第三十七話『さくらと古菲と中国拳法』
いつも通りの麻帆良学園の朝の登校風景、桜は知世と共に自分達の中等部校舎へと向かっていた。 「昨日、あの後は大変だったね知世ちゃん」 「はい、三人共驚きのあまり分かれる時でも震えてましたから」 昨日の夜愛衣達に見せてしまった規格外バリリバリの自分の魔力、もうすでに免疫のできた瀬流彦は少し桜のレベルに驚いてはいたが、愛衣達はそれだけではなく桜と分かれる頃まで少し震えていた。 「やっぱりちょっと引いたかな愛衣ちゃん達?」 「桜ちゃん、桜ちゃんは何時もの様に振舞っていれば大丈夫ですわ。昨日は突然の事で少々驚いただけの事ですから」 「そうかな?」 そんなちょっと普通と違った話をしながら登校している桜と知世、すると桜の目にちょっと色黒い髪の毛が黄色な女の子が映った。 「あれ?・・・古菲ちゃん・・・」 桜の目に映ったのは桜のクラスメイト古菲、だがその古菲は怖そうな道着を着た大きな人やらヤンキー風の人達に囲まれていた。 「知世ちゃん、古菲ちゃん大勢の男の人達に囲まれてるよ」 「そのようですわね」 囲まれている古菲を見て慌てだす桜、知世も桜に言われ古菲に気づいたが、その時横から話しかけられた。 「あ〜あれは何時もの事だよ桜ちゃん」 「まき絵ちゃん」 桜に話しかけたのはまた同クラスの佐々木まき絵、まき絵はまったく顔に動揺の色も見せずに桜に説明した。 「くーちゃんは去年麻帆良武道会で優勝しちゃってるから毎日挑戦者が後をたたないの」 「え・・・そうなの、でもあんなに大勢大丈夫なの?」 「見てれば分かるって」 まき絵にそう言われるとそのままじっと我慢して古菲の方を見る桜、するとどうだろう古菲はものの一分ちょいで周りを囲んでいた男達を中国拳法吹き飛ばし、あるいはぶっ飛ばしていた。 「わ〜凄いんだね古菲ちゃんって・・・」 「そうなの、ってネギ君危ない!」 古菲の戦闘を見終わってほっと一息安心しまた感心する桜、すると突然ネギが古菲に話しかけるのが桜たちに見え、それと同時に古菲にぶっ飛ばされた男の一人が起き上がりネギの後ろから殴りかかっていた。 だが古菲は中国拳法の達人、古菲はすぐにネギの後ろへ回り込みいともたやすく炮拳を男の鳩尾に食らわせネギを窮地から救った。 「ふ〜ネギ君危なかったね」 「そうだね、くーちゃんじゃなきゃ危なかったよ」 「それよりもそろそろ急ぎませんと遅刻になりますわ桜ちゃん」 「あ・・・ほぇ〜〜〜そうだった〜!」 桜が知世に言われ時計を見てみればもうすでに予鈴がなる五分前、桜は事の事態に気がつくと大声を上げ、まき絵と共に校舎へと走り出した。 「桜ちゃん、早く早く〜!」 「うん!」 そしてどうにか時間には間に合い3−A教室、自分の席に座る桜、桜は自分の席に座るとすぐエヴァに話しかけた。 「エヴァちゃん・・・ネギ君のテスト内容考えたの?」 「いや・・・それがまだ決まらんのだ、桜戦わなくていいから人を試せそうなカードはないのか?」 「え〜っとそう言われても・・・」 桜カードは全53種類、かなり色々あってイキナリそう言われても思いつくほど桜も頭は良くない。 「あ・・・そうそう、エヴァちゃん今日古菲ちゃん大勢の男の人達に囲まれてたんだけど凄かったよ〜バッタバッタと魔法無しで倒しちゃったんだから」 「そうか、そう言えば桜は後衛向きで格闘技はできなかったな、実は言うと私もたしか100年ほど前に日本へ着た時に教わった合気柔術やら合気鉄扇術と言うものも使えるぞ」 なぜかふんぞり返りいい気になりながら話をしているエヴァ、桜もそれを聞いて感心している。 「そうなんだ、エヴァちゃんも凄いんだね」 「そうだろ、さすがにカードの中に格闘技のカードなんかないだろうしな」 「へ・・・あるよ」 「なに・・・?」 桜の前でふんぞり返っていたエヴァであったが、桜のその発言に反応し桜は真顔で答える。 「使えば誰でも格闘技の達人になれる『闘』(ファイト)のカードさんがあるよ」 「今頃言ってなんだが・・・桜のカードは何でもありだな」 「そうかな?・・・」 実は『剣』(ソード)を使えば剣の達人にもなれるのだがそれを知らない時点でもエヴァは呆れて桜の方を見ている。 「自覚症状が無いようですね」 「なら今度桜が持ってる桜カード全部見せてくれないか、坊やを試すものが考え付くかもしれん」 「え・・・良いけど」 相手がエヴァだから普通にOKする桜、今でももっと他のまだ見せていないカード巨人になる『大』(ビック)、時を止める魔法『時』(タイム)、魔法使い殺しの声を盗む魔法『声』(ヴォイス)など見たら一体エヴァはどんな反応をしめすのやら今からでも楽しみだ。 「しかし・・・いつも通りうるさい教室だな・・・」 「なにかあったのかな?」 「ほほほほほ・・・元気な証拠ですわ」 桜達が話している間でもさっきからうるさい教室、今日も3−Aは活気にあふれかえっていた。 そしてその日の最後の授業が終った時、ネギが古菲を世界樹広場前に呼び出しクラス中が騒ぎ始めた。 すると桜は廊下に行ったネギに知世と共に理由を聞いた。 「ふ〜ん、ネギ君古菲ちゃん呼び出したのって中国拳法を教わるためだったんだ」 「はい、ですから古菲さんに弟子入りを志願しようと思いまして」 「じゃあエヴァちゃんの弟子入りはどうするの?」 「それはそれで弟子入りするつもりです。 桜さんはエヴァンジェリンさんからテスト内容聞いてませんか?」 「それがエヴァちゃんまだ何にしようか迷ってるみたいでまだ私も聞いてないの」 「エヴァンジェリンちゃん今日桜ちゃんに桜ちゃんカードに聞いて聞かれまのですが・・・」 「そうですか」 桜に他のカードの事について聞く、それはエヴァが桜カードを使うテスト内容だと考えて良いところだ。 「でもネギ君、中国拳法は良いと思うよ。私の世界の小狼君の事だけど小狼君も中国拳法使ってたから・・・」 桜の知る桜の世界の小狼は小さい頃より李家に使えるウェイに中国拳法を教わり、クロウ・カード集めの時もエリオルの時も何度も中国拳法を使っていた。 「そうなんですか、小狼さんが・・・」 「まあ古菲ちゃんだったらすぐに教えてくれると思うけどネギ君頑張ってね」 「はい」 そして話も終わると桜と離れていくネギ、すると桜達の後ろからまき絵が話しかけてきた。 「ねえ桜ちゃん知世ちゃん、ネギ君と何話してたの?」 「え・・・っとこっちの事だよ、気にしなて良いよまき絵ちゃん」 「ネギ君くーちゃん世界樹の下に呼び出したんだけど桜ちゃん何か知らない?」 「え・・っとその私知らないよ・・・」 ネギが中国拳法を古菲から教わろうとしている事を今の所は黙っておこうとしらをきる桜、まき絵はそんな桜をまったく疑いもなく信じ教室へと戻った。 「そっか〜じゃあ見に行くしかないか〜それじゃあ私急ぐからまた明日ね桜ちゃん!」 「うん、まき絵ちゃんもまた明日ね」 「さようならですわ」 すると桜達も教室へと戻り自分達の鞄を取り帰ろうとする。その時桜の目の前をちょうど明日菜と木乃香それに刹那が通ろうとしていたので桜は三人に話しかけた。 「あ・・・明日菜さん、明日菜さん達も一緒に帰りませんか?」 「桜ちゃん、うん良いわよ」 「桜ちゃんと一緒にお話しながら帰れるなんて今日は得え日やな〜」 「でしたら毎日一緒に帰えられてはいかがですか木乃香さん?」 「そうやな〜そうしよっか桜ちゃん」 「あ・・・はい・・・」 そのまま明日菜達と一緒に帰り始めた桜と知世、帰りながら女五人で話をしていると下駄箱付近でふと木乃香が遊びの話を持ち出した。 「そう言えば桜ちゃんってカラオケとかボーリングってするん?」 「はい・・・多少は・・・でもボーリングの方は近頃やった記憶ありませんね」 「カラオケの方は修学旅行前に行きましたから」 「知世ちゃんってすっごい歌旨かったよね〜」 「それほどでもありませんわ」 手を口にあて微小な笑みを浮かびながら謙遜する知世、次に木乃香は刹那のほうへ話をふる。 「じゃあせっちゃんは?」 「わ・・・私はカラオケやボーリングと言ったものはやった事ありませんので・・・」 「え・・・そうなんですか?」 「刹那さんやった事ないんだ〜」 「じゃあ今日にでも行ってみぃひん?・・・ネギ君たぶん世界樹広場前の方にいると思うし、誘って伊いこか」 「あ・・・そうですね(ちょうどネギ君・古菲ちゃんに弟子入りするって言ってたし)」 ネギから話を聞いていた桜達はネギが世界樹広場前にいる事を知っているのでその場所へ向かう。するとやはりすぐに階段上にいるネギが古菲といるのを見つけた。 「あ〜やっぱネギいたいた・・・お〜いネギ〜!」 「あ 明日菜さん、それに桜さん達も」 階段下の少し遠い所から大声でネギを呼ぶ明日菜、ネギもそれにすぐに気づき明日菜達を呼び返す。 「刹那さんボーリングやカラオケ行った事ないって言うから今から行くけどあんたも来る?」 「くーちゃんも行かへん?」 「お・・・いいアルね行くアル〜」 そしてボーリング行きが決定した桜達・・・ 「そう言えばなぜクラスの皆集まってきちゃってるの?」 「本当に皆仲がよろしいですから」 なぜか他の3−Aの生徒達もボーリング場へ向かうと同時にぞろぞろと着いてきて今では過半数になってしまっているこの状況、すると桜はネギに一つ聞いた。 「それでネギ君古菲ちゃんにあの事言ったの?」 「いえ・・・まだですが」 「そうなの、ごめんね邪魔しちゃったみたいで」 「良いですよ、また後で言いますから」 こうしてボーリング場に到着した桜達、桜は夕映や楓、風香・史伽と同じレーンでボウリングを楽しんでいた。 「そう言えばエヴァちゃん呼ばなくてよかったのかな?」 「そうですわね、でももう始まってしまいましたしまた今度エヴァちゃん達と着ましょ桜ちゃん」 「そうだね」 ふとエヴァがいない事を気にしている桜、だがもう着てしまっては呼んでも仕方がないのでまた今度と言うことにしておく。 「そう言えば桜殿・知世殿は修学旅行の時と言いエヴァ殿とかなり仲良くしているようでござるな」 「楓さん、エヴァちゃんは友達ですから」 「友達でござるか、エヴァ殿に認められるとは桜殿もかなりの者でござるな」 「そうではありませんわ、桜ちゃんですからエヴァちゃんもお友達になりましたのですわ」 「そうでござるか・・・」 妙に納得させられる知世の言葉、すると楓は話を変えた。 「時に桜殿、図書館島の時と言い桜殿は魔法使いなのでござるか?」 「え・・・ええ楓さんイキナリなにを・・・?」 イキナリ魔法の話をし始めた桜、桜はその瞬間とまどい声が少し裏がってしまう。 「この前・・・と言うより三週間程前の事でござるが拙者ネギ坊主が杖に乗って空を飛ぶのを見たでござるが、桜殿も図書館島のとき拙者を魔法で眠らせたではござらんか?」 「あ・・・あのその・・・」 慌ててしまった桜は身を震わせながら何を言ってごまかそうか考える。 「まあそんなに慌てずとも、拙者も甲賀の中忍で山奥で育って魔法の事やら知らなかったでござるが、忍は魔法使いとさして変わらぬ存在でござるから大丈夫でござるよ」 「そうなんですか?」 「楓さん忍者でしたのですか?」 ここでまた知世の出番かと思われたが自分が忍だと言う事を桜達に話す楓、すると桜は振えをピタリと止めた。 「そうでござるよ、しかし図書館島の時はやられたでござるな、知らなかったとは言え拙者を眠らせるとは・・・桜殿やるでござるな」 「あ・・・すみません、あの時は急でしたので」 「まあそうでござったな、今思い返してみればあのゴーレムは桜殿が倒したのでござろう?」 「はい、それより楓さんこの事は」 「誰にも言わぬでござるよ、桜殿も拙者が忍びであるという事は誰にも内緒でござるよ」 「はい・・・(と言うよりもすでにバレバレな気が・・・)」 「わかりましたわ」 喋り方から身の振りまで何から何まで忍びオーラが出まくっている楓、風香・史伽にも忍法を教えているのに今頃何を言うか一応桜達は楓の言葉を了承した。 「楓姉、桜と何話てんの〜?」 「なんでもないでござるよ、ただの世間話でござる」 「そうかな〜な〜んか変な匂いがするんだけど・・・」 桜達と楓の間に割り込んでくる風香、楓は風香の頭に手を置きながら答え、その横で夕映が桜達に話しかけていた。 (桜さん・・・魔法の話をしていたですか?) (うん・・・楓さん魔法の事知ってたみたい・・・) (ならネギ先生に話しておかないと・・・) 「(そうなんだけど・・・)変な空気が向こうで流れてるよ〜!!!(特に委員長さんから)」 先程からネギやまき絵や委員長のいるレーンから感じる変な空気、その空気の為か桜はネギのいるレーンへ行くのを躊躇するが、なんとか委員長達のいるレーンへと行きまき絵に話しかけた。 「どうしたのまき絵ちゃんのどかちゃん、さっきから変な空気漂わせてるけど」 「あ・・・桜ちゃん、今ネギ君掛けてボーリング勝負してるの」 「え・・・掛けるって・・・?」 まき絵の言葉の意味がまったく理解できずに首をかしげる桜、すると桜は再度まき絵に問う。 「私ネギ君かなり好きだし、ネギ君をくーちゃんに取られるの嫌だからボーリング勝負してるの」 「何言ってるのまき絵ちゃん・・・ネギ君は」 「次はまき絵さんの番ですわ!」 「負けないからね〜!」 「ちょっとまき絵ちゃんそれ違・・・」 桜が気づいてまき絵に違うと言う事を話そうとしたがもう時はすでに遅くまき絵は気合を入れながらボーリングへといそしんでしまい桜の方を向き応援するように流す。 「桜ちゃん応援しててんね〜!」 「かなり勘違いしてますわね桜ちゃん・・・」 「これってネギ君に伝えた方が良いかな・・・でもこれはまき絵ちゃん達の問題だし・・・」 「桜殿〜なにしているでござるか桜殿の出番でござるよ〜!」 「え・・・あ・・・は〜い!(どうしよ〜)」 桜がどう話そうか悩んでいる時に限って自分のレーンも終わってなく楓に呼ばれる桜、すると桜達は自分のレーンへ戻り早く終わらそうと張り切り始めた。 「は・・・早く終わらせなきゃ・・・」 「桜ちゃん凛々しいですわ〜」 「お・・・知世殿それが知世殿の魔法でござるか?」 「いいえ・・・これはアーキファクトの力ですわ」 投げる桜をいつの間にか自分のアーティファクト『本当のビデオカメラ』で撮っている知世、その後・・・ 「ふ〜やっと終わった〜早くまき絵ちゃん達に誤解だって知らせなくちゃ」 「桜ちゃん、凛々しかったですわ」 「ありがとう知世ちゃん・・・」 これでようやくまき絵達に勘違いだと話す事ができると肩を落として息を吐く桜、だがその瞬間風香・史伽が騒ぎ始めた。 「凄いよ桜、満点だよ満点!」 「初めてみました〜」 「凄いでござるな〜拙者もこういう物はあまりやった事なかったでござるから243点でござるのに」 「へ・・・・」 騒いでいる二人と感心している一人を見て目を点にする桜、桜がふとスクリーンを見てみると自分の点数が300点になっていた。 「え〜300点!!!」 自分の点数に驚き声を張り上げる桜、桜はあまりに張りきりすぎた為自分の点数に気づいてなかったようである。 「桜ちゃんご自分で気づいてなかった様ですわ」 「まったくどう言う神経してんだよ桜〜」 「皆ちょっとくーちゃんの方を見るです!」 「え・・・・?」 史伽が古菲達のレーンを指差し桜達がその方向を見るように促し、桜達がその方向を見てみると偶然な事に古菲も300点をたたき出していた。 「勝ち〜!」 「負けましたわ・・・」 「ああ〜んこんなの勝てるわけないよ〜」 あやかもまき絵も古菲が300点では勝てるはずもなく落胆している。 すると向こう側も裕奈が先に桜も300点をたたき出しているのに気づき指を桜のレーンへと指した。 「ちょっと待って、向こうの桜ちゃんも300点だしてるよ!」 「え・・・本当!?」 「さすが桜ちゃんやな〜」 「は・・・そうですわ、これは第二ラウンドと言う事になりますわね!」 「え・・・?」 自分が負けたのを棚に上げて今度は桜を古菲にぶつけようと考えたあやか、桜はその言葉を目を点にして聞くが、古菲はそんな桜の方を向き背に龍を背負い始めた。 「今度は桜が相手アルか・・・手加減しないアルよ〜」 「て・・・手加減って何の事古菲ちゃん・・・」 「やれやれ〜!」 「桜ちゃん私の仇を討ってね!」 「仇ってまさか・・・ボーリング・・・」 桜が気づいた時にはもう遅く、桜と古菲の一対一がすでに設定されてしまっている。 しかも、あやかが凄い形相でこちらを見ているではありませんか・・・ 「桜さん、負けたらしょうちしませんわよ!」 「あの・・・皆さんネギ君の事は違・・・」 「桜さんがんばってくださいね」 「ネギ君まで〜・・・(泣)」 「桜ちゃん・・・ファイトですわ!」 当の本人ネギまで桜を応援しだすこの始末、桜は古菲とボーリング対決する事を余儀なくされてしまった。 (ほぇぇ・・・これはわざと負けたほうが良いかな・・・でも・・・) 「桜さん・・・わざと負けるなんて考えない方が身のためですわよ」 「はぃぃい!!!」 しかもあやかのおかげでわざと負けることさえ許されない桜、その時ネギが古菲に話かけた。 「あの・・・ゲーム中すみませんがちょっと良いですか古菲さん?」 「え・・・別に良いあるがちょっと中断アルね」 「はい」(ほぇぇ・・・やっと言ってくれるよネギ君・・・もう中盤だけど・・・) ようやくボーリング対決も6投目になってからようやくネギが行動をし始め肩を落とす桜・・・ 「良いですよ、ここで言いますしすぐに済みますから」 「え・・・」 「そうアルか・・・何のようアル?」 だが今まで桜の奮闘を知らないネギは事もあろうにみんなの前で古菲に弟子入りしようとする。 (ちょっとネギ君、皆の前だけど良いの?) (はい、魔法には関係が余りないですから大丈夫ですよ) (じゃあ私が今までしてた事はどうなるの・・・orz) 「どうしたんですか桜さん?」 ネギのおかげで奮闘していたのに・・・と言うことで落ち込んでしまった桜、ネギはそれをまったく知らず目を点にしながら桜の方を見ている。 「ちょっとネギ君ダメだよそれ言っちゃ〜!」 「そうですわネギ先生先生と生徒ですし」 「別に良いじゃないですか、これも自分を成長させる為ですし」 「ネギせんせ〜(泣)」 しかも勘違いしたままのまき絵とあやか、あやかにいたっては涙を流しながらネギを止めようとさえしている。 「それでは改めて古菲さんにお願いしたいことが・・・」 「ネギく〜〜〜ん!」 「あの・・・その・・・古菲さん僕に、僕に中国拳法を教えてください!」 「「「「へ・・・・?」」」」 「中国拳法を?」 桜と知世以外事の真相を知らなかった為か一瞬シーンとした空気がボーリング場に流れる。 「はい、僕の知っている凄く強い人(異世界の話ですが)が中国拳法を使っておりまして、それで古菲さんに教えてもらおうと・・・」 「つまり強くなりたいアルなネギ坊主・・・」 「はい・・・」 「ハハハ・・・OKアルよ♪ 強い男は大好きアル、十分に強くなったらワタシのムコになるアル!」 「ええ・・・ムコ!?」 「ジョーダンアルジョーダン・・・今のとこね」 ネギの肩をバシバシ叩きながら快く了解する古菲、すると古菲の背後からどす黒いオーラが感じ取れた。 「人騒がせですわ〜〜〜!!!」 「私が何をしたアル〜〜〜!!!」 あやかやなぜかハルナにまで追っかけられている古菲、その後場内を走り回っていたあやか達が店の人に怒られたのは言うまでもなく・・・ 「いったい何があったんですか桜さん?」 「ちょっとね・・・(ネギ君鈍すぎ・・・)」 桜もあまりのネギの鈍さに疲れ果てていたのは言うまでもなかった。 「あ〜今日は桜遅いな〜どこほっつき歩いとんねやろ・・・それよりも今回わいの出番これだけかいな〜」 そして桜達の部屋ではTVゲームをしながら桜達を待つケロちゃん、本当にケロちゃんの出番は今回はこれだけであった。 「なんやて〜〜〜〜!!!」 <第三十七話終> 『桜&千雨(ちう)による次回予告コーナー』 「「おはようございます」」 「今回の次回予告に選ばれました木之本桜です」 「同じくネットアイドルのちうだぴょ〜ん!」 「あれ?・・・今回千雨さんとだったんですが千雨さんはどうしたんですか?」 「千雨ちゃんは用事があってこられないんだって〜」 「そうなんですか?」 「そのようなのら(シメシメやっぱり気づいてない様だな・・・)」 「桜ちゃん、目の前にいるのが千雨ちゃんですわ」 「え・・・」 「おいイキナリなに出てきてんだコラ大道寺!」 「それではさよならですわ〜」 「逃げるなおい!」 「千雨さんだったんですか、・・・似合ってますね〜」 「お・・・そうか・・・?」 「今度その姿で知世ちゃんのビデオに写ってみませんか?」 「いや、それは断っておこう(そんな事した日にゃネットアイドルちうだってばれるし)」 「そうですか、知世ちゃんいつも私ばかり撮ってるからたまにはと思ったんだけど・・・」 「ははは・・・(こいつ大道寺がレズだって気づいてねぇな・・・)」 「あ・・・そうだそろそろ次回予告しないと・・・」 「そうだな、とっとと終わらせて帰りてーし 「さて次回のタイトルは」 「『さくらの嫌々仮契約』・・・」 「仮契約・・・ええ〜〜〜!!!」 「なんだうっせぇなツバ飛ばすなよ木之本」 「え・・・だって私仮契約って書いてるよしかも誰とと書かれてないし!」 「だから落ち着け木之本、私にゃ関係ないが大体するとしたらネギ先生かエヴァンジェリン位だろ・・・」 「だからそれが嫌なんだよ千雨さん!」 「じゃあそろそろ終わるぞ木之本、私はお前に付き合ってる暇はねーんだ」 「そんなどうにかならないんですか千雨さん・・・」 「どうにか・・・って誰かとは書いてない以上逃げ切るしかねぇだろ」 「え〜そんな〜」 「じゃあ次回のこのコーナーのペアはってだから何で私なんだよ、しかも相手エヴァンジェリンとこのゼロっつ〜人形だし!」 「よし木之本、今から二人でこの苦難を乗り切る策を考えるぞ!」 「そうしよう千雨さん!」 「それじゃあ今から相談するからこのコーナーを終わらせるぞ!」 「そうですね。 それでは皆さんも一緒にお願いします」 「「桜と一緒に〜封印解除(レリーズ)!」」 <終> |