれてすぐにでも殺されてるぜ」
笑いながらなんの気負いもなく告げるバロネス。
その口調はまるで『火に手をかざせば火傷するぞ』とでも言うような、そんな『当たり前』の事を言っているような調子だった。
ネギはゴクリと唾を飲む。
彼の言葉。
それが誇張でもなんでもないただ『事実』を告げているのだと明晰な頭脳で理解したからだ。
「……学園長。本当に彼をネギ君の補佐に……いえ教師にするつもりですか?」
静かに、だが熱く重い気迫を持って問いかけるタカミチ。
どうやら彼はバロネスを危険人物だと認識したようだ。
だがそんな彼の威圧的な言葉にも学園長は動じる事無く頷いて見せる。
「その通りじゃ。この決定は覆らんぞ。タカミチ君」
「何故です? 本人を前にしてこういうのは何ですが彼が教師に向くとは思えません。これでも人を見る目はあるつもりですよ、僕は……」
さりげない仕草でポケットに手を入れる。
返答によってはここでバロネスを叩き潰すつもりなのだ。
普段、温厚で大抵の事は許容する彼がここまで敵対する姿勢を示す事は非常に珍しい事だ。
彼は感じ取っていた。
目の前の男の体から微かに香る血の匂い。
それは血で血を洗う修羅の道を進んできた者だけが持つ闇の気配。
そんな気配を発する人間が、自分の尊敬する人物の子供を補佐すると言う。
彼にとってそれはとても許容できる話ではなかった。
おまけにその気配の持ち主は人の心情などお構いなしに嘲笑し、侮蔑し、罵ってみせる性根をしているという事実。
とてもではないが生徒を導くことなど出来るとは思えない。
それらの思いが重なり合う事で、彼にしては少し短絡的とも言える実力行使という決断に至ったのだ。
まぁそんな彼の心中などバロネスにとっては『どうでもいい事』なのだが。
「……おい、ジジイ。てめぇ、他のヤツラに話、通してねぇのか?」
明らかに歓迎などされていない空気に、疑惑の視線で老翁を睨む。
「スマンな。そう言えば忘れておった。
(一昨日の仕返しじゃ。これくらいなら契約に抵触する事もないしの♪)」
「……フン(燃やすか?)」
しれっと答えてわずかに口元を吊り上げる学園長。
そんな彼の態度が勘に触ったらしく、懐に忍ばせてある時計に手をかけながら物騒な事を考えるバロネス。
ネギは怯え、タカミチは殺気立ち、残り二人はそんな彼らをスルーしながら会話する。
時刻は午前八時三十五分。
学園長室内にはなんとも珍妙な空気が流れていた。
あとがき
紅です。
とりあえず旧サイトに投稿していたモノは投稿し終えました。
仮面の男もそうでしたが、修正などは最低限しか行っていませんので以前からご愛読いただいている方はこの話までは読まなくても通じます。
それではまた次の機会にお会いしましょう。
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