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魔法先生と超能力生徒の友情物語五番目「出会い」(×MOTHER2) 投稿者:土星 投稿日:04/08-05:49 No.112  

学園長の提案により、晴れて警備員兼、補佐となったネスは早速貸し与えられた部屋に向かった。

しかし、寮に着いたネスを待っていたのは、あまり知りたくない事実であった。



五番目「出会い」





「女子寮!?」



女子寮ということを知らされたネスは、夜だというのに大きな声で叫んでいた。(迷惑な奴だ)

そんなネスに、女子寮ということを告げたピンク色の髪をした少女は、突然大きな声をだしたネスに驚いたのか、眼が点になってしまっていた。



「う うん、でも学園長がここに住むように言ったんでしょ? なら大丈夫だって、て…聞いてる?」



ネスは少女の声に気づいていないのか、何度も住所の書かれた紙を見直していた。

しばらくして、(ほぼ10分間見直していた、……諦め悪!)ここが自分の住まいだと認めたのか、溜め息をもらし、部屋を探そうとした。

そこに、ピンク色の髪の少女が「案内しよっか?」と言ってきたので、お言葉に甘えることにした。





案内中…



「そういえば君、なんて名前なの?」



「ネスっていいます、あなたは?」



「私佐々木まき絵! よろしくね」



まき絵の話によれば今は春休みらしく、自分ももうすぐ中学三年生になるという。

先生も自分のお気に入りらしく、とても楽しみだそうだ。

だが、まき絵はそれよりも気になることがあるらしい。

なんでも最近、「桜通りの吸血鬼」という噂があり、近頃はその話で持ちきりだそうだ。

その話にネスは、なにか嫌な予感を感じ、少し詳しく聞ことにしたが、満月の夜にでるということしか分からないらしい。





他にも色々な話を聞いている間に、いつの間にか部屋に着いていた。



「ここがネス君のお部屋だよー」



「案内してくれてありがとうございます、まき絵さん」



まき絵は照れくさそうに笑いながら部屋に戻っていった。



まき絵の案内により、やっと部屋に着いたネスは、先程コンビニで買ったハンバーグ弁当をつつきながら、ポーキーのことについて考えていた。



ネスは、何故魔法使いという特殊な力を持つ者達が存在するこの世界に、ポーキーが来たのかを考えていた。

タカミチの話しから推測しても、この学園だけでも魔法使いが多数存在するということは、世界中に魔法使いがいてもおかしくはない。

ポーキーはネスよりもずっと前に、この世界に来た筈だ。

あの悪知恵の働くポーキーが、そのことに気づいていない訳がない。

本当に気づいていないのか、それとも、なにかこの世界にあるのかも知れない。



とりあえず今日は色々と疲れたので、ネスは軽くシャワーを浴びて、明日学園長の所に行き、ネギに会わなければいけないので、もう就寝することにした。





時間を遡り、ここはネスが出た後の学園長室…



「じじい、何を考えている、人手など今のままで十分だろう」



エヴァンジェリンは学園長の「人手不足」という言葉に疑問を感じていた。

上位級の魔物が出ている訳でもなく、異様に魔物が出てきている訳でもない。雑魚がたまに出てくるだけで大した問題もない。警備員はこれ以上雇っても給料の無駄ぐらいにいる。

雇う理由などどこにも見当たらなかった。



「うむ、流石はエヴァンジェリン、気づいておったか」



「御託はいい、さっさと理由を言え」



エヴァンジェリンは負けた所為か、少しイライラしていた。



学園長の話によれば、一月ほど前にアメリカのジョンソン魔法学校が、異形な形をした物体に襲撃されたという。

その物体は、見たこともない攻撃をし、先生や生徒を、無差別に攻撃していったらしい。

生き残った者に話を聞いてみると、そいつは日本に向かったという。

そこにちょうど、見たこともない技を使う少年がやってきた。

学園長は一時この少年を監視するといい、麻帆良学園に置いておくことにした。

彼がこの事件に関係が無いにせよ、彼の実力はかなりのものなので警備員として雇うことにしたようだ。



その話を聞いたエヴァンジェリンは、納得したのか、学園長室を出て行った。

だがタカミチは…



「学園長、彼を雇ったのにはまだ理由があるのでしょう?」



学園長は「何のことかの?」と言わんばかりの顔をしていた。



「彼を雇ったのはネス君の手助けをするためでしょう」



学園長はその言葉に少し「ギクッ!」といった感じの表情をしていた。



「あなたのことだ、彼が犯人ではないと分かっているんでしょう? 魔法学校を襲ったのは、彼の言っていたポーキーという少年だとお考えになられているのでしょう」



「う~む、そこまで見破られておったか、流石タカミチ君じゃの」



タカミチは「エヴァンジェリンも気づいていますよ」と言いたかったが、そこまで分かりやすいかとショックを受けられるのもあれなので言うのをやめておいた。



「わしも関東魔法協会の長じゃからな、心を鬼にして、ああ言わなければならんのじゃよ」



「ええ、分かっております、しかし…」



「分かっておる、わしとて彼を信用しきっておる訳ではない、形以外共通点も合っとるしな」



そう言い、学園長はタカミチに監視を頼むといい、タカミチは了承し、学園長室を後にしようとしたが

もうひとつ気になることがあった。



「そういえばネギ君の補佐をさせると仰っていましたが、ネス君の学校はどうするんですか? 男子中等部に編入させるおつもりですか?」



「いや、彼にはな…」



学園長はとても怪しい笑みを浮かべていた。またロクなことではないのだろう。



そして翌日…



ネスは朝寝坊をし、朝からすごいスピードで走っていた。

どうやら春休みは昨日までで、今日から学校の様らしく、遅刻しまいと大勢の生徒が鬼気迫る顔で走っていた。



「(うわ~、皆すごい迫力だな)」



そんな皆の迫力にネスは少しビビッていた。





ネスの足はやはりとても速く、他の生徒達をどんどん追い抜いていった。



「(もうすぐだな、そういえばネギ先生ってどんな人なんだろ?」



考え事をしながら走っていたので、少しスピードが落ちていた。

すると、後ろからすごい速さで体当たりを受けて、ネスと、ぶつかった少年は顔からずっこけていた。



「いたた~、だ 大丈夫? ごめん、考え事しちゃってて…」



「い いえ! 僕の方こそ止まりきれなくてすいませんでした!」



赤い髪の少年はぶつかった事に焦っているのか、少し涙目になりながら謝っていた。



よく見るとこの少年はまだ子供であった。

この辺は中等部や高等部しかないと聞いていたが、何故こんな所にこんな子供がいるのかとかんがえていると、近くにいた髪をツインテールにしたオッドアイの女の子がすごい剣幕で睨んできた。



「ちょっと、なんで男がここにいるのよ」



「いや、僕は学園長先生に用事があって来たんですけど…」



ツインテールの娘の剣幕にビビってるのか、ネスの声はすごく小さかった

 

「声が小さくて聞こえないわよ!」



「まあまあ、明日菜おちつきい、この人怖がっとるやん」



京都弁の女の子が、ツインテールの娘をなだめてくれた。



「なあ君なんでこんな所におるん? 男子中等部ならもう通り過ぎとるえ?」



黒髪の女の子はツインテールの娘に代わり、ここにいる理由を聞いてきた。

ここにきてからロクなことがないネスには、この娘は天使に見えていただろう。



そしてネスは今度はちゃんとした声でここにいる理由を述べた。

すると赤い髪の少年が、



「それじゃ僕と行くところは同じですね、一緒に行きませんか?」



と、尋ねてきたのでネスはこの少年と一緒に行くことにした。

そして二人の女の子と別れ、ネスと少年は、学園長室に向かっていった。



学園長室に向かう途中、名前を聞いていなかったことを思い出し、ネスは少年に名前を聞いた。



「そうだ、君はなんて名前なの?」



「あ、申し遅れました、僕はこの度この麻帆良学園で正式に先生をすることになった…」





「ネギ・スプリングフィールドです」





この出会いは偶然なのか、それとも必然か。

この二人の出会いにより始まる運命の戦いは、今始まった………。





To Be Continued

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