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交わる異能者たち 第壱話 「やってきたよ煩悩魔人 横島忠夫!!」 (魔法先生ネギま!×GS美神) 投稿者:海老 投稿日:04/08-03:55 No.43
オッス!! オレ横島忠夫。
いきなりだがパラシュートなしで空からダイブをしている真っ最中だ。
両脇に抱えているシロタマは落ちてる最中に恐怖で気絶しちまっている………妖怪といってもまだ子供だからなしょうがないな。
ん、オレは大丈夫かって?
ふっ、これぐらいの事でいちいち気絶していたら美神さんの所ではやってけないぜ。あの人の折檻ときたら………この世の恐怖の塊だからな。それに大気圏突入を果たした身としては楽勝なのよ、こんな高さ。
とりあえず雑談はこの辺にしといて、今の状態をどうにかしないとなぁ。
交わる異能者たち
第壱話 「やってきたよ煩悩魔人 横島忠夫!!」
春の……まだちょっと肌寒い時期。
快晴な空にいきなり割れ目ができたかと思うと、その中から吐き出されるように筋肉魔族のバリアに吸い込まれた3人が出てきた。
「ふぅ、やっと外だ……って高ッ!!!!」
横島たちがいる高さは、落ちれば痛みを感じる暇なく逝けるぐらいの高さである。
まぁ、横島だから「あ~、死ぬかと思った」と言いながら生きてそうだが……。なにせ非公式ながら生身での大気圏突破をはたしていて無事なのである、いまさらこれぐらいじゃ死なんだろう。
(あ~、ど~しよ。オレだけだったら別にいいけど、シロとタマモがいるしなぁ………やっぱこういうときは困ったときの神頼みじゃなく、困ったときの文珠様だな。さーてと文珠、文珠、文珠って1コしかないっ!? あ~、ほんまにどないしよ……。……しょうがねえ……あれ使うか)
攻撃
霊能
防御
逃亡
→奥義
横島クンは最終決戦用の奥儀をつかった。
目をつぶり精神を集中。
横島を中心に巻き起こるオーラの渦。
その姿は仏が悟りを開いた時の姿とは540度反転しており、鼻の下を伸ばし、目じりをたらしている。
『煩・悩・全・開』
この技は横島家の男子が代々受け継いできた奥義である。
これを使えば美力を開放したオトメにも匹敵するパワーが、手に入れることが出来ると言われている代物である。
(美神さん・おキヌちゃん・小鳩ちゃん・エミさん……エトセトラ・エトセトラ)
どこかの悪役が「バカな!! サ○ヤ人の限界を超えているだと!? スカウンターの故障か!?」などと叫んでいてもおかしくはない程だろう。
それほどまでに横島の霊力は上がる一方であった。
(フフ……この調子なら……逝ける!!! 魔鈴さん・冥子ちゃん・変態筋肉魔族……え? ええっっっ!? なぜコイツが? クソっ、折角ためたものが萎えてしまうぅぅ!!」
あまりのことに途中から声に出していることに気づかない横島。
未だにこの癖は治ってないようである。
ピンク一色の世界にながれこむ青色………。
その青が「ふふふ、少年よ カム・ヒアァァァァ!!!」などと叫んでるのは気のせいだろう………きっと。
後もうちょっとで文殊が出来上がりそうだったのに、波打つ筋肉のせいで状況は変わらずに地面までのカウントだけが変わっていく。
「もう体で庇うしかないんかなぁ」と思っている横島だが神様は見捨ててなかった。
シロタマを腕で抱えている状況。そして彼女たちの体は内側に向いている状態。
ふに、ふに
腕にあたるやわらかい感触。
マシュマロとまでいかなくても、自己主張をしているようなその膨らみ。
これこそ横島の求めていた感触なのだが、その横島はというと
「ワイは、ワイはドキドキなんかしとらんぞおぉぉ!!!!」
などと頭を振りながら涙を流しいている。
だが霊体は素直なようで、徐々に霊力が上がり始めている。
さらに当たる強さが変わるという高度な技のおかげか、横島の手のひらには文珠が1つ生まれていた。
「ロリコンやないんや~。ドキドキなんかしてないんや~。ん? おお!! 文珠ができてる。……だが喜んでいいのか、悲しんでいいのか。………込める文字はと『柔』でいいのかな? ん~でも下は森だからうまく地面に当たるとは思えないしな~。……『防』で体を護って『散』で衝撃を散らすか」
地面まで後もうちょっとなのに冷静につかう文字を判断できるのは、やはり実戦で身についた余裕と言うものなのだろうか?
正社員として美神が雇うだけに、その姿は上級クラスのGSにも見劣りしない。
余談だが………
さきほどのシロタマの行為はどこかの神様が仕組んだら『私はしてませんよ。多分サッちゃんかと。 byキーやん』それでは魔王が『ワイじゃないでぇ。てか神様が人に罪を擦り付けていいんかい!! byサッちゃん』
……まぁ、とりあえず両方ということで。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<林の中>
林の隙間から光が差し込む中、男女がものすごいスピードで走っていた。
「アスナ君、待っていてくれといったのに」
「大丈夫です。それに魔法関係だったらネギにも関わってきますよね。だったら最初から関わっていたほうが良いかと思ったんで」
タカミチは走りながらしゃべっている、当然それに答える明日菜も走っているわけなのでタカミチの少し後ろを走っている。
咸卦法を使っていないとはいえ戦場を駆け抜けたその足に追いつくとは………神楽坂明日菜……恐ろしい娘!!!!
少しもペースを落とさずに物体が落ちてきた地点にやってきたタカミチたち。
目の前には折れた木。
へこんだ地面。
その中にいたのは………
「ロ、ロリコン!!!」
そう、ロリコ…じゃなくて横島たちであった。
しかし明日菜がそう叫ぶのも無理はない。
なぜなら明日菜の目には10代後半ぐらいの男性が、自分とたいして変わらない少女に覆いかぶさっている姿が映っているからである。
横島も明日菜たちに気づいたようで、というよりもロリコンという単語に反応して
「ワイはロリコンやないんや~!! ちょっとした事故なんや、決してドキドキなんかしとらんぞ―――!!」
「じゃあ、なんで少女に覆いかぶさってるのよ! 変態じゃない!」
「だ、だから事故なんや。おちゃめな神様のいたずらなんやーー!」
アスナはこの予想を斜め上にいった展開に困惑し、横島はロリコンと呼ばれ精神的に狂いだした。
その中、しずかにこの騒動を観察をしていたタカミチはとりあえずこの場を収拾させることにした。
「まあまあ、アスナ君は今日はもう帰りなさい。何かあったらちゃんと連絡するから。わかったかい?」
今まで怒鳴っていた明日菜は何か言いたい顔をしていたが、タカミチの真剣な顔を見てしかたなく帰っていった。
まぁ、心の中で『高畑先生の真剣な顔もなかなか渋くてステキかも……』と思っていたのは言うまでもないだろう。
タカミチは明日菜が帰っていったのを確認すると横島のほうに向きなおり、とりあえず声をかけてみた。
「やぁ、僕はこの学園で教師をやってるものだけど………ここに何か用かな?」
「ワイはロリコンやない…ワイはロリ…っえ? お前はロリコンだって………違う、違うんや―!!!」
なにか勝手に叫びながら頭を木に打ち付けている目の前の男に汗を流しながらも必死に対応しているタカミチ。
彼の認識の中で『早起きは三文の徳』という言葉が『早起きはかなりの損』という言葉に変わったようだ……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ここは麻帆良学園にある学園長室
朝の光が差し込む中に、異様に頭の長い老人が座っている。
「で……君たちは外国から来たというのかね?」
やっと横島を落ち着かせたタカミチは学園長室に彼を連れて行った。
そして学園長を交えた2人で横島の話を聞いていたのである。
しかし普通に真実を話しても信じるわけがないので、そこは美神の助手として長年やってきた横島。
苦労しながらも嘘の設定を作り上げて、目の前の2人に説明をした。
といっても、タカミチは実際の現場を目撃しているし、学園長もそれなりに関東魔法協会の長として色んな人間に会ってきたので、これが嘘だという事がすぐにわかってしまった。
悲しきかな横島。苦労しながら作ったのが意味が無いとわ。
「……ふむ。話をまとめると君たちはある理由で戸籍がない。それに長年外国にいたせいで、今の日本の現状をよく知らないのだね?」
「は、はい。まとめるとそんな感じの話です」
苦労したわりには無茶な設定だったらしい。学園長の頭には数滴小さな汗が浮かんでいる。
しかし納得したところを見ると、嘘っぽい理由でも追求をしないことにしたのだろう。
彼にとって大事なのは『麻帆良学園にとって危険な人物』であるのだ。どうやら横島が真剣に嘘の設定を考えて唸ってるのを見て、西側からの刺客ではないと思ったのだろう。刺客は元々目的があって来るのだから設定など用意をしているはずだし、演技にしては妙にリアルなので刺客ではないと判断したのだろう。しかしこれだけで信用をしたわけではない、学園長とて先ほども言ったが『長』として多くの人たちを見てきた、演技か本当に悩んでいるのかぐらい区別がつけられるぐらいの目は養っているのである。
(ふむ……言ってることは嘘っぽいが、害にはならないじゃろうな……知り合いに頼んで麻帆良の外にアパートでも借りて、入居させるかの~。ま、監視を3ヶ月ぐらいすれば充分じゃろ)
早速今の考えを提案しようと口を開けかけた学園長だが、それは横島の声によって中断された。
「あの~、シロタマ……じゃなくてシロとタマモは大丈夫なんですか?」
「ふむ……あの子達なら保健室で休ませておるよ。それに見習いとはいえ警備員も付けておるしな。安心じゃろ」
「そうか……よかった……」
何だかんだ言って横島は仲間を大切にする奴なのだろう。
本当は文珠で直したかったのだが極力他の人に見せたくなかったし、それ以前に文珠が無かったのである。
なのでシロタマは相手側に任せてしまったのである。
不安もあったので、話をしている最中も二人の霊波に乱れが無いか神経を尖らせていたのだが。
「これからの事なんじゃが……こちらで戸籍を用意するし、住居も提供するからそこに住まないかね?」
「え? ……いいんですか? 身も知らずの人たちにそこまでする必要はないのに……」
「なに、こちら側も色々あるのじゃよ。うちの学園から戸籍をもたない人が出てきましたなんてのは遠慮したいのでの」
突然の申し出に困惑気味な横島。嬉しいのは山々なのだが都合がよすぎる。
しかしその疑惑も学園長の発言によって無くなった。
確かに戸籍がない人間が教育者と面識があったなんてのはマスコミのいい餌になる。
「それじゃ、早速用意させるかの~。高畑君は横島君をお穣ちゃんたちの所に連れてってあげなさい」
それだけ言うと奥の部屋のほうに小走りしながら「あ~、忙しいの~」などとブツブツ言いながら去っていった。
残されたタカミチは言われたとおりに横島を連れて部屋を出るために、声をかけようとしたが爆音にそれは遮られた。
それはタカミチが今から行こうとして方から、そして横島が神経を尖らせ様子を見ていたほうからの音だった。
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