修学旅行大決戦！！『第十一話　木乃香を巡る三つ巴の争い』　投稿者：ダーダー 投稿日：07/03-22:22 No.860

修学旅行大決戦！！『第十一話　木乃香を巡る三つ巴の争い』

関西呪術協会の手の者と思われる女に木乃香を誘拐されてしまった。その跡を追うネギ達は女が逃げ込んだ駅の電車に乗り込む。周りに人がいない所を見ると刹那は人払いの呪符が貼られている事からこの誘拐は計画的犯行だとネギと明日菜に言った。

ネ「なんとか乗り込めましたね」
刹「ネギ先生！前の車両に追いつめましょう」
明「コラー！サル女ー！！待てー！！！」
女「まったく！しつこい人は嫌われますえ。しょうがない、二枚目のお札ちゃんを使いましょか」

女は肩に乗っているチビのサルに一枚のお札を取り出させた。

女「お札さんお札さん、ウチを逃がしておくれやす」

女が言葉をいった途端、お札から大量の水が溢れ出てきた。

ザパー！！

ネ「水が！！」
明「何なの！！この水！！」
刹「！！」

ネギ達が居る車内も一瞬の内に水で満タンになってしまった。

明「ゴボガボ・・・」
ネ「あぶぶ・・・おぼれる～・・・」
刹「うあっ！！」
カ「あぼぼ・・・なんちゅう女だ～・・・」



その頃、ネギ達の跡を追っていたラットル達は電車の上に乗っかっていた。チータスの必死のジャンプが成功し、何とか飛び乗れたらしい。

チ「ふぅ～、何とか成功じゃん。無事に飛び乗れたし」
ラ・ダ「殺す気かー！！！(怒)」
チ「まぁまぁ、そんなに怒んなよ二人共。ちゃんと生きてるし、結果オーライじゃん」
ラ「こいつは・・・」
ダ「いつか絶対にぶん殴ってやる・・・」

後ろの車両の上に飛び乗った為、ネギ達が乗っている前の車両に慎重に移動するラットル達。落ちないように歩いていると急に車内から水が溢れてきた。

チ「な、何だ！？」
ラ「何で水が！？車内で泳いでんのかよ！？」
ダ「そんな訳あるか！多分、あのサル女の仕業だろ！」



女「ホホ・・・車内で溺れ死なんようにな。ほな、私はこれで」
ネ「待て・・・ゴボゴボ・・・」
明「息が・・・ガボガボ・・・」
カ「この・・・ままじゃ・・・ガボガボ・・・」
刹《くっ・・・この水の中じゃ剣が振れない・・・やはり・・・私はまだ未熟者だ・・・このかお嬢様・・・》

刹那の頭の中に木乃香の映像が流れた。その瞬間刹那が愛刀の『夕凪』を構える。

刹《このかお嬢様・・・絶対に助ける！！》
刹「斬空閃！！」

刹那が夕凪を振るい、前の扉に斬空閃を放った。扉が壊れ、貯まっていた水が一気に溢れ出て前の車両にいる女にも水が襲ってきた。

女「何と！！あ～れ～」

電車が駅に着き、車両の出入り口の扉がすべて開く。水もすべて流れ出てネギ達も水と一緒に外に流れ出た。

女「ゲホゲホ、何と無茶な事をやるん・・・」
刹「観念しろ、デカザル女。お嬢様を返せ」
女「ふふ、絶対にこのかお嬢様は返しまへんえ・・・」
ネ「え・・・」
明「何を言ってるの・・・このかお嬢様？」
女「ほな、さいなら」

女は木乃香を抱きかかえると再び逃げ出した。ネギ達もすぐに跡を追う。



車両の上で刹那と女の会話を聞いていたラットル達は何が何だか解らない顔をしていた。

チ「お嬢様って・・・」
ラ「爺ちゃんの孫娘って一体・・・」
ダ「解らねえ事だらけだけどよ、追いかけた方がいいんじゃねえか？ダー」

呆然と話を聞いていたが、ネギ達がまた逃げた女を追いかけていったのでラットル達もすぐにその跡を追ったが、少し距離が離れてしまっていた。



女を追いかけているネギ達。ネギと明日菜は何故木乃香が誘拐されるのか、その理由を刹那に聞いた。話によると関西呪術協会の中に木乃香が東の真帆良学園に行く事を心良く思わない人達がいるらしく、その人達が木乃香の力を利用して関西呪術協会を牛耳ろうとしているらしい。

刹「私も学園長先生も甘かったのです、まさか修学旅行中に誘拐などという暴挙に及ぶとは思ってもいませんでした。くっ！私がついていながら・・・」
明「桜咲さん、悔やんでも仕方ないわよ。今はこのかを絶対に助けなきゃ」
ネ「そうですよ、絶対に助けましょう」
刹「ネギ先生・・・神楽坂さん・・・はい！！」

ネギ達が改札を抜け、その先の階段で女は待っていた。女が着ていたサルの着ぐるみが女の傍らで木乃香を抱えて立っている。

女「まったく、ここまでしつこいとは・・・驚きましたわ」
ネ「あっ！！」
カ「あの女は確か・・・新幹線の中にいた奴だぜ！」
明「あっ！おサルが脱げた」
刹「もう逃がしはしない、お嬢様を返してもらう」
女「ほほほ、返さないゆうてるやろ。三枚目のお札ちゃんを使わせてもらうえ」
刹「使わせるか！！」

刹那が札を使わせまいと夕凪を構えて女の前に走った。

女「もう遅いわ。お札さんお札さん、ウチを逃がしておくれやす」

女が札を中央に投げる。すると・・・。

女「喰らいなはれ！！『三枚符術　京都大文字焼き』！！」

刹那の前に巨大な大の字をした炎が起こり、刹那を巻き込もうとする。

刹「ああっ！！」
明「桜咲さん！！」

炎に巻き込まれそうになった刹那を明日菜が思いきり自分の方に引っ張り、なんとか助け出した。

刹「神楽坂さん・・・」
女「並みの術者ではその炎は越えられませんえ。ほな、さいなら」
明「このぉ～、あのサル女～！」
ネ「ラス・テル・マ・スキル・マギステル！吹け、一陣の風『風花・風塵乱舞』！！」

ネギが呪文を唱え終わり、ネギが得意とする風の魔法を炎に向けて放った。一瞬の内に巨大な炎が消え去った。

女「なっ！！ウチの術が！！」
ネ「逃がしませんよ！このかさんは僕の生徒で・・・大事な友達なんです！！」
女「くっ！おのれ！！」
？？？「え～事を言うな～！！」
ネ「！？」

突然大きな声が聞こえてきた。その声がした場所、女のいる後ろに一同は目をやる。

ネ「だ、誰ですか！？」
明「もう～、何なのよ！？」
刹「何者！？」
カ「まだ誰か来るのかよ～」
女「誰や！？」

そして、その声の主が姿を現した。

？？？「ホップ・ステップ・ジャーンプ！！うむ、オレ様見事な着地だ。１０．０」
一同「・・・・・ハァ？」

一同は呆然とするしかなかった。突然、巨大なティラノサウルスがジャンプしながら来て、喋って、自分で自分のジャンプの得点をつけて評価してるのだから。

明「な・・・な・・・何なのよー！！！あれ恐竜じゃない！！！喋ってるし！ちょっと！ねえ！何がどうなってんのよー！！！」
カ「・・・・・」
ネ・刹「お、落ち着いて(アスナさん・神楽坂さん)・・・」
明「何であんた達はそんなに落ち着いてるのよー！！」

それはそうである。ネギと刹那は学園で喋るネズミやチーターや恐竜(変身もするしね)を見ているし、話した事もあるので落ち着いているのだ。逆にそんな物を見たことが無い明日菜は取り乱し、カモは口をアングリと開けて呆然としている。

ネ《あの恐竜さんは喋っている。という事はラットルさん達と同じでトランスフォーマーなのかな？》
女「な、何や！？新手の妖怪なんか！？」
？？？「おいおい、妖怪とは失礼だな。オレ様は妖怪ではないぞ」
女「なら何やアンタは！？」
？？？「ガッハッハッハ！よくぞ聞いてくれた。いいか？そこのチビッ子とお嬢ちゃん達よ、耳の穴かっぱじってよーく聞いておけ！オレ様はいずれ全宇宙を征服するデストロンのリーダーであり、破壊大帝であるメガトロン様だー！ウハハハハハハ！！」

メガトロンの強烈な自己紹介に暫く時間が止まり、寂しい風が間に吹いた(笑)。

女「ハァ・・・」
明「きゅ、急に出てきて何バカみたいな事を言ってんの？あの恐竜」
メ「カッチーン！！バカとは何だ！バカとは！」
ネ「デストロンのリーダー・・・。あなたが！」
刹「貴様がか・・・？」
カ「えっ！兄貴と刹那の姐さんはあいつの事知ってんのか？」
明「そうなの？二人共・・・」
ネ「えっ！いや、その・・・」
刹「何と言うか・・・その・・・」

怖い顔で明日菜に迫られ、冷や汗ダラダラのネギと刹那。

明「ハァ・・・もういいわよ。但し、この件が済んだら事情をキッチリ聞かせてもらうからね！覚悟しときなさい・・・」
ネ・刹「は、はい・・・(汗)」
メ「そちらの話は済んだかな？じゃあ、オレ様の話を聞いてもらおうかな～」
ネ「な、何の話ですか」
メ「なぁに、簡単な事だ。そこの変なサルが抱えているお嬢ちゃんを引き渡してもらおうか。そうすれば命だけは助けてやるぞ」
刹「なっ！貴様もこのかお嬢様を！？」
女「この変な化け物もか、やっかいどすな」
明「何でアンタはこのかを狙うのよ！！」
ネ「そうですよ！何故です！」
メ「目的まで話す必要は無い。さぁ！その子を渡してもらおうか。決断するなら早くするんだな、オレ様はそんなに気が長くない」

メガトロンが微かな殺気を放ち始めた。近くにいた女は少し汗を流した。が、その殺気に怯えることもなくネギ達は言い放った。

ネ「このかさんは誰にも渡しません！」
明「道具みたいに利用もさせない！」
刹「貴様等のような輩にこのかお嬢様は絶対渡さない！」
メ「ふぅ～、やれやれ。交渉決裂か・・・・・ならば消えてもらうだけだ！！」
女《これはやっかいな事になってきはりましたな・・・。まさかウチら以外にもお嬢様を狙っている奴がいるとは・・・この場は早くお嬢様をつれて退散した方がよろしいようや》

女がサルから木乃香を受け取ってその場を逃げようとする。が・・・。

メ「おっと、メガネのお嬢ちゃん。逃げようなんて考えるなよ！貴様も逃がさんぞ！」
明「逃げるのは勝手だけど、このかは置いていきなさいよ！！」
女「うっ(汗)バレてはった・・・」
メ「当たり前だ！！オレ様が狙っているお嬢ちゃん以外、一人もここから生きて帰さんぞ！メガトロン変身！！うぉー！」

メガトロンがティラノサウルスから人型の戦闘ロボモードに変身し(この時もアスナ、カモ、女が驚いた。ネギと刹那はやっぱり！という顔だった)、女も札からクマの式神を出し、ネギもパートナーの明日菜に契約執行の呪文を唱えた。明日菜の全身に光のオーラが纏われ、更に契約の証しであるパクティオーカードから武器のハマノツルギ(ハリセンであった)を出してもらい、刹那と共に構えた。各々が戦闘態勢にはいり、緊迫した空気が走った。ここに今、木乃香を巡る戦いが始まろうとしていた。



その頃、遅れて跡を追っていた三人は・・・。

ラ「どっちに行ったんだ！？」
チ「向こうじゃないの！？」
ダ「ちげーよ！こっちだろ！？」

毎度の如く、道に迷っていた(笑)。果たして三人はネギ達に追いつき、助ける事が出来るのか？
ｔｏ　ｂｅ　ｃｏｎｔｉｎｕｅｄ・・・