第76話


時は遡り、ゴッドJフェニックスがガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊の前に降り立った同刻………

ガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊の戦っていた前線のちょうど反対側では………

悪魔・妖怪軍団を相手に、魔法先生と生徒達が奮戦していた。

「衛生班!! 負傷者を連れて後方へっ!!」

「魔法剣士隊は前に出ろっ!!」

前衛を魔法剣士隊に任せ、後方から魔法使い達が呪文で援護する。

だが………これまでにない悪魔・妖怪軍団の数に、全員が苦戦を強いられていた。

「お、お姉様っ!! もう魔力がありません!!」

「愛衣!! 弱音を吐くんじゃありません!!」

涙を浮かべている佐倉 愛衣に叱咤を飛ばしながら、近寄ってきた妖怪を背後の黒衣の夜想曲からの触手攻撃で排除する高音・D・グッドマン。

しかし、その影から悪魔が飛び出して来た!!

「!! しまっ………」

その鋭い爪が、高音を目掛けて振り下ろされそうになった時!!

「豪殺居合い拳ッ!!」

悪魔は、割って入ったタカミチの見えない豪拳によって潰された。

「油断するな、高音くん!!」

「申し訳ありません、高畑先生!!」

言葉を交わしながらも態勢を整える2人。

(こちら瀬流彦!! ガンドルフィーニ先生が負傷しました!! 今連れて後方に下がります!!)

(すまない………)

(刀子です!! 敵の増援を確認!! 持ち堪えられません!! 至急援軍を!!)

(こちらシャークティ!! 防衛ライン、維持できません!! 後退します!!)

様々な苦戦を知らせる念話が飛び交う。

(マズイ………悪魔と妖怪達は、共通の目標を前に互いに関わらないようにしている………連帯が取れているわけではないが………このままでは、物量差で押し潰されるのは時間の問題だ………)

タカミチの脳裏に最悪の事態が過ぎる。

「隙ありっ!!」

と、その一瞬の隙を突いて、1匹の上位悪魔がタカミチを肉薄し、拳を振り下ろした!!

「!! 何っ!!」

防御が間に合わず、まともに喰らい吹っ飛ぶタカミチ。

「ぐわぁっ!!」

地面を数回バウンドしながら転がり、そのまま建物に突っ込む。

「!! 高畑先生!!」

「高畑先生がやられた!?」

上位実力者であるタカミチがやられ、他の魔法先生と生徒達にも動揺が走る。

「ぐ………うう………」

瓦礫を除けながら立ち上がろうとするタカミチだったが、力が出ずに再び倒れる。

ウルト○マンに例えるなら、カラータ○マーがピコンッ、ピコンッと点滅している状態だろう。

「ギャハハハハ!! 良い様だな、魔法使い共!!」

それを見て、高笑いを挙げる上位悪魔。

………こんな時なんだが、この悪魔の声………千○繁ボイスだ。

「ヤロー共!! 散々苦汁を嘗めさせられてきた魔法使い共に、今こそ恨みを晴らす時が来たぞ!!」

「「「「「「ウオォォォーーーーーーーーッ!!」」」」」」

雄叫びを上げる悪魔達。

「よーし、それでは………やっておしまい!!」

千○繁ボイスの悪魔の号令と共に、一斉に攻撃態勢に入る悪魔達。

(クソッ!!…………ここまでか)

と、タカミチが諦めかけたその時!!

「サ○ダァァァーーーーブレェェェーーーーークッ!!」

偉大な勇者グレートマ○ンガーの必殺技の名前が木霊すると、悪魔・妖怪軍団目掛けて、落雷が落下した!!

「「「「「ギャアァァァーーーーーーーッ!!」」」」」

昔のギャグアニメみたく、骨が丸見えになって痺れた後、消滅する悪魔・妖怪達。

「な、なんじゃコリャッ!!」

仰天の声を挙げる千○繁ボイスの悪魔。

「ハハハハハハ!! ハーッハハハハハハ!!」

そこへ、続いて男の高笑いが響いてきた。

「だ、誰だっ!?」

「今の攻撃………そして、この外連味の掛かった高笑い………まさか!!」

タカミチの脳裏にある男の姿が過ぎる。

「あ、アレは!?」

弐集院が空を指差した。

そこには、ボロボロのローブの裾をはためかせた赤毛の男が宙に浮かんでいた。

「まさか………」

「貴様は!?」

魔法先生と生徒、悪魔・妖怪軍団がの視線が一斉に男に集中する。

「世のため、人のため!! 悪の野望を打ち砕く、サウザンドマスター!! 雷の一撃を恐れぬのなら、かかってこい!!」

破○万丈の名台詞を捩った決めゼリフを悪魔・妖怪軍団に言い放つサウザンドマスターことナギ・スプリングフィールド。

そして、ウルト○マンガイアの登場シーンのように土片を上げながら着地する。

「ナギさん!!」

「お、タカミチじゃねーか。暫く見ない間に随分老けこんだな、オイ」

子供のような無邪気な笑顔を浮かべてタカミチに笑いかけるナギ。

「オノレ、コンちゃん………じゃ、なかった、サウザンドマスター!! 生きておったのか!!」

「お生憎様、俺は死んだなんて一言も言ってないぜ」

と、ナギは今度は不敵な笑みを浮かべて千○繁ボイスの悪魔を見据える。

「ならば俺様が、直接地獄に送ってくれるわーーーーっ!! アーーチョーーーーーーッ」

そう叫び、ナギに襲い掛かる千○繁ボイスの悪魔。

「やってみやがれっ!!」

ナギもそう言って、千○繁ボイスの悪魔にかかって行った。

「うおおぉぉぉーーーーーっ!! しりとり!!」

千○繁ボイスの悪魔の連続パンチが炸裂する。

「リンゴ!!」

しかし、ナギはそれを難なくかわしていく。

「ゴリラ!!」

今度は、ナギに掴みかかる千○繁ボイスの悪魔。

「ラッパ!!」

だが、ナギは勢いを利用して巴投げで投げ飛ばす。

「パリ〜〜〜!!」

千○繁ボイスの悪魔はすぐさま体勢を整えると、口から怪光線を発射してくる。

「リ〜ス〜!!」

それを障壁を展開して防御するナギ。

「スイカ〜〜〜!!」

そのまま怪光線を発射し続ける千○繁ボイスの悪魔。

「乾電池!!」

ナギは障壁で防御しながら千○繁ボイスの悪魔にゆっくりと近づく。

「血豆〜〜!!」

「メダカ〜〜!!」

遂に距離ゼロに接近したナギは、千○繁ボイスの悪魔の横っ面に左フックをお見舞いする。

「か、缶!!」

「んがついた!! 俺の勝ちだ!!」

倒れた千○繁ボイスの悪魔の背後から素早くスリーパーホールドを掛けるナギ。

「ええい!! 缶コーヒーと言おうとしたんだ!! 早まるな!!」

しかし、千○繁ボイスの悪魔は尻尾をナギの首に巻きつけて投げ飛ばす。

「クソ〜〜〜!!」

空中で体勢を立て直して着地するナギ。

千○繁ボイスの悪魔はその間に空に飛び上がる。

「ヒーロー!!」

ナギもそれを追って宙に舞う。

「ろ〜〜そく!!」

再び口から怪光線を発射する千○繁ボイスの悪魔。

「靴!!」

だが、これまた難なくかわすナギ。

「積み木ーー!!」

「き〜〜ん〜〜ぎょ〜〜!!」

そして2人は、勢いをつけて空中でぶつかり合った。

「魚群探知機〜〜〜!!」

「金星!!」

「イカ〜〜〜!!」

そのまま、縺れ合いながら落下する。

そして、地面直前で離れて着地する。

「す、凄い闘いだ!! けど………」

「何でしりとりやってるんですか………」

声優ネタです。(爆)

「凄い闘いですけど………どこかくだらないです〜」

などというツッコミが入る中、ナギと千○繁ボイスの悪魔の闘いは続く。

「ええい、おのれ!! 猪口才な!!」

「どうした? それで精一杯か?」

「舐めるな!!」

千○繁ボイスの悪魔の姿が消えたかと思うと、一瞬でナギの背後に現れる!!

「もらった!!」

拳を振り下ろす悪魔。

しかし、それが当たる寸前で、同じようにナギの姿が消える。

「何っ!!」

「甘いっ!!」

そして、また同じように一瞬で千○繁ボイスの悪魔の背後に現れる!!

「しまっ………」

「波ーーーーっ!!」

そしてか○はめ波のポーズで雷の暴風を発射した!!

「ギョエェェェーーーーッ!!」

断末魔と共に消し飛ぶ千○繁ボイスの悪魔。

「ハハハ、軽い軽い」

と、豪語していると………

新たに現れた悪魔達が、周りを取り囲む。

「あ、あら?」

さらにそこへ、妖怪軍団も加わる。

「あ〜〜………ちょっとピンチ?」

そして、両軍が一斉に襲い掛かろうとした時!!

「デ○ルビィィィーーーームッ!!」

突如上空から降り注いだ光線が、悪魔・妖怪軍団を直撃し、石化させた!!

「お?」

間の抜けた顔をしているナギの横に、1人の悪魔………ヘルマンが並ぶ。

「やれやれ………少し油断しすぎじゃないのかね? サウザンドマスター」

「何言ってんだ? あそこから大逆転するところだったんだよ」

のほほんと会話を交わすナギとヘルマン。

「あ、悪魔と話してる………」

「流石はサウザンドマスター………」

「交友関係が広いんですね〜………」

その光景を信じられないものを見ているといった目で見ているタカミチ、高音、愛衣、その他大勢(笑)。

と、そこへ、またも大量に出現する悪魔・妖怪軍団。

「うわっ! しつけーな!!」

「妖怪の方はどうだが知らないが、悪魔とは元来そういうものだよ」

しつこさに呆れながらも戦闘態勢を取り直すナギとヘルマン。

「ヘルマン!! テメェー、悪魔のくせして人間の味方するつもりか!?」

「だからどうしたのかね?」

飄々と言い返すヘルマン。

「貴様!! それでも爵位級悪魔か!!」

「フッ………友情という力を知らぬお前達よりはマシだと思うがね?」

「ふざけやがって!! 上等だ!! 捻り潰してやる!!」

怒りを露にする悪魔達。

「行くぞ、サウザンドマスター」

「仕切んなよ!………にしても、これだけ数が多いと、もう1人くらい腕の立つ奴がいてほしいところ………」

「では、私が加勢しましょう」

「「えっ?」」

不意に聞こえてきた声に驚くナギとヘルマン。

そして次の瞬間、赤い光球が空から舞い降りてきて、爆煙と共に着地した。

「!! 何だ!?」

突然の事に慌てる悪魔・妖怪軍団。

ナギとヘルマンも油断なく構える。

やがて、煙が晴れていくと、中からフード付きのローブを纏った人影が現れる。

「!! お、お前は!!」

その人影を見て驚愕するナギ。

「お久しぶりです」

そんなナギに、フードを脱ぎながら言葉を投げ掛けるローブの男………アルビレオ・イマ。

「あれは………アルビレオ・イマ!?」

「嘘っ!! 元「紅き翼」メンバーの一人!!」

更なる強力な援軍に沸き上がる魔法先生と生徒達。

しかし………

「お前は………ア○トラ!!」

「レ○兄さん!!」

と、獅子座出身の双子ウルト○マンの名前で呼び合った2人にズドドッと魔法先生と生徒達、悪魔・妖怪軍団全員がズッコけた。

「間違いねー!! そのノリの良さ!! 本物だな、アル!!」

「い〜や、ホント、お久しぶりですね、ナギ」

「「「「「アンタ等!! 闘いに来たのか、漫才しに来たのか、どっちだ!!」」」」」

一同からビシッとツッコミを受けるナギとアル。

「さて、冗談はこれぐらいにしておいて………手を貸しましょうか? ナギ」

「おう、頼むぜ!!」











その後、戦場は、3人の独壇場と化した。

「デ○ルアロォォォォーーーーーーッ!!」

「「ウ○トラダブルフラッシャー!!」」

様々な版権技を使いながら(笑)ながら、次々と敵を打ち倒していく。

「た、退却〜〜!! 退却〜〜!!」

遂に、悪魔・妖怪軍団は引き上げて行った。

「どうやら、敵は撤退したしたようですね」

「何だよ、もうちょっとで1万匹撃破だったのに」

「ゲームじゃないのだよ、まったく………」

それを見ながら一息吐くナギ、アル、ヘルマン。

「………あれが………サウザンドマスター………」

「強いことは強いんですが………」

「何か………イメージと少し………というか、かなり違うな………」

そして、その闘いぶりにいろんな意味で呆気を取られている魔法先生と生徒達。

と、そこへ、ちょうど都市の反対側の方から一際高い爆発音が響いてきた。

振り向いてみると、要塞島が底部から煙を上げて離脱して行く様が目に入った。

「向こうもケリが着いたか」

「そのようですね」

「まあ、当然だろうな」











ガイアセイバーズとガーディアンエルフ隊の戦っていた前線側………

3−Aメンバーと惑星J組は全員がPFから降りて、着地したゴッドJフェニックスの足元に集まっていた。

それを見た機龍は、ゴッドJフェニックスを膝立ちにすると、コックピットハッチを開き、皆の前に降り立った。

「「「「「「「……………」」」」」」」

全員が何とも言えない空気に包まれた。

皆の前に現れた機龍は、顔中に傷跡を付けていたが、それが逆にワイルドな格好良さを出していた。

「皆、心配かけたな」

そう言って、皆に笑い掛ける機龍。

「き、機龍さ〜〜〜んっ!!」

ネギが駆け出し、機龍にしがみ付いた。

それを初めとして、皆が機龍を取り囲んだ。

「機龍先生! よく生きてたね〜〜!!」

「もう〜〜!! 私達、ホント落ち込んだんだからね〜〜!!」

「リーダー………よくぞご無事で………」

「機龍〜〜〜!! テメェ、コノヤローーーッ!!」

泣かれたり、怒られたり、ドツかれたり(笑)しながら揉みくちゃされる機龍。

「どわっったたたっ!! ハハハ、手荒い歓迎、ありがとう!!」

それでも、機龍は終始笑顔を浮かべて仲間との再会を喜んだ。

「でも、機龍さん、今でどうしてたんですか?」

「うむ、運良く助かりはしたが、記憶喪失になっていてな。とある人に助けられて、お供をしていたんだ」

「とある人?」

首を傾げるネギ。

「ああ、ネギと………マクダウェルくんが良く知っている人さ」

ネギとエヴァを見て言う機龍。

「何っ?」

「えっ? まさか………」

2人がある人物を思い浮かべた時………

「おーい! 終わったのかーー?」

そう言いながら、ナギがやってきた。

「「!!」」

その姿を見てネギとエヴァは驚愕の表情を浮かべた。

ナギの方も、2人を見て「おっ?」という声を漏らす。

「と、父さん………」

「ナギ………」

目がウルウルとし出す2人。

「よお、ネギ。それにエヴァも。久しぶりだな〜」

間の抜けた感じの再開の挨拶をするナギ。

「父さ〜〜〜ん!!」

ネギが、ナギに向かって駆け出した。

「ナギ!!」

続いて、エヴァが駆け寄ろうとしたが、機龍が肩を掴んで止めた。

「!! 貴様、放せ!!」

「まあ、待て。親子の再会が先だ。それに………今行くと、大変なことになるぞ」

「??」

首を傾げるエヴァ。

「父さ〜〜〜ん!!」

ナギに飛び付こうとするネギ。

「ハハハハハ」

ナギは、笑顔でネギを迎え入れ………なかった!!

素早くネギの右手と左足を掴んで、ボー・バ○ク・ブリーカーを掛ける!!

「うわぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」

「「「「「「へっ?」」」」」」

あまりの光景に目が点になる一同。

機龍はやっぱりと言った感じの表情を浮かべている。

続いてナギは、今度はゴ○ー・エスペシャルをお見舞いする!!

「そりゃそりゃ!!」

「うわぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」

そして、トドメはバッ○フリップ!!

「ト○プル・ビーフ・ケーキ!!」

「うわぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」

思いっきりノックアウトされるネギ。

「フッ………甘いぞ、息子よ。如何なる時も油断を見せないのが………」

スクッと立ち上がって、背後のネギに向かって語りかけるナギだったが………

「何するんだよ、父さ〜〜〜〜ん!!」

反撃にとばかりに、背にドロップキックをお見舞いされた!!

「ぐおっ!!」

そしてそのまま、ボストンクラブを掛けられる。

「おわぁぁぁ〜〜〜っ!!」

「ギブアップ?」

近寄った機龍が、ナギに聞いた。

「ノォ〜〜〜ッ!!」

そう叫んで、ボストンクラブを振り解く。

「ネギ!! テメェ、親父に向かってドロップキックかますたぁ、どういう了見だコラァ!!」

「そっちこそ、今まで何やってたんだよ!!」

そのまま、スプリングフィールド親子は激しいどつき合いを展開する。

「「「「「「………………」」」」」」

あまりの展開に唖然とする一同。

只1人、機龍だけが笑いながらその光景を眺めていた。











10分後………

「ゼエ………ゼエ………ゼエ………ゼエ………」

「ハア………ハア………ハア………ハア………」

全体力を使い果たし、大の字になって寝転がっているスプリングフィールド親子。

「「フ………フフフ………フハハハハ!!」」

と、不意に2人して笑い声を挙げた。

「「「「「「????」」」」」」

ますますわけが分からなくなり、首を傾げる一同。

「強くなったじゃないか、ネギ」

「機龍さんに鍛えられたからね」

お互いに上体を起こしながら言うスプリングフィールド親子。

「その………悪かったな、今までほっといて」

「………父さん!!」

ネギは、ナギの胸に飛び込んで行った。

「おおっとと!!」

「うう………父さん………父さん………」

ネギは、ボロボロと涙を零す。

「オイオイ、泣くなよ。漢だろ」

「うう………だって………だって………」

そのまま嗚咽を漏らすネギ。

と、そこへ………

「ナギ!!」

声高に叫びながら、エヴァが駆け寄った。

「おお、エヴァ。久しぶり」

「何が久しぶりだ!! 貴様〜〜、15年も放って置きおって!!」

ワナワナと震えて、今にもナギを八つ裂きにせんと殺気立つエヴァ。

しかし………

「何だ? 寂しかったのか?」

「なっ!! 馬鹿言うな!! 私は別に………」

エヴァが何事か言いかける前に、ナギはエヴァの手を取って、自分のネギと一緒に自分の胸元に引き寄せた。

「な、何を!?………」

「スマンな、遅れて」

二カッという笑顔をエヴァに見せるナギ。

それを見たエヴァは、顔を真っ赤にして俯くと、そのままギュッとナギに抱きついた。

「貴様はやっぱり………卑怯者だ」

「その文句は言われ慣れてる」

「ナギ………うう………ナギ………」

エヴァもそのまま、涙を流しながら嗚咽を漏らすのだった。

その光景に、皆は貰い泣きしだすのだった………










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