プロローグ:BAD END? 投稿者:アゥグ 投稿日:04/08-01:12 No.11
世界は狙われている
夢は「現実」。
世界は「虚像」。
紅き月が天空高くゆらめく夜、
月門を通って闇の眷族は
人の世界へと侵入する。
人知れず、静かに壊れゆく世界。
世界に具現化する悪夢。
あまりに脆く、移ろいやすい世界の上で、
人が遠き過去に忘れ去った力・・・・・・魔法を
駆使して戦う者たちがいる。
それは唯一、闇に対峙しうる力。
現世によみがえった魔術師。すなわち・・・・・・
―――夜闇の魔法使い(ナイトウィザード)
◇
これは俺が好きなTRPG「ナイトウィザード」のルールブックの最初の1ページ目と2ページ目に書かれているもの。
俺はリプレイ集「紅き月の巫女」を読んで以来、その内容にはまり大体のシリーズは買って読んでいる。そして、1ヶ月前にルールブックとサプリメント「スターダストメモリー」とソースブック「ロンギヌス」買って、ナイトウィザードをやっている友達と一緒に遊んでいる。
俺はファンタジーの世界にのめり込むのは好きだが、現実にはこんな事は起きるはずがないとも思っていた。
そう、思っていたんだ。
魔法先生と永劫の転生者 プロローグ:BAD END?
腹部に激痛が走る
背中に女の子の視線を感じる
目の前には異形の怪物
そして
その後ろに見える空には
紅い月が――
目線を腹部に向けると怪物の腕が刺さっていた
腕が引き抜かれる
俺はそのまま地面にうつぶせに倒れる
腹部から血が流れ出ているのが分かる
女の子の声が聞こえる
すると辺りが急に暗くなり、それと同時に怪物の気配も消える
意識が遠くなっていく
また、女の子の声が聞こえる
ようやく、その声が先ほど自分が怪物との間に入って庇った女の子のものだと気付いた
――よかった
声は出なかったがそう口を動かし、俺はその子が無事だったことに安堵した
さらに意識が遠くなっていく
「ごめんなさい・・・」
俺の顔を見ながら目に涙を溜めながら女の子がそう言ってくる
お気に入りなのか、その腕でクマのぬいぐるみを抱きしめながら・・・・・・
黒い空間の中、女の子は俺が倒れている所よりも低い位置に立っていた
何故、俺よりも低い位置にたっているのかわからなかった
ちをながしすぎたのか
もう、いしきがたもてない
「そして、ありがとう―――」
もう、めがかすんでほとんどみえない
「―――あの子に選ばれたお兄ちゃん」
そこで意識が途絶えた
魔法先生と永劫の転生者 | 第一話:紅茶、永劫の剣、異世界へ(前編) |