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1ページ目『遭遇』 投稿者:アラン 投稿日:08/15-15:28 No.1110
1ページ目『遭遇』
「う……どこなんだ?ここは」
腰に刀を提げ、青と白でまとめた珍しい服を着た青年が目を覚ました。彼の名はヒビキ、かつて大和で起こった大神事件を十二支の精霊に導かれた仲間達と共に解決した人物である。
「おかしいな、森の中を歩いていた筈なんだけど」
大神を倒した後、それぞれの道を歩み始めた仲間達と別れ、彼はまた気ままな一人旅を始めたのだ。もちろん仲間達から自分の元で働かないかと熱烈に声を掛けられたが、すべて断ったのである(中には求婚っぽい申し出もあったが)。何故断ったのかと言うと、自分が知らない色々な世界を見て回りたいから、らしい。
「とりあえず落ち着こう。まずは状況を整理しなきゃ」
ヒビキは自分が目覚めた巨大な木の下に座り込み、自分が置かれている状況の整理を始めた。森を歩いていると急に自分の目の前が真っ暗になり、気が付いたらここに居た……自分が変な事など何一つしてない結論にたどり着き、ヒビキは項垂れた。
「これからどうしようかな……このままここに居るわけにはいかないし」
ヒビキが悩んでいると森の中から二人の少女が飛び出してきた。一人は小柄で剣を持った少女、もう一人は銃を持った褐色肌の少女だった。
「な、何だ!?」
「何故ここに一般人がいる?」
「ここは危険です!逃げて下さい」
「どういう事?うわっ!」
少女二人に続いて巨大な蜘蛛が飛び出してきた。蜘蛛は唸り声をあげると口から糸を吐いて少女二人を絡め取った。
「しまった!!」
「くそっ!」
「今助ける!」
二人が捕まったのを見てヒビキは刀『鬼神丸』を抜き、腰の袋から『火竜』の仙玉を取り出して鬼神丸に組み込んだ。すると刀身が炎に包まれて炎の刀になり、ヒビキは二人を絡め取っている糸を焼き斬った。
「大丈夫?ケガは無い?」
「は、はい。大丈夫です」
「私も大丈夫だ。貴方は一体……」
「僕はヒビキ。これ以上の事は後で、今はあの怪物をなんとかしなきゃ」
大蜘蛛が怒り、こちらに向かってきている。ヒビキの言う事がもっともなので今は正体を探るよりも大蜘蛛を倒す方が先決だろう。ヒビキの言う事に同意した二人は武器を構えた。
「ヒビキさん!」
「くっ!」
大蜘蛛がヒビキに向けて大量の糸を吐く。その攻撃を炎の刀身で防ぐが、いかんせん量が多い。防ぎきれなかった糸がヒビキの足を絡め取った。
「まだまだ、炎獣!!」
ヒビキを食べようと迫る大蜘蛛に向けて手の平から炎の獣を放った。大蜘蛛が炎に包まれ、悲鳴をあげる。
「今がチャンスだよ!」
「はい。神鳴流奥義『斬魔剣』!!」
「トドメ!!」
剣を持った少女が大蜘蛛の体を斬り裂き、直後に銃を持った少女が頭に銃弾を叩き込んだ。大蜘蛛は断末魔の悲鳴をあげて消滅した。
「ふぅ~なんとかなった」
ヒビキは仙玉を取り出し、鬼神丸を鞘に収めて一息ついた。すると少女二人がこちらに近づいてきた。
「先程は助けてくれてありがとうございます」
「当然の事をしたまでだよ。困ってる人を見捨ててはいけないからね《こんな場面には前に遭遇した事は何回もあったからなぁ》」
「じゃあ約束どおりに貴方の事を聞かせてもらうよ。貴方は何者で、何故こんな所に居るんだい?」
「話しても信じてはくれないかもしれないけど……約束だから話すよ」
「それはまた変な話だね」
「うん。僕も急にこんな所に居て戸惑ってるんだけどね」
「それではこの学園の学園長に会ってはどうでしょうか。こういう事に関しては何か知ってるかもしれませんので」
「そうだなぁ……何か手懸かりが掴めればこした事はないし、会わせてもらえるかな?」
ヒビキの申し出に了承した二人は学園長の所へ案内する事にした。
「申し遅れました。私の名前は桜咲刹那と言います」
「私は龍宮真名だ。よろしく、ヒビキさん」
「こちらこそよろしく。刹那ちゃんに真名ちゃん」
続く
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