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魔法先生と超能力生徒の友情物語十番目「何か」(×MOTHER2) 投稿者:土星 投稿日:05/06-22:47 No.450
今は朝の五時二十分。良い子はまだ就寝中の時間であり、お忙しい大人は会社に行くための準備をし始めている時間だ。
だが数えで十歳の良い子の少年、ネギ・スプリングフィールドは五時に起床し、朝早くから寮を出て、麻帆良をでてすぐ見える山の中で呪文を唱えていた……。
「ラス・テル マ・スキル マギステル 光の精霊109柱! 集い来たりて敵を射て!!」
ネギが呪文を唱えると周りには無数の光の玉が出現し、ネギは空に向かって杖をかざし最後の呪文を唱えた。
「魔法の射手! 集束・光の109矢!」
すると光の玉はネギの腕から杖に螺旋状に絡みつき、一本の光線となって空高く撃ち出され……る筈だったが、螺旋状に絡みついた光の束は隙間無く杖を覆い、ネギはその状態を続けていた。
だが、絡みついた光の矢はネギの集中力が持たず杖から矢は四散し、その衝撃でネギは杖から手を放し後方に吹き飛ばされていった。
吹き飛ばされたネギは地面を転がって、大木で体を強く打ち付けられ額から血がでていた。
「ハァ、ハァ、ハァ、(駄目だ、この調子じゃ次の満月まで間に合わない!)」
十番目「何か」
場所は麻帆良学園……、
「学園生徒のみなさん、こちらは生活指導委員会です。始業ベルまで10分を切りました、急いでください」
学園全体に生活指導委員のアナウンスが広がり生徒達は、「遅刻だ遅刻ー!」や「○ツ星神器ラ○カ!」などの危ない言葉を出しているが急いで走っていた。
その中には、早朝に同居者がいないと慌てていた少女二人と、前回出番がなくて嘆いていた少年がいた。
「あーもう! 結局ネギ見つかんなかったー!」
「落ち着きいな明日菜、もうこんな時間やしネギ君学校におるて、なーネス君。ネス君?」
「(久々の出番だ、久々の出番だ!!)」
明日菜達は遅刻ギリギリまでネギを探していた様で、出発がいつも以上に遅れていた。
おかげでもう始業ベルが鳴るか鳴らないかの状況で、切羽詰った表情をしていた。(明日菜だけだけど)
「でもネギは子供よ!? なにかあったら……」
「ネギ君は先生なんやし、学校でせないかんことがあったんよきっと、なーネス君。ネス君? ……いい加減返事してーな」
ガスッ!
木乃香はネスにトンカチでツッコんで、ネスは一瞬気を失い、暗いところで「おまえは夢を見ているんだ」とパパに言われた様な気がしたがすぐに気がつき木乃香に返事をした。
「へ? な なに木乃香?」
「なにって……、ネス君こそなにをさっきからボーっとしよったん?」
木乃香の意見は尤もで、ネスはネギを探していた時から既にボーっとしていて探してるんだか探していないのかよくわからない状態だった。むしろその場で立ち止まることもあったのでどちらかといえば……非常に邪魔だった。
それはさて置き、木乃香の尤もな質問に対するネスの答えは、
「出番があるって素晴らしいね」
だそうである。
そして学校に着いた時は既にHRの最中で、しかもよりにもよってまだ学校に来ていなかったネギの代わりを務めていたのは明日菜の憧れの人、高畑・T・タカミチで、HRが終わるまで明日菜は落ち込んでいた。
HRも終わって英語の授業になり、ネギの代わりにタカミチが授業をすることにしていた様だが、授業が始まる直前にネギが扉を開けてでてきた。……が、ネギのその姿を見た時、皆は唖然としていた。
なぜならネギは額に包帯を巻いて、顔にも所々に絆創膏が貼られていた。
その姿を見て一番に声を掛けたのは、クラス委員長でありショタコンの中のショタコン、雪広あやかだった。(通称いいんちょ)
「ネギ先生! どうしたのですそのお怪我は!?」
あやかは鬼気迫る勢いでネギのところに駆け寄り、それをきっかけにのどかやまき絵、他の生徒たちもネギのところに駆け寄り、……もとい突撃していった。
ネギとタカミチは生徒達を落ち着かせ、席に着かせたあとネギは生徒達に登校中に躓いて打ち所が悪かったので保健室で怪我の治療をして貰っていたと言っておいた。
それを聞いた後、雪広あやかが気絶したり、宮崎のどかが泣いたりして大変だったが怪我自体は大したことは無かったので通常通り授業を進めていった。
この日の授業も終わって、午後のHRが終わるとネギは生徒達より早く教室をでていき、その後を明日菜とネスが追いかけていった。
「ちょっとネギ! あんたあんな朝早くからどこ行ってたのよ、心配したんだからね!」
ネギに追いついた明日菜は、朝早くからいなくなっていたネギに怒鳴りつけていた。
ネギはそんな明日菜に心配をかけまいと、最近問題になっている吸血鬼の件で職員会議を開いていたと誤魔化していた。
そのネギの問いに渋々ながらも納得したようで、明日菜とネギとネスは家に帰ることにした。
ネギと明日菜は自宅に戻り、先に帰っていた木乃香の御飯を食べながら今日あったことやネギの包帯のことなど他愛のない話をしていると、明日菜はふと思い出したようにネギに話しかけた。
「ねえネギ、あんた昨日お風呂入ったっけ?」
ネギは昨日エヴァンジェリンとの戦いの後、部屋に戻りそのまま寝てしまったので風呂には入っていないのだ。
普通ならば自主的に風呂に入るだろうからわざわざ聞くことも無いのだが、ネギは極度の風呂嫌いで(というより頭を洗うのが嫌い)自分から風呂に入っても頭を適当にお湯で流すだけで終わらせてしまう。
なので明日菜は結構頻繁に風呂に入っているかをチェックしているのだ。
「いや、あの、昨日は色々と大変でしたから……」
「じゃあ一昨日は?」
「う……」
「一昨昨日は?」
「…入って……ません」
こんな調子では意外と面倒見のいい明日菜でなくとも気にするというものだ。
そんなわけで明日菜がネギの頭を鷲 みにして大浴場に連れて行こうとしたとき、ちょうど携帯にバイト先から電話が入ってきた。
「ごめん木乃香、ネギ連れて先行ってて」
「ええよ、それじゃ行こかネギくん」
「……はい」
ネギと木乃香が今いる場所は大浴場。
その名の通りとても大きい浴場で、生徒達は一応全寮制なので一度に100人近く入ることがあるのでその辺の銭湯よりもずっと大きいのだ。
この時間帯はまだ人も少なく、気をつけさえすれば女性の裸を見ることもないので恥ずかしながらもネギは大浴場に入ることが出来た。
「それじゃあネギくん、先に頭洗おか」
「いや、いいですよ自分で洗いますから」
「そうはいかんで~、ちゃんと明日菜から話は聞いとるんやで、ネギくん頭流すだけで済ませるんやろ」
そうは問屋がおろさへんで~と言いながら、逃げ惑うネギを追いかけて背中から抱きしめている光景は、まるで仲の良い姉弟か、少し年の離れたカップルそのものである。
後ろから抱きつかれたネギは背中の可愛らしくミラクルな感触を感じさせるマシュマロ的物体を意識しながらもなんとか抵抗していたが、相手は女性であり生徒なので暴れまわって振り払う訳にもいかずその場でジタバタしているだけで、ネギは椅子の上にチョコンと座らされてしまった。
「はいネギくん、目ぇつぶってな~」
周りから聞けば「キスか、キスなのか!?」と考える人もいるだろうが、ここは大浴場。
そんな甘い展開などある訳もなくネギはおとなしくシャンプーハットを着けて頭を洗われていた。
「ネギくん、怪我は大丈夫なん?」
「シャンプーハットを着けて濡らさなければ大丈夫だってしずな先生は言っていました」
「ほかほか、それじゃあ頭流すで~」
一通り頭を洗い、身体を洗った後二人は湯船に浸かり(ネギは下を向いているが)木乃香とネギは話をしていた。
「ネギくんとお風呂入るのウチの夢やったんや~」
「ずいぶん早く叶いましたね、他にもあるんですか?」
「そやなあ~、それじゃあ次の夢はネギくんと一緒に寝ることや」
「それはちょっと……」
木乃香はネギをからかい(半分本気)ながら喋り、いつの間にか二人の思い出話になっていた。
「じゃあ木乃香さんは京都から来たんですか」
色々話をすっ飛ばして分かりにくいが、木乃香は京都出身らしく詳しく話を聞くとお偉いさんの一人娘らしい。
子供の頃は家庭教師を雇って屋敷の中で勉強をしていたのだが親に色々と危ないからと言われ、小学校高学年のときに麻帆良に編入してきたらしい。
「でな、屋敷に居ったとき仲の良かった幼馴染がおってな、その娘が中一のときにこっちに転校してきたんよ」
「そうなんですか」
「うん、その娘はなんと「あー! ネギくんだー!!」へ?」
声のした方向を見るとそこにはネギの生徒の半数以上の人数がバスタオルを身体に巻いて大浴場に入っていた。
どうやらのんびり話しをしている内に生徒達が増え始める時間になっていた様で、ネギがお風呂から上がる前に生徒達が入ってしまったらしい。
その光景を見て一番に声を発したのは、やはりいいんちょだった
「こここ木乃香さん、あなたという人は「ネギ先生王子説事件」(※二巻参照)のときだけでは飽き足らずこんなお風呂場でも……」
10歳の少年とお風呂に入っているだけだというのにこの慌てよう。もしここにネギと同じく10歳で教師をしている金髪ちびっ子先生の生徒である水色の髪をツインテールにしている少女がいたら「いいんちょさんはショタコンオブザイヤーですね」といっていること請けあいだろう。
まあそんなことはどうでも良く、怒りのオーラを身に纏わせながら歩いてくるいいんちょは正に修羅そのもので、いまならア○レちゃんも怖くないだろう。
そんないいんちょを見ながらネギがこぎざみに震えていると、いいんちょは突然胸を庇い顔を少し赤くして小さな悲鳴をあげた。
それを見た生徒達はいいんちょに近づき声を掛けると、いいんちょと同じ様に胸やお尻を庇って小さな悲鳴をあげ、近くにいたネギにまき絵が「ネギくんのエッチ~」といいながら近づき、また小さな悲鳴をあげると自分の胸を触った「何か」に即座に反応して湯船の中で捕まえた。
ネギの手を掴んでいると思っているまき絵はネギに、
「私の方が速かったね」
と言うとネギは両手を小さくバンザイしているような形で、まき絵はまだ「何か」を掴んでいる状態だった。
まき絵は掴んでいる「何か」を見てみると、それはネズミ……の様な生き物だった。
「キャーーーー!!」
それを見てネズミと勘違いした女子生徒達は寮全体に響き渡るような悲鳴をあげて大慌てで湯船を走り、お風呂を出ようとするとネズミのような「何か」は手馴れた手つきでバスタオルを外し、突然のことで頭が混乱している生徒達は、お風呂場なので別に裸になっても構わないのに、胸などの大事なトコを隠して座り込んでいた。
それを見ていたネギと木乃香は何が何やらといった感じで眺めているしかなかった。
そこにバイト先からの電話を終えた明日菜が悲鳴を聞きいて制服のままで大浴場に入ってきた。
明日菜に目をつけた「何か」は一気に明日菜に飛びかかったが、明日菜の反応速度は凄まじく前のボタンをすべて開けられながらも洗面器で素早く弾き返していた。
弾き返された「何か」はそれに驚きすぐ
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