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魔法先生と超能力生徒の友情物語十三番目「兄貴?」(×MOTHER2) 投稿者:土星 投稿日:07/24-20:53 No.979  

 一人戦う神鳴流剣士の少女、桜咲刹那と共に戦いなんとかその場を切り抜けたネギ。
 だがこの時、何も頑張っていたのはネギだけではない。それはネギと友達になったばかりの少年、春野信二も同じであり、ネギのために今大急ぎで戦場に向かっているネスも同じだった。
 今回はこの二人が何をしていたのかを語ることにしよう。



十三番目「兄貴?」



「どけ! PKサンダーβ!」


 ネスはようやく森に着きネギを助ける為、敵を蹴散らしながら森を突き進んでいるのだが、他の魔法使いの魔力まで察知してしまいネギの魔力を特定できない状態だった。
 おまけにネスはこの敵が何なのか知っているため、何故「こいつら」がここにいるのかと考えてしまう分余計に集中できないでいた。


 ネスはこの状況を見て初めて麻帆良学園に来たときのスターマンの言葉を思い出していた。


 『マタ、ジャマヲシニキタカ』


 あの時からずっとその言葉が何を意味するのかと考えていたがやはり思いつくわけも無く、ネスは考えあぐねていたのだが今回のことで何かが分かるかもしれないと思うとネスはポーキーの情報のことで期待するのと同時に、少しばかり不安になっていた。どういう経歴でこいつらがポーキーに従っているのかは分からないが、碌なことではないのは確かであろうからだ。
 
 とにかくネスの今までの戦いのなかで敵がこうやって多勢で戦う時は大概指令を出すリーダーの様な存在がいたのでそいつから情報を手に入れるためにネスはそのリーダー格とネギを探すことにした。


 そう決めたネスは勢いを増して敵に向かってバットを片手に立ち向かっていった。その中にはネスの強さを知るものもいるようで、ネスが向かってくると背を向けて逃げ出すものもいた。
 本来ならそういった敵を逃がすのは得策ではないのだが、ネスは逃げ出すものを追いかけるのはあまり好きではないので、戦う気が無いものはそのまま見逃したりするのだ。だが立ち向かってくる敵には容赦はせず、スターマンは「シールド」を張っていて攻撃は確実に半減されるはずなのにネスはそれをものともせず一撃で倒していった。


ネスが森に着いてからまだ時間は30分と経っていないのだが、この短時間でネスが倒した数は刹那が倒した数を遥かに超えていて、敵の中にはネスがバットを軽く振り回すだけで戦意喪失を起こす敵もいた。というより敵はもう本当はネスとは戦いたくは無く、ネスを一目見た瞬間から逃げたい気持ちで一杯なのだ。だが敵はただ戦うために生まれたような存在なので逃げるようなことはあまり許されず、ネスに突っ込んでいくしかない。
しかしそんなことなど知る由も無いネスは無情にもスターマンや歩くキノコたちをバットでなぎ払う。


「どけどけどけどけーーーー!」


もはやバーサーカー。
スターマンは殴られた部分はそのままバットの先端の形にへこんで痛々しい状態になっているし、歩くキノコは見るも無残に粉々になっている。かつてはこのキノコたちもネスの頭に胞子をばら撒いてキノコを生やしたりして苦戦させたものだが今となってはユニークな雑魚でしかない。
そんな懐かしくも寂しくもある気持ちを抑えつつ、ネスは森を突き進んでいった。




場所も変わって今戦っているのは春野信二。
場所が変わったといってもここは森なのでこれといってネギやネスが戦っている場所とこれといって代わり映えはせず周り一面には木しか存在しない。
そう、「木」しか存在しなかった。だが恐らくこの「木」は慣れていない者にとっては厄介以外の何物でもないだろう。
信二が戦っているのは昔ネスが戦う度にウンザリした「木」の怪物、その名も「だいウッドー」。同レベルの敵の中では比較的攻撃力も防御力も高い。さらにとんでもないことにこの「だいウッドー」、自分が負けることを直感すると逃げ出すどころか爆発するのだ。
なのでネスが冒険していた当時、どれだけ上手く倒しても必ず自爆するのでその所為でダメージを食らってしまうので、出会ったばかりの頃は出来れば戦いたくはない敵No1の称号を欲しいままにしていた。
そんな気持ちは今の戦う者にとっても同じようで、信二も当時のネスと全く同じ気持ちであろうことは説明しなくても分かりきっている。


「サンド・デザート・アントライオン 砂の精霊29体 集い来たりて敵を弾け 魔法の射手・砂の29矢!」


信二は魔法詠唱を唱え砂の魔法の射手を発動し、だいウッドーに向かって魔法の射手を放った。しかし敵はかなりの巨体なのでスターマンたちの時のように弾くことは出来ずに大したダメージにはならず命中した砂の魔法の射手はただの砂となって地面へと落ちていった。
しかし相手は根本的には「木」であり、つまり「植物」なので信二の得意な火属性の魔法を使えばだいウッドーをすぐに倒すことが出来る。しかしだいウッドーは多勢で向かってきていて、こんなところで火属性の魔法をつかって敵を一掃したらだいウッドーたちは団体で自爆をして、障壁を張っても信二の大ダメージは免れない。最悪死ぬことになるかもしれない。だから信二は火の魔法を使えないのだ。


「(倒せないなら、捕まえてやる……!)サンド・デザート・アントライオン 愚かなる無知共を捕らえし砂の巣穴よ 我が眼前にそなたの求める餌があり 『蟻地獄』!」


信二は砂の捕縛系魔法『蟻地獄』の魔法詠唱を行い、ノロノロと信二へと向かって歩いてきていただいウッドーは信二の魔法詠唱が終わると同時に現れた巨大な蟻地獄の巣穴の様なものに落ちていき飲み込まれていった。


だが今の魔法で捕らえることができたのは精々五体ぐらいで、残りのだいウッドーはじりじりと信二との距離をつめていった。
だいウッドーはスピードが遅いので魔法詠唱を行う時間が十分あるのだが、この無数のだいウッドーを一体一体捕まえていては信二の魔力が持たないので最早どうしようもない状況へと追い込まれていた。


しかしそれでも信二からは疲労の色は見えてもどういうことかまだこの状況下でまだ諦めてはいなかった。信二の瞳はまだ鋭く相手を睨み付けていて、瞳からは戦う意志の光が全く消えていない。
その眼を見て一瞬怯んだのかだいウッドーは信二へと向かう途中進むことをやめて止まってしまった。……かのように見えたがよく見てみるとだいウッドーは全員「寝ていた」。
信二は突然の出来事に慌て、状況を知ろうと周りを見てみるとだいウッドーの集団の後ろからネスが何事も無かったかのように出てきた。
信二はまだネスとは面識が無かったので何者かと様子を伺っているとネスが信二に話しかけた。


「大丈夫?」


信二は今まで自分が散々苦労していただいウッドーを一瞬で全員倒した(実際は眠らせているのだが)ネスを見て固まっていて、ネスの言葉が聞こえていなかった。
ネスはその固まってしまっている信二を見て、間違えて相手を痺れさせるPSI「パラライシス」を掛けてしまったのかと少し不安になったがしばらくして動き出した信二を見て安堵の息をついた。


「だ 大丈夫です。危ないところを助けて頂いてありがとうございました」


 「あー良いって良いって。それより怪我してるとこ見せて。あいつらと戦ったってことはだいぶ攻撃喰らったはずだし」


 信二はまるであの見たことの無い敵のことをよく知っているふうに話すネスのことを不思議に思ったが、どうやらネスは怪我の治療をしてくれるようなのでネスの言葉に甘えた。実際結構信二のダメージは大きくもう立っていることすら辛いので少しでも回復しておきたかった。


 「結構手酷くやられたね。まあ君のレベル……、というよりこの世界の魔法使いじゃあいつらと戦うのは少しきついからね」


 ネスはそういうと信二に向けて手を翳し、突然淡い緑色の光がネスの手から発光した。
 信二はその見たことのない光をなんなのかと見ていたが、その光は三秒程度で消えてしまった。その光が消えて負傷していたところ見てみるとそこには傷跡も痛みも何も無く、それどころかさっきまで良き絶え絶えに疲れていたはずなのに少し回復するどころか完全に回復していた。むしろ戦う前以上に調子が良く、肩こりとか治ってそうな感じだ。

 
 「あなたは一体誰なんですか? これはなんていう魔法ですか? こんなすごい魔法見たことがありません! 兄貴って呼ばせてください!!」


 信二は質問するうちにだんだん興奮してきていた。それもそのはずだ。信二が負っていた傷は本当に結構酷く、回復専門のプロの魔法使いでもあの傷を治すには最低でも十数秒は掛かり、それに呼吸困難に陥りそうなほどまでに疲れきっていたのに今では何とも無い。ここまですごい魔法は聞いたことは無く、信二はネスのことを尊敬の眼差しで見つめていた。

 
 「ちょ ちょっと落ち着いて。とりあえず「兄貴」は遠慮させて貰うとして、僕のこと学園長先生から聞いてないの?」
 

 「学園長先生からですか? いえ、何も聞かされてませんけど」

 
 信二はこの間小等部から中東部に進学したばかりなので、まだ学生としての仕事が大変だったので学園長からまだ何も知らされていないのだ。もっともその仕事も既に昨日終わっていて何もすることは無い。では何故知らされていないのかというと、学園長が忘れているからだ。
 本当はネスが来た日に教えておこうと思っていたようだが少し日が開いた所為ですっかり忘れているようで、その所為で信二はまだ何も知らされていない。
 そしてそんなくだらない理由など知る由もないネスと信二は頭の上に見えざるクエスチョンマークを浮かべていた。


 しかしそんなことは自己紹介すれば済むことなので全く問題ではなく、二人はちゃんとした自己紹介は事件が治まった後にするとして今は簡単な自己紹介で済ませておくことにした。


 「あ、二つ質問しても良いですか?」


 「なに?」


 「さっきの敵を眠らせたのはどうやったんですか? 「眠りの霧」にしては霧らしきものは何も出ていませんでしたが……」


 「あれはただの「さいみんじゅつ」だよ。まあ昔と違って一度掛けられたら一時間弱は起きられないけどね」


 「魔法じゃないんですか?」


 「詳しいことはまた別の機会に話すよ。他には?」


 「えーとですね、さっきの光はなんですか? すごい効果でしたけど」


 「「ライフアップ」のこと? あれは一番最初に覚えた技だよ。体力や怪我を回復させるんだ。病気を治すなら「ヒーリング」だけどね」


 信二は全く聞きなれない言葉を聞いて頭が混乱しそうになったが、昔の旧式ゲームでそんなんがあったなーと記憶の片隅で薄らぼんやりと考えていたが、思い出してはいけないと何故か思ってしまい気のせいと言うことにし、詳しいことは後で聞くことにして先に進むことにした。

 
 
 
 「へ? 高畑さんもリーダー格を捜してるの?」


 ネスと信二は森の奥に進みながら、信二の持っている情報をネスは貰っていた。


 「はい、途中で仲間の魔法使いと偶然会って、その後高畑さんと合流してから三手に別れることにしたんです」

 
 ネスはその話を聞いて少し不安になっていた。
 タカミチが強いのはネスも直感でなんとなく分かってはいたが、だがそれもネスに言わせて貰えば「そこそこ強い」といったレベルでボスクラスとなると対抗できるとはとても思えないからだ。
 だがネスはこのときタカミチに集中して信二の言っていた「仲間」というのを失念していた。まさか思いもしないだろう。信二の言っている仲間というのが自分が捜しているネギだとは。


 信二はこの仲間のことはただの魔法先生としか思っていないので報告しなくてもいいだろうと思い、ネスにネギのことは伝えなかった。


 「それじゃあ僕は今から高畑さんを追うから信二はその仲間と合流しておいて。この辺には魔法使いはいないみたいだし」

 
 「わかりました。……でも、この状況じゃあ……」


 信二が顔を青ざめながら周りを見渡すと、そこにはネスを倒す為に集められた敵が二人を囲んでいた。それはもうやりすぎなほどにいて、信二はもう終わったと言わんばかりに顔を青ざめて落ち込んでいた。

 
 しかしネスは……、

 
 「どしたの? 敵が少し多いだけで何も問題は無いと思うんだけど」


 ネス理論である。
 ネスにとっては辺り一面敵だらけでも大した問題ではなく、むしろ一網打尽にできるとお考えになっているのであろう。
 しかしそんな大それた考えは信二は持ち合わせてはおらず、顔を青くして小刻みに震えるのみである。

 
 「信二は伏せてて。巻き添え食らうよ?」

 
 信二はその言葉に嫌な予感を覚え電光石火のごとくしゃがみ込んでいた。
そしてその信二の行動を攻撃と勘違いしたのか二人を囲んでいた敵は二人に攻撃を仕掛けようと前に進んでいった。


 だがネスはそんな状況でもコンセントレーションを一瞬も乱すことなく高め、体からまるで円状に広がる衝撃波の様な「PKファイアーγ」を放ち、敵はその凄まじい炎の前になす術もなく焼き払われたいった。
 

 「す、すごい……」

 
 信二はその圧倒的な力の前に驚嘆の声を漏らすしかなく、否、ものすっごい眼を輝かせて尊敬の眼差しでネスを見ていた。


 「やっぱり兄貴と……!」



 
 信二と偶然出会ったネス。
 彼と出会ったことにより物語がどう変化していくのか? それは作者にもよく分からない。 

 
 「却下――――!!」

 
 To Be Continued


〈おまけ〉

 土「三度あることは四度ある。またまたやってきましたおまけコーナー!」

 ポ「このコーナーは、私ポーラと仲間のジェフ、プー、そして+αをパーソナリティーとしてやっていく気まぐれおまけコーナーです」
 
 土「ちょっと待て! 『+α』って俺のことか!?」

 ジ「土星さんストップ! このままだいつもと同じ展開になって無駄に長くなるから!」

 土「くっ……、それもそうか……。しかし覚えてろよポーラ。こうなったらネギの生徒からネスに惚れましたってやつを出してやるからな!」

 ポ「させるかーー!!」

 プ「結局いつもどおりか……」

ジ「まあこれは予想の範囲内だし……、別にいいよ……」
 
 プ「実はおまえが一番苦労してるな」
 
 ジ「フ……、と とにかく僕らで進めておこう! 最初は今回のお話について!」

 プ「今回か。とにかく言えることは久々にネスが活躍したことだな」

 ジ「うん、それに信二君もそれなりに頑張ってるしね」

 プ「だがこれから先もあの程度ではどうにもならんぞ」
 
 ジ「それは信二君の努力次第だね」

 プ「ああ。あの若者はどこか一年前のネスに似ているからな、今後に期待だ」

 ジ「そうだね。さて、そろそろ「あいうえお作文」に入りたいんだけど二人はどうなったかな? ポーラ、土星さーん」

 ポ「なに?」

 ジ「あ、終わってたんだね。土星さんは?」

 土「なんだ? 先に進めててくれたのか」

 プ「お? 無傷か。珍しいな」

 ジ「なにかあったの?」

 土「フフン、俺のミラクルな必殺技でピンチを切り抜けたのさ」

 ポ「んなわけないでしょ!」

 ジ「あれ? ポーラなに持ってるの? 写真?」

 ポ「へ!? こ これは……」

 土「ああ、それはネスの入浴シー「キャーキャー言うなーー!!」」

ジ・プ「(そういうことか……)」

 ポ「と とにかく早く始めましょう!」

 土「まあそうだな。今回の「あいうえお作文」のお題は「ゾンビ」!」

 ジ「マザー伝統だね」
 
 土「そゆこと。んじゃまずはプーから!」


 プ「あ ああ、えーと「ゾ」ーっとして」

 ポ「「ー」ーーーーー!!っと」

 ジ「「ビ」ックリした」


 土「ヒャッハーー!」

 ポ「もうやりたい放題ね。ツッコム気にもなんないわよ……」

 ジ「でもこれから先やっていくのは僕等なんだよね」

 土「頑張れ!!」

 ポ「やかましい!!!」

 プ「え~と次回は「コウモリ」だな」

 ジ「実はこれも初代マザーから出てるよね」

 ポ「でも多分土星のやつあんま録なの考えてないわよ」

 土「アッハッハー」

 ジ「では……」

  全員「「「「さらば!!」」」」

魔法先生と超能力生徒の友情物語 魔法先生と超能力生徒の友情物語十四番目「紛い物?」

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