ねぎFate 姫騎士の運命 第九話 投稿者:ガーゴイル 投稿日:05/20-23:38 No.565
春の日差しが柔らかく差し込む、森の広場。
――今正に其処は、冷たき気配が支配する決闘場と化していた。
ねぎFate 姫騎士の運命 第九話
「―――ッ!?」
楓の右腕動いた瞬間、霧羽はその場から姿を消していた。
――カカカカカカッ!
軽い音を立てて、霧羽の居た場所に突き刺さるクナイ群。
「――まぁ、此れで仕留められるとは、思っていなかったでござるが」
そう言って、楓は目を更に細ませ――
「――其処でござる」
―――投擲!
左斜めにある樫の樹に、五指に挟んでいた四本のクナイを投げ放った。
凶弾は幹を抉り、枝を砕き、葉を散らしていく。
――そして、残った一本が樹に隠れていた霧羽の背に襲い掛かる。
しかし、
――キィン!
白刃が、凶弾を打ち払った。
何時の間にか霧羽の手には、一振りの日本刀が握られていた。
白木の拵えの、二尺五寸ばかりの刀。
刃毀れ一つも無いその直刃は、水に濡れたかのような輝きを放っていた。
「――魔術でござるか」
「うん。この子は【斬真剣 運切(さだぎり)】――お母さんが魔力と血を注ぎ、お父さんが鍛えた、この世に二振りと無い私の半身……私の心中に身を置く、最高の一だよ」
同じ父と母を持つ、自分の兄弟とも言える逆刃の妖刀。
それが、【運切】……霧羽の投影によりこの世に現れる、至高の一なのだ。
「――始めに言っておくよ、楓ちゃん。私はこの闘いに、魔術を使う気は無いよ」
此れは別だけど、と霧羽は運切を振ってみせる。
「私の魔術は、敵を倒す術だから。楓ちゃんは敵じゃない――だから、魔術は使わない」
楓の目を真っ向から見つめ、霧羽は言い切った。
楓は黙って、霧羽の言葉を聞く。
「その代わり体術を―――私本来の戦闘スタイルを見せてあげる」
刀を構え、目前の楓を見据える。
そして、霧羽は言った。
「――往くよ、長瀬楓。忍具の貯蔵は十全かしら?」
再び、霧羽の姿が消えた。
――しかし、
「――甘いでござるよ、霧羽殿。忍びに隠行術で勝てる訳が無いでござろう!」
楓は懐から取り出した折り畳み式風車手裏剣で、背後から襲い掛かる白刃を受け止めた。
一度身を隠し――死角から斬撃を放つ。
此れではまだ甘い。
本職には、通用しない。
――だが、
「――どっちが?」
拮抗する刃を、受け流す。
楓の手裏剣を自らの白刃を用いて受け流し、身体を回転。
――バランスを崩した楓の肉体に、勢いの付いた逆刃と回し蹴りが突き刺さる!
「――くっ!」
まともに喰らい、吹っ飛ぶ楓。
地面に叩き付けられる寸前、咄嗟に受身を取ったが、かなり効いたようである。
僅かに、痛みで顔が歪んでいた。
「――“戦乱回刺剣”…」
残心。
構えを解かず、霧羽は楓に向き直る。
――まだ、終わりではない。
「……今のは些か、効いたでござる…」
立ち上がり、楓は静かに言う。
細いその瞳は、更に燃えていた。
――闘志という、炎が。明々と。
「――ならば!」
楓の姿が僅かにぶれ、次の瞬間にはその姿は十六に分かれていた。
――分身である。
『―――いざ参るッ!!』
十六人の楓が、それぞれ武器を握り締めて一斉に襲い掛かる。
「――…上等。相手にとって、不足無し!」
――霧羽も、運切を構え、立ち向かう。
二人とも、心底楽しそうな笑みを浮かべていた。
「「………え~~!? 決闘ッ!?」」
「そう、決闘」
――所変わって、衛宮家。
楓と霧羽の決闘の話を士郎から聞き、訪れていたネギと明日菜は驚きの声を上げた。
ちなみにネギと明日菜が衛宮家に訪れた理由は、明日辺り委員長である雪広あやか宅に家庭訪問に行く予定なので、誘いに来たのだ。
「――け、決闘ってそんな……は、早く止めに…!」
杖を取り出し、決闘の場に飛んで行こうとするネギ。
しかし、そんなネギの襟首を、誰かが掴んだ。
「――その必要は在りません」
アルトリアである。
そのままネギを吊り上げ、明日菜に手渡した。
「――大丈夫です。まぁ、少しばかり怪我を負うかもしれませんが―――殺し合いでは、ないのですから」
物騒なアルトリアの言葉に、ネギと明日菜は顔を引き攣らせた。
「――其れより心配なのは、相手の方です」
「そうだな」
うんうんと頷く夫婦。
ネギと明日菜は、首を傾げた。
「あの、それって……どういう意味ですか?」
恐る恐る、アルトリアに問う明日菜。
「言葉通りの意味です。――悲しい事ですが、あの子は……【闘う為に生まれてきた】、と言っても過言ではないのです」
悲しそうに、言うアルトリア。
「――霧羽さんが、ですか?」
ネギには信じられなかった。
明るく、優しく、少しおっちょこちょいで、お馬鹿で、暴走気味な彼女だが、そのような子ではないと思っていた。
――ネギは霧羽の事を尊敬している。
友達の為に命を張れる――強く、優しい彼女の事を。
ネギは、尊敬している。
「――無理も無いな。日常生活で、あの子の素質が発揮される事は先ず無いからな」
複雑な表情の士郎。
「闘いになると、少し好戦的になるだけなんだ。――しかし、俺達の眼から見ても、あの子は強い。小さい頃から欠かさず鍛錬し、暇さえあれば俺やアルトリアに向かってきた。……基本的に同世代で、あの子に勝てる子は少ないだろうな」
しみじみと、言う。
「私もシロウも、昔はあの子がだんだん強くなっていくのが、楽しみでした。…今でもそうですが、あの子が闘いに囚われていくようで……。私とシロウの才を受け継いでくれて嬉しい反面、悲しくもあるのです……」
「――そう、あの子に秘められた潜在能力は、俺達夫婦を上回る…。今は兎も角、近い将来あの子は世界一――いや、【世界最強】の魔術使いに為れるかもしれない―――けど、それ以上に大きな何かを、背負うかもしれない…」
「――あの子の優しさが、唯一の救いであり、弱点でもあります。――あの子を支えてあげて下さい。あの子は私や士郎に似て、寂しがり屋なので…」
それは、子を想う親の気持ちの表れ。
士郎とアルトリアは、霧羽の未来に少しばかり不安を抱いていたのだ。
ネギと明日菜は、黙って頷いた。
「――未来の“俺”のようにはなるなよ、霧羽……」
嘗ての戦争で遭遇した、闘いに次ぐ闘いでボロボロになった正義の味方のなれのはてを思い浮かべ、士郎はポツリとそう言ったのだった。
――金属音。
甲高い、澄んだ音がその場を支配していた。
飛び交う手裏剣。
唸る斬撃。
物々しい刺突音。
――闘いの音が、その場に集約していた。
「―――疾ッ!」
霧羽の放った連撃が、目の前の楓を解体した。
――一瞬の内に血肉は影となり、霧散する。
影分身体である。
此れで十と四体目。
残りは二つ。
「―――ッ!?」
首筋に寒気が奔る。
反射的に首を逸らし、霧羽は身を屈めた。
――瞬間、
空いた空間を、大型の鉄刃が走り抜けた。
楓の放った、風車手裏剣である。
――動きの止まった霧羽。
其れを狙い、前方から忍者刀を構えた楓が躍り出る。
――しかし、其れさえも、霧羽は読んでいた。
収縮した筋肉の反動を利用し、霧羽はそのまま駆け出した。
向かうは――背後に居る楓。
――一方を囮にした、前方と後方の二方向からの、同時攻撃。
其の攻撃を、霧羽は読んでいた。
タイミングを完全に外され、慌てて二人の楓は速度を上げ、其々の獲物を掲げ同時に襲い掛からんとする。
――ギィン…ッ!
二重の金属音が、響く。
――見ると……二人の楓と霧羽の動きが止まっていた。
前方の楓の刀を剣で受け止め、後方の手裏剣を鞘で受け止めたのだ。
――霧羽の十八番、【見切り】である。
父譲りであるそのスキルを、鍛錬に次ぐ鍛錬で自らの技能へと昇華した形である。
――父母クラスの達人や予測不能レベルの化け物ならいざ知らず、その見切りの技は十分通用する物だ。
「――“天嵐衝鎚剣”」
回転。
上半身と足腰全ての筋肉を行使した、腰と二本の腕から放たれた凄まじい回転運動が楓達に襲い掛かる。
右に握られた運切の逆刃と、左手に握られた金属補強された鞘が――肉を裂き、骨を砕く。
辺りの空気が渦を巻く。
――その姿は宛ら、暴風の如く。
――攻撃をまともに喰らい、楓達は木の葉の如く空を舞い、吹き飛ばされた。
一方は限界を超えたらしく空中分解し、一方は――傍の大岩にしこたま叩きつけられた。
――何かが砕けるような、奇妙な音が楓の肉体から響いた。
「――ヤバッ!? やり過ぎちゃった!」
急いで構えを解き、霧羽は大慌てで楓に駆け寄った。
今の音からすると、首がイカレていてもおかしくないのだ。
「大丈夫!? かえ――」
動きが固まった。
――何故なら、
其処に居たのは、忍者装束を身に纏った【へのへのもへじ】さんだったからだ。
ご丁寧にも、導火線まで付いていた(勿論火も点いている)。
「―――へ?」
辺りが、爆光に包まれた。
「――確かに、あの子は強い。しかし……」
「……しかし?」
士郎の意味有り気な言い方に、ネギが問い返した。
何時の間にか、場所は茶の間に移動している。
お茶と煎餅が、二人の前に置かれていた。
「「………へっぽこ(だからなぁ)(ですから)」」
夫婦は、しみじみとユニゾンした。
――遠くから、何かが爆発するような音が聞こえてきた……
「――“変わり身”&“微塵隠れの術”でござるよ。ニンニン♪」
ぼこぼこ、と地面が波打ち、中から竹筒を持った楓が這い出てきた。
咄嗟に爆弾人形と入れ替わり、地面に隠れたのだ。
――如何やら爆弾は見かけ重視だったらしく、光と爆音の割には、威力は皆無だった。
「――念の為、火薬を減らしておいて良かったでござる。まぁ、気絶は免れぬでござろうが……此れも勝負、勘弁でござる」
パンパンと土を払い、楓は爆心地に向かった。
――其処には、
頬を膨らませた霧羽が仁王立ちしていた。
少し焦げているのは、ご愛嬌。
「楓ちゃん、酷いよ! すっごく心配したのに……もう勘弁しないからね!!」
「いや、何で無事なんでござるか? 殺傷力は皆無とは言え、気絶は免れぬ威力の筈でござるが……」
ぷんぷんと可愛らしく怒る霧羽に、楓が冷や汗を垂らしつつ言った。
霧羽は何だそんな事かと――
「地面に伏せて耳を塞いで、口を開ける。爆発の衝撃から身を護る、基本法だよ。――其れに、お父さんとお母さんの仕掛ける罠に比べたらあんな爆発……」
遠い目で、ふっと笑う霧羽。
楓は何とコメントして良いか、解らなかった。
「――まあ、其れは良いとして。楓ちゃん、このままじゃ埒が明かないから……次でけりを付けない?」
「――良いでござるよ」
言葉を交わし、二人は素早く距離をとった。
霧羽は鞘に刀を収め、抜刀の構えを――
楓は忍者刀を抜き、重心を前に傾ける構えを取る――忍具は全て使い果たした。
「――いざ…」
張り詰めた霧羽の声が――
「……尋常に…」
無の気合を込めた楓の声が――
「「―――勝負ッ!!」」
唱和した!
二人の背後で気合が爆発し、空気を掻き回す。
一瞬の内に、両者の距離が詰められ――
「――教えてあげるでござるよ、霧羽殿! 抜刀術の欠点――其れは…」
忍者刀を振りかざし、楓は更に踏み込み――
――其れを視認した霧羽は、高速で剣を抜き放ち、撃ちつける。
其れは正に、神速の一撃。
「―――疾ッ!」
――一瞬で、逆刃に叩き伏せられた。
「…………ッ!?」
そう――忍者装束が。
楓の上半身を覆っていた忍者装束が、運切の刃に纏わりついていた。
――踏み込むと見せかけて、脱いだ装束を霧羽に抛ったのだ。
「――初撃さえやり過ごせば、後は無防備。外せば二度目は無いでござる!」
さらしを巻いただけという、あられもない格好で見得を切る楓。
改めて踏み込み、渾身の一撃を放たんとする。
――楓は、勝利を確信した。
「貰ったでござるッ!」
――しかし、
「――百も承知、だよ。楓ちゃん」
衝撃が二度、楓の体に突き刺さった。
一度目は右わき腹に決まり、二度目は顎を掠めた。
「…………ぐ、はぁ……」
肺臓から息が全て強制的に排出され、一瞬詰まる。
四肢は刹那の間に力を失い、――膝を附く。
何とか意識は失わずに済んだが全ての感覚が麻痺し、指一つ動かせない。
ぼやける視界には、霧羽が映っていた。
――鞘を携え、右足を振り抜いた霧羽の姿が。
「……“神隼双翼剣”。例え一太刀目を躱せたとしても、追撃である鞘の二太刀目、反動と勢いを利用した右後ろ回し蹴りの三太刀目が、確実に敵を仕留める。 ……読みが甘かったね、楓ちゃん」
霧羽はゆっくりと楓に刃を向け――
「――拙者の負けでござるよ」
「――ん、私の勝ちだね」
仕舞った。
二人は、晴れ晴れとした笑顔で、お互いを見詰めるのだった。
「――しかし、今のはちときつかったでござる。……アバラに皹が入って無ければいいが…」
「御免御免。もし入ってたら、良い医者紹介するから。【五 龍朝】って言ってね、若いけど腕はピカイチ。骨折くらいなら三日で直せるんだよ」
日暮れの道、未だ回復しない楓を背負った霧羽が、歩いていた。
二人とも、いい笑顔だ。
「……龍朝? もしかして、その御仁は奇妙な白衣を着ているのではござらんか?」
「そうだけど、何で楓ちゃん、龍兄さんの事知ってんの?」
「いや、実は此処だけの話……風香殿と史伽殿が………」
「え? 何々……」
その後、二人はこの話題で大いに盛り上がったとの事だ。
――後日、霧羽が鳴滝姉妹に【協力するよ♪】と笑顔で言ったそうである。
……龍朝、確実に外堀が埋められているぞ。
――麻帆良学園都市、路地裏。
夕食時にも関わらず、その男はその場所に居た。
何故なら、
「リチャード~。何処に居るのですかリチャード~。お母さんが心配していますよ~」
――人探しならぬ猫探しをしていたからだ。
男――ヘダタリ――は、顔馴染みになった近所の野良猫【フランソワーズ (三毛猫 メス)】に頼まれ、居なくなった息子のリチャードを探しているのだ。
聞き込み(勿論猫に)によれば、この辺りに居る筈なのだが…。
――すると、
ミャー、ミャー、ミャー……
薄暗がりの中から、子猫の声が聞こえた。
ふと見ると、其処に誰かが立っていた。
顔は良く見えないが、多分女性。
暗闇でも映える長く美しい緑髪が、印象的だった。
――その女性の腕に、一匹の子猫が抱きかかえられていた。
件のリチャードである。
川にでも落ちたのか、二人ともずぶ濡れだった。
女性の上着らしき布が、リチャードを凍えさせないよう、優しく包んでいた。
「――リチャード!? ああ、無事で良かった。お嬢さんが、この子を? どうも有り難うございます。――親猫に代わって、お礼を申します。本当にどうも有り難う!」
一気にそう捲し立て、ヘダタリは深々と頭を下げた。
「――いえ、別にそんな…」
戸惑ったように、言う女性。
「――ご謙遜を。貴女ような人に会えて、私もリチャードも嬉しく思います。……おや?」
ヘダタリは不意に言葉を止め、懐からハンカチを取り出した。
「――失礼」
自らの上着を脱ぎ、女性の肩にかける。
子猫を受け取り、ヘダタリはハンカチで女性の頬を拭った。
「頬に大きな泥痕が。可愛いお顔が台無しだったので、出過ぎた真似をして申し訳ありません。――気に障ったようなら、謝罪を」
女性は、何も言わない。
ただ無表情に、ヘダタリを見詰めていた。
子猫を包んだ上着を丁寧に畳み、女性に手渡す。
「――本来なら、洗って返すのが礼儀なのですが―――生憎私の住んでいる所には洗濯する場所が無いので……すいませんが」
再びヘダタリは頭を下げ、
「では、私は此れで。――そろそろ夜も近いので、お早めにお帰りを」
最後に微笑を返し、ヘダタリはその場を去った。
――残されたのは、一人の女性のみ。
暫らく呆然とし、女性はふと自分の肩にかかった上着を見た。
内側に、金色の刺繍が施されていた。
【HEDATARI】
何故かローマ字で。
「……ヘダタリ、さん…?」
女性――真祖の従者【絡繰 茶々丸】――は、ポツリと呟いた。
何故かは、解らないが。
「……ふ~~む…。何処かで見たような気のする方でしたけど……気のせいですかね?」
子猫を抱え、何時もの空き地に向かうヘダタリは、首を傾げていた。
――実は彼、軽い近眼&夜目が利かない。
その為、調査の過程で知っている筈の茶々丸に、全然気が付かなかったのだ。
「――ま、いいです。大した事でもないでしょう。――さて、今日は近所のパン屋さんから貰ったパンの耳が大量に有るので、ご馳走ですよ~」
ヘダタリはルンルン気分で家路に着くのだった。
……哀れだ。
――翌日、女子中等部校舎。
人気の無い、その中を二人の少女が歩いていた。
ご存知、鳴滝風香・史伽姉妹である。
「う~、痛いよぉ…」
「だ、大丈夫ですお姉ちゃん! かすり傷です!」
涙目で膝を押さえる風香、其れを励ます史伽。
部活の途中で、転んで擦り剥いたのだ。
「保険の先生、居るといいですけど…」
二人の目前には、【保健室】と札の掛かった一枚のドアが。
史伽はゆっくりと、ドアを開けた。
――其処には、
「――何か用か……って!?」
先日出会った少年が居た。
中華風の白衣を身に纏い、椅子に座っている。
――三人の時が、止まった。
「……ま、取り合えず…」
沈黙を破ったのは少年――龍朝――だった。
棚から消毒薬と絆創膏を取り出し、
「――先ずは治療だ。挨拶は、その後な」
にかっ、と子供のように笑う。
風香と史伽も少し顔を赤らめ、同じ笑みを浮かべた。
――三人とも、心からの笑みだった。
――さて、決闘は取り合えず姫騎士の勝利と終わりました。
安らぎに満ちた休息の日々は終わり、新たな時が刻まれます。
はてさて、この先には何が待っているやら
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