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魔法先生と超能力生徒の友情物語一番目「旅立ち」(×MOTHER2) 投稿者:土星 投稿日:04/08-05:47 No.108
199X年…… 今より一年前、この世を混乱と恐怖に陥れた「悪」が存在した。
しかしこの「悪」はたった四人の英雄の友情の力により打ち滅ぼされることになる。
この物語はその英雄の一人が、異界の少年と共に戦った記録である……。
一番目「旅立ち」
ここは「どせいさん」という鼻がでかく、体は肌色で二頭身で、頭に一本だけ髪が生え、その髪の毛にリボンをつけているなんとも文章では表現しづらい謎の生物の住む町、「サターンバレー」。
この町は建物も全部同じ形で、なんというか太い円柱の上に円すいを置いている感じの適当な家がいっぱい建てられている。
今このサターンバレーでは世界を救った四人の英雄の一人がまたなんとも表現しづらい乗り物をバックに、三人の英雄と話をしていた。
「やっぱり、行ってしまうのね……」
「ポーラ……。うん、あいつを家に連れて帰るのは僕の役目だから」
ポーラは四人の中の紅一点で、服はピンクのワンピースで、綺麗な金髪に赤いリボンをつけている。
ポーラは一年前よりもずっと成長していて、13歳でグラビアアイドル顔負けのプロポーションにまでなっているほどだ。(スリーサイズを公表したいところだが、作者がフライパンの側面で殴られるのでやめておく(笑))
一年前の戦いも彼女の相手の心に呼びかける力、テレパシーがなくては絶対に勝つことができず、今こうして平和に暮らすことは出来なかってであろう。
「ポーラ、こいつこんなこと言ってるけど冒険がしたいだけだと思うよ?」
「え……、そ そんなことないって! やだなあジェフは! あは あはははは!」
ジェフという少年は極度の近視で、白衣を着ていて天才といった感じが漂うちょっとソバカスがある少年だ。
実際彼はかなりの天才で、彼の父親は「アンドーナツ博士」という科学者で、どせいさんの形をした「スペーストンネル」、言っちゃえばタイムマシンを作った人の一人息子なのだ。
その遺伝は強く受け継がれ、そのスペーストンネルに改良を重ね、遂に「スペーストンネル4」を作り上げた。
このスペーストンネルは時間を移動するどころか、時空、つまり全く別の世界に行くことができるのだ。
だがこの親子がなにか作ったり、改良したものは大体乗員が真っ黒こげになってしまう。(……あんま乗りたくねえな)
「なんですって……?」
ポーラはジェフの発言と彼の明らかに裏返っている声を聞き、それはもう触れれば切れる抜き身の刀どころか、触れれば起動する核ミサイルのごとく彼を睨み付けていた。(もちろん標的はとっくに定められている)
今にも(核ミサイルを)発射しそうなポーラを見た少年は弁髪の青年に助けを求めていた。
「プー! 助けて!」
プーというのはポーラやジェフと同じ英雄の一人で、常に道着の様な服を着ている弁髪の青年だ。(プーと言うのは名前だよ? 決して人からでてくるガスの音じゃないからね?)
彼は実はランマという国の王子で、宮殿の中も金で出来ているのだ。
しかしそんな生活にも関わらず彼は毎日つらい修行を繰り返し、何事にもとらわれない強い心を身につけていた。
そんな彼の最近の悩みは好き嫌いが多いこと。
彼は皆と旅に出るまで自分の国の料理以外口にしたことがないのからジェフたちと同じものを食べられないので、外の国では水しか口にできないのだ。
「落ち着けポーラ、何もこいつの冒険好きは今に始まったことではないだろう」
プーはポーラたちよりも年上で、彼の言うことはどことなく説得力があるのだ。
「で でも」
ポーラも怯みバックに薄っすら見えるミサイルも消え始め、少年も安堵の溜め息をついていた。
「なんせ夏休み全部つかって樹海や魔境を探索してたぐらいだからな」
ところがどっこい。プーの余計な言葉で結局スイッチは押されてしまった。(しかもバックに見える核ミサイルが微妙に増えている)
「へ~? 夏休みは家族旅行に行くって行ってなかったっけ?」
「い いや、それは……」
「私とのピクニックの約束破ってまでそんなことしてたんだ~?」
少年は脱水症状を起こしかねない程の冷や汗を掻きながらじりじりと追い詰められ、ジェフとプーに助けを求めましたが、彼らはとっくにその場から離れ少年にカンペらしきものを向けていました。
ジェフのカンペ
「だめだこりゃ~」
プーのカンペ
「無理」
そこには今は伝説となったいか○や長介の様な台詞と、実に率直な台詞が書かれていました。
「なにか言い残すことは……?」
もはや修羅と化したポーラは口からなんかドライアイスを熱湯に入れたみたいに煙がでてきています。
そして少年は、こう言い残しました。
「次、いってみよー」
少しお待ちください
少しまわりが焼け焦げ、少年の姿もボロボロになっていますが、少年はスペーストンネルに背中を預け真剣な顔で話し始めました。
「僕が旅に出るのはさっき言ったとおり、あいつを探す為だ」
少年は顔を上げ空を見上げましたが、それはこの世界の空ではなくまるで別の空を見ているような視線でした。
「今度は好奇心とかじゃなくて、本当にやらなきゃいけないことなんだ」
「ネス……」
ポーラはそんなネスを見て本当にお別れという実感が沸いてきて、今にも泣き出しそうな表情です。
ジェフもさっきのからかっていた時と違って黙り込んでいます。
「このスペーストンネルはまだ実験していないんだ、もしこれが壊れたら君はもう戻って来れないんだよ?
……それでも、行くのかい?」
ジェフはゆっくりと問いかけ、少年をまっすぐ見据えました。
そして少年はジェフの問いかけに対してただ無言に、しかし力強くうなづいていた。
「そっか……、一年前僕たちを見送ってくれた父さんもこんな気持ちだったのかな」
「ジェフ……」
少年はジェフのメガネから出てくる一筋の涙に気づき、声をかけていました。
しかしジェフは少年に近づき、握手をしていました。
「君は僕の最高の友人なんだ、それにもしポーラを悲しませたりしたら僕とプーで総攻撃するからね」
ジェフはそう言うとスペーストンネルの最終点検に取り掛かりました。
そしてプーは少年に無言で近づき、「さとりの石」を渡しました。
「この石があればおまえがポーラに教えて貰った「PSI」を使いこなすことができるだろう」
「PSI」とは超能力のことで、集中力(コンセントレーション)を高めることではつどうすることができます。
弱い順からα、β、γ、Ωがあります。
このさとりの石はコンセントレーションを高めるもので、集中力を乱されなくなります。
「プー、ありがとう」
少年ににさとりの石を渡すとプーはさっさと離れていき、ポーラの肩にかるく手を置いてまた遠くに歩いていきました。
そしてポーラは少年に駆け寄り、一気に少年の胸にダイブしました。
なんとか踏みとどまった少年は訳が分からずポーラを見てみると、ポーラは泣きながら少年に抱きついていました。
「絶対…え……て」
「え? なに?」
ポーラは涙声で上手く声がだせず、ネスは思わず聞き返して、ポーラは息を大きく吸い込み、耳がつんざく様な声で、
「絶対帰ってきて!!」
ただ一言、ポーラは言いました。
少年はその大声に少し脳を揺らされくらくらしていましたが、「絶対帰ってくる」といって点検の終わったスペーストンネルに乗り込もうとしました。
「ちょっと待って」
不意にポーラに呼び止められ、振り返るとポーラに星型の綺麗なペンダントを渡されました。
「星のペンダントか、大事にするよ」
「うん、いってらっしゃいネス!」
この少年の名はネス。
普段はジーパンで、青と黄色のしましまの服を着て、赤い帽子を被った13歳にしては少し童顔な少年です。
しかしこの少年こそ英雄の中で最も強い少年なのです。
「いってきます!」
ネスはスペーストンネルに乗り込み、その言葉と同時に消えていきました。
一体この少年ネスを待ち受けているものはなんなのか!?
彼の言うあいつとは!?
そして彼は知っているのか? 自分がどこに向かっているのかを……?
「あ!! ジェフからどこに向かってるのか聞いてない!」
To Be Continued
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