第三十四話『さくらと巨大な鬼さん』
時間は夜中の深夜1時、桜達はサクラの羽を手に入れる為、リョウメンスクノカミの封印を解くため、それが封印されている祭壇の前に来ていた。 桜達の中でこの場にいないのはのどか・朝倉を含む魔法の存在を知らない者達、それ以外は全員集まってきている。 しかも詠春の後ろには沢山の巫女さん達、巨大鬼神であるリョウメンスクノカミの封印を説くには木乃香一人の力以外であったらこれくらいの人数が必要なのだ。 「それでは皆さん、これからリョウメンスクノカミの封印を解きますが用意はよろしいでしょうか?」 「はい!」 「言われんでも用意はできとるで」 「そうだ、敵は私一個人でも簡単に倒せる程度の鬼神、とっとと早く終わらせるぞ」 「そういやあのユエとか言う奴、連れてこなくて良かったのか?」 「ああ・・・それわな、どうせワイ等だけでも倒せる敵やし、クラスの連中の護衛として雪兎(ゆきうさぎ)の兄ちゃんの姿で旅館に居るよう言ってある」 ユエもこの場にはいない、もしもの時の為、3−Aの生徒達を襲われ人質にされない為ユエを雪兎の姿で旅館に行かせているのだ。 「でもでも、今から封印を解く巨大鬼神って桜ちゃんやケロちゃんやエヴァちゃん未満の強さで私達以上の強さなんでしょ」 「でしたら、私達足手まといなんじゃないですか?」 「そうね、敵は巨大鬼神といっても私達から見れば巨大な力を持った鬼、なぎさやほのか私達が手を組んでも倒せるかどうかの敵だわ」 「まあまあ長い人生巨大な化け物と戦闘になる事位いくらでもありますやろし、なぎさはん達も経験しといて損はないおますぇ」 「オィオィ、フツウソンナケイケンイッショウシネェダロ」 「そうですしないです人間!」 本当に一生に一度・・・なんてそんな事普通の女子中学生からしてありえない、だがなぎさとほのか二人はジャアクキングと言う巨大な敵と戦った事があるゆえまたこう言う事もあるかもしれない。 「さて、余計な会話はここまでです。 リョウメンスクノカミの封印を解きますよ」 そして詠春の掛け声で大勢の巫女さんと共に封印解除の唱え始めた。 ・・・こうして呪文を唱え続ける事数十分、桜やシャオラン他の皆にも緊張感が漂う中、詠春は呪文以外に数十分ぶりに口を開いた。 「・・・さてそろそろ出てきますよ」 詠春がそう言うと、祭壇の前にある湖の中からゆうに10m位はあるんじゃないかと言う腕が何本もにゅうっと出てきた。 「う・・・腕が出てきたです!」 「ほ・・・ほぇ〜で・・・でかいよ〜!!!」 翠星石と桜はそのあまりの巨大さに驚愕して大声を上げる。 すると後ろの茂みから音が聞こえ知った人物の大声が聞こえた。 「な・・・なんですかあれは〜〜〜!!!」 「「ゆ・・・夕映ちゃん(さん)!」」 その茂みから現れたのは本山に残ってすでにもうスヤスヤと眠っていると思われていた夕映、桜とネギは夕映の存在に気づくと二人して駆け寄った。 「どうしたんですか夕映さん・・・な・・・なぜこんな所に!?」 「そうだよ夕映ちゃん、危ないよこんな所に居ちゃ」 「そんな事よりもなんですかあの馬鹿デカイのは!?」 「話している暇はありませんよ!・・・そろそろ全体がでてきます!」 そして話なんかしている暇なく全体が出てきたリョウメンスクノカミ、だがスクノカミの強さはエヴァ一人・桜一人未満の強さなので、後はすとっとと倒すだけだと思われていたが、スクノカミは妙な雄たけびを叫び始めた。 「が・・・がお〜〜〜〜!!!」 「なんか変じゃねぇかあの鬼!」 「こ・・・これは」 「姫の羽を取り込んでる・・・」 真っ先に黒鋼が気づいたスクノカミの妙な異変、続いて詠春やシャオランも気づいたが時はすでに遅く、スクノカミはサクラの羽を胸の中に取り込み、リョウメンではなくヨンメンへと顔の数が増え、より霊格を巨大にした。 「ほぇぇ〜〜〜!!! リョウメン所かヨンメンになったよ〜〜〜!!!」 「ちょちょっとこれってやばいんじゃない!?」 「怖くはないですちびりそうだけど怖くはないです・・・」 姿が変わってしまったスクノカミに驚愕する桜達、翠星石にいたっては涙を流し震えながら強がってしまっている。 「夕映さん、ここは危ないですからさがっててください!」 「こ・・・腰が抜けて立てないです・・・」 「ならワイに任せろ!、知世ももうちょっと逃げるで!」 「分りました」 ケルベロスは夕映やサクラ、知世やモコナを背中に乗せ邪魔にならないよう、危険にならないようにまず安全な位置へと皆と共に移動する。 「これは・・・厄介な事になりましたね」 「そうだな、長い年月をかけて巨大鬼神もサクラの羽を取り込んでいた様だ、かなりの霊格を感じる・・・」 「魔力レベル・・・とか言ったな、それに換算するとどれ位になるんだ?」 「そうだな、レベル1500・・・と言った所だな」 「レベル1500って・・・桜ちゃん以上じゃない!」 皆が驚くレベル1500の数値、これはエヴァが700、桜が1000なのだからその物凄さは明確なものとなる。 「ふっはっはっはっは・・・これはこれは面白い事になっておますな」 「こんな時に誰だ!」 そして背後から聞こえた妙な声、皆が振り返るとそこには天草千草の姿がそこにあった。 「お昼ぶりどすこんばんは、あんさん等自らたいそうなもん復活させてもらいましたな」 「なんだ雑魚二人か・・・」 エヴァは雑魚と思いまったく眼中に無しと言う具合に千草を無視し、スクノカミのほうへ振り返る。 「雑魚とはなんどすか!・・・しかも今回は二人やあらへん、緊急につぎ緊急で4人ほどまた助っ人さんが来てくれはったんやからな、助っ人は〜ん!」 「あ・・・あなた達は!」 千草は新しく仲間をまた入れたらしく、助っ人を大声で呼ぶ。 すると四人の人間とは思えない人間型の化け物がエヴァ達の前に現れなぎさが反応した。 「サーキュラス」 「ウラガノス」 「ビブリス」 「バルデス」 「今日こそはその息の根を止めさせてもらうぞプリキュア」 現れたのはなぎさ達プリキュアの強敵ドツクゾーンの四天王、何時もは一人一人別々に現れているのだが、今回は四人同時もあってなぎさもほのかも驚いている。 「イキナリ四天王全員が相手!?」 「そんな・・・一人ずつの相手でもかなり手こずっているのに・・・」 「ふふふ・・・驚いとるようやな、正直シャオランはん達が裏切って小太郎はんもどこに居るか分らん様なってもうあかんわと思っとったけど、その時この四人が現れて手を貸してくれる事になったんや」 「まあそれまではシャオランはんがわざと敵に捕まり敵はんの隙を突いて木乃香お嬢様をさらう手はずやったんやけどな」 千草が放ったその一言、桜はその一言に驚きシャオランの方を向く。 「シャオラン君、この話本当なの?」 「すみません、実は詠春さんがおれの話を聞きいれない場合その手段にうって出るつもりだったんです」 そう、シャオランは詠春が頼みを聞き入れない場合を考慮して他の作戦も考えていたのである。 この作戦とは、もし聞き入られない場合その場に居るハルナや夕映、のどかや朝倉と言った一般人を人質に取ってでも木乃香をさらう参段だったのだ。 だがシャオランも詠春が聞き入れてくれてほっとしていた。非道な事は極力シャオランの本心からやりたくなかったからである。 「桜君・シャオラン君、過ぎた事を今更話していても仕方がありません今は敵を倒す事だけを考えて!」 「ウチ等にも運がまわって来たって事や、フェイトはん月詠はん助っ人はん、お願いしますぇ」 そして千草の掛け声と共になぎさ達の前へと一瞬で移動してきた四天王、敵はスクノカミを居れ全部で8人、桜達はこのようにしてそれぞれ闘う相手へと参戦して行った。 「どうするほのか・ひかり?」 「どうするもこうするも相手は四人で勝ち目がなさそうだけど」 「戦うしかありません!」 「おっと、今仲間には俺達がいる事忘れんな」 すでに戦う気満々の黒鋼、一方鶴子も月詠をにらみつけていた。 「そうどすな、所で月詠はんまだウチ等に楯突く気どすか?」 「刹那先輩・・・昼間の続きです〜!」 鶴子が本当に怖かったのか面前でカクッと90度ターンをして刹那の方へ突撃していく月詠、なぎさはその行動に汗を流しながら呆れた。 「あ・・・さらっと桜咲さんの方へ流れた」 「ト・ティコス・ディエルクサストー・ドリュ・ペトラス(障壁突破石の槍)!」 その瞬間、鶴子の後方から呪文の詠唱が聞こえ後方の地面から石の槍が鶴子に迫って伸び、鶴子は間一髪で避ける。 「危ないどすな、不意打ちなんて酷いわ〜」 「この世界最強の剣士青山鶴子、あなたの相手は僕が致します」 「そうどすか、あんさんが相手なら久々に本気をださなあかん様どすな」 自らの刀を持ちながら月詠のときの数倍はあろう殺気を漂わせる鶴子、その瞬間鶴子はフェイトに向って突撃した。 「おいガキ・・・あのバルデスとか言う奴は俺にまかせな、アイツからは他の三人とは違う何かを感じる」 黒鋼はバルデスの異様な力の気配を察知してなぎさとほのかに自分に任せるよう促す。 するとまた後方から二人の人物、ファイと小太郎が姿を現した。 「ふ〜やっと着いた〜、黒りんカッコイイよ〜」 「全く兄ちゃんなんでワイまでネギの味方せなあかんや?・・・まあ今回はサクラ姉ちゃんの為やし、ワイの相手はあの大きいおっちゃんな」 「俺はおっちゃんではないぞ」 小太郎におっちゃんだと言われ怒っている模様のウラガノス、このウラガノスにはもう二人戦いに参戦した。 「なら私達はこの子と一緒に戦いましょ」 「そうです、あっち(スクノカミの方)は役立ちそうにないですが、こっちで活躍するです」 「おいおい、ちっこいの足手まといになんなや」 「私はちっこく無いですチビ人間!」 「どう見たってそっちの方がちっこいやろ」 本当にどんぐりの背比べなレベルの低いこの口論、この作者私から見たらこの二人は二人ともチビだ。 「ほらほら喧嘩なんかしてないで・・・やるわよ」 「しゃ〜ないな・・・」 「うが〜〜〜〜!!!」 そして真紅だけが冷静にこの二人にちゃんと戦うよう促し二人とも仕方なしにと戦いに身を入れ、するとウラガノスは雄叫びを上げた。 こうして戦いを始めた小太郎と真紅それに翠星石、三人ともウラガノス相手に優位に戦い、それを見ていたなぎさを驚かせる。 「・・・と言うかさっきから思ってたんだけどネギ君もそうだけどあの子も凄い、私達みたいに変身もしてないのに」 「ブラックそんな事言ってないで、後の残りの二人は私達でいくわよ!」 「はい」 「君達の加勢は私がしましょう、全盛期と違って少し腕は落ちましたが・・・」 サーキュラスとビルリス、この二人の相手にはなぎさ・ほのか・ひかりの三人、それともう一人、現役ではないのでナギと一緒に戦っていた時代より腕が衰えてしまっている詠春が参戦した。 「・・・で結局あの大きな鬼さんと戦うのは私達・・・と言う事になったね」 「坊やそれに神楽坂明日菜、お前等居ても足手まといになるだけだからあの天草千草の相手でもしていろ、今ならチャチャゼロも付けるぞ」 桜が相手をするのはやっぱりスクノカミに決まり、エヴァはネギや明日菜は足手まといになるとの事でサービスにゼロもつけて一番敵の中で戦力の低そうな千草と戦うように促し、その瞬間やっぱり明日菜は切れた。 「何ですってエヴァちゃん!、それじゃあ私達が弱いみたいじゃない!」 「ああ・・・十分に弱い、貴様等の戦闘力なんかこの中でも低い方だからな、こっちのシャオランの方が使るぞ」 「なにお〜エヴァちゃん!(怒)」 「明日菜さん、エヴァンジェリンさんの言っている事は本当です。相手は敵の首領な訳ですしそれで良いじゃないですか」 「ケケケ・・・ジブンノジツリョクヲカシンスンナヨ」 ハマノツルギ片手にもうすでにエヴァに殴りかかりそうな明日菜、本当の事だから仕方ないが、この言い方では明日菜が怒っても仕方がない。 「ふふふ ウチの相手は決まった様どすな、サウザンドマスターナギ・スプリングフィールドの息子相手にとって不足は無いどすぇ」 「待ってなさい、今からアンタをすぐにやっつけてエヴァちゃんを見返すからね!」 明日菜が振り返り声を出しながら千草に指を刺すと、ネギはイキナリ明日菜の契約を執行した。 「行きますよ明日菜さん、シス・メア・パルス(契約執行)×60秒間 ミニストラ・ネギィ(ネギの従者) 神楽坂明日菜!」 「ヨッシャイッチョサツリクスッカ」 「くれぐれも殺しちゃダメだよゼロちゃん」 「・・・だそうだ」 「ヘイヘイ、コレジャアドッチガゴシュジンダカワカンネェナ」 千草を殺す気満々だったゼロ、だが桜のお願いにより少しやる気をなくしネギの後を追う。 「姫・・・こちらも相手は待ってはくれないようです!」 「でも・・・改めて見てみると・・・怖いよ〜」 桜は下から体長がゆうに100mはあろうかと言うスクノカミを見上げその大きさ・巨大さを再確認する。 「桜、大丈夫だ桜と私が力を合わせれば勝てる敵だ!」 「知世や夕映っちはワイに任せて全力でぶつかれ桜!」 「ぐがおぉーーーー!!!」 そして今まさに動きだしそうで雄たけびを上げているスクノカミ、その時空から瀬流彦の襟首を持って桜の方へユエが下りてきた。 「桜」 「や・・・やあ」 「ユエさん!・・・それに瀬流彦先生!」 「なんやユエ来たんか?」 「ああ・・・巨大な力を感じて、コイツも役に立つかどうか分らんがついでに連れてきた」 「まあ捨て駒とかには使えそうだな」 「あ・・・やっぱり生徒の護衛は私が・・・」 「逃げるな」 「はい・・・(泣)」 ついでに瀬流彦先生もつれて着た様子のユエ、瀬流彦先生も嫌々連れてこられたようで3−Aの護衛を理由にその場を逃げようとしたのだがあっけなくユエに捕まってしまう。 「よし、これでリョウメン・・・ではもうないな、ヨンメンスクノカミを倒すメンバーもそろった、全員で倒すぞ皆足手まといになるなよ!」 「小娘に言われたか無いわい、・・・と言ってもわいはサクラや夕映っち木乃香姉ちゃんの守りで動けんし・・・」 「すまんな〜ケロちゃん」 「すみませんですケルベロスさん、桜さん後から話を聞きますですよ」 皆スクノカミに対して臨戦態勢をとるが、ケルベロスだけは夕映やサクラ・木乃香が危険にさらされないように守る事となって戦闘に参加できなず、夕映も周りの空気を呼んだのかこの状況に関して今の所なんら追求はせずにいる。 「シャオラン君頑張って!」 「はい、分りました姫!」 「マスターそろそろヨンメンスクノカミの本格的な移動が開始されます」 「そうか、では行くぞ!」 最後にサクラの応援にガッツポーズをとるシャオラン、そしてリョウメンスクノカミ改めヨンメンスクノカミとの戦いが今始まった。 「星の力を秘めし鍵よ真の姿を我の前に示せ 契約の本桜が命ずるレリーズ!」 「モコナ緋炎を!」 「分った!」 桜は戦闘が始めると同時に先ず封印の鍵の封印を解き鍵から杖に変え、シャオランも緋炎をモコナから受け取る。 すると桜はすぐに翔(フライ)のカードを使い浮遊術を使うエヴァと共に空に浮き飛び始める。 「茶々丸!お前はシャオラン・ユエ二人と共にヨンメンスクノカミの動きを封じろ、その間に私と桜がデカイ魔法をぶっ放す!」 「はい マスター」 「ユエさん、シャオラン君、お願いします」 「分った」 「分りました」 戦闘の主な指導者はエヴァ、シャオラン達はエヴァの命と桜のお願い(ユエは主人である桜の命令以外は殆ど聞かない)を聞くと先にスクノカミの方へ向かっていった。 「いっけ〜シャオラン!」 モコナはケルベロスの頭の上でう●まるの用に乗ってシャオランに声援を送る。 「ワイの活躍・・・あんまないな〜」 目立ちたがりのケルベロスも自分の活躍する場があまりない事に少し気を落としている。 「あの・・・私指令受けてないんですが・・・」 「どうでも良いからお前も突撃しておけ」 「いや・・・私も魔法使いですので前衛は・・・」 「つべこべ言わずいけ!」 「はひ!」 エヴァに尻を蹴られシャオラン達の後からそっとヨンメンに突撃していく瀬流彦、エヴァは本当に捨て駒位にしか瀬流彦の事を考えていないようだ。 「桜、合図を送るから私の魔法に合わせて最大の攻撃カードを使え!」 「うん、分った!」 「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・・・」 エヴァの方が呪文の詠唱が長く掛かるので先に長い呪文を詠唱し始めたエヴァ、その頃シャオラン達はスクノカミ目前まで着ていた。 「ひゃ〜近寄ってみるとデカイ!」 スクノカミの足元でその顔を見上げ恐怖に少し震える瀬流彦。 「たしか瀬流彦さん!・・・でしたっけ、空を飛ぶ事はできますか!?」 「はい、一様魔法使いですから」 「ならすみませんが乗せてください!」 「はあ」 瀬流彦はシャオランに頼まれると杖を出し自分の後ろに唯一飛ぶ事のできないシャオランを自分の後ろに乗せ、空に浮き始める。 「しかし、これだけ大きいとどこから攻撃を仕掛ければ良いのか分らないな」 飛んでみるとますます分るスクノカミの巨大さ、あまりの大きさにどこから攻撃を仕掛けて良いのか分らないくらいだ。 「シャオラン! 胸のアタリからサクラの羽の気配がするからそこ狙って!」 「胸か・・・、茶々丸さんユエさん聞きましたか!?」 「ああ・・・」「はい」 モコナからどこに羽があるのか聞くと聞こえたかの確認のためにユエと茶々丸の方向を向くシャオラン。 「でしたらおれが緋炎で胸に切りかかりますから腕の方お願いします!」 「わかりました」「わかった」 するとシャオランは真っ直ぐスクノカミのまん前へ緋炎片手に回り込んで行き、その小狼に攻撃が来ないようにユエは右の方の腕達のカバーを、茶々丸は左の方の腕達のカバーに向かう。 「さて、行きますよ瀬流彦さん!」 「シャオラン君、私の命は預けたからね」 「はい、突撃してください!」 そして突撃していく小狼と瀬流彦、瀬流彦もここまで着たらシャオランに全てを任せるしかないようだ。 「対空ミサイル発射」 「フッ!」 ユエは大量の氷の矢を出し、茶々丸はミサイルを自分の体から発射させスクノカミの左右の腕達に攻撃を仕掛ける。 「よし、いけそうだね小狼君」 「はい・・・この剣でどこまで切れるか分りませんができるだけやってみます」 「うおぉぉぉ〜〜〜〜!!!」 そして瀬流彦の杖の上から宙に飛び上がりヨンメンに目掛けて緋炎を両手で持ち全力で切りかかるシャオラン。 (く・・・思っていたより皮膚が厚く硬いな、ぐぐぐ・・・・) だがスクノカミの皮膚は予想以上に硬く緋炎でも皮膚の途中で止まってしまう。 「はぁーーーーー!!!!」 「があああ〜〜〜〜!!!」 シャオランの懇親の叫びとスクノカミの雄たけび、シャオランは何とか緋炎でスクノカミの皮膚を切り裂き瀬流彦の乗った杖の上に着地する。 「シャオラン君!?」 「くっ・・・・1m皮膚を切っただけか・・・・大き過ぎる・・・」 だがスクノカミは緋炎で切られた位では微動だにせず、切ったのは精々皮膚1m深くまででこれでも巨大なスクノカミにとってはたいした事はない。 そしてシャオラン達がスクノカミの相手をしている時、桜とエヴァは・・・ 「ト・シュンボライオン(契約に従い)ディアーコネートー・モイ・ヘー(我に従え)クリュスタリネー・バシレイア(氷の女王)」 「シャオラン! 胸のアタリからサクラの羽の気配がするからそこ狙って!」 「聞いたか桜! 胸を狙え、この私の魔法は150フィート四方の空間をほぼ絶対零度にするものだから私が打つと同時を狙うんだぞ!」 「うん!」 呪文詠唱中にモコナから同じ言葉をちょうど聞いたエヴァ、すると自分の呪文の説明を簡潔の述べ桜に魔法の同時打ちを促す。 「そろそろ呪文を使え!」 「火炎を纏う龍となり我を阻む敵を粉砕せよ」 「エピゲネーテートー(来れ)タイオーニオン(永久の)エレボス(闇)!」 桜が手にしたのは桜カードの中でも高位カード四大元素のカード2枚、火(ファイヤリー)と「地」(アーシー)のカード、前にもこの二枚の同時は使ったがこれが桜のできる最強の魔法だ。 「火(ファイヤリー)+「地」(アーシー)!」 「 ハイオーニエ・クリュスタレ(永遠の氷河)!」 桜とエヴァ二人同時に呪文の詠唱を終わらすと、桜の杖の先からは馬鹿デカイ火炎を纏った竜が杖の先から現れ、地面からはエヴァの魔法により巨大な氷の槍が飛び出しスクノカミの周囲150フィート四方の空間をほぼ絶対零度にしてスクノカミを氷付けにした。 「行ったよシャオラン君!」 「はい、す・・・凄い」 「さすが木之本さんだ・・・」 そのあまりの二人の魔法の物凄さに驚愕するシャオランと瀬流彦、他の場所で戦っている仲間達もその魔力の大きさ、魔法の凄まじさに驚愕していた。 「げっ・・・何あれ!?」 「木之本さんとエヴァンジェリンさん・・・」 「さすがはエヴァさんと桜君です。 魔力に凄まじいものがあります」 「私達、あいつ等の相手じゃなくて良かったな」 「そうだな・・・」 ドツクゾーンのビブリスとサーキュラスと戦っていたプリキュアと詠春、なぎさは目を丸くして桜の出した巨大な龍を見上げビブリスとサーキュラスは戦わなくて良かったと二人ともそう思っている。 「なんやなんやなんや、あれは反則とちゃうんか!?」 「ひゃ〜あんなの食らったらひとたまりも無いです普通」 「さて、これで倒せるかしら」 「ひゃ〜先輩凄いですね〜」 「さすが桜さんです」 「この威力、ウチが食らってもひとたまりも無いどすなズズズ・・・」 「右に同じです、あ・・・そこのお菓子とってください」 「なに鶴子姉ちゃんだけ敵と一緒に茶の飲んでお菓子食ってんねん!」 桜とエヴァの魔法を見ながらなぜかフェイトとお茶を啜ってお菓子を食って休憩していた鶴子、すかさずそこへケルベロスがツッコミを入れた。 「どうせ戦っても決着着きそうにない事やし、休戦協定や休戦協定」 「そうです」 なんかやる気あるのかこいつ等と言いたい位のこの二人、なぜかケルベロスはお菓子のほうへ眼が言っている。 「ならワイ等もまぜて〜なお菓子食いたい」 「ダメだよケロちゃん、桜ちゃん達やシャオラン君達の応援しなきゃ」 「ええ〜〜〜!!!」 サクラに怒られ別の場所へ引っ張られていくケルベロス、本当にケルベロスは食い意地がはっている。 「ケロちゃんってホンマ食い意地はっとんねんな〜」 「こんな時なのにね〜」 「さすが桜さん、前にも見ましたが凄い魔力です」 「このまま旨くいきゃあ決着も早いんじゃない?」 前にも図書館島のときにその威力を見ていたネギ、その時は誰もがもう終わったと思い火炎の龍が氷付けになったスクノカミに突撃した瞬間、火炎の龍はスクノカミの胴体を食い破りスクノカミの胴体に風穴を開けた瞬間・・・ 「がぁぁぁあ〜〜〜!!!」 「何!?・・・こんなにも早く再生しているだと!」 今まで氷付けになっていたと思われたスクノカミが氷を弾き飛ばしまた動き出し、風穴が開けられた胴体も見る見るうちに再生していく。 「ほぇ〜それじゃあどうやって倒せばいいの!?」 「いや・・・見て下さい、あの穴の開いた胸を!」 スクノカミのあまりの回復力、自分達の最大の魔法が効かなかった事に大声で叫ぶ桜、するとシャオランが胴体が丸く開いたスクノカミの腹の中に丸い球状の光るものを見つけた。 「マスターあの場所の中心核に羽のような物の高エネルギー反応を感じます」 「・・・と言う事はサクラの羽はあそこにあると言う事だな」 「攻撃が来ます、姫・皆さん避けてください!」 サクラの羽の位置を確認すると息つく暇なくスクノカミの腕が桜達に襲い掛かる。 「ほぇ〜〜〜〜!!!」 「あっ!?」 桜達の頭上から振り下ろされる腕を危機一髪で避けて行く桜達、だがその時予想もつかなかった事が起こった。 そしてそれはその直前の事であった。 「ふ〜一瞬ヨンメンスクノカミが敗れたと思いましたわ」 「そんな、桜さんとエヴァンジェリンさんの最大の呪文だったのに」 「あの二人の最大の攻撃が効かないなら、一体どうすんのよ!?」 「ケケケ・・・まあオチツケヤアノフタリナラナントカスルダロウヨ」 「ゼロちゃんアンタ冷静よね」 「ニンギョウダカラナ」(←理屈になってない) 桜とエヴァの魔法が効かなかった事に驚愕していたネギと明日菜、そしてなぜかゼロだけは冷静になっている。 「分りましたやろ、ヨンメンスクノカミはサクラはんの羽のおかげで最強になりましたんや、もう誰にも止められまへんぇ」 「千草さん危ない!?」 「へっ?・・・・」 突如聞こえたシャオランの声、だが時はもうすでに遅く千草が振り返った時には千草の眼(まなこ)にヨンメンスクノカミの手の平が写っていた。 「なんどす、離す・・・離すどす!!」 「千草さん!!!」 そしてスクノカミの手に捕まった千草は手の平に体をつかまれたままどんどん地上から遠ざかっていく。 「ふん・・・馬鹿が、ヨンメンスクノカミにとって敵味方など関係ない、目に映るもの全てが敵、それは私達や貴様等も例外ではない」 「エヴァちゃん、そう言わずに助けてあげて!」 「すまんな桜、もう手遅れの様だ」 その様子を見かねた桜はエヴァに助ける様頼むが時はすでに遅し、その時には千草はスクノカミの頭上へと持ち上げられスクノカミは大口を開けていた。 「ちょ・・・待ちなはれ、ウチはあんさんの味方どす、味方・・・ぎゃ〜〜〜〜!!!」 「ゴックン!」 「千草さん!」 千草の叫びはそこら中に響き渡り、それと同時にスクノカミにまる飲みされる千草の姿、シャオランはその瞬間千草の名前を大声で呼んだ。 『二日前の夜中』 最初桜達と戦った日の深夜、黒鋼やファイやサクラ・モコナはアジトでもうすでに眠っていたのだがどうしてかシャオランだけはまだ眠ってはいなかった。 「なんやシャオランはんまだ寝てはらなかったんか」 サクラ達とは別の部屋に居る千草の部屋へと足を踏み入れるシャオラン。 「ええ、千草さんに一つ聞こうと思いまして」 シャオランはそのまま千草の方へ近寄りながら話しかける。 「質問どすか、答えられる事やったらお答えします」 千草の了解を得ると一つの確認と共に一つの質問をシャオランはした。 「あの近衛木乃香と言う人を捕らえれば18年前サウザンドマスターと言う人に封印された巨大鬼神と言う化け物の封印を解く事ができる」 「そうどす、シャオランはんもそれを承知でウチ等の仲間になったんやろ」 「はい、おれには必ずやらなければならない事があるからです。 ですが千草さん、あなたの場合は違います・・・千草さんはどうして巨大鬼神と言う化け物の封印を解こう等という事をしているんですか?」 シャオランはサクラの羽を手に入れる為やむなくしている事であるが、シャオラン達とは違う千草はどうして巨大鬼神の封印解除を目論んでいるのか、シャオランはその事が気になっていた。 「そうどすか、ま・・・シャオランはんも仲間どすし話したるわ、今回のウチの目的は復讐どす」 「復讐・・・ですか?」 「そうどす、ウチの両親は20年前の大戦・・・それで命を落としてますのや、やから西洋魔術師に復讐する為に今回の事考えついたんどす」 かつての20年前の大戦、シャオランは大戦と言われても分らないが裏の世界で起こった戦争のようなものだと位は知らなくても分る。 しかも、その対戦で千草の両親が死にそして千草が西洋魔術師を憎んでいるとなればおのずとある答えに行き着く。 「え・・・と言う事は千草さんの両親は・・・」 「やからや・・・やから西洋魔術師だけは許せまへん・・・許せまへんのや・・・」 「千草さん・・・」 そして同じ言葉を何度も何度も繰り返す千草、シャオランはその時千草の目の奥に写る悲しいものを見ていた。 所変わって千草がスクノカミに飲み込まれる所を見ていたネギ達、戦っていた相手が飲み込まれた事によって自分達の戦う相手が居なくなっていた。 「ちょっとネギ、敵の大将飲まれちゃったわよ!」 「ケケケ・・・アクノマツロハコンナモンダナ」 「桜さん達に加勢しましょう!」 「オ・・・イクカ」 「でも・・・私達行って役に立つのかな?」 明日菜はそう言いながらもスクノカミに向って走り出し、当の千草を飲み込んだスクノカミは少し満足したのか腹を手でポンポン叩きながら満悦に浸っていた。 「が〜〜〜♪(ポンポン)」 「千草さんが飲まれちゃった・・・」 「サクラ〜」 ケルベロスの所に居るサクラも千草が飲み込まれた事にショックを隠しきれなく、それをモコナが困った顔でサクラに話しかける。 「ケロちゃん、桜ちゃんあんなん相手にして大丈夫なんか?・・・なあ」 「大丈夫や・・・桜なら何とかやる・・・桜には無敵の呪文があるからな」 「無敵の呪文?」 「あの・・・無敵の呪文ですわね」 あまりの事に木乃香も桜が大丈夫なのか心配するが、桜にはあの無敵の呪文がある、知世もそれを信じていてケルベロスのその言葉に反応する。 「そうや・・・知世、木乃香姉ちゃん、サクラ、夕映っち、モコやん・・・ちょっとワイも桜の応援行くからここで動かんようまっとってな」 「はい、私はどこまでも桜ちゃんを信じておりますのでさくっと倒してきてくださいな」 「ああ・・・」 するとケルベロスはサクラ達をその場に残して桜達の加勢に羽を広げ飛んでいく。 一方桜は、今にも泣き出しそうな顔をしながら動揺し、エヴァに慰められていた。 「どうしようエヴァちゃん、敵さんも飲み込まれちゃんったし、私たちの魔法も効かないし・・・」 「落ち着け桜、なにか策があるはずだ・・・なにか策が・・・」 「マスター敵は一人飲み込んだ事により少し満足しているようです」 腕を前で組みスクノカミの打開策を考えているエヴァ、スクノカミは今千草を飲み込んだ事により満悦気味になって動きを少し止めている。 「姫、自分を信じてください。自分を信じてもう一度同じ呪文をヨンメンスクノカミに当ててください、おれに一つ策がありますから」 「え・・・策、本当なのシャオラン君?」 桜を励ましながら近寄ってくる瀬流彦の杖の後ろに乗ったシャオラン、なにか策があるみたいで桜はシャオランにそれが本当か問う。 「はい、ですから自分を信じて呪文を使ってください、そしたらあの巨大鬼神は倒せるでしょう」 「うん、分ったよシャオラン君、絶対に大丈夫・・・絶対に大丈夫だよ・・・」 『絶対に大丈夫だよ』これが桜の無敵の呪文、これがあるから知世もケルベロスも桜がスクノカミに勝つだろうと揺るがず信じている。 そして桜が気を取り直すと、丁度ケルベロスとネギ達が加勢に現れた。 「桜ー加勢に来たでー!」 「桜ちゃん!」 「桜さん!」 「ヨッ!」 「ケロちゃん、それにネギ君に明日菜さんゼロちゃん!」 現れたネギ達はそのまま桜の前に次々に立ち、するとすぐにエヴァにはなしかけられる。 「坊やにぬいぐるみ、良い所に着たな今は猫の手も欲しい所だったんだ」 「・・・と言いますと・・・」 「今からもう一度桜と私がさっきの呪文を放つ、それまで一切こちらに攻撃の手が来ないようにしろ。 何かこの小僧に策がある様だ」 「策って?」 「今から説明します」 そして自分の策を説明するシャオラン、だがその策はシャオランの命を無謀にもさらすものであって桜達はすぐに反対した。 「シャオラン君、そんな事して大丈夫なの? それじゃあシャオラン君が危ないよ」 「そうよ、一歩間違えたら死ぬかも知れないわよ!」 「そうですよ」 「おれは大丈夫です。 目的の為に今死ぬわけにはいかないですし、おれは姫を信じていますから」 何を言っても聞きそうにないシャオラン、シャオランも桜を信じているので大丈夫だと断言し桜はそのシャオランの言葉に折れた。 「シャオラン君・・・うんわかった」 「じゃあその作戦通りにいこうじゃないか、茶々丸・チャチャゼロわかったな」 「ハイマスター」 「アイサーゴシュジン」 「まっ・・・桜ちゃんが言うなら、私もそれに賭けるわ・・・任せたわよ!」 「そいじゃあ作戦通り今から決行や、分ったな!」 そして作戦は満場一致で決行する事になり、作戦通りシャオラン・桜・エヴァを残しそれぞれに指定位置へ飛べるネギ達はそのまま移動し、明日菜はケルベロスに乗って移動する。 「あの・・・私は・・・」 「この作戦の都合上・・・もう用無しだ(この中で一番戦闘能力低いしな)」 「そんな・・・(泣)」 だが一番戦闘能力低いと言う事で取り残された瀬流彦、一方移動していった明日菜達はと言うと・・・ 「よっしゃ行くで足手まといになんなや坊主・明日菜姉ちゃん!」 「分ってるわよケロちゃん!」 「あの・・・いつのまにか明日菜さんのハリセン・・・剣になってませんか?」 「あれ?・・・いつのまに?」 「よかったやん、けどこれで戦いやすくなったやん」 「・・・・・・・・・・・・」 「あの・・・私達は会話しなくてよろしいのでしょうか?」 「別に良い・・・」 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」 「コノフタリムクチダカラナ」 いつのまにかハマノツルギがまた剣バージョンになって驚いている明日菜、一方ユエ達は全く何も喋らず静かなものであった。 「さて、そろそろ呪文を唱えるぞ桜、タイミングはさっきの通りだ分ったな」 「うん!・・・その前にシャオラン君良いかな?」 「なんですか姫?」 「その姫と言うの止めて欲しいんだけど、ほら・・・私サクラちゃんじゃなくてシャオラン君の姫じゃないし・・・」 「そうですか、すみませんいつもの癖で・・・」 「でも・・・あそこにいるサクラちゃんもシャオラン君には名前で呼んで欲しいと思っていると思うよ」 「・・・・・・・」 サクラがまだクロウ国に居てシャオランの記憶があるときに何回もサクラから言われたその言葉「名前で呼んで」、シャオランはその言葉を今まさに思い出していた。 「分りました桜さん、ですがサクラ姫はずっと前からそう呼んで居ましたので・・・」 「そう・・・でもシャオラン君はサクラちゃんを名前で呼ぶ日が絶対に来ると思うな」 「そうですか・・・」 シャオランに離しかけながらニコリと笑うその桜の笑顔、シャオランはその桜の笑顔を見ると少し小さな声で桜に一言返した。 「話はもういいか桜、そろそろいくぞ!」 「うん!」 「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」 エヴァが桜に声を掛けると同時に桜は返答し、エヴァは即座に呪文を詠唱し始める。 そしてスクノカミの方へ向ったユエやケルベロス達は腕達相手に奮闘していた。 「できるだけ早くしてくれよ桜、思ったよりコイツ強いわ」 「あぶなっ!・・・ちょっとケロちゃん、ちゃん避けてよ私に当たるじゃない!」 「ラス・テル・マ・スキル・マギステル・・・」 ケルベロスの方に腕が向ってきて寸前に避ける。だがそれが明日菜に当たりそうになったりもしている。 「・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・」 「ダカラナンカシャベレヨオマエラ、ドクシャモコマッテルダロ」 そして全く無口で何も喋らず戦っている茶々丸とユエ、そこへゼロがツッコミを入れるがスクノカミに氷が刺さる音やミサイルやレーザーによる爆音だけが響き渡っていた。 「ト・シュンボライオン(契約に従い)ディアーコネートー・モイ・ヘー(我に従え)クリュスタリネー・バシレイア(氷の女王)」 「火炎を纏う龍となり我を阻む敵を粉砕せよ」 「エピゲネーテートー(来れ)タイオーニオン(永久の)エレボス(闇)!」 「火(ファイヤリー)+「地」(アーシー)!」 「 ハイオーニエ・クリュスタレ(永遠の氷河)!」 先程と同じようにエヴァに合わせて二枚の桜カード火(ファイヤリー)+「地」(アーシー)を使い火炎を纏った龍を出す桜、すると桜は即座にシャオランに呼びかけた。 「シャオラン君!」 「はい!」 そして桜の声を聞くと同時に火炎を纏ったの龍の頭の上に飛び乗るシャオラン、だが・・・ 「ぐ・・・さすがに熱いな・・・」 乗っているだけでシャオランを襲う身が焼けるような程の灼熱の熱さ、その時ヨンメンの口から一発火球が放たれた。 「来たでー小僧避けろ!」 「分ってます!」 火炎を纏った龍に乗ったシャオランはケルベロスの一言で火球をその龍ごとすかさず避ける。 ・・・だが 「ほぇっ!」 「桜さん!」 「桜(ちゃん!)(さん!)」 火球の軌道は桜の方へ一直線、シャオランや明日菜・知世達の呼びかけ空しく桜の前まで来た火球、桜はイキナリの事で体を動かす事ができず身を凍らせてしまったが、火球はなぜか桜の目の前で爆発した。 「ほぇ・・・・」 「大丈夫かい木之本さん?」 「瀬流彦先生!・・・カードさん達も!」 桜の目の前で立ちはだかって体で火球を受け止めていた瀬流彦、その後ろには桜の前に桜カード達が並んで桜を守ろうと桜の目の前で浮いていた。 「良かった大丈夫だったみたいだね」 「瀬流彦先生こそ大丈夫なんですか!?」 桜の言うとおり瀬流彦が着ていた背広は半分焼けただれ瀬流彦は焼けどだらけになってしまっている。 「大丈夫、HP残り2の所で何とか持ちこたえたよ・・・でもちょっと食らいすぎたかな、気絶するね・・・」 「瀬流彦先生!」 そして桜の目の前で倒る瀬流彦、桜がそれを見て瀬流彦に近寄ると本当に気絶しただけで命に別状はなかった。 「ほっ・・・瀬流彦さん・・・だがまだ気を抜く事はできない」 「うぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!!!!」 桜の身の安全を見届けると、そのまま身をかがめながら叫び声を上げ先にエヴァの魔法で氷付けヨンメンの胸へ突撃するシャオラン、そのシャオランに皆歓声の声を上げた。 「後は頼んだで小僧!」 「アンタに掛かってるんだからね!」 「シャオランさん!」 「ぐ・・・ぐ・・・ぐおおお(今にも体が砕けそうだ・・・・)」 突撃したシャオランに襲い掛かる身を今にも砕きそうな程の激痛と巨大な力、シャオランは気力だけでその襲い掛かるものを何とかしのぐ。 「!?・・・あれか、あの玉の中にサクラ姫の羽が見える!」 激痛に耐えるシャオランの目の前に現れた2m位のスクノカミの中心核らしき玉、近くで見てみるとその中にサクラの羽が薄っすらと影のように見える。 「負けるな小僧、貴様に全てが掛かってるんだからな! もし負けたら私が貴様を殺してやる!」 「バッラバラニナ・・・ケケケ・・・」 そして突撃しているシャオランにふと罵声を浴びせるエヴァ、シャオランもそれは分っているのでそれが今シャオランの支えとなっている。 「おれの背中には桜さん・エヴァンジェリンさん・瀬流彦さん・皆の期待が乗っているんだ・・・ここで負ける訳にはいかない・・・」 もうすでに突撃最中でもボロボロになっているシャオランの服と体、次の瞬間桜は声援を送った。 「小狼君!・・・絶対に大丈夫だよ!」 「うおおおぉぉぉーーーー!!!・・・!?」 「千草さん・・・」 シャオランが叫びながら中心核の玉へ両手で持った緋炎で切りかかったその時、すぐ近くにスクノカミにに飲まれたはずの千草の姿が見えた。 ウチは・・・西洋魔術師だけは許せまへん・・・許せまへんのや・・・ シャオランによぎる二日前千草から聞いたこの言葉、するとシャオランは懇親の力をかけ玉に緋炎の刃を中心核の玉に当てた。 「はぁぁぁぁーーーー!!!!」 「ぐぁお〜〜〜〜〜!!!!!」 その瞬間、大爆発と共にスクノカミの胸の部分は大爆発しスクノカミの体はバラバラにそこら中に砕け散っていった。 「「シャオランくーーーーん!!!」」 そのスクノカミが砕けるのを見た二人の桜はシャオランの名を大きな声で呼び、サクラは桜の方へ知世や木乃香達と共に猛ダッシュして近寄っていく。 「ねえ桜ちゃん、シャオラン君は大丈夫なの?」 「私にも分らない・・・」 桜達の目の前、スクノカミが居たであろうその場所辺りは崩れたスクノカミの体の破片によって粉塵が当たりシャオランの生死を確認する事ができない。 そして少しばかり粉塵が晴れてくると、シャオランらしき影が粉塵の中から見えてきた。 「姫・・・」 「「シャオラン君・・・」」 「それに千草さんも・・・」 二人同時にシャオランの名前を呼ぶ桜とサクラ、その腕には気絶した千草をお姫様抱っこされ、その抱っこされている千草の胸の上にはサクラの羽がふわりと浮いている。 そしてその浮いているサクラの羽がすうっとサクラの胸の方へ飛んでくると、 「ほ〜・・・」 ・・・っとサクラの胸の中へ羽が入って行き、サクラはそのまま桜の腕の中へ気絶してしまった。 「サクラちゃん!」 「桜さん、姫なら大丈夫です、気絶しただけですから」 「ぐーげほっ!げほっ!」 サクラが気絶したことに驚く桜、シャオランがその桜にそう言うと千草の意識が戻ったのか二・三度咳をした。 「千草さん大丈夫ですか?」 「う・・・シャオランはん・・・ウチはシャオランはんに助けられたようどすな・・・」 「まったく、それだけズタボロになっている癖して敵まで助けるとは小僧、貴様もつくづく甘い人間だな」 「そうですね」 服も体もズタボロでかなりの怪我を負っているシャオラン、エヴァにあきられながらもそのエヴァに笑顔で返答する。 「は〜シャオラン君凄かったです〜先輩、もう決着着いた様ですからそろそろやめましょう〜」 「貴様にしてはいさぎいいな」 「お給料分は働きましたから〜」 もう戦いは決着したと言う事で剣をしまう月詠と刹那、月詠も給料分働いたとしっかりした事を言っている。 「スクノカミは倒されたようだな、皆の者撤退するぞ!」 「逃げるのか?」 「いいじゃない、もう戦うの面倒だし逃がしてあげよう黒りん」 「次こそはプリキュアの息の根を止めさせてもらう!」 「いつでも来なさい、返り討ちにしてあげる」 「おい・・・逃げるのかおっちゃん!」 「俺はおっちゃんではないっていってるだろ!」 「ふ〜突かれたわ・・・」 「そうです〜」 そしてドツクゾーンの四天王もスクノカミが倒されたと聞くと次々に退散していく。 「やったな〜小僧・桜〜!」 「シャオランさん酷い火傷に怪我じゃないですか早く手当てしないと!」 こうしてシャオラン達が居る所に集まってくる明日菜やネギやケルベロス達、ネギはズタボロに体中傷だらけ、火傷だらけになっているシャオランを見るにすぐ自分のできる(得意ではないが)簡単な回復魔法をシャオランに当てる。 「サクラちゃんどうしたの気絶しちゃってるじゃない!?」 「羽が戻りましたからその影響です」 「・・・でこれからどうするんだ、また違う世界へ行くのか?」 「はい、もうこの世界にいる理由はなくなりましたから」 サクラの羽があったからこそこの世界に来てサクラの羽の為に奮闘していたシャオラン達、そのサクラの羽がサクラの中へ戻るとこの世界にはもう留まる理由はなくシャオランはすぐにでもこの世界から旅たつ事を考えていたが、 「その前にシャオラン君治療しないと」 「そうだね、小狼君君・・・一日位はここに留まってもいいんじゃない?」 「そうだな、小僧お前も休む事ぐらいは覚えろ」 「そうですね」 もうすでに本当に一番ズタボロなシャオラン、黒鋼もファイも今回の事で疲れているらしくやっぱり一日この世界に留まる事にする。 「シャオラン!」 そして突然モコナは大声でシャオランを呼ぶとモコナの額にあった球状の物体から光が出てきてテレビ画面みたいなものが空中に現れ、その中に女性が一人こちらの方を見ていた。 「久しぶりね・・・ケルベロスそれにユエ・・・」 「え・・・誰?」 「あ・・・・」 「なんだまたか・・・」 「侑「侑子姉ちゃんやないかい!」・・・えっ?」 そこに現れたのはシャオラン達にモコナと時空を超える力を与えた次元の魔女侑子(仮名)、桜は侑子と初対面で知らないのは当然であったが、なぜかケルベロスは侑子の事を知っているみたいで、シャオランより先に侑子の名前(仮名)を呼んでいた。 <第三十四話終> 『ケロちゃんの次回予告コーナー』 「こにゃにゃちわ〜!」 「今回また文字数最高記録こ突破しての18000字になってもうたけど」 「それでもケロちゃんの次回予告コーナーがやってきたで〜!」 「さて今回のゲストやねんけど、数えてみたらこのコーナーにでてない3−Aの姉ちゃん達の中で後6人位になっとったな」 「・・と言う事で今回のゲスト、ガイノイドの絡繰茶々丸姉ちゃんや〜!」 「おはようございます」 「いや〜今回の本編、茶々丸姉ちゃんも活躍しとったけどなぜか瀬流彦兄ちゃんも活躍しとったな」 「その様ですね、ですが一番活躍していたのは桜さん・・・とマスターがそう言うようにおっしゃってました」 「姉ちゃん・・・そこまで言うたらあかんのとちゃうか?」 「そうですね、私としてはシャオランさんが一番活躍していたように見えましたがケルベロスさんは何方が一番活躍しているように見えましたか?」 「せやな、やっぱりワイやワイが一番活躍しとったんや!」 「しかしケルベロスさんは知世さん達を守っていてほとんど活躍がありませんでしたが?」 「せやけどとにかく一番活躍しとったのはワイやねん、本編でもここでも喋っとるんやからな」 「それはケルベロスさんがこのコーナーの司会者ですから当たり前の事です」 「やから毎回毎回一番活躍してんのはワイや〜!」 「ですがこの小説の第三話の本編、ケルベロスさんは一言も喋っていなかったと言うデータがありますが?」 「茶々丸姉ちゃん・・・そんな昔の事をむしかえさんといてぇな・・・」 「すみません・・・」 「・・・と言うわけでそろそろ時間やから次回予告いくで・・・」 「さて次回のタイトルは・・・」 「『さくらと修学旅行最終日』です」 「修学旅行での戦いも終わりほっと一安心最終日を過ごす桜達」 「小僧達も桜達と共にゆっくり一日を満喫する」 「桜達の修学旅行最終日は一体どんなものだったのか〜」 「が次回の見所です」 「・・・なんか力の入らん予告内容やな」 「もう戦いもお終わり後は最終日を満喫するだけですから」 「さてそろそろ作者の精神力も尽きそうになってる事やし今回はこれでこのコーナーは終わりや」 「次回は冬休み中になると思うけどまあ皆わいの活躍をみたってな〜」 「それじゃあ皆も茶々丸姉ちゃんも一緒に〜」 「ほなな〜」「さようなら」 <終> |