HOME
| 書架
|
当サイトは「魔法先生ネギま!」関連の二次創作投稿サイトです。ネギま!以外の作品の二次創作も随時受け付け中!
書架
英雄のタクティクス その十 すれ違い(×FFT) 投稿者:かい 投稿日:04/09-04:47 No.181
「さて……ネギ君はどこかな?」
それほど深くない森の中を歩きながらそう呟くラムザ。
あの後のどかを、怪我は無かったようだが、いちおう保健室に連れて行こうとしたのだが、なぜか頑なに拒否されてしまったのであった。
そして保健室に行くことを拒んだ後、のどかはなぜか走って何処かへ行ってしまった。
元気なようだし、本も忘れてなかったから別にいいのだが。
結局一人残されたラムザは、ネギにお礼を言うべく、彼が消えた森の中を探し回っていた。
ついでに、のどかが去り際に言っていた、歓迎会とやらにも誘うため。
まぁ、森と言っても道と森の境目になっている所なのだが。
「こんな所で何をしてるんだろうなぁ…………ん?」
何やらブツブツ言っていると、何処からか人の声がするのをラムザは感じた。
「消えろー!」
「キャー!?」
パシュウウウゥゥ!
声がする方に近寄ってみたラムザが見たのは、下半身が完全に裸になっているツインテールの女の子と、なんか気まずい顔をしている十歳程の少年。
何処かで見たような光景だ。それも今日。ついさっき。
しかし、その時とは何かが足りなかった。
そう、ある人物が……。
「あれ? 君は……ラムザ君」
「あ、タカミチさん」
足りない人物が現れた。
ちなみにこの二人、今朝の騒動の時の後、学園長室に向かう途中でお互い自己紹介を済ませてしまっていたりする。
「こんな所で何やってるんだい?」
「いやぁ、ネギ君を探していたらこっちから声がしまして。そうゆう貴方は?」
「僕も声を聞きつけてやって来たんだが……」
二人の場所から見える光景は、ちょっと、いやかなり声が掛け辛い状況になっていた。
しかし、現実逃避していてもしょうがない。
お互い顔を一瞬だけ見合わせ、頷く。
あまり交友が無い上に年も離れているし性格もかなり違う二人が、よく暗黙の了解を取れるものである。
おそらく、この異常なる光景がそうさせているんだろうが。
「すいません、間違えちゃ「そこの二人、何やってるんだ(ですか)?」
同時に顔を出す教師二人。
一瞬の沈黙。
そして……。
「ひ、い……いやぁああああああああ!!」
明日菜の大絶叫が、麻帆良の町に響いた。
それはもう町中の鳥が一斉に逃げ出すくらいの音量で。
そして……。
「す、すいません。記憶を消そうとしてパンツを消しちゃいました……」
「記憶のほうが良かったわよぉー!」
先程とは場所が変わって、学園都市の広場(らしき所)。
タカミチは"行くところがあるから"などと言って何処かへ行ってしまった。
一方ラムザはまだ一緒にいたりする。
元々彼はネギに用事があったのだ。いても問題は無い。
下着を消す魔法など在っただろうか。
ラムザは二人を眺めながらそんな事を考えていたりする。
途中、ノー○ンやらパイ○ンなどと聞こえた気がするが、ラムザの耳は本能的にソレを遮断した。
しかし考えるのは後にして、暴走しかけている明日菜を止めなくてはいけない。
「ま、まぁまぁ。落ち着いてください神楽坂さん」
「コレが落ち着いていられますか!」
どうも興奮怒りが収まらないようである。
こういう相手は、興奮が収まるまで放っておくに限る。
とりあえず無理矢理にでも話題を変える事にしておこう。
「と、ところでネギ君。さっきは宮崎さんを助けてくれてアリガトウ」
そのラムザの言葉に、ネギは青ざめた。
それはそうである。明日菜に続いて二人目の目撃者が出てしまったかもしれないのだ。
「あ、いや! アレはその……!」
誤魔化そうとするネギ。
そんな事を知ってか知らずか、ラムザは話を続ける。
「その年で魔法を使えるなんてね。やっぱり将来は魔導師志願なのかい?」
「え?」
多少の違和感は感じたものの、この青年の言っている事は、まるで魔法を知っているようである。
魔導師……。マギステルマギの事だろうか?
「えっと……ラムザさんって『こっち側』の人なんですか?」
「こっち側?」
残念ながら、ラムザが居た世界に『魔法を一般人に隠す』という概念は無かった。
従って、ネギに『こっち側』と言われても何の事かさっぱり解らない。
「……?」
「……?」
しばし無言になる二人と、相変わらずヒステリックを起こしているが無視される少女が一人。
関係無い者から見れば、中々おかしな光景だ。
「と、ところでネギ君。これから教室で歓迎会があるらしいんだ。そろそろ準備も終わってるだろうし、行って見ないかい?」
とりあえず再度話題を変えるラムザ。
おそらく、これなら話が変な方向にそれる事は無いだろう。
「歓迎会ですか? いいですね。行きましょう」
話題の変更に成功。とりあえずはだが。
とにかく、ひとまずこの場では歓迎会に行く事に決まったので、二人は教室へと戻る事にした。
戻ろうとしたら、後ろから"無視するんじゃないわよー!"とか聞こえてきたが、その声の主もちゃんと着いて来ているようなので気にしないでおいた。
もっとも、ネギと明日菜は途中で"ホレ薬"だとか"読心術"などと二人でコソコソと話していたが。
「(さっきの事は又いつか聞こう……。この子天才少年らしいからこの年で魔法使えてもおかしくないし)」
「(ラムザさんも魔法使いなのかな……。だったらわざわざ口止めする必要も無いよね……)」
「(高畑先生……)」
各々がそれぞれの想いを秘めながら、三人は教室へと向かっていくのだった……。
続く……。
HOME
| 書架top
|
Copyright (C) 2006 投稿図書, All rights reserved.