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英雄のタクティクス その五 初武具取得(×FFT) 投稿者:かい 投稿日:04/09-04:44 No.176

「……というわけで、住む所が決まるまでココに泊めていただけませんでしょうか?」



あの後一騒動あったが、緑髪の少女が二人をなだめたおかげで、なんとか話し合えるくらいまで落ち着いている。

とは言っても、ラムザはまだ少しだけ警戒しているし、吸血鬼は妙なマネをすれば殺す。と言ったオーラを出しているのだが。



「……やっぱりダメでしょうか?」



「当たり前だ! 爺の知り合いかなんか知らんが、さっきまで敵だった奴を泊められるか!」



そう怒鳴りながら吸血鬼は先程ラムザが渡した紹介状を読んでいる。

どうやら途中の『泊めてやれ』くらいまでしか読んでいないようだ。



「大体だな! 女性の家に男性を寄越すとは、あの爺も何考えて……」



『そのラムザ君は明日から教師になる男じゃ。泊まる所が無くて困っとる。

明日までにワシが探しておくから、今日だけ御主の家に泊めてやってくれ。

断ったら、御主が麻帆良に来る事になった経緯を報道部あたりに喋るからの。

(もちろん魔法の事は伏せておくがのう)  by近衛 近右衛門』



最後のほうまで読んで吸血鬼は固まる。

ココに来る事になった経緯を報道部に喋られる=学園全体にソレを知られる。という事になる。

そんな事になったらもう登校などしたくない。いや、元々したくは無いのだが。

しかし登校したくなくてもある呪いのせいでそれは叶わない。





生き地獄である。





今まで死なない体を何度も呪ったが、これはもう別次元の辛さである。

そんな事にならないで欲しい。いや、するわけにはいかない。



「で、でもまぁ泊まる所が無いと困るだろう。一晩だけなら泊めてやらん事も無いぞ。いや、むしろ泊まっていけ」



「え?」



数秒前とは180度違う返答にラムザは驚く。

すでに野宿を覚悟していた所に、思わぬ幸運と言った所か。



「さっきダメって言っていたんじゃ……?」



「やかましい、良いから泊まっていけ。茶々丸、空いている部屋に案内しろ」



「はいマスター」



「(一体何が書いてあったんだろう……)」



なんだかよく解らないが、泊めてくれると言うのだからお言葉に甘えておく事にするラムザであった。



今日は色々あった。いや、ありすぎた。

ラムザは疲れていたこともあり、その日はすぐに寝させてもらう事にした……。



「皆今ごろどうしてるかなぁ……」










そして次の日……。



ラムザは朝日が昇って間もない頃に起きる。

昔からの習慣であるし、それはこの世界に来ても変わらない。



起きてから、ラムザはすぐに着替えようとしたが、荷物が聖石以外に無い事を思い出し苦笑する。

仕方が無いので昨日の格好のまま、ラムザはログハウスの外へと出た。



外にでたラムザは、近くの木から、できるだけ持ちやすく大きい枝を選びソレを折る。

そして折った枝の先端を持ち、ブン、ブンと降る。そして降る数に応じて、一、二……と言っている。

どうやら素振りをしているようである。枝は剣の代わりなのだろう。








ブン ブン ブン ブン……



何時間経っただろうか。

ラムザが丁度千回目の素振りを終えた時、ログハウスの中から声が聞こえてきた。



「おいラムザ! どこだ!」



吸血鬼の声だ。

おそらく起きたらラムザが居なかったので、探しているのだろう。



「外にいますよ!」



ラムザはログハウスまで聞こえるよう、大きな声で言う。

その声に驚き、鳥が何匹か逃げていったが、ラムザは気にしない。



外に居ると伝えて数秒後、扉をバン! と開ける音がしたと思ったら、頭に鈍い衝撃が走った。

涙目になりながら扉の方を見ると、吸血鬼が扉の所に立っている。そして足元には自分の荷物袋(聖石入り)が。

どうやらコレを投げつけられたようである。



「い、イタタタ……。なんですか?」



「貴様、教師になるらしいな。ならさっさと学校に行ったほうが良いぞ」



素振りに集中していたから解らなかったが。結構時間が立っていたようである。

ラムザは吸血鬼に言われたとうり、初日だし、早め行く事にした。

荷物袋を持ち上げ(と言っても聖石が一つ入ってるだけだが)枝を茂みに放り捨てる。





ラムザは行く前に、吸血鬼に泊めてくれたお礼を言おうとした。

だが、すでに吸血鬼はログハウスの中に戻ってしまっていた。



「相当嫌われたみたいだね……」



ラムザは苦笑しつつも、昨日来た道を再び歩いて行った。











人というのは大勢でいると強くなった気になる。

実際人が多いほうが戦力が高くなる場合がほとんどだ。

こちらの方が人数が多い。という優越感も精神的に優位にさせる。



しかし、数が少ない方が勝つ事がある、というのも否定はできない。



要は気の持ち方や、戦略の問題である。

戦国時代の織田○長然り、兵法然り。



そしてココにも数が多くて強くなったつもりでいる者達が数名。





「なぁお嬢ちゃん達。俺達と遊ばんか?」



「い、いや……」



「おー? 聞こえんな」





早い話が不良達である。

頭をリーゼントにしたりスキンヘッドにしたりと、なんともベタな不良達が女の子四名に絡んでいるのを、学校に向かう途中のラムザが発見した。

リーゼントやスキンヘッドは見たこと無かったが、女の子達が不良数名に囲まれているのは解る。

そんな光景を見て無視できる程、ラムザは冷たくない。むしろ積極的に助けようとする人物である。

良く言えば正義漢。悪く言えば甘ちゃんである。





「俺達がいいとこ連れてってやるぜぇ? なぁ遊ぼうぜぇ」



「(誰か助けて……)」

「(変な頭だなぁこの人達……)」

「(たまに早く登校したらこれやもんなぁ……)」

「(…………)」



怯える者一名、現実逃避する者二名、何を考えてるのか解らない者一名。

そしてソレに絡む不良ざっと八名程。





「なぁ~、遊ぼっ……ぜ!」



突然、絡んでいた不良の一人が前のめりに倒れる。

倒れた後、その不良は股間を抑えてうめいている。

その場にいた全員が振り向いた。

するとそこには……。



「女の子に強引に寄り付くなんて、みっともないよ」



倒れた男がいた場所のすぐ後ろにラムザが立っていた。

どうやら不良の一人は股間を蹴られて悶絶してしまったようである。





「テ、テメエ! そんな事して唯で済むと思うなよ!」



そう言うと、その不良達は一斉にラムザに襲い掛かってきた。











勝利条件  すべての敵を倒せ!



READY!







ラムザとて元傭兵である。かつての力を失っていても、こんな不良達にやられる程弱くは無い。

ラムザはまず、向かってきた一人の拳を軽く避け、足を引っ掛ける。



足を引っ掛けられバランスを崩した不良は、他の不良に激突し、揃って転倒してしまう。



今度は、同時に向かってきた三人の不良の攻撃をバックステップで避ける。

避けられてしまった不良達は慣性の法則の通り、そのまま三者激突。仲良く倒れてしまう。



あっという間に五人、しかも手を使わず倒してしまったラムザ。

離れた所で見ていた女の子達はすでにポカーンとその様子を見ていた。






「……こ、この野郎!」



残りの不良達がそう言うと、胸元から銀色に光る物を取り出す。

ナイフだ。



だがラムザはそのナイフを見ても、何も怯む事は無かった。

むしろ先程より余裕たっぷりな顔である。

本物の戦場をいくつも見てきた彼は、最早ナイフなどでは驚いたりしないのである。



ラムザは足元から小枝を拾い、コレで十分と言わんばかりにソレを構える。





「馬鹿が! そんなもんで何ができるんだ!」



そう言って不良の一人が、ナイフをラムザに向けて刺そうとしてきた。

だが……。



「な……!?」



不良の刺そうとしたナイフは、ラムザの腹部では無く、彼がが持っていた小枝の先端に刺さっていた。

そのままラムザは小枝でナイフをいなし、弾き飛ばしてしまった。



「まだやる気かい?」



小枝を不良の方へ向け。ラムザは聞く。

その様はまるで、剣を相手の喉元に突きつける剣士の様である。



「ひっ……ひえぇー!」



ラムザの一言を受けた残りの不良は、倒れた仲間の事も忘れ、逃げていった。

そしてラムザの戦う様を見ていた四人は、相変わらずポカーンとしていたとか。



「武器確保、かな……」






CONGRATULATIONS!

THIS OPERATION IS COMPLETED!





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ジャックナイフ











続く……。

英雄のタクティクス 英雄のタクティクス その六 戦友の苦難

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