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Re^7: 偉大なる狩人魂 第七話 投稿者:ドラグナー 投稿日:06/06-20:42 No.2500
【第七話 ポッケ村って寒いところですね ウェールズを思い出します byネギ】
馬車は止まり、ネギ達はそこから降りた。
踏みつけた冷たい感触。
足下には真っ白な雪が敷きつめられている
この寒さに耐えきれないのか、ベッキーは白い吐息を吐きながら両手で体をさすっていた
山が多く、風も吹きやすい。
そのためここに来る者は大抵防寒具を身につけている
その中でも、この村にしかないマフモフシリーズはここにやってくるハンター達にすぐに買い取られる場合があるので
できるだけ多めに売ってあったりもする。
この厳しい環境の中でも、
ここに住む人々は、力強く生活を営んでいる。
ネギ達はこの寒い中平気で歩くジェラード達に付いていった。
彼らが向かう場所は集会所の扉。
そこを開けると、外の寒さとは違って暖かい温度が流れている。
集会所の中には、様々な鎧を身に纏ったハンター達が
ワイワイと飲んだり食べたりしている
「おお!我らが死神が帰ってきたぜ」
「おつかれさん!」
ジェラードが現れると、ハンター達は声をかけた。
どうやら、ジェラードは意外に人気があるらしい
「その子供は何だ?」
一人のハンターは、ジェラードと共に付いていくネギ達を見ている。
集会所の中には、年上の人達が多くいて、ネギ達のような子供は一人も見あたらない。
それどころか逆に怖そうな顔のハンターも多い。
「狩猟の時に、迷い込んだらしいんだ」
ジェラードはとりあえず、沼地での出来事を短く話した。
すると・・・
「つまり迷子か」
一人のハンターの一言で全員が大笑いした。
テーブルを叩きながら笑ったり、床に這いつくばりながら笑うヤツも多い
「笑うなー!先生だぞー!」
「宮本先生、この世界では意味はありませんよ」
顔を真っ赤にしながら怒鳴るベッキーだが
ここは別の世界。
犬神の言うとおり、この世界ではベッキーは教師ではない。
そんな姿を見ていた雅は、あれが先生?と疑問に思う
「でも悔しい気持ちはあたしにだってあるわよ・・・」
「まぁまぁ・・・」
拳を握りしめながら俯くアリサに
どうどうと抑えるすずか
ジェラードの方は、無視すりゃいいと
そのままカウンターの方まで向かった。
「おかえりジェラードさん」
「ああ、今日は意外に疲れた」
にこにこと向かえたのはこの集会所の看板娘
隣にいる緑色の服を着た看板娘は下位~中位までのクエストを受け付けられる
テーブルにある丸太椅子を無理矢理持ってきてはカウンターの前に置き、そこへ座る。
グッタリとした姿勢に、思わず頬笑む
ジェラードの隣にバンっとカウンターを叩くランス
「俺は文句が言いてぇんだよ!」
「まあまあ、私は素晴らしい至福の時でしたけど・・・」
それはテメェだけだろとセオドアを睨んだ
しかし、セオドアは幸せそうな顔で天を仰いだ。
ああ、この出会いを感謝します、と何かに感謝している様子。
「私の愛しき彼女が二人も現れては嬉しいのも当然ですよ」
セオドアの嬉しそうな言葉に看板娘は疑問に思った。
「二人って・・・もしかしてゲリョスの事?」
「そうでなくても2匹が出てきたんだよ!俺達が討伐する相手はゲリョス一匹なのに、そこへ向かうと、2匹出てきたんだぞ!」
機嫌の悪いランスは怒鳴りあげた。
そんなランスを気にせずに腕を組みながら考える。
「情報が誤ったのかな・・・。たしかに狩猟クエストではちゃんとゲリョス亜種一匹なんだけど・・・」
そもそもギルドの情報は確かに当たってるはず
それが誤ってるなど、決してあるはずがない・・・
「ギルドの連中に伝えてくれよ、しっかりしろよって!」
「う・・うん・・・そうするね・・・」
ランスは看板娘に叱りつけながら注意した。
何故こうもランスが怒ってるのか分からないネギ達に
ジェラードは、あんま気にすんなと耳打ちした。
「ところで、その子達は?」
「クルプティオスの湿地帯で発見した。」
ジェラードの横にいるネギ達に気が付いた。
「どこから来たのかな?」
「ま、麻帆良学園から来たのですが・・・」
カウンターから上半身を出して、何処から聞いたのかを質問したが
看板娘は『?』という状態になり、難しい顔をした
そんな地名があるのか?そう思いながら小さな地図を広げたが
『マホラ』という場所はどこにもない・・・。
「何処の集落地だ?」
「さあ、それか街かな・・・・?」
話を聞いた他のハンターも、もはやちんぷんかんぷん。
「残念だけど、お姉さん達はそう言う場所は知らないな~」
ゴメンネと手を前に突き出しながら謝る
もはやこれまでかと思った矢先
「村長に聞いてみたらどうだ?」
「ああ、あのばーさんにね」
他のハンターの一言に、ジェラードは頷いた。
たしかに村長なら何か分かるかもと、ネギ達を連れ
集会所を出た。
集会所から出るとそこにはお店が少なく並んでいる
左手には道具屋、武具屋。右手には温水が溢れている。
村にしてはそう呼びにくい環境だが
それでもこの過酷な場所で村を築き上げた人達の素晴らしさに
以前、ジェラードは痛感していた。
手前の右側には大きな青い石があり
さらにその大きな青い石に三本の大きなしめ縄が巻いていた。
その青い石の下には傘帽子をかぶっている
背の小さな老婆が眠っている
この老婆こそが、このポッケ村を取り仕切っている村長である。
「ばあちゃん!」
「よいよいよい・・・おお、我らがハンターか、よくぞ帰ってきた」
ジェラードが近づくと村長はふと目を覚ました。
村長の目の前にいるのはジェラード、カエデ、ランス、セオドア
そして・・・
見た事もない子供達だった。
「その子達は?」
「ああ、沼地で発見したんだ。」
「このばーさんは、ここポッケ村の村長。一番偉い存在だ」
ランスに村長の事を紹介した後、
ネギは前に出て村長に向かってお辞儀した。
「はじめまして、ネギ・スプリングフィールドともうします」
「はいはい、はじめまして。礼儀正しくて賢そうな子じゃねえ」
礼儀正しいネギに感心する村長は同じくお辞儀をする。
それに続き他のみんなも挨拶をした。
「月村すずかと申します」
「アリサ・バニングスです」
「レベッカ宮本です」
「犬神剣と申します」
「あ、あの、同じく犬神・・・雅です」
「一条望だよ!よろしくねおばーちゃん!」
おばーちゃんという言葉に、少し気まずくなってきたジェラード達だったが
村長は、よいよいと制止した。
「はいはい、それでお主達はどこから来たんじゃ?」
「その話なんだけどな・・・」
ジェラードは沼地で起こった出来事を話し出した。
「こいつらが住んでいる場所は、どうも違う世界からなんだ」
「違う世界・・・?」
全く訳が分からないと悩む村長に、ジェラードは話を続けた。
「こいつらの着ている服の素材、俺達が知っているのとは全然違うんだ」
「ほほう・・・」
よく見ると確かに見た事も無い服装だった。
この世界での服装は、ネギ達が着ている服とは違ってみんな作業衣を
着ている者もいれば、鎧を身に纏っている者もいる
すると村長はゆっくりとした歩きで、ネギ達に近づいた。
「お主達、よければこの婆に、お主達の住む世界について語ってくれぬかの?」
「あ、はい・・・」
興味津々な村長に、仕方なく話す事にしたネギ達。
・・・・数十分後
「それでね・・・・」
「待ってくれぬか・・・いろいろと語ってしまうと頭が混乱してしまう・・・」
村長は頭を抑えながら、ネギ達の話を制止した。
それはそこにいるジェラード達も一緒だった。
ネギ達が話した内容は、この世界にあって、この世界にないモノ
空を飛ぶ飛行機。歩く必要のない自動車。そして電話など・・・
どれもジェラード達にとっては、考えられないモノばかりだった。
「遠くの場所にいる人と会話できる機械があるのはとても便利ですね」
カエデは興味津々だった。
この世界では鳥類を利用して、伝書鳩のように遠くにいる人に手紙を届ける。
ネギ達のいる世界では、そういうものは必要がなく
電話などで遠くにいる人の声などを聞ける事ができるのだ。
「便利なモノだったら他にもいっぱいあるよ!洗濯機とか炊飯器とか!」
他にもいろいろ。
考えついた結果、ネギ達の世界の方が文明が進んでいるようだ。
しかし、この世界にも文明はちゃんと進んでいる。
ただ、原始的な所はあるようだが・・・・
村長は満足そうな顔で笑いあげた。
「なるほどなるほど、ほっほっほ、なかなか面白そうじゃのう。じゃがもうすぐ陽が暮れてゆく・・・
この話は、のち明日にでもしてくれぬかの?」
「明日ですか」
確かによく見ると、太陽は西に向かってゆっくり沈んでゆく
周りの人達も、お店を閉める作業に入ったりといろいろ忙しい事だらけだ
母親は小さな子供を連れて、家に帰ろうとする姿も見られる
だがここで、一つ悩みがあった。
ネギ達を今後どうするかという問題だった。
ここはネギ達でさえ知らない別世界。
住んでいる家もないという現実に苦悩する
「だがばーさん。こいつら帰る場所がねえし家もねえ。どーするんだ」
「だったらあそこならいいかもな」
ジェラードの言葉に、全員ふと顔を上げる
何か思い当たる節でもあるようだ。
「ドクに頼んだほうがいいぜ」
「あのドクにか・・・?冗談だろう」
ランスは何かを否定するかのように小さく手を振った
ドクとは一体何者なのだろうか、そう考えているうちに・・・
「心配すんなよ、あいつもこいつらと一緒の服装だしさ」
その言葉にネギはジェラードを向いた。
「僕たちの他にも、別の世界からやってきた人たちがいるんですか!?」
「ああ、言い忘れていたけど・・・・別の世界かな・・・未来からやって来たって・・・」
「完璧に別の世界から来た人じゃないのよ!」
さすがに驚く一同!
ネギ達以外にも別の世界からやってきた人間がいたとは・・・
「その人は何処にいるんですか!?」
「ドクはこの村の離れにいる、離れといってもあんまし遠くないしな。」
ついて来ればいいと、ジェラードは歩き出した。
言われたとおりにネギたちはジェラードの後を追った。
ランスたちも仕方がないと言わんばかりに、歩こうとする
後ろでは村長は、気をつけて行きなさいと軽く手を振っている
ネギたちが歩いて数分。
道の先には上がり坂、下り坂があったりと
大変な道のりでクタクタになりそうな時。
「それでジェラードさん、ドクっていう人はどういう人なんですか?」
ネギはすぐ隣にいるジェラードに話しかけてみた。
するとジェラードは指で顎を少しだけ持ち上げながら・・・
「ん~・・ま、一言で言えば・・・いいやつだな」
「俺から言わせて見れば、まぎれもなく変わり者だ。」
後ろからランスが呆れるように説明する。
「最初に発見したのは村はずれにある農場の鉱山で、物凄い音を聞きつけて
辿り着いた先は、鉄の塊で出来た変な乗り物だったんだ。」
「鉄の塊・・・」
「変な乗り物・・・」
ネギとベッキーは『変な乗り物』という単語に一つ思い当たる節がある・・・
たとえばネギたちの世界では自動車か飛行機と考えられる
そして、ここの世界にある乗り物は馬車としか考えられない
「ああ、ついでにその乗り物当然車輪が付いてあったぞ、ゴムで出来たな・・・」
ここで合理がついた。
間違いも無くそれは自動車だ。
「そしたら中から出たのは人間だったんだ。
でも、他の奴らから見れば得体の知れない何かだと思い
すぐに連行しようと考えたけど、とりあえず話を聞いてみたんだ
するとその人は未来だのドウだのと言ったんだけど・・・・
誰も信じてくれなかった・・・」
ジェラードは少し悲しそうな表情で、俯いている。
兜の下からは表情が見えないが、明らかに悲しそうな顔をしているのをネギたちは察している。
「ですが、ジェラードさんはブラウンさんの言葉に興味津々で
その人の助手にもなっているんですよ」
「じょ・・助手って・・・もしかしてその人・・・」
ベッキー達が言おうとしたときだった。
「着いた、ここだ」
立ち止まったジェラードが見つめた先は
大きな丘の上に立っている大きな屋敷だった。
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