第三十八話『さくらの嫌々仮契約』
「ね・・・ねぇエヴァちゃん、ほ・・・本当に仮契約しなきゃダメなの?」 「ダメだ、修学旅行の時はぬいぐるみに邪魔されたが今回こそ私と仮契約するんだ桜・・・」 それは世界樹広場前の出来事であった。 桜はエヴァに仮契約するようにと迫られタジタジと一歩一歩歩み寄ってくるエヴァから一歩一歩桜も後ろへ交代していた。 「うう・・・(どうしてこんな事に〜)」 それはその日の朝の事であった。 「桜、カードの事なんだが今日見せてくれないか?」 「え・・・うん良いよ、でも説明の為ケロちゃんも連れてくるけど良い?」 「ぬいぐるみか・・・まあ良い、今日の放課後私の別荘に来てくれ」 「うん」 場所は3−A教室、HR前にエヴァに誘われた桜、エヴァはさくらカードをすべて知っている訳ではなかったので今日自分の家に来るように桜を誘っていた。 そしてその日の放課後、エヴァ宅へケロちゃん共々足を運んだ桜と知世、エヴァと茶々丸含んだ合計4人はテーブルを囲みケロちゃんはそのテーブルの上にぷかりと浮いている。 「それで小娘、着てやったんやけど何考えてんねや? 小娘がカード使お思てもさくらカードは桜以外のもんは使えんで」 「それはわかっている。今日はただ私のもう知るさくらのカードの他にどんなカードがあるか確かめるために呼んだだけだ」 「そうか、やからわいも呼ばれたんか、ま・・・茶々丸の姉ちゃんにおやつももらった事やしここはわいが小娘にも分かるよう一枚一枚丁寧に教えたるわ」 ケロちゃんや桜・知世の前に置かれているのはイチゴのショートケーキ、茶々丸が気を利かせたのかそれが置いておかれていた。 「まずさくらカードはわいの配下のカードとここにはおらんけどユエの配下のカード、この二つに大きく分類される」 「・・・とその前に、ここから少し長くなりますのでさくらちゃんカードを熟知している方は飛ばし読みしてくださいな」 知世の言った通りサクラカードの説明に入るケロちゃん、本当に長くなるので飛ばし読みしてくれた方が懸命だ。 「わいの一番の配下のカードは『光』(ライト)のカード、これは名前の通りどこでも光をもたらせるカードや」 「そして対極にあるユエの一番の配下のカードは『闇』(ダーク)、このカードはそこらへんすべてを闇にするカードや」 「『光』のカードに『闇』のカードか、・・・となると私とぬいぐるみ、貴様と私の仲が悪いのは分かるな」 「そうや、わいの使うとる力は『太陽』の力、ユエの使うとる力は『月』の力、小娘は闇や氷、異世界の魔法使いやからわいやユエとは違う『月』の力とは違うけど『月』みたいな力を元とする様な魔法を得意としとるからわいの力と反発して仲が悪いねん」 これは小狼とケロちゃんこの二人にも当てはまった事、ケロちゃんは太陽の力を使い小狼は月の力を使う。 であるから相反し、二人の仲が悪くなってしまう。 「だが桜は誰とでも仲良くしているぞ」 「桜はその二つとは違うまったく新しい『星』の力を使うとるからわいやユエ、誰とでも仲がええねん」 『太陽』でも『月』でもない力『星』の力、どちらにも属さずどちらにも当てはまらないこの力だからこそ桜はケロちゃんとも小狼とも誰とでも仲良くなり相反するものが無いから仲が悪くなることも無い。 「話は続けるけど、その『光』と『闇』、その下に君臨するカードが四大元素とも言われる四枚のカード、これは小娘も見たことあるやろ?」 「ああ・・・あの『土』+『火』の破壊力は凄まじかったが、するとこの二枚のカードは貴様の配下カードと言うわけか・・・」 修学旅行でも桜が使った四大元素のカード、『土』と『火』この二枚はケロちゃんが火を吐いたりしていたが為エヴァにも予想がつき、四大元素と言われると後二枚のカードがある訳だ。 「そうや、あとの『水』と『風』のカードがユエの配下カードと言うわけや」 「その他にそれぞれその四枚の下にも合計46枚程のカードがあるけど、その前に重要なカードがあるんや」 「重要なカードか・・・なんだ早く言え」 エヴァの顔にアップで顔を近づけながら真剣そうな顔で話すケロちゃん、エヴァはそれに一歩たりとも引かずケロちゃんに聞く。 「このカードは去年・・・つうかわいらの世界での夏捕まえたカードやねんけど、四大元素、『光』と『闇』のカードを含めら全52枚のカードそれと後1枚、とんでもないカードがあるんや」 「そ のカードの名前が『希望』(ホープ)のカード、前は『無』(ナッシング)のカードやってんけど桜がいつの間にかつくっとったハートの絵と融合して『希望』 のカードになったカード、このカードは他のさくらカード全てと同じくらいの魔力がこめられていて桜の気分、感情しだいで一瞬やけど『無』(ナッシング)の カードに変わったりする危険なカードや、ほれ前に一度『無』のカード見た事あったやろ?」 「ああ・・・大体からして全てを無にするカードなんて非常識なものよく作ったものだな」 「わいにその事聞くなや、作ったのはクロウやねんから」 「死人にくちなし・・・だな」 ・・・と言っても柊沢エリオルと言う前世クロウ・リードでその記憶まで引き継いでいると言う人物を知らないエヴァ、もしこの事がエヴァに知れれば多大なツッコミが、待っているであろう。 「・・・で全52枚と言う事はそれ以外に私が見た事がないカードは他にあるんだな」 「そうや、まあかなりの量この小説に出てきとるから今回はまったく出てきてないカードを説明したる」 「そうだな、もうすでに知る物を説明されても時間の無駄だからな」 そしてケロちゃんはその他のサクラカードの説明に入った。 「まず、発言がギリギリやけど単行本に出てきた19種類のカードの内この小説に出てきてないカード(覚えてないので大体で)四種類、「『花』(フラワー)・『灯』(グロウ)・『雷』(サンダー)『跳』(ジャンプ)のカードや」 「『花』のカードはその名の通り、どんな種類の花でも自由自在に出す事ができるカードや、楽しい事が好きな姉ちゃんで桜の運動会の時運動場に花の雨を降らせて花で一杯にしたカードや」 「はた迷惑なカードだな」 エヴァが言った通り、桜が小学校四年生の時のあの時も運動場に花の洪水を起こし桜の友達である理佳や奈緒子が花に溺れるほどまでして片付けるのにも可也後苦労したほどだ。 そんなものが迷惑以外何者でもないことはエヴァにも分かる。 「次に『灯』のカード、これは言ってしまえば蛍の様ないくつもの灯を発生させるカードや」 「役に立ちそうもない無駄なカードだな」 ただ蛍のように光るだけのカード『灯』(グロウ)のカード、エヴァは無駄なカードと評しているが、蛍みたいな小さな光が無数にあれば風流もあり良いものだ。 「次に『雷』のカード、このカードの姿は雷獣で気性は荒く使えば雷を発生させる事ができるカードや」 「まあつまりは坊やの使う『白き雷』と同じ様なものだな」 「そうや、・・・で最後に『跳』のカード、これを使うと高くジャンプする事ができるようになるカードや」 「・・・なぜジャンプなんだ・・・『翔』のカードの方が小回りが利くし、『跳』のカードに使い道はないとおもうが?」 「・・・・・・・・・・言われてみればそうやな」 エヴァに言われてふと過ぎった疑問、前は杖の先に羽を付けて飛んでいたため『跳』とは違い使用中カードが使えなくなってしまう欠点があったが、背中に羽を付けて飛んでいる今となっては『翔』より使い道の低いものとなり、『跳』を使うなら『翔』の方が良い事になってしまう。 「エヴァちゃん、ケロちゃん、それ『跳』のカードさんに失礼だよ!」 「お・・・そうだな、羽があると目立つから隠密の時などに使えるな」 「いつ使うんや・・・・」 桜に怒られて『跳』の利点を無理やり引っ張り出すエヴァ、だがケロちゃんの言うとおりに桜が隠密なんてするわけも無くいつ使うのかはっきりしない。 「・・・でアニメ版のみに出てくるカードやねんけど、これがまた多くなる」 「そうだな、52種類もあるんだ、まだ出ていないカードはたくさんあるだろう・・・」 「その中には一枚四大元素のカード2枚同時使用より魔力を使うカードがある」 「なに?・・・そんなカードがあるのか!?」 「そのカードの名前が『時』(タイム)のカード、なりはじいちゃんみたいなカードで使えば時を止めてしまう効果のあるカードや、他の『戻』(リターン)のカードと同時使用で時を遡る事ができるが神木等の力をかりなでけへん」 「ふん、時を止めるカードに時間跳躍のカードか、まさに反則すれすれのカードだな」 「ケケケ・・・オモシレェカードモッテヤガンナホント」 反則すれすれの時を止める『時』のカード、これはまさしくこれ以降に出てくる『カシオペア』と同じ様なもので反則すれすれ・・・と言うか反則だろ!と言うようなもの、ゼロもあまりのサクラカードの効果に笑ってしまっている。 「他に戦いに向くカードや向かんカードあんねやけど、戦いに向くカードが『砂』(サンド)・『霧』(ミスト)・『矢』(アロー)・『波』(ウェイブ)のカード、この四枚とも名前どおりのカードやねんけど、引いて言えば『霧』のカードは物を腐食させる事ができるカードや」 「そろそろ説明が大体になってきましたね」 「しょうがないやろ、一枚一枚実際に説明してみると時間が掛かるんやねんから大体でいかんと」 もうほんとに大体になってきた説明、ここら辺はこの小説でも出てきそうに無いのでさらっとケロちゃんによって流された。 「・・・ で戦闘向かんカードの中でなんでこんなもん作ったんや?・・・と思えるカードが『泡』(バブル)・『甘』(スイート)・『静』(サイレント)のカード、中 でも『泡』のカードはただ単に泡が発生するだけでなんでこんなカード作ったんかクロウはこれで食器やわいまで洗っとったカードや」 「ははは・・・使えるではないか」 「食器洗い機や洗濯機みたいなものですね」 「ケケケ・・・アホバッカダナ」 桜にも『泡』のカードで洗われた事があるケロちゃん、その話にエヴァは笑いとばしゼロも呆れている。 「な・・・なんやムカついてったな、まっ別にええけど・・・で、この世界の魔法使いにとって天敵ともいえるカードが『声』(ヴォイス)のカードや、なんたって相手の声を盗むカードやからな、盗まれたら声が出ん様なって呪文の詠唱ができんようなる」 「・・・と言う事は魔法使い全てがタカミチと同じ状態となる訳だな」 「モウスデニハンソクナンジャネェカ?」 魔法使いから魔法を取る、つまりは詠唱呪文ができなくなり無詠唱呪文しかできなくなると言う事、これは魔法使いにとっては羽をむしられた蝶と同じで魔法使い側からしてみれば反則以外に何者でもない。 「2年前カードに戻す時知世ちゃんの声が取られて大変だったんだ」 「そうか、そう言えば知世は歌がうまいと聞いていたな」 「それほどでもありませんわ」 そして徐に2年前の『声』のカードを捕まえた時の話をする桜、するとエヴァは知世は歌がうまい事を思い出し、知世は頬杖を付いて少しテレて赤くなっている。 「お・・・そうだ桜、もう大体はサクラカードの事は分かった事だ、より詳しく知るためにカード達を使ってくれないか?」 「えっ?・・・でもここで使うのは危ないしカードさん達に迷惑だよ」 「ま・・・少しぐらいええやないか桜、そう言や今日からネギ坊主が古菲とか言うやつから中国拳法を習う言うとったしネギ坊主達にも見せにいこか」 「良いのかな?・・・」 エヴァに言われてケロちゃんに説得されサクラカードを使うことになった桜、すると桜達は世界樹前の広場に移動した。 「ネギく〜ん、古菲ちゃ〜ん!」 世界樹広場前にいたのは昨日古菲に弟子入りしたネギとその師になった古菲、ちょうど中国拳法の修行に入っていたのか型の練習をしていてそこへ桜が走り近寄りながらながら大声で二人の名を呼んだ。 「あ・・・桜さん、エヴァンジェリンさんも」 「お〜桜にエヴァにゃんもネギ坊主の修行でも見に来たアルか?」 「そうだな、中国拳法か・・・私も合気柔術が使えるわけだしちょうど良いんじゃないか?」 「エヴァンジェリンさんもそう思いますか?」 ネギが自分の弟子になる前に古菲の弟子になっている事を気にも止めないエヴァ、すると桜が一つ木になる事をネギに聞いた。 「・・・でネギ君、古菲ちゃんあの事知ってるのほら(魔法の事?)」 「いえ・・・その事はまだ話してませんが」 「だったらオイ古菲、坊やや桜それに私は魔法使いだからな」 「魔法使いアルか?」 「「「なっ!!」」」 こともあろうにイキナリ桜達が秘密にしていた事を古菲にぶちまけるエヴァ、そのエヴァの行動に桜達は驚愕しエヴァに迫った。 「ってちょっとエヴァちゃん!」 「イキナリなんて事言うんですかエヴァンジェリンさん!」 「そうやでせっかく桜達が隠しとんのになんで喋るんや」 「ってケロちゃんも出てきちゃダメー!」 勢いあまってケロちゃんまで古菲がいるにもかかわらず出てきてしまう事態、これはもうすでに隠し通せるものではない。 「何アルかその人形は?」 「ははは、師弟関係に秘密なんぞあってはいかんからな、爺には裏の住人が一人増やしたと言っておくから安心しろ」 「そうじゃないでしょエヴァンジェリンさん〜」 「絶対に遊んでるでしょエヴァちゃん・・・」 桜とネギの行動を見ながらあざ笑っているエヴァ、それはもう遊んでいるようにしか見えず桜は汗をかきながらエヴァの両肩に手を置く。 「まあな、だが古菲はすでに表では収まりきれない位の達人になってるからなちょうど良いかと思ってな」 「そうですわね、古菲さんに勝っている一般の方は見た事ありませんでしたから・・・」 古菲はよくそこらにいる麻帆良生徒の格闘家達からよく戦いを申し込まれている。 それは時にはいっぺんに10人以上、数十人相手の時もありそれでも古菲の負けている所を見た事が無い、古菲はもうすでに表で収まりきれる程の格闘家ではないのだ。 「・・・と冗談はこれくらいにしておいて桜、カードを試すぞ『闘』(ファイト)のカードを使え」 本当のエヴァの真意はここにあった。 古菲は『闘』(ファイト)のカードを試すのに絶好の実験体、それが桜のカード(魔法)を知らないと実験しづらい、だからあえて古菲にはネギや桜達の魔法の事をバラしたのだ。 「え・・・でもここ人が一杯だよ」 「あ・・・そうだったな、人払いの魔法だな・・・」 そして桜に言われ人払いの魔法を使うエヴァ、するとなぜだか周りの一般の人たちは誘導されたかのようにぞろぞろと世界樹前から退散していった。 「うわ〜みるみる内に人がいなくなったアルな〜」 「兄貴にはまだこんな魔法は使えね〜な」 そして桜が『闘』(ファイト)のカードを試すのに絶好の時となった時・・・ 「桜さんカードを使って何するんですか?」 「それはエヴァちゃんに聞かないと・・・」 「まあ説明は後だ、桜早くカードを使え」 「う・・・うん、でも詳しく言うと『闘』(ファイト)のカードには二つの能力があって一つは私か他の人を拳法の達人にするのと、もう一つは『闘』(ファイト)のカードさん本人に出てきてもらうのとがあるんだけどどっちをつかうの?」 「そうだな、今回はカード本人を出せ・・・」 「うん、星の力を秘めし鍵よ・・・(中略)・・・『闘』(ファイト)!」 エヴァに言われたように封印の鍵の封印を解除して『闘』(ファイト)のカードを使う桜、すると変な格好をした中学生くらいの可愛らしい女の子が姿を現した。 「おお〜凄いアルね〜これが桜の魔法アルか〜?」 「変な格好してっけど可愛い嬢ちゃんじゃねーか」 「それじゃあ早速だかそこにいる古菲と闘ってもらおうか」 「・・・・・(ふるふる)」 エヴァに命令されるが無口に首を横に振るファイト。 「ん・・・どうした?」 「ああ・・・サクラカードは桜以外の命令は聞かんからな」 そう言えばサクラカードは桜以外の命令を聞かない、だが『鏡』(ミラー)だけは桃矢に頼まれた事をしっかり守ったりしている。 「私とやるアルか? 良いアルすぐに決闘アル!」 「良いのかな・・・怪我とかしない?」 「大丈夫ある」 喧嘩とかそう言うのが大体からして嫌いな桜、桜はガッツポーズをしながら余裕ぶる古菲を見ると大丈夫かな・・・と思いながらもファイトにお願いした。 「じゃあファイトさんお願い」 「・・・・・(コクリッ)」 「よっしゃ〜それじゃあこいアル〜!」 そして双方かまえをとり戦闘になるファイトと古菲、やってみればどちらも中国拳法を使っていた。 「お・・・こやつも中国拳法あるか?」 「いや、闘(ファイト)はどんな拳法でも使えるから古菲にあわしてんねやろ」 「わ〜でも古菲ちゃん強いね、捕まえた時メイリンちゃんでも小狼君でも勝てなかったのに」 桜が『闘』(ファイト)のカードを捕まえた時、『闘』(ファイト)のカードを捕まえるためには闘って勝つこと、だった為小狼やメイリンもファイトと中国拳法で戦い敗れていた。 「捕まえたときか・・・大体今の坊やあたりの歳の頃だな」 「うん」 「そうですか、小狼さんがですか・・・」 ネギが知るシャオランではないが桜の世界の別世界の小狼、ネギはそれをほとんど同じ人物として聞いている。 「でもあの時は桜ちゃんが『力』(パワー)のカードを使い倒して『闘』(ファイト)さんを手に入れましたの」 「桜さん・・・凄い・・・」 「あはは・・・」 小狼すら倒せなかったファイトを倒した桜を尊敬の眼差しで見るネギ、だが実際は振り下ろした杖がたまたまファイトにカウンターみたいにぶち当たった為桜の勝利となったので桜は少し笑って誤魔化す。 「ふむ・・・これぐらいの強さか・・・桜もう良い次のカードを使うぞ」 「え・・・うん」 「何あるか、もう終わりあるか〜?」 エヴァの命令につき桜はファイトをカードの状態へと戻す。 だが戦闘狂の古菲はまだまだ戦い足りないみたいであった。 「桜さん、凄いですね勉強になりました」 「桜またいつでもファイトを出してアルよ」 「え・・・うん」 「じゃあ桜次行くぞ、次はそうだな・・・」 「桜嬢ちゃんのカードか、嬢ちゃんのカードはいつ見ても何でもありだからなこれで兄貴と仮契約してくれさえすれれば桜嬢ちゃんの事だから良いもの出てくると思うんだけどな〜」 エヴァが次の試すカードを考えているとき、カモがカードつながりで仮契約カードの話をポロッと口に出す。 するとエヴァが何か思いついたかのように地面にいたカモを持ち上げた。 「オイそこの下等生物今なんと行った」 「いやだからよ、桜嬢ちゃん前にも仮契約したが桜嬢ちゃんが従者の場合良いカードが出てくんじゃねぇかなと思ってよ」 「・・・そうだな・・・桜ちょっとこっちに来い」 「え・・・イキナリ何エヴァちゃん、なんか嫌な予感がするんだけど」 イキナリ桜を呼びつけるエヴァ、すると桜になんだか嫌な予感が過ぎってきて一歩引く。 「そんな事ではない、ただ前にもして失敗した(私が従者になってしまった)仮契約をやり直すだけだ」 「や・・・やっぱり仮契約なの・・・」 「そうだ、ちょっとキスするぐらい良いだろ私の場合は血を吸うだけでもできるぞ」 桜の予感はやっぱり的中したみたいでエヴァは桜と仮契約をやり直す事を持ち上げる。 「ね・・・ねぇエヴァちゃん、ほ・・・本当に仮契約しなきゃダメなの?」 「ダメだ、修学旅行の時はぬいぐるみに邪魔されたが今回こそ私と仮契約するんだ桜・・・」 「うう・・・ねぇケロちゃん、仮契約なんてダメだよね・・・」 桜と仮契約しようと迫ってくるエヴァにタジタジに一歩一歩下がる桜、桜は味方になりそうなケロちゃんに振るが当のケロちゃんは・・・ 「わ〜いケーキやケーキや〜、桜仮契約くらいええやないか〜」 「ケルベロスさんはお菓子で買収させていただきました」 茶々丸にケーキで買収させられおいしそうにケーキを食べていた。 「け・・・ケロちゃん・・・知世ちゃんは・・・?」 「ビデオカメラの用意はバッチリですわ〜♪」 「知世ちゃんまで〜(涙)」 知世までビデオ片手に桜の仮契約の瞬間を待っているこの事態、もう回りに桜の味方はおらずエヴァはどんどん桜に迫っていった。 「さあ桜選ぶんだそこの小動物の魔方陣で私と仮契約するか、私に血を吸われ仮契約するか・・・」 「え・・・え〜っとここはやっぱり『駆』(ダッシュ)!」(←逃げると言うこと) やはりここは逃げるしかない桜は『駆』(ダッシュ)のカードを使い猛スピードで脱兎の如くエヴァから逃げる。 「逃がすか!―――パチン!」 そして桜が逃げるなり自分の指をコスリ鳴らすエヴァ・・・ 「えっ?」 桜が後ろを振り返り反応すると、桜の前の草の茂みから桜の目の前にシスター姿をした女の子が現れた。 「ほぇ〜!・・・ってあれ美空ちゃん!?」 「いいえ私は美空ではありません、謎のシスターです」 「桜ちゃんつ〜かまえたっと」 美そ・・・いや謎のシスターは桜の前に出てくるなり桜を捕まえる。 「ね・・・ねぇ美空ちゃんでしょ・・・いつのまに・・・」 「なんと言おうと私は謎のシスターです」 「こんな事もあろ〜かとコイツを仕込んでおいたんだよ、何しろコイツは足だけは速いからな」 「そ・・・そんな〜(泣)」 謎のシスターにつかまり引きずられながら涙を流す桜、だがネギと古菲だけはその正体が誰なのか分からず首をかしげていた。 「あの・・・あの方は誰なんでしょう?」 「う〜むまったくもってさっぱりアルな〜」 「ってオイ二人共分からんのかよ!?」 そしてそんな二人にカモがツッコミを入れその間に謎のシスターは嫌がる桜を引きずりながら魔法陣の所までやってきた。 「それよりも桜ちゃん動かないで(桜ちゃん素で力あるな〜)」 「くっくっく・・・これで桜は私の従者確定だ・・・」 「ほぇ〜(涙)」 「うわっとっと・・・」 「ほぇっ!」 「何だ!」 これで桜は私の従者だ!―――とエヴァがそう思った瞬間、嫌がっていた桜を引きずっていた謎のシスターは足をもつらせエヴァを巻き込みドッシーン!とその場にこける。 「あたたた・・・イキナリ扱けるな鼻を打ったではないか・・・って」 「まあまあ・・・」 打った鼻を赤らめながら立ち上がるエヴァの目の先には謎のシスターに覆いかぶさって口同士を合わせてしまっている桜と謎のシスター二人の姿があった。 「桜さんと謎のシスターさんがキスしているって事は・・・」 「仮契約成立っす〜!」 そして周りが光だし仮契約が成立してしまう桜・・・ 「えっ?・・・桜ちゃんが私の従者?」 「ほぇ〜、またキスしちゃったよ〜(涙)」 「な・・・ななな・・・・」 「桜嬢ちゃんの仮契約カードゲットだぜ!」 「カモ君、それポケ●ンのサ●シ君だよ・・・」 あまりの事に半分訳わからぬままの謎のシスターに泣いてしまっている桜にそれを指差しながら口をあんぐりあけているエヴァ、そしてカモが手にした桜の仮契約カード、そのカードには称号『女神の如く全てに優しき者』と書かれていた。 「ね・・・ねぇこう言う場合どうすんの?」 「おい・・・そこの謎のシスターいやみ「わーわー!!」死ぬ覚悟できているんだろうな・・・「ひっ・・・」」 謎のシスターの背後に回りこむダークオーラ満載の闇の福音エヴァンジェリン、そのオーラは飛んでいる鳥をも気絶させそうな位で一瞬にして美空の体は蛇に睨まれたかえるのようになる。 「え・・・エヴァちゃんこれは事故だから・・・事故だから許し・・・」 「ええい問答無用、貴様はどう料理してやろうか・・・」 「エヴァちゃん・・・背中にディ●ティ●ー背負ってない?」 「ならお前はそこらにいる●クだ〜〜〜!!!」 「みそ・・・謎のシスターさんとマスターの力の差はそれ位あると言う事ですね」 「そんな解説している暇あったら助けてよね!」 それ位実力に差があると言う分かりやすい解釈、ここで一言謎のシスターに送ろう! 迷わず成仏してくれ!・・・と 「いえ・・・私はあくまでマスターの味方ですから」 「ならケロちゃんは!?」 「あ〜ケーキうまいな〜!」 「こんな時にケーキ食ってんじゃね〜!」 「美空〜!」 「わ〜!!!」 美空は逃げようとするもすぐにエヴァに捕まり、ケロちゃんはケーキ食べる真っ最中。桜は泣いて落ち込んでしまっているしネギも戦力的に無駄だ。 「エヴァにゃんも強いあるな〜」 「古菲も見てないで助けろ〜!」 「触らぬ神に祟りなしアル」 「この白状者〜!」 「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・・・」 「ひ〜!!!」 「ううう・・・(涙)」 そして呪文を詠唱し始めるエヴァと顔が恐怖に青ざめてしまっている謎のシスター、キスした事により落ち込んでしまっている桜の横で謎のシスターの処刑が実行され断末魔の叫びが世界樹前広場に響き渡ったのは言うまでもなかった。 <第三十八話終> 『ゼロ&千雨(ちう)による次回予告コーナー』 「ケケケ・・・ヨッコレヨンデルニンゲンドモ、ゲンキニシテタカ?」 「・・・なぜ私がこんな人形と出なくちゃいけね〜んだよ」 「ベツニイイジャネーカ、イクイクハオマエモコッチノセカイノナカマイリダカラヨ」 「それはネギま!本編の話だろ〜が!・・・ってこのまま行けばこの小説でもてめ〜らの世界に首を突っ込まなくちゃいけなくなるのか!?」 「マアソウダナ、コノショウセツニハサクラガイルブンイクブンカマシニナルダロ〜ケドナ」 「しかしテメ〜のカナカナ言葉何とか何ね〜のか、読みづらくてしかたね〜んだが」 「ソレハマエニモイッタダロ、コレハオレノチャームポイントダト」 「・・・ってさっきから私は何こんな人形と話を・・・私は普通の一般人・・・私は普通の一般人・・・ぶつぶつ・・・」 「ケケケ・・・ネットアイドルシテルジテンデフツウジャネーダロ」 「話しかけるな幻聴!」 「ケケケ・・・コリャアゲンジツトウヒニハシッチマッタナ」 「もうここは人形なんて無視してさっさと終わらすしかねえ!」 「オイオイ・・・チャントシカイシロヨ」 「さて次回のタイトルは」 「『さくらとエヴァと愛衣』だな」 「大体の内容はこうだ、仮契約した木之本のカードの効果を試した後春日から入った麻帆良学園に侵入者の念話でエヴァと現場に行ってみるとちょうど・・・たしか2年の佐倉とウルスラの高音って奴がいた・・・そんな話だ」 「ダイタイダナオイ」 「じゃあ次回予告は終わったな私は帰らせてもらうぜ」 「オイオイサイゴマデイロヨチウ」 「ちうって呼ぶんじゃねえこの人形!、ああ次回のコーナーの二人組を発表してなかったな」 「次回の二人組みはなになに・・・一文字むつきと白川ことり・・・だれだこりゃ?」 「ニジュウワニデテタダロ、ネギマ!シーズントネギマLESSONノヒロインダ」 「なんでそんな奴が出てくんだよ!」 「ソンナモンオレニキクナヨ、ダイタイサクシャノキマグレジャネーカ?」 「気まぐれって・・・(ああ・・・もうこんな小説でたくねぇ・・・)」 「・・・って事でそろそろ帰らせてもらうぜ」 「じゃな」「イキナリオワリカヨ!」(←●村風に) <終> |