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一話 投稿者:駄作製造機 投稿日:04/09-05:28 No.209

 広大な敷地を有する麻帆良学園都市。その中等部のエリアにそれはあった。

 こぢんまりとした西洋建築の教会だ。結構年季が入っていて壁には植物が光を得ようと存在を主張している。本来の壁は殆ど隠れて見えることが出来ない。

 そこの猫のひたいのような庭は大雑把に、だが確かに手入れがされていて見苦しい印象は受けない。

 そこには古ぼけたベンチがいくつか、無秩序に置いてある。

 そこに一人の男がぼけっと座っていた。



「あっおい空やなー……」



 確かに空は雲一つ無く、季節柄か何処までも澄み切って高く広がっている。

 ぼうっと空を見上げる男およそ教会とは無縁に見えた。

 歳は二十の半ば程か。着崩した黒のスーツを上下に着、黒い革製の靴を履いている。適当に切りそろえられた黒髪。更にサングラスまでかけている。

 引き締まった肉体と精悍な顔つきを見ればとても堅気の人間には見えず、むしろヤクザといった方がしっくり来るだろう。



「…………」



 ぼうっと空を見上げていた男はおもむろに懐に手を入れてそこからつぶれかけたタバコの箱と古ぼけたオイルライターを取り出した。

 箱から縮れたタバコを引き抜きライターで火を付ける。男は深く紫煙を吸い込み、



「ふーーー」



 ゆっくりと、長くはき出した。紫煙は一瞬白い筋を作るがすぐに大気に溶けてゆく。

 男はくわえタバコでまた空を見上げた。

 縮れたタバコを吹かす男。ゆっくりと時間が流れてゆく。

 そして空が赤く染まりだした頃、教会の扉が開き一人の少女が出てきた。

 俗に言う『シスター』の格好をした少女は小さな庭を見渡し、ベンチに座ってタバコを吹かす男を見つけるとそっちに向かってゆっくりと歩いてゆく。

 少女の歳は十五、六ほどにみえる。黒の短い髪が僅かに見えた。

 少女が男まで後二メートルといったところでそれまでタバコを吹かしていた男が口を開いた。



「礼拝は終わったんか?」



 急に声をかけられた少女は僅かに歩みの速度をゆるめたが、別段驚いた様でもない。すぐに元の歩みに戻りそのまま男の隣に座った。

 男は隣に座る少女へ何も言わず、タバコを携帯灰皿に落として消した。



「ええ、終わりました。……でも礼拝者がいるのに神父様が外で一服、というのはどうかと思いますが……?」

「きにすんなや。些細なことや、些細な」

「……ふう。そんなだから私以外礼拝者がいないんですよ?」



 やれやれといった風に少女は額に手を当てる。そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか男は苦笑しながら口を開く。



「それこそ些細なことや、牧師が暇なんはええとこやと思うしの。第一、美空みたいにしっかりと神さん信じて祈ってる奴なんか殆どおらへん。大概は抱え込んだ悩みをぶちまけるためにくるんやからな」

「誉められてます? 私」

「その信心深さは美徳やで。……たまにする悪戯はあれやけどな」

「うっ……」



 男の言葉に少女――春日美空は言葉を詰まらせる。男は構わず言葉を続ける。



「まあ過ぎたことはどうでもええがな」



 そして他愛のない会話を交わす。美空が話してて男が聞き役。そして十数分が過ぎただろうか。



「……そろそろ行かんくていいんか? 食堂の残り物を選ぶはめになるで?」 



 男の言葉に少女……春日美空ははっとした風に腕時計を見る。少女らしい文字盤の短い針は既に真下を向いている。空も既に赤色から紫色に差し掛かっていた。

 この学園に通う学生の大半は食堂利用者だ。おいしい物があることで有名だが、同時に奇体なメニューがあることでも有名である。

 故に食堂利用者は食事時になると我先にと殺到する。出遅れれば残った奇体なメニューを選ぶ羽目になる。

 美空は慌ててベンチを立つ。



「ああ! もうこんな時間?! じゃ、じゃあウルフウッドさん! また明日!」



 美空は男に挨拶するとものすごい勢いで駆けていった。

 走り去る少女を見て男はポツリと呟いた。



「滅茶苦茶焦っとったのう……なんかトラウマ抱えとんのか?」



 美空のあまりの慌てように彼はそう考えた。

 ちなみに彼のトラウマは爆熱ゴットカレーである。

 幾千のスパイスを調合した神域に達する辛さのカレーで、完食したのは視察にきた青い髪で眼鏡をかけた女性ただ一人だとか。

 彼は食べた瞬間火を噴いて気絶した。それ以降彼は自炊派になっている。



「ほな、夕食の準備するか」



 男は教会の中に入ってゆく。扉の向こうに男が消えた後、三十分ほどするといい臭いが漂ってきた。



 昼頃に教会を開け、ぼんやりと時間をつぶし、たまに来る子供と遊び、礼拝に来た美空と少し話して夕食を取る。

 それが彼、ニコラス・D・ウルフウッドの日常である。



 ……依頼がなければ、だが。











 夕食を食べ終え――ちなみにジャーマンポテトだった――片付けをしているニコラスはふと洗い物をしていた手を止めた。

 手の水気をタオルで拭き、振り返りながら口を開く。



「どうしたんやタカミチ。こんな夜更けに? 流石に懺悔の時間は過ぎとるで?」



 視界の内には誰もいない。だがニコラスは椅子に座り扉に目を向ける。

 すると一泊の間をおいて扉が開き、そこから姿を現すのは灰色の短髪で眼鏡をかけ、スーツを着たナイスミドル。

 彼はぽりぽりとこめかみを掻きながらいう。



「今回は気づかれないと思ったんだけどなぁ。相変わらずとんでもない気配探知だね、ニコラス」

「人間相手だったら絶対に気づくわ。なんかしら異能持ってんなら別やが。で、なんや?」



 ニコラスは酒飲み友達のタカミチ・T・高畑に言う。その手はさっさとよこせという様に差し出されている。

 高畑は敵わないなと苦笑しながら懐に手を入れて一通の封筒を出した。それをニコラスに渡す。

 ウルフウッドはその封をさっさと切って中の紙に目を通しだした。

 一分も経たず目を通し終わったのか、それを懐から出したライターで燃やす。燃える紙を灰皿において口を開いた。



「…………解ったわ、やっとく。しっかし何で真名が一緒なんや?」

「本当に解らないのかい?」



 高畑は微笑みながら言う。それにニコラスは首を横に振る。



「どうせワイのストッパーやろ?」

「正解」



 ニコラスの答えに高畑は笑みを深くして頷く。対するニコラスはやれやれといった感じで、



「全くあの爺さんにも困ったもんや……少しぐらいは信頼してくれてもええやろに。ワイはトンガリちゃうで」

「……前から気になっていたんだが、その、トンガリって誰だい?」



 高畑は前半を無視して聞く。以前から気になっていたのだ。酒を飲むときにしばしば出る『トンガリ』という単語。たぶん誰かの愛称だとは思うのだが。

 だがニコラスは酒の席と同じ言葉を紡ぐ。



「昔の友人や……まあ、詳しくは機会があったらな。スマンが爺さんに了承の旨を伝えたってや」



 そう言って席を立ち、ニコラスは再び洗い物に取りかかる。高畑は追求しようとしたがその背が全ての問いかけを拒否していた。



「……解ったよ。まあ君のことだ、大丈夫だとは思うけど……気をつけてな」



 そう言って高畑はきびすを返す。ニコラスは洗い物をしながら言った。



「わーっとる。……そうや、タカミチ。今度飲みに行こか」

「良いなぁ、それ。楽しみにしているよ」



 高畑の言葉が終わると同時に扉が閉じた。残るのは黒服の男のみ。











 深夜。

 太陽は既に地球の反対側を照らしている。空を見上げると細い三日月が笑ったような気がした。肌寒い風が吹く麻帆良学園の郊外の森林、そこの小さな広場の隅ににニコラスの姿があった。タバコを吸い紫煙をはき出している。

 格好は昼間美空と話していたときと変わらない。唯一違うのは目元のサングラスの有無で今は流石に邪魔なのかかけていない。

 その背には身長ほどもある大きな物を背負っていた。風が吹き、ほのかな月明かりがそのシルエットを浮かび上がらせた。



 十字架である。



 それは布にくるまれ、至る所をベルトで止められていた。彼はそのベルトの一端を手に巻き付けそれを背負っている。だが何より異常なのは大きさ。百八十はあろうニコラスに迫る大きさだ。形状はシンプルで平面で構成された無骨な十字。

 ニコラスがタバコを携帯灰皿で消したとき僅かに物音がした。ニコラスは音のした方に目も向けずに口を開いた。



「遅いで……真名」



 その言葉は夜の闇に吸い込まれてゆき、



「済まないな。少し遅れた」



 少女の声が帰ってきた。

 森の暗闇の中から背にギターケースをしょった少女が歩み出てくる。腰までもある黒い髪に浅黒い肌。身長はニコラスと同じぐらいだ。服装はシンプルなズボンに体にフィットする肌着。その上にジャケットを羽織っている。

 龍宮真名。裏の仕事仲間でニコラスの今回の協力者で監視者でもある。

 ほのかな月明かりを雲が遮り、世界が暗くなる。ニコラスは軽く頭を掻いて言う。



「まあそない遅れたわけでもなし、ええわ。さくさく終わらせるで」

「そうだな。ちょうど敵の方から出向いてきてくれているみたいだしな」



 そこまで言って二人は広場の反対側を揃って見る。視線は鋭い。

 雲に隠れた月が再び広場を照らす。そこには見る者に生理的嫌悪感を与える光景が広がっていた。

 八本の足に二カ所がくびれた胴体を持ち、その全てが剛毛に包まれている。しかもそれが何かの液体に濡れているのかてらてらと光っている。

 体長一メートルはあろう化け蜘蛛だった。それが無数といる様は子供が見たらトラウマ確定だろう。



「飯の前にやっとったら、喉とおらへんかったやろなぁ」

「ずいぶんと柔なことを言うじゃないか?」



 だが二人は嫌悪感を表すどころか何処か気の抜けた感じで会話している。

 その間にも蜘蛛はゆっくりと近づいてくる。



「いや、だってワイ、メインは人型やったし」

「昆虫型は初めてじゃあないだろう?」

「ああ、何回か戦ったことあるで? ただ蜘蛛は相変わらず気味悪うてなぁ」

「らしくないな、ニコラス」



 二人がのんきな会話をしている間にも蜘蛛はゆっくりと近づいてくる。相対距離十メートルほどになったとき、



「ほな、やるか」

「ああ」



 真名はギターケースを地に投げ捨てる。その両手にはいつの間にかマシンガンが握られていた。肩にはアサルトライフルがかかっている。

 対してニコラスは手に巻いたベルトを軽く弾く。すると背中の十字架を至るところで止めていたベルトが次々と弾け飛んでゆく。そして吹いた風が十字架に巻かれていた布を吹き飛ばす。

 そこから現れたのは金属の輝き。十字の交差している辺りは黒く、それより先の部分は白い。そして交差しているところには丸く穴が開いている。そこにはドクロをモチーフにしたグリップがある。

 ニコラスはそこを手で握り、重いであろうそれを僅かに振ると軽々と持つ。グリップを操作すると十字架の長い一方が半分に割れた。

 割れた部分から除くのは鉄色の銃身。機関砲ほどの口径があるだろう。

 パニッシャー。遠い未来、遙かな星で最強の個人兵装と呼ばれた兵器。

 ニコラスは長い一方の反対側を脇に挟むようにしてその銃口を化け蜘蛛の群れに向けた。

 それを待っていたかのように真名が口を開く。



「遮音結界は?」

「安心せえ、一級の楔を打ったさかい、飛びっきり強力やで。ダイナマイトがダース単位で爆発しても誰も気がつかんわ」

「そうか、なら、存分に行こう」



 真名も両手の銃口を化け蜘蛛に向ける。そして二人は同時に引き金を引き絞った。



 真名の銃から放たれるのは聖鉄を用いた退魔弾。この程度の妖物は苦もなく屠る威力を持つ。小気味よい音が響くたびに化け蜘蛛は奇声を上げながら消滅してゆく。

 対するニコラスのパニッシャーら放たれる弾丸は僅かに加護がかかった鋼製。妖物には効果が薄いはずだったが、そもそも口径も初速もマシンガンとは桁が違う。その銃口からはき出される弾は化け蜘蛛を穴だらけ……否、バラバラの肉片に変えてゆく。響く銃声は既に爆音に等しく、放たれる銃弾は嵐のごとく。

 真名が『殺す』ならニコラスは『壊す』といえるだろう。

 僅か数分で無数にいた化け蜘蛛は僅かに数匹となっていた。



「後はこれだけ」



 アサルトライフルに持ち替えながら真名が言う。だが撃とうとはしない。必要ないと判断したのだろう。

 だが急にニコラスは射撃をやめる。それを好機と見たか残った数匹の蜘蛛が大きく飛び退る。



「何をやっているんだ? さっさと消してしまえばいいじゃないか」

「ちいっとばかし、手が痺れてなぁ」

「文句言わずに早くやれ。ニコラスはともかく私の資金は有限なんだ」

「わかっとるがな……げ」

「どうした……う」



 蜘蛛を見ていたニコラスが声を上げる。彼に体を向けていた真名もつられて蜘蛛を見る。そして両者ともに嫌悪がこもった呟きを漏らした。



「……食事前には見たくない光景だな」

「……そやな」



 真名は無表情だが心なしか蒼い顔をしている。ニコラスは心底嫌そうな顔。

 周囲には肉をはみ体液をすする音が響いている。

 …………早い話が残った蜘蛛が共食いをしている。

 だがこれは数が減ったと喜ぶことではない。妖物など全般は存在が近しい者を補食することでその力を手に入れる特性があるのだ。



「つーか、蜘蛛って体液を吸うんじゃなこうたか?」

「化け物だがらな。例外がいてもおかしくはないだろう」



 二人の短い会話の後、吐き気を催す音が途絶えたとき、そこには体長五メートルはあろう巨大な化け蜘蛛がいた。



「ニコラスが手を抜いたからああなったんだ。責任はとれ」

「なんでや。――まあええけどな」



 いいのか。



 巨大蜘蛛は身を沈める。どうやら飛びかかってくるらしい。

 それを見たニコラスは少し前に出てパニッシャーを構える。だがその向きが先程とは逆の部分を蜘蛛に向けている。

 ゆっくりとパニッシャーを蜘蛛に向けながら彼は言う。



「ええかげん眠いしなぁ、一気にケリつけたるで」



 獰猛な笑みを浮かべたニコラス。彼が構えたパニッシャーはしっかりと化け蜘蛛に向けられ、直後、蜘蛛に向けた方が二つに割れて銃口が現れる。現れたそれは機関砲よりも口径が大きく既に大砲。反対側の一部がスライドして排熱機構が現れる。変形したそれを肩に担ぎ、出てきたスコープの中に巨大蜘蛛を捉える。

 そして言葉を口にする。神秘を扱う言葉を。



『灰は灰に、塵は塵に』(ash to ash.dust to dust.)

『炎の精霊一千柱、砲身に集いて敵を撃て』



 彼の術式が完成する瞬間、巨大蜘蛛が飛びかかってきた。だがそのタイミングは。



「遅いで……」



 呟いたとき、既に砲身の先には破壊の赤光が集まっていた。後は言葉と共に引き金を引くだけ。



『炎帝の轟槍』



 言葉と共に砲身の先から太く力強い炎が打ち出される。それは槍の形を取り真っ直ぐに巨大蜘蛛に突き当たった。

 閃光が走り急激に膨張した空気が周囲に突風をまき散らす。凝縮された炎の精霊は巨大蜘蛛に当たるとその力を解放する。

 刹那の一瞬で巨大蜘蛛は灰燼と帰した。だが荒れ狂う精霊達は周囲に熱をまき散らす。大半は上空に抜けたが余波が地面を焼いた。



「…………いつ見ても凄まじい威力だな」



 ようやく視力が戻った真名は爆心地の惨状を見て呟いた。

 空中で爆発したにもかかわらず大地にはクレーターができあがっている。しかも所々が月明かりに輝いている。あまりの熱量に土が溶けたのだ。

 もしかしたら核シェルターですら打ち抜くかもしれない。

 そのあまりの威力に真名は背中に冷たい汗をかくが、すぐにそれも治まる。いつものことだった。

 だが彼女は一つ言っておくことがある。



「で……この惨状、どうするんだ?」

「…………どないするかなぁ?」



 依頼書には書かれてなかったがこういったことの常識がある。それは、

 痕跡を残さない。

 この一点である。人里離れた山奥ならいざ知らず、ここのような都会では常識である。だが彼はいつもやりすぎる。

 確かに此処は林の中だが全く人が来ないというわけではない。むしろサバイバル同好会が好んで使う場所で、それ故に妖魔の討伐依頼が来たのだ。

 そこに爆発物が炸裂したような痕。クレーターのようにすり鉢状の穴の底は、土が溶けてガラス状になっている。

 痕跡はバッチリ。

 最悪なことに此処をよく使う生徒達は軍事関係の知識が豊富であり、この状態を見れば騒ぎを起こすのは目に見えていた。

 そのことに思い至ったのかニコラスはやべえといった表情を浮かべ、真名は呆れた顔をしている。

 だが真名は非情にも、



「まあ……がんばれ」



 と、言い切った。手伝う気は皆無らしい。すぐさま焦った顔でニコラスが振り向き言う。



「ちょ、待てや! 手伝うてくろても……」

「自分の始末は自分で付ける。……基本だね?」



 真名はとりつくしまもない。

 ニコラスは情け無い表情で、



「いや、でも少しばかり……」



 だが真名は彼の抗議を切って捨てる。



「第一私は学業があるんだが。あくまでこれは副業であって優先されるは勉強の方だ。それに……深夜、女性に肉体労働をさせるつもりか?」



 第一、彼が加減すれば良かっただけなのだが。

 真名は前半は神妙に、後半はやや非難を混じらせた視線でニコラスを見ながら言った。

 リアリストのくせに情に厚いこの男……自分の不始末だということも気がついていた。



「………………解ったわ。ワイ一人でやる。真名はかえって寝とき」

「ああ、そうさてもらうよ。おやすみ、ニコラス」



 と、恨めしそうな視線を向けながら一人でやる旨を伝える。

 真名は視線を完全に無視し、後始末を彼に任せて自分はさっさと帰って行く。一人残されたニコラスは……



「はあ……しゃあない、やるか……」



 痕跡消滅のためにワーキングを始めた。





 ………………ちなみに、彼が帰宅し、就寝したのは夜が明け始めた頃だった。





 ニコラス・D・ウルフウッド。

 過去は殺人技能者にして巡回牧師。

 今は寂れた教会の牧師にして退魔師。

 彼の日常はこんな感じで過ぎてゆく。

魔法先生と鋼の十字架 (×トライガン・オリ有) / 二話

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