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第4話 歓迎 投稿者:八尾 投稿日:06/24-15:12 No.2593
「かわいかったね~ネギ君!」
「授業つぶれちゃってちょっとかわいそうだたけどね」
「アスナといいんちょ、ホントよくけんかするわね~」
今日の授業が終わり、現在柿崎、釘宮、椎名のチア3人娘と一緒にネギ先生の歓迎会の買い出しの帰りだ。
といっても何を買うのかはこいつ達が決めて俺はそれを持つ係だったため、大量の荷物のうち彼女たちは一番軽い袋をそれぞれ一つずつ持っているだけだ。まぁ別にいいけど。
3人が話す話題はネギさんと今日の授業のこと。
結論から言ってネギさんの最初の授業は全く進まず終わった。
彼が黒板に何かを書こうとしたら神楽坂が黒板消しの件を確かめるためにちょっかいをかけ、それを雪広が先生に知らせたら彼女の頭に飛んできた筆箱が直撃。
それをゴングに再び二人が喧嘩を開始し、チャイムが鳴って終了。
ネギさんには悪いが、やっぱりこうなったかと思ってしまった。
「ね、先生もそう思いますよね?」
少し朝のことに思いを浸っていると急に釘宮が言ってきた。
「ん?」
首を傾げる。何だ?
「って先生、聞いてなかったでしょ?」
ため息混じりに聞いてくる。
「すまんな、ボケッとしてた」
「はぁ~、また空でも見てたんですか?」
「まぁそんなところだ」
俺の空好きはこの世界に来てからも変わっておらず、よく空を眺めてぼんやりとする事が多い。
そしてそのことはクラスの全員がすでに承知である。
おそらく学校だけでなく帰る場所も一緒なので、他の先生よりも生徒との交流が深いのが原因だろう。
実際俺も寮に住んでいる奴の好き嫌いは一通り把握しているしな。
ちなみに本来女子寮に男がいれば彼女たちから文句が出るのが普通だが、中一から一緒にいるためか俺は異性ではなく兄として見られており、今のところ苦情が来たことはない。
あと名字を呼び捨てにしているのは、俺から見て彼女たちは妹のようであったため、自然にそうなった。
「で、何の話だ?」
「ネギ君の事ですよ。やっぱりちょっとかわいそうだったかなぁって」
「ああ、そのことか。まぁしょうがないだろ。あのクラスを始めからまとめられる奴なんてそうはいないぞ。ましてや彼は子供だ」
「ははは、確かにそうですね」
苦笑する釘宮。
「お―――い、早く――――っ」
いつの間にか先に行ってしまっている柿崎と椎名。
釘宮と話している間に離されたらしい。
向こうで椎名が手を振っている。
さて、ネギ先生が今日の失敗を忘れるくらいいい歓迎会にしようじゃないか。
そう思いながら俺は足を早めた。
「ファンタのグレープある~?」
「私の分のクラッカーは?」
「シャンパンは私がやるわ」
ネギさんの歓迎会の準備中。
皆にジュースやクラッカーを配る。
「ネギ先生が来たよ~」
「来たですよ~」
偵察に行っていった双子が知らせにきた。
しばらくして扉が開き、
ネギさんと神楽坂が入ってきた。
「ようこそ!ネギ先生――ッ!!」
パンパーンとクラッカーが鳴り、辺りに紙吹雪が舞う。
俺もそれと同時にネギさんの方に持っていた紙コップを少し上げてから中に入っているコーラを飲んだ。
ちなみに俺の横にはタカミチさんと源先生が並んで座っている。
「それでネギ君はどうだい?きちんと授業の方できていたかい?」
タカミチさんが聞いてきた。
「少なくとも彼は頑張っていましたよ」
実際はどうなのか言わない。
このクラスの担任だったのだ。授業がどうなったのかは見当が付いているはずだ。
「ハハハ、そうか」
彼もそれ以上何も聞かず笑う。
しばらく話しているとネギさんが近づいてきた。
「やぁネギ君、初日の授業おつかれさまだったね」
「ごくろさん」
タカミチさんと一緒に彼に労う。
「あ、タカミチと十六夜さん、しずな先生まで―――」
とネギ君が挨拶をしようとすると、
ゴスウッ!
「へぶっ!!」
神楽坂が彼の背中に思いっきり肘打ちをしてきた。
すごい音がしたが大丈夫かよ。
その後二人は何やら相談っぽいことをした後神楽坂は向こうへ行った。ただしこちらを凝視しているが。
そしてネギ君は、
「ところでタカミチ」
「え?」
タカミチさんの額に手を当てて、
「アスナさんのことどう思ってる?」
ガシャーンと向こうで神楽坂が転けた。
何なんだ?
その後タカミチさんが、
「ど、どうって、うーん…毎朝バイト頑張って‥しっかりしてるし‥明るくて元気ないい子だよな」
と答えると、
「ふむふむ」
と言って向こうへ行ってしまった。
マジで何なんだ?
「センセー方、こんにちはー」
別の方から朝倉、村上、長瀬が来た。
「楽しんでいるでござるか~」
「写真一枚いいですか?」
「ええ、いいわよ。そう言えば村上さん、演劇部頑張ってるそうね」
「いや~それほどでも、ハハハ」
源先生の言葉に少し照れたように笑う村上。
朝倉は俺たちの写真を撮るとまた別の奴を撮りに向かった。
しばらく先生方や生徒達と話をしていると、
「ネギ先生をご覧になりませんでしたか?」
雪広がやって来た。
「いや、見てないぞ」
言われてみれば何処にもネギ君の姿はない。
「そういえばアスナを追いかけて教室から出て行ったよ」
俺の隣でまんじゅうを食ってた椎名が情報を出した。
「アスナさんとですって!わたくし、探してきますわ!!」
そう言って教室を飛び出て行く雪広。
「私もいくー」
それを追う椎名。
「なになにー」
「ネタか!」
「私も行くアル~」
そして鳴滝(姉)、朝倉、超がそれに続いた。
「ハハハ、みんな相変わらず元気だね~」
タカミチさんがそれを見て笑っている。
どうでもいいが、片付けまでには帰ってこいよー。
結局歓迎会は夜まで続き、後かたづけを終わって帰路についたのは八時をまわっていた。
「谷川先生」
呼ばれたので振り返るとそこには一本の木刀を持った少女、桜咲刹那。
ちなみに持っている木刀は偽装された野太刀「夕凪」だ。
そしてその横には褐色の美女、龍宮真名。
肩にバイオリンケースを下げているが、中にはバイオリンではなく銃が数丁入っている。
先ほど俺に声をかけたのは桜咲の方だ。
「どうした?桜咲」
「はい、実は今日来たネギ先生がお嬢様と同室と聞いたのですが」
「ああ、そのことか」
お嬢様とは近衛の事である。
詳しいことは知らんが桜咲と近衛は幼馴染みで、現在桜咲は近衛を影から護衛する立場にある。
そのため近衛に同居人が増えれば、当然新しく入ってきた奴のことを警戒しなければならない。
「はい、学園長は大丈夫と言っていましたし、おそらくその通りなのでしょうが、一応先生の意見も聞いておこうと思いまして」
「そうか」
こうやって頼ってくれるのは俺的に嬉しく思う。
これも二年間の積み重ねの結果といえよう。
「そうだな、彼の経歴と今日見た限りでは大丈夫だ」
「そうですか」
少しホッとしたような顔になる。
おそらく子供であるネギ君を疑うのは後ろめたい気持ちがあったのだろう。
「ま、もしそうだとしても、もうしばらくは行動は起こさないだろう」
万が一のことも考えて答えておく。
「もしもの時は先ほどの言葉の責任として俺も協力しよう」
「……ありがとうございます」
やはり彼が何処からかの刺客だとは考えたくはないようだ。
「ま、しばらく様子を見よう」
「はい」
それから彼女たちは別の用事があると言って俺と別れた。
電車から下りて学生寮に着く。
俺の部屋は管理人室なので一階にある。
「ただいま」
ドアを開け中に入る。
少し進むとリビングがあり、そこには―――
女性が一人、寝転がりながらファッション雑誌を読んでいた。
「おかえり、遅かったわね」
そう言って彼女はこちらを向いてにっこりと笑った。
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