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英雄のタクティクス その十一 情報と予感(×FFT) 投稿者:かい 投稿日:04/09-04:48 No.182

「…………」



湖に浮かぶように建てられた巨大図書館、通称『図書館島』。

昔、戦争からの戦火から本を守るために建てられたと言われるこの図書館には、実に様々な本が集まっている。

生徒の間では、手に入れるだけで頭が良くなると言う本がどこかにあるという都市伝説がある程、その内部は広い。



そしてその図書館島の比較的浅い階層に彼は居た。



「うーん。コレも違う……」



ラムザである。

彼は閲覧用の机に座り、脇に大量の本を積んでウンウンと唸っている。どうやら何か調べているようである。



実は先日の歓迎会で、図書館探検部と名乗る三人組にこの図書館島の存在を教えて貰った。

そしてラムザは、あるいはココなら自分が元の世界に戻る方法が見つかるかもと思い、次の日の放課後にさっそく捜索を開始したのである。



もちろん、こんなに広い図書館なのだ。一日やそこらで見つかるとは思っていない。

しかし他にアテが無いのだ。何日、何年かけても見つけなければいけない。

もっとも、その方法があるかどうかすら解らないのだが。

仮に見つかったとしても、あの水晶をすべて集めるまで帰る気は無い。



「コレも違う……。さて次の本は……」



ラムザが机に積んでいた本を本棚に戻しに行こうとしたその時であった。



「ラムザ先生」



誰かが声をかけてきた。

この図書館島の奥に人が来るのも珍しい。



ラムザが誰かと思い確認してみると、ソレは昨日この図書館島の存在を教えてくれた図書館探検部の内の二人であった。

成程、図書館探検部なら奥に来ていても珍しくない。



「綾瀬さんに早乙女さん。部活ですか?」



「ええそうです。先生はなぜココに居るなど色々聞きたい事もありますが……今はそれよりも重要な用があります」



「そうそう、学園長先生が呼んでましたよ。なんでも『例の物の情報が入った』って」



例の物……。そう聞いた途端にラムザは心臓が飛び跳ねるかと思った。

そうとわかればこんな事をしている場合では無い。

今は『例の物』を確保する方が最優先である。



「わかりました。連絡してくれてありがとうございます。では僕は急ぎますので……」



二人に一言お礼を言うと、ラムザは急いで本を片付け、来た道を戻っていった。

ラムザの後姿を見送った二人は、再び部活動を再会するのであった。



「それにしてもラムザ先生ったらこんなとこで何調べてたんだろ。それに『例の物』って何だろうね。んー、創作意欲が湧くわね」



「また始まったです……」










そして……。



「学園長先生。聖石の情報が入ったというのは本当なんですか!?」



「こ、これこれラムザ君。そんな急がなくても情報は逃げんよ」



扉を蹴破る勢いで入って来たラムザに少々驚きながらも、学園長は続ける。



「実はの、先日さっそく書類を引っ掻き回してみたらの。君が来た日と同日に大きな水晶を持った人物を見たという情報が

二つ見つかったんじゃ」



「ど、どこなんですかソレは?」



「ふむ、二つとも学園都市で見たらしいんじゃ」



さらに聞いてみると、二つの目撃情報は、それぞれ赤い水晶と青い水晶を見たと言うらしい。

という事は少なくともこの学園に少なくとも聖石は二つある事になる。



ただし、その目撃された水晶が本当に聖石ならだが。

しかも、なぜか持っていた人物の情報も入っていないという。

調べて貰ってなんだが、なんだか頼り無い話である。まぁ無いよりはマシだが。



「じゃあさっそく調べに行って……」



「まぁ待ちたまえ、学園長のワシが言うのもアレじゃが、この学園都市は広い。君一人では探すのは大変じゃろう。調査員に調べさせておくから

君は先生業に専念してくれたまえ」



「え……。いいんですか?」



「無理をされて仕事に影響が出たらコッチとしても困るからのう」



そういう事ですか。

ラムザは心の中でそう思い、学園長室を後にした。

もちろんお礼を言うのも忘れてはいない。



余談だが、戻る道の途中で生徒達に『アスナさーん!』と叫ぶネギの声と、生徒数名の足音が聞こえた気がしたが

『幻聴が聞こえるなんて、疲れてるんだな。ネギ君が皆に追いかけられる理由なんて無いしね。学園長さんの言うとうり、仕事に影響があるといけないし、帰って休もう』

という感じで済ましてしまったとか。










一方その頃、学園のどこかで……。



男が二人立っている。

その男達は何か人間には出せない、酷く禍々しい雰囲気をしている。



「……奴は見つかったか?」



「……はい、呑気に教師などしております」



しかし人間には出せない雰囲気が、なぜ彼らには出せるのだろうか。



「……あの学校か。あそこには厄介な者達ばかりだ。派手に動くわけにはいかんな」



「……人間共など、我らには問題ないでしょうに」



そう、例えば彼らが人間でなければ出せるかもしれない……。



「……馬鹿者。我らや『あの方』はそうして敗れたのではないか。人間を甘く見るな」



「……成程、肝に銘じておきます」



あるいはその雰囲気は、彼らの懐で光る赤と青の水晶のせいなのだろうか。

それとも……。









続く……。

英雄のタクティクス 英雄のタクティクス その十二 球戦の法制

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