プロローグ(前編) 投稿者:伯約 投稿日:04/23-12:11 No.374
魔界……。
それは宇宙に蔓延る邪悪な世界。
闇に魅入られた禍々しき者どもが本能のままに生きる
無秩序なる魔の大地……。
魔王と呼ばれる権力者たちの手で、
支配、滅亡、復興、分裂を繰り返し、
宇宙に終わりなき混沌をもたらしていた。
そこはどんな海よりも深く、どんな闇よりもくらい場所にあるという。
彼の地がどこにあるのか。
それは定かではない。
しかし、誰しもが心の奥底でその存在を信じ、畏れていた。
それが魔界―。
天界、そして、人間界と共に三界を構成する邪悪な闇の世界。
長い間、そう信じられてきた。
だが、一連の事件がそれを変えるきっかけとなった。
魔王クリチェフスコイの死から始まる事件と、その息子ラハールの戴冠。
そうして、魔界そのもの、そして、三界を取り巻く状況は変わりつつあった。
だが変わらないものもあった。
魔界と人間界は天界と違い、数え切れないほど存在し複雑に絡み合っていた。
この物語はまた異なった人間界を舞台としようとしていた。
そして、新たにまたひとつ魔界の闇に飲まれようとしている……。